2ntブログ

軽トラデート 


「やっぱり、自分の部屋に戻ると落ち着く。朱莉は好い女だもん」
「えっ、オレのことを信用していないの??」
「男女の仲って理屈じゃないでしょう??…奥様を愛しているのに私との時間も大切にしてくれる……私は疑り深いの。クククッ、汗を流すでしょう??」
意味深な言葉を残したシノは鼻歌と共にバスルームに向かい、戻って来ると顔を傾げて髪をかき上げながら嫣然と微笑む。
「どうしたの??私に惚れ直した??」
「軽トラの窓を開けて風で乱れた髪をかき上げたのは意識してだろう??」
「まだ、言ってる…そうだよ。タケは黒髪が好きでしょう??大切な男を悦ばせようとして自然と…癖になっちゃったかな」

「先に行っているよ。一緒に入るんだろう??」
「うん、そのために朱莉ンチを早くに暇乞いしたんだから……アンッ、濡れちゃう」

バスタブに浸かったタケは手足を伸ばして目を閉じる。
「ハダカンボの私に飽きたの??見たくないんだ、ガッカリだなぁ」
右手で胸の膨らみを覆い、股間を左手で隠したシノが目を閉じたタケを見て頬を膨らませて拗ねた振りをする。
「オレはシノんちでリラックスさせてもらえないのか、つらいなぁ」
「タケと二人でいるのが私の幸せだと知っているでしょう。そんな私を見ないなんて悲しいなぁ……クククッ、私を見ないタケに拗ねた振り。そんな私にリラックスできないと拗ねた振り、タケと一緒だと何をしても楽しい」

「おいで……」
しどけなく開いて伸ばした両足を閉じ、両手を開いて迎える仕種をするタケに誘われたシノは喜色を浮かべてバスタブを跨ぎ、両手を首に回して目を閉じ、口を尖らせる。
「大好きだよ」と囁いたタケが舌を伸ばして突き出した唇をつつくと、アァッ~と艶めかしい吐息を漏らして舌を伸ばす。
二人の舌が宙でつつき合い、絡み合わせてハァハァッと昂ぶりを感じ合うと唇を合わせて互いの口腔を出入りして欲情を貪りあう。
ジュルジュル…ウグッ、クゥッ~…押し付けた胸の膨らみがひしゃげるほどに変形することさえ、めくるめく悦びに変化して肌をまさぐりキスは濃厚さを増していく。

「イヤンッ、我慢できなくなっちゃう。立って、早く…洗ってあげるから何もしないでね。悪戯もダメだよ」
立ち上がったタケにボディソープを振りかけたシノは自らにも垂らして身体を擦りつける。
「泡踊りか、気持ち好いな……」
「えっ、なに??あわ、あわ何とかってなに??」
「えっ、あぁ、ゴメン。間違えた、忘れてくれよ」
「忘れてあげない。なに??なんなの??」
「絶対に怒らないでくれよ…ソープランドのサービスの一つで、男性にボディソープをかけて身体を密着させて洗うんだけど、女性の肌の感触を楽しむことが出来る」
「ふ~ん、他にはどんなサービスがあるの??」
「勘弁してくれよ」
「い~や、許さない。他にはどんなサービスがあるの??」
「自らの股間を使って腕や足を洗うのがたわし洗い。指を一本ずつアソコに入れて洗うのが壺洗い。マットを敷いて横たわった男にローションを振りかけてツルンツルン滑るように洗うのがマットプレイ。バスタブで男が縁に足をかけ突き出した股間をオシャブリしてもらうのが潜望鏡……もう、いいだろう」
「いやらしい……奥様も私もいるのに、いつ、行ったの??」
「もう、ずいぶん昔のことだよ。覚えちゃいないよ」
「ほんとう??奥様の代わりに問い詰めるのが私の役目」
「嘘じゃない。穴があれば竹輪の穴にでぶち込みたい若い頃のことだよ」
「ひどい、竹輪の穴にでも入れたいって……」
呆れたような表情のシノに向かって、「悪かった。今日は帰るよ、不愉快な思いをさせてごめんな」
「帰るって??怒るよ……満足させてくれないと嫌いになるからね…先に出て待っていてくれる??女は準備があるの??」

糸くず一本身に着けず素っ裸のままのタケはワインクーラーから取り出した氷を頬張り、極限近くにいた興奮を冷ます。
「今日の私はどう??」
「うわぁ~、スゲェ。ひれ伏したくなるほど色っぽい」
白い肌を朱に染めるのは風呂上がりのせいだけではなく、自らが用意した赤いオープンブラとショーツ、ガーターベルトとストッキングも真っ赤でタケを挑発する前に羞恥を感じたせいでもある。

「ムリしちゃった……恥ずかしい」
「似合っているよ。白い肌と赤いランジェリー、オープンブラも可愛いよ」
「このブラジャーは大きなオッパイじゃなくても着けていいのか不安」
「オープンブラに大きさは関係ないよ。それに大きくないかもしれないけど小さくはない、オレには丁度いい大きさだよ…エロ可愛くてシノの新しい魅力を発見した」
「ほんとう??言葉じゃなく態度、行動で証明してほしい??」
強く挑戦的な言葉を吐いたシノの声は震えを帯びて最後は聞こえないほど小さくなる。

ハァハァと息を弾ませて立っているのも辛そうなシノに手を伸ばすと、その手にすがるように近付いて目を閉じる。
チュッと軽いキスをするとシノの瞳は恨めしそうな光を宿し、タケはそれに応えるように囁く。
「可愛いよ。店でランジェリーイベントがあれば葵は永久ナンバーワンになるだろうな。それくらいエロかわいい……オレは嫌だけどな」
「どうして??」
「今でも競争相手が多いのに、永久ナンバーワンになったら相手してもらえなくなっちゃうだろう」
「ほんとに嫌な男。私がベタ惚れなのを知っているのに……足が震えるの、立っているのが辛い」

抱き上げたシノを真新しいベッドに横たえてオープンブラから突き出たオッパイの先端を口に含んで甘噛みする。
「ウッ、クゥッ~…気持ちいぃ。好き、大好き……」
タケの背中に回した両手に力を込めて、
「しばらくこのままでタケを感じたいの……アァッ~ン、身体の震えが止まらない」

軽トラデート


「フゥッ~、積み終えたから朱莉に連絡するね……もしもし、もうすぐ出発するよ……うん、気にしなくていい。15分くらいで着くと思うから、改めて電話する」
「冷たいモノを飲みたいけど、栞さんちまで我慢するか」
「うん、お茶も出さないってことはないだろうからね。でも、長居しちゃ嫌だよ」
「新しいベッドで早速……シノの相手をするのは大変だ」
「嫌だって言うの??」
「クククッ、可愛いなぁ…行くよ」
軽トラの荷台に積み込んだソファベッドを留めたロープを確かめた男はシノに声を掛ける。
バタンッ、バタンッ、ドアを閉めて朱莉の住むマンションをカーナビにセットした男はシートベルトを留めて軽トラを発進させる。

「タケに初めて会った時はこの軽トラに乗っていた。今日は軽トラデート、楽しいな」
「デート、違いねぇか。それじゃぁ、あとでドライブしようか??」
「軽トラドライブは今度、今日は午前中に届いたベッドの感触を試す約束だよ」
「クククッ、やっぱり、可愛いなぁ……」
「タケに可愛いって言われるとウキウキするけど、お店でお客様に可愛いとか美人って言われるとバカにされているような気がして、イラッとすることがある」
「おっ、怖いな……分かるような気がする。見た目だけじゃなく中身を見ろよって事だろう??」
「そうだよ……それはそうと、この間の電車、面白かったね」
「クククッ、オレはシノの言葉に大笑いしちゃったよ」

須磨シ―ワルドに行きたいというシノは帰りに寄りたい店があるから、車じゃなく電車が好いと言い、男はそれを承諾した。

つり革を掴んだ男に手を添えてシノは身体を支える。
ガタンッ……「きゃぁ~、あっ、ごめんなさい」
そばにいた女性が電車の揺れから身体を支えるために男の腕を掴む。
「大丈夫ですか??」
「ごめんなさい」
「どうしたの……」様子の分からないシノは言葉を交わす二人を覗き込むようにして男に声を掛ける。
ガタンッ……「きゃぁ~、二度もごめんなさい」
身体を支えようとして女性の手が男を掴むのを見たシノはニコッと微笑む。
「ごめんなさい。電車が揺れたので二度もご主人を借りちゃいました」
「えっ、いいのよ。私にとっても借り物ですから……」
「借り物って…えっ、あぁ、そういうことですか??」
「ハハハッ、オレは借り物か、ハハハッ、借りられモノなので気にしないでください」

「どうして、借り物なんて言ったんだろう??潜在意識が不倫ってことを気にしているのかなぁ??」
「着いたよ。ここでいいんだろう??」

「ありがとう。早かったわね」
「軽トラデートをもう少し楽しみかったけど、後の予定があるからね……早く運ぼうよ」
「後の予定って何??」
「ウフフッ、ひ・み・つ」
「このソファベッドを使ってみる??」
「新しいベッドを試してみたいの。それより早く運んで、なにか飲ませてよ。タケだけど喉が渇いたんだって」

「この部屋は3回目だけど来るたびに眺望のいい部屋も好いなって思う。便利さ優先じゃ味気ないかなぁ??どう思う??」
シノに見つめられたタケは、
「海と山、この街の良さが両方見える部屋も魅力的だけど、オレにとっては眺望よりもシノが大切だから窓がなくてもいいよ」
「嫌な男、朱莉が勘違いしちゃうよ。私の部屋では二人とも素っ裸でやりまくっていると思っちゃうよ…ねぇ、朱莉」
「えっ、そうなの??羨ましい。私なんか、My fingers are my lover」
「指が恋人かぁ……朱莉、もう一度、生田さんにお参りしようか」
「生田神社、二人でお参りした直後に葵はタケさんに出会って、今じゃ惚気まくり。今度は私のための願掛けだよ」
店での源氏名、葵と名乗るシノは破顔してタケを見つめ、
「分かっているって、幸せを独り占めするほど欲深くないよ、今度は朱莉の番……なにか飲ませてよ。早く帰りたいの」
「クククッ、欲求不満なの??タケさん、葵を満足させてあげてね……ショーレに凝っているんだけど、アプフェルショーレでいい??」
「タケはリンゴジュースが好きだからいいよ。車じゃない日は私ンチではシードルを飲んでいるし」
「リンゴのコンポートがあるけど召し上がりますか??」
「はい……いいえ、早く帰りたいらしいので遠慮します」
「ウフフッ、葵はやりたい光線出しまくり…ちょっと待って、コンポートとジャムを持って行ってね」
二つのガラス容器にリンゴのコンポートとジャムを詰めた朱莉は、シノに手渡しながら囁く。
「可愛いサクランボにリンゴジャムが似合うと思うよ……可愛がってもらうんでしょう??」
「あぁ~ぁ、セックスしか考えていないような言われかた……」
「じゃぁ、聞くけど他のことを考えている??」
「クククッ、タケとはいつでも会えるわけじゃないからなぁ…不満はないけど久しぶりに会うと、ねっ、分かるでしょう」

帰路に就いた軽トラの淫蕩な雰囲気を隠そうとするシノは窓を開け、風で乱れた髪に手櫛を入れる。
「うん、どうしたの??何かついている??」
「なぁ、今の髪をかきあげる仕種ってオレに見せようとしている??」
「ウフフッ、私はホステス。男性相手のお仕事で魅力をアピールする術も身に付いていると思うけど、惚れている男を相手にそんな余裕はないよ」
「そうか、リラックスしているってことか。今度、潮風を感じながらドライブしようか」
「うん、行きたい。お店の外での初デートは淡路島だった。ねぇ、軽トラじゃなく、私のフィアットでもなく、初デートの車でしょう??」

彩―隠し事 440

変転-18

「おはよう」
眩しそうに健志を見上げる優子の額に唇を合わせた健志は、
「食事の用意が出来ているよ」
「おはよう……こんな日が来ると想像もしなかった。ウフフッ、幸せ……起こしてくれないの??」
「甘えん坊の優子も可愛いな……早く顔を洗ってきなよ。それとも抱っこがいいか??」
「抱っこが好いけど自分の足で歩かなきゃね。健志に頼ってばかりじゃ嫌われちゃうかもしれないもん……」
朝日を受けて顔を紅潮させる優子に前日の憂いはなく、健志の知る成熟した女性の魅力を溢れさせる彩が居た。
その彩は一昨日、昨日と想像もしていなかった試練を乗り越えて幾つかの隠し事を捨て去り、優子として目の前にいる。

「優子……」
「えっ、なに??どうしたの??」
「呼んでみただけだよ。ウフフッ、その姿は眩しいな……」
「クククッ、惚れた女が手を伸ばせば触れる距離にいるのは嬉しいでしょう??健志のことは何でも知っているもん……ちゃんとした、おはチュウ~をして……」
健志のシャツをパジャマ代わりに着けた優子は胸の膨らみが見えているのも気にすることなく清潔な色気で琴線を刺激する。

キスに満足した優子は洗面所に向かう。
食事を済ませて出社準備を終える頃には任された仕事に向かう毅然とした表情になっていた。
「送ろうか??」
「駅まで歩いて電車に乗って行く。健志との隠し事の必要ない生活が始まることを実感したいの……」
「そうか、行ってらっしゃい。夕食を作って待っている」
「ウフフッ、本当に健志との新しい生活が始まるんだね…夢じゃないよね」

「栞、おはよう。今日も頑張ろうね」
「おはよう、優子……ふ~ん、昨日と違って生気が溢れている。健志さんの胸に…でしょう??」
「そう、私にとって最後の砦。無事に砦の中に駆けこんで、いい子いい子してもらったし、元気の出る注射もしてもらった」
「クククッ、表現が適切かどうかわからないけど災い転じて福となす。別れることになったご主人とは相思相愛でお似合いの夫婦だと思っていたけど、 禍福は糾える縄の如しって言うけど本当だね」
「難しいことを言うのね……でも、本当にそう思う。一昨日から昨日、そして今日の私を表現するのにピッタリ……あっ、課長、おはようございます」
「おはようございます」
「おはよう。今日も張り切っているね」

昼食は打ち合わせを兼ねて、優子、栞、松本愛美、吉田君の4人で摂る。
それぞれが担当する仕事の進捗状況を確認し、荒垣との窓口役の優子が翌週の早い時期に、この場にいる全員と顔合わせを兼ねて会食の場を設けると話す。その際に、もしかすると、荒垣との面談をアテンドしてくれた人も同席すると告げて栞を驚かす。

「健志さんをみんなに紹介する積りなの??完全に吹っ切れたようね。ねぇ、今日、新しい家に行ってもいい??」
「えっ、ウ~ン……確かめてみるね……もしもし、相談なんだけど、栞が私の新しい家に行きたいって言うの……いいの??怒ってないよね??……うん、ありがとう」
「好いって??」
「うん、夕食を用意して待っているって。でも、変なことを言うと怒るよ」
「優子の邪魔をするはずがないでしょう。優子のことをよろしくお願いしますって伝えるだけ」
「ありがとう」
「旦那様に連絡しなきゃ……もしもし、私。今日、優子ンチに行ってもいいでしょう??……引越ししたんだって……ウフフッ、ありがとう。優子次第でね。詳しいことは帰ってから話します」
「私次第ってなんなの??」
「泊ってきなさいだって、優しい旦那様」
「それは健志に確かめてみないと……正式に結婚していないから今の私は居候の立場なんだもん」
「クククッ、優子が甘い声でおねだりすれば直ぐに結婚できるのに……うん、ダメか。女子は半年経過しないと入籍できないんだったっけ??不公平、男女差別」
「2024年4月の民法改正で女性の再婚禁止期間が撤廃されて直ぐに結婚できるようになったんだよ」
「そうなの……クククッ、優子は直ぐに結婚したくて調べたんでしょう??」
「そうじゃないけど、念のためにね。健志は今のプロジェクトが成功裏に終わって、私が公私ともに落ち着けばプロポーズしてくれるんだって……プロジェクトの成功が条件だから今以上に力を貸してね……」

「ただいま。栞が一緒だよ……」
「お帰り……いらっしゃい。栞さん、大歓迎します」
「ありがとうございます。優子の新しい家を見たくて厚かましく付いて来ちゃいました」
「狭い部屋ですが隅から隅まで納得のいくまで見てください……家は狭いですが眺望は優子も気に入ってくれています。それと、決して優子を泣かせたりしないと約束しますよ」
「ウフフッ、良かったね、優子……学生時代からの親友で今は仕事も優子のお手伝いをする立場。優子の幸せは私の幸せでもあります。優子のことをよろしくお願いします」
「優子の笑顔を見るのが私の幸せ。栞さんのようなお友達がいてくれて心強いです……食事にしましょう。準備をするから汗を流してきなよ」
優子に視線を移した健志を見て栞は頬を緩める。

汗を流した優子はオフホワイトのパンツに健志の青いシャツを合わせて腕まくりし、栞は借りたラセットブラウンのスウェットの上下を着けて現れる。
溌溂として健康的な魅力に溢れる栞と視線が合った健志は頬を緩め、それを見た優子は頬を膨らませる。
「栞にはご主人がいるんだからね……あっ、主人がいた私は健志と付き合っていたんだ……」
「誤解だよ。優子の親友だと知っているから、これからも公私ともに仲良くしてくださいって伝えたいだけだよ。お腹が空いているだろう??」

「筑前煮、ほうれん草の白和え、タコマリネにさつま芋ご飯。これは、キャベツと竹輪を塩昆布で和えてあるの??味噌汁もついて、全部、健志さんの手作りなの??」
「いいでしょう??帰ってくると夕食の準備が出来ている……ウフフッ、今朝は食事の用意が出来たよってキスで起こされちゃった。ねぇ……」
「優子の笑顔を見るのがオレの幸せだからね」
「いいなぁ、うちの旦那様は私が男優に犯されるのを見て至福の表情。えっ、なにを言っているんだろう……いただきます」

夕食を終え、馬刺し、タコ刺し、キャベツと塩昆布の和え物などで冷酒を飲み始めると栞は一層能弁になり、自らのAV出演について話し始める。

彩―隠し事 439

変転-17

分身を突き入れたまま膝と両肘で身体を支え、両手で頬を擦り、鼻梁をなぞり唇の周囲をなぞり耳朶を擦る。
「離さないでね……私から離れそうになったら泣いちゃうよ」
「優子こそ、オレから離れることは許さないよ」
「ウフフッ、幸せ……」
「クククッ、可愛いなぁ……」
「アンッ、チンチンがピクピクしている。逝っちゃダメだよ」
「こんなに気持ち善い時間を自分から捨てるようなことはしないよ……」
「ウフフッ、無理しちゃって。私のための我慢でしょう??……」
「そうだよ。でも、優子のためだけじゃない。優子のためなら我慢することもオレの幸せだよ」
「夢を見たことはあったけど、ウフフッ……ねぇ、上になりたい。寝っ転がって健志に見つめられるのは守られていると実感できるけど、自分の足で歩いて、日分の目で見ることも忘れたくない」
「そうだ、それでいい。もう一度言うよ……なにがあってもオレは優子の味方だ」

言い終えた健志は優子の腰と尻に手を添えて身体を入れ替え、騎乗位の体位に変化する。
「アァ~ン、ぶっといオチンチンが子宮をツンツンする」
優子の腰に手を添えて股間を突き上げると、眉間に皺を作って甘い声を漏らし、健志に覆いかぶさるように上半身を倒す。
「優子の髪の毛がくすぐったいよ」
「ウフフッ、髪の毛が顔をくすぐると気持ちいいの??ねぇ、そうなの??もっと、もっとクチュクチュしてあげる」
髪を健志の顔に垂らした優子は左右に振り、上下に揺らせて刺激する。
「クククッ、気持ちいいなぁ。優子はオレが触れる場所が性感帯だと言ってくれたけど、オレも同じだよ。優子の髪の毛さえもが琴線を刺激する」
「嬉しい。ご褒美のキスをしてくれるでしょう??」

覆いかぶさる優子の腰に手を添えて上半身を起こし、騎乗位から対面座位に変化した健志は上気する頬に手を添えて唇を合わせる。
「ウッ、クゥッ~ン……ハァハァッ……これまで懸命に生きてきたのは、この一瞬のためだったような気がする」
「オレもそう思い始めていた。でも、今がゴールじゃなくスタート地点だよ。そうだろう??」
「もちろんよ。気持ちだけではなく仕事でも彩から優子に戻るタイミングで大きな変化があるし、そうだ、あなたとの人生を生きてみたいって詩の歌があったでしょう??」
「あったな。もしも運命に逆らえるとしたなら、あなたとの人生を生きてみたい……だったよな??」
「そう、それ。私たちは運命に逆らうんじゃなくて神さまに導かれて人生が変わるんだよね。流れに抗うことなく自然なままで今がある。そうでしょう??」
「そうだね。流れに身をまかせた結果、優子とオレは、今、気持ちのいいセックスをしている」
「クククッ、健志と結ばれるために遠回りをしたんじゃなく、すべてはこの瞬間のために必要な経験だった……そうなんだよね」

対面座位でつながる二人は唇を合わせて舌を絡ませたり唾液を啜り合ったりしながら互いの肌をまさぐり、優子は孤独や不安を感じることなく高まる性感が身体と心を包み込み、健志は望んでも叶えられることはないだろうと思っていた誰に憚ることなく優子と暮らせることに胸を熱くする。
交わす言葉は行きつ戻りつするものの二人ともそれを諄いとも嫌とも思わず、気持ちを確かめ合い互いを理解し合うことに時間をかける。

肌をまさぐる手で愛する想いを伝え、唇を合わせて互いを愛おしく想う気持ち確かめ合う。
尻に左手を添えて右手で頬をなぞり、唇を合わせると、ハァハァッと息を弾ませた優子は貪るように出入りさせる舌を絡ませて唾液を流し込む。
「ねぇ、聞いて。旧姓に戻さないで鍬田姓を続けるの……仕事のこともあるし、いいでしょう??」
「優子の決断を支持するから異存はないよ。仕事も順調に進んで公私ともに周りの理解を得られる頃にオレの希望を話すよ」
「えっ、なに??何なの??焦らさないで、今聞かせてほしい……」
「こんな格好で申し訳ないけど……優子さん、何れ仕事やその他の環境が落ち着けば、結婚してください」
「ほんとう??悦ばせようとする嘘じゃないよね??」
「こんな言葉を伝えられる日が来ると思っていなかったけど、おねがいします」
「うん、ありがとう……浮気をされても主人を嫌いになれない、愛しているなんて言っていたのに、別れることになってプロポーズされたら嬉し泣きする優子って悪い女かなぁ??それとも、狡い女なの??」
「悪くも狡くもないよ。優子の前に突如として難題が降りかかったけど、一生懸命に生きていることを知っている神さまが、不幸の後にすぐ幸せを用意してくれたのだと思ってくれれば嬉しい」

「健志の言葉が私の気持ちと心を愛撫するから身体も蕩けちゃう。すべてを解き放ってもいい??……アァ~ン、いやっ、気持ちいいの、ダメダメ、逝っちゃう……」
「オレも我慢の限界だ。優子にオレの気持ちも欲情もぶちまけちゃうよ……ウッ、クゥッ~、受け止めてくれ……」
「ヒィッ~、すごい……すごいの、子宮にまで届く熱い迸りを受け止めたよ。優子は健志の女でしょう??」
「そうだよ、優子はオレの女。オレは優子の男……優子とオレを引き裂こうとするヤツがいたら、ぶっちめてやる」

めくるめく悦びと共に欲情を解き放ちながら互いの気持ちを確かめ、将来を語り合った二人は心身ともに満足し、シャワーで汗を流してスッキリした気持ちでベッドに入る。
「まだ話したいこともあるけど、優子には仕事があるから早く寝なきゃ。おやすみ」
「うん、おやすみ……一言だけ。昨日から夕方までの私はこれから先、どうすればいいのか迷って途方に暮れていたけど健志に電話して救われた……ありがとう」

彩―隠し事 438

変転-16

薄明りの中でヒクヒクする窄まりに指を伸ばすことなく、息を吹きかけたばかりの髪の生え際に乾いた舌を伸ばしてなぞる。
「ウッ、イヤァ~ン、ゾクゾクする……」
無言の健志は首筋から背骨の左側に舌を這わせて腰まで撫で下り、右手は少し遅れて背骨の右側を擦る。
舌と右手は休むことなく腰から首に向けて産毛を逆立てるように繊細なタッチで刺激する。
「ウッウッ、イヤァ~ン、焦らされているような感じがいぃの。気持ちいぃ」
「可愛いよ、オレだけの優子。離さないよ」
離さないという言葉と共に優子の左手を包み込む手に力を込める。
「離さないでね。健志は私のことをウサギちゃんだって言ったでしょう??」
「言ったよ。ウサギは性欲が強いし、寂しいと死んじゃうらしい……後者は嘘と言うか、間違いらしいけどね。優子を寂しいと感じさせないと約束する……これからは私と言うんだね??」
「うん、これからは健志のことを考えるのに世間体を気にせずにすむでしょう。自然体で付き合えるんだもん」

優子の左手を包み込むように握ったまま頬に唇を合わせると、
「イヤッ、キスはお口でしょう??」
「クククッ、優子の太陽はキスだったようだね」
「違うよ、分からないの??私にとっての太陽は健志。健志のそばにいるだけで、身体も心もほっこり満足する……嬉しい??」
頑なに俯せの姿勢を崩さなかった優子は自らの、太陽は健志という言葉に触発されて仰向けになり恥ずかしそうに目を閉じる。

糸くず一本纏わず、健志を魅了してやまない艶めかしい裸体を晒す優子は離婚を契機に身体だけではなく心の奥の隠し事も開放する悦びに打ち震える
自然と震えを帯びる羞恥で目を閉じたまま右手を股間に、左手で胸の膨らみを隠そうとする。
「可愛いなぁ。これからは誰に憚ることなく大好きだ、オレの女だと言ってもいいんだろう??」
「クククッ、私が健志のことを認めればね……エッチなウサギちゃんだから満足させてくれないと嫌いになっちゃうかも……ウフフッ」
「優子に嫌われないようにしなきゃいけないな……」
愛していると言っていた夫との悲しい別れを忘れさせようとするかのように健志は愛する気持ちを伝えようとする。
「気を遣わなくていいよ…あの人のことを愛していたのは事実だけど、健志の方がもっともっと好きだった。知っていたでしょう??」
「分かった、これからは他人を気にせずに二人の生活を考えよう」

右手で左乳房を包み込み、手の平に吸い付くような感触に頬を緩める健志が顔を近付けると優子は静かに目を閉じる。
ツンツン、二人の唇が欲望を高めるためにつつき合い、這い出た舌が妖しく絡み合う。
ウッウッ、ハァハァッ……欲情の昂ぶりは限界を迎え、ヌチャヌチャと卑猥な音を立てて舌が絡み合い、互いの唇をこじ開けるようにして出入りを繰り返して唾液を啜り合う。
左乳房を揉む右手の動きが激しくなり、右足が優子の両脚の間に入り込んで太腿が股間を刺激する。
「ウグッ、クゥッ~、たまんない。いぃ、いぃの……身体の芯が熱くなる」
「すごいよ、優子。優子の肌に吸い寄せられるような気がする…下腹部や腿がねっとり絡みつくようで気持ちいいよ」

左胸を揉まれ、こじ入れた太腿で股間を愛撫される優子はめくるめく悦びに酔い痴れ、顔を仰け反るようにして白い喉を見せ、乾いた唇に舌を這わせて滑りを与える。
そんな優子を見つめる健志は、探し続けていた大切なモノを手にしたような悦びで閉じたままの瞼にチュッと舌を合わせる。
「ウフフッ、大切にされていると思うけど本気で愛してほしい。健志の女だと宣言するように愛されたい」

右手は左胸を揉みしだき、伸ばした舌で右胸の先端をつつき、右脚は股間を圧迫したり緩めたりを繰り返しながら擦りあげる。
「アンッ、イヤッ……私は健志の女だよね。そうだと言って……」
「優子ほど大切な人はいない。オレから離れることは許さないよ……」
囁くような言葉が終わると胸に添えられた右手が頬を擦り、それが合図のように優子は目を閉じて唇を尖らせる。
「可愛いよ、オレの優子……」
唇を合わせると二人の舌は貪欲に互いを貪り、唾液を啜り息の続く限り舌を絡み合わせる。
甘噛みして上顎を舐め、苦しくなるとハァハァッと荒い息を漏らして離れ、赤く燃える瞳で見つめ合う。

優しくされるよりも荒々しく抱かれて悲しい事実を忘れたいと思っていた優子は、北風と太陽の寓話のように温かい愛に包まれて心の奥で冷たく固く凍っていた嫌な思いが氷解していくのを感じて健志の胸に顔を埋める。
「優子、無理をしなくてもいいんだよ。疲れた時は休むもよし、歩くペースやコースを変えて気分転換するもよし、手を伸ばせば届く距離にオレがいることを忘れないでくれ……笑っている優子のそばにいることがオレの幸せなんだからね」
「優しい言葉を聞かされると泣いちゃうよ。泣いている私のそばにいるのも幸せなの??」
「クククッ、可愛いなぁ。悪いけど今日が一番幸せな日かもしれない……明日からは、もっともっと、幸せな日が続くと思うけどね」
「健志は私を泣かせようとしているでしょう??昨日は、これまでの人生で一番不幸な日だと思ったけど、今日は健志に会ったとたん一番幸せな日になっちゃった。北風よりも太陽が好き……ねぇ、入れて。気もち悪いほどドッロドロになっているんだもん」

言葉を発すことなく口元を緩めた健志は自らの分身を摘まみ、優子の股間に擦り付けて十分に馴染ませ、腰を突き出すと、ジュルジュルと卑猥な滑り音と共に分身は泥濘に没していく。
「ウッウッ、クゥッ~…くる、くるっ、アァ~ン、気持ちいぃ……ダメッ、動いちゃダメ。このまま……アァ~、このまま健志を感じていたい……」
「優子、好いよ、気持ちいぃ。他人を気にすることなく、彩じゃなく優子と呼べる日が来ると思っていなかった」

プロフィール

ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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