偽り
約束の前日に佐緒里から確認の連絡があり、改めて身勝手なお願いを承知で明日はお願いしますと言う。
予定に変更がないので先日話し合った段取りで細かいところはお任せします。
それはそうと、美香ちゃんを抱いたでしょ??
あの日以来、美香ちゃんは明らかに変わったと言い、妹分と思っている美香ちゃんが自信に満ちた接客で売り上げを伸ばしているのは嬉しいけどねと皮肉を込めた言い方をする。
美香ちゃんを抱いてあげてと佐緒里から言われたにせよ一日で姉妹どんぶりを済ませ、仕掛けられたとはいえ翌朝も美香を抱いた好色さを思い出して我がことながら苦笑いが浮かぶ。
佐緒里の恋人役を演じ、縁談を勧めるご両親を諦めさせるということを気軽に引き受けたことが良かったのか、今になって色々と思い悩む。
当日朝、美香から連絡があり、先日は色々とお世話になりました。
次に会う日を楽しみにしています。プライベートデートを期待しないわけじゃありませんが、ご来店される日をお待ちしています。
今回は、お世話になっているさおりさんとは言え、ご無理なお願いをして申し訳ありません。
美香や佐緒里との関係がこれからどうなるのか分からない。
店でキャストと客として会うだけになるのか、プライベートな付き合いが継続するのか全く分からないし、積極的に動かず流れのままに付き合いが継続出来ればそれでよし、ダメなときは潔く諦める積りでいる。
佐緒里は美香に知られず三人の関係を望むかもしれないが、美香が継続を望むときは二人だけと思っているだろうし佐緒里ともセックスしたと知ると、どのような反応するのか見当もつかない。
準備のために有楽町に出向き、東京交通会館にある各地のアンテナショップの中から大阪百貨店で大阪土産を買い帰宅後シャワーで汗を流す・
真面目で実直に見えるようにネイビースーツに淡いブルーのシャツを選択し。堅苦しくならないようにダークブラウンの無地ネクタイを合わせる。
鏡の前で、よし、と呟いた内藤は時刻を確認して玄関に向かう。
佐緒里の部屋では予定通りに到着した両親と互いの近況を話し、世間話をしながら親子水入らずの時間を過ごしていたものの、わずかに緊張感が漂う。
両親は改めて佐緒里の部屋で見合いを勧める切っ掛けを求めてバッグに忍ばせた写真を意識し、佐緒里は内藤の到着を待ちながら見合い話を持ち出されないように時間稼ぎをする。
ピンポ~イ……「あれっ、誰だろう??ちょっと待っていてね」
顔を見合わせる両親を残して佐緒里は玄関に向かう。
「どちら様ですか??」
「内藤です。出勤前で忙しいと思うけど、出張のお土産を持ってきたんだよ」
「ほんとう??ありがとう」……「どうぞ」
「忙しいときにゴメンね。あれっ、お客様がいるの??……これはお土産、じゃぁ帰るね」
「両親が来ているの。紹介するから、入って……急ぐ用があるならしょうがないけど」
「特に用はないけど、邪魔しちゃ悪いから帰るよ」
ほぼ打ち合わせ通りに猿芝居をする佐緒里と客の様子を見るために玄関に来た父親が、
「どうぞ、お上がりください。私たちに遠慮することはありませんよ」
「こんにちは。お父様ですか??それでは遠慮なく上がらせていただきます」
佐緒里の紹介を交えながら自己紹介した四人はテーブルを挟んで早々に打ち解けた。
両親は佐緒里と内藤の節度を守った中に感じる親しさに安堵して持参した写真の存在を忘れ、内藤は役割を果たせそうな雰囲気に安心し、そんな三人を見る佐緒里はこれが現実ならいいのにと思う。
内藤の大阪出張土産の豚まんを四人で食べながら、
「どう、これ美味しいでしょう??内藤さんは大阪出張のたびに必ずこの、551蓬莱の豚まんを買ってきてくれるの」
始めて食べる豚まんをいつも食べていると言いながら、今はまだ結婚を考えられないの、ごめんねと両親に心の中で詫びる。
時計を見た内藤が、
「これで失礼します。親子水入らずの貴重な時間に加えていただき佐緒里さんのご両親と楽しい時間を過ごせたことにお礼を申し上げます。ありがとうございました」
「いえ、私たちこそ、お礼を言います。水商売という世間の時間の進み方とは違う場所で働く娘を心配していましたが安心しました。内藤さん、これからも佐緒里の事をよろしくお願いします」
話し終えた父親に合わせるように母親も笑みを絶やさず首を垂れる。
両親の様子に佐緒里の頼み事は無事、成し遂げられたようだと思いながら、娘を心配する両親に申し訳ないと思わずにいられない。
しょうがない、佐緒里の幸せは両親の持ち込む積りの話の中だけにあるわけじゃない、何より佐緒里が望んでいない事だからオレは悪い事をしたわけじゃないと自らを慰める。
翌日、店で席に着くと早々に美香は、
「さおりさんが喜んでいたよ。ご両親が、もう結婚云々は口にしないって言ったらしいの……それって、ご両親が内藤さんの事を気に入ったって言うことでしょう??ねぇ、そうでしょう??何があったの??」
「さおりさんと打ち合わせた通りで特別な事は何もないよ。クククッ、それより、水割りを作ってくんないかなぁ」
「あっ、ごめんなさい。直ぐに作ります」
「内藤さん、いらっしゃいませ。座ってもよろしいですか??」
「どうぞ。好いよね、美香ちゃん??」
「もちろんです、おねがいします」
席に着く一連の動作は美香が見ても優美で無駄がなく、ナンバークラスともなると容姿や話術だけではない魅力を備えていると感心する。
「昨日はありがとうございました。両親は何も言わずに私に任せるとだけ……美香ちゃん、ありがとう。美香ちゃんのお客様に変なお願いをして、ごめんね」
「そんな、私のお客さまだなんて……よかったですね」
「お礼を兼ねて二人に手料理をご馳走したいのだけど、どうかしら??差支えがなければ早速だけど明日、私の部屋に来てくれませんか??」
内藤と美香は顔を見合わせ、言葉は口にせずに頷いて、お伺いしますと声を合わせる。
美香 -12
「内藤さんは歳だって言ったけど若いよ。起きて直ぐは萎れていたのに今は子宮を突くほど元気……」
「美香を相手だと普段と違って元気になっちゃうな」
「あぁ~、嫌な言い方。お相手は何人いるの??」
「正直に??」
「そう、正直に聞かせてほしい」
左手を美香の腰に添えて右手を突き出して五本の指を立て、こんなもんしかないよ、少ないかと言って笑みを浮かべる。
「空き家だと思っていなかったけど……私は六人目なの??内藤さんにとって遊びだと思うのはしょうがないけど、少し辛い」
「何か勘違いしているだろう……独り寝の恋人は右手の五人って決まっているだろう」
「えっ??ほんとう??ウフフッ、信じることにする。右手って決まってないでしょう??左利きの人もいるし……私は六人目でもいい、先輩にご挨拶させてね」
突き出したままの右手を取って乳房に誘導し、
「あまり大きくはないけどツンと上を向いて生意気そうな感じのオッパイが我ながら好きなの。どう??もっと大きい方が好き??」
「オレには丁度いい大きさだよ。こうして手の平に馴染む大きさと感触が好いし乳輪も乳首もくすみがなく清楚……そそられる」
「ウェストの括れから腰にかけてのライン。下半身が少し立派過ぎかなぁって思うけど、それなりに色っぽいと思うんだけど……」
「黄金比で構成されるミロのビーナスやモナ・リザ、オレにはモデル体型ではなく適度にふくよかな女性に見える。美香は好い女、間違いない」
「ありがとう、自信が湧いてきた。内藤さんがこんな女に惚れられたいと思うような好い女になる」
他愛のない会話を続けながらも美香は下半身を蠢かし、表情は百面相のように変化する。
奥深くまで受け入れたペニスが膣壁を擦り、自身の動きで刺激が変化してクリトリスにも得も言われぬ快感が伝わる。
自然と手は乳房に伸びて内藤に見せつけるように揉みしだき、先端を摘まんでコリコリと刺激する。
「ダメ、内藤さんの前で好い女の振る舞いをしようと思っても、自然とこんな事をしちゃう……あぁ~ン、笑っちゃいやだよ。あなたに笑われたくない……ウックゥッ~、あなたのモノが私の中で……アンッ、気持ちいぃ」
瞳が潤み、視線は内藤から離れることがなく、内藤もまた頬を赤らめて唇を噛み自らの動きで深くなる快感を堪える美香から視線を外せるはずもない。
内藤は左手を伸ばして美香の右手と指を絡ませる。
「美香、離れないようにずっと手をつないでいるんだよ。一緒だよ」
「ヒィッ~、手をつなごうって言われただけでアソコがピクッとなった。ねぇ、分かった??感じてくれた??」
「あぁ、分かったよ。美香のモノがピクッと反応してウネウネと吸い込もうとした。温かくて気持ちいいよ」
騎乗位で性器の密着感は得られるものの手をつながれたことで満足感は薄れ、手をつながれたまま上半身をかがめて身体を密着させる。
「久しぶり……男の人の胸に抱かれると安心できる。幸せ……」
内藤は胸を合わせて横たわる美香の髪を撫でて唇を合わせる。
唇を閉じたまま何度もつつき合う。何度も繰り返すうち自然と呼吸が荒くなり自然と唇が開いていく。
ハァハァッ……舌が互いの口に出入りして擦り合わせ、歯茎を舐めて鼻を擦りつける。
ヌチャヌチャ、チュッ、ジュルジュルッ……舌が絡み合う卑猥な音、唇を合わせる音や唾液を交換する粘性を帯びた音が聴覚を刺激し、柔らかな唇の感触に性感が昂る。
キスは言葉を介さずに愛を伝える。
「痛いっ……ウフフッ、痛いけど、嬉しい」
美香は握り締められた右手を示して頬を緩める。
「ごめん、美香と手をつないでいたのを忘れていたよ」
「うぅうん、キスやさりげなく手をつながれるのって大好き。ギュッと手を握られて嫌なはずがない」
美香の黒髪が内藤の胸をくすぐり、サワサワとした感触に欲情を滾らせる。
握り締めた手を支えにして起き上がり、対面座位に変化して右手で乳房を揉みしだく。
アウッ、クゥッ~……美香の艶めかしい喘ぎ声を聞くと内藤の股間は勢いを増し、両手で尻を抱えるように支えてベッドのクッションを利用して突き上げる。
「ヒィッ~、すごい、壊れちゃう、子宮をあなたのモノが……クゥッ~」
あっけなく昇り詰めて内藤の肩に置いた両手で身体を支え、
「久しぶりにチンチンを迎えたからかなぁ??……ウフフッ、内藤さんに抱いてもらったから気持ちいいの。ありがとう」
朝食を終えた美香は、これ以上一緒にいると離れるのが辛くなるから子宮に内藤の感触が残る今、お別れをするという。
数日後、さおりとの約束を果たした後で会ってくれるかという美香に、もちろんだよ、
店にも行くし改めて連絡すると伝えて別れのキスをする。
美香 -11
久しぶりのセックスで疲れ切った内藤は眠りを妨げる下半身の違和感で目を覚ます。
カーテンを開け放ったまま眠り込んだ部屋は眩しい陽光が支配して卑猥な空気はいささかも感じられない。
目を眇めて周囲を見渡すとホテルに泊まったという事実を思い出して違和感の正体に気付き、両足の間に潜り込んだ美香をシーツごと抱きしめる。
「クククッ、苦しいし熱い、死んじゃう……誰か、たすけてぇ~」
「チンコを食べられちゃう危機だったから正当防衛だよ。可愛い女子をやっつけてもオレは悪くない」
「ごめんなさい。お腹が空いたからソーセージを食べようと思ったけど我慢します。可哀そうな乙女は飢えを我慢します」
「クククッ、乙女は何処にいるのかな??……いないなぁ……エロイはいるけど清純な乙女はいないなぁ」
大袈裟な振りで部屋のあちこちに視線を巡らせた内藤は、
「ほんとうは……う~ん、可愛いかなぁ??……可愛いって言うより、美人だな。美人もいくつかのタイプに分けられるけど、美人で可愛いんだ」
「ウフフッ、ほんとう??お世辞も混じっていると思うけど、質問……美人は三日で飽きるって言うけど、私に飽きる??」
「きれいに部屋を片付けました。絵を飾ろうと思って、きれいな絵と落書きレベルの絵の二つを掛けました……外すのは落書きだなぁ、オレの場合はね」
「嬉しい……そばに行っても好い??」
「寝るときは腕枕だったろう、離れていったのは美香だよ。ここは美香の場所、可愛い美香の望むままに……だよ」
仰向けに寝ていた内藤は身体の右側を下にして横向きになり、恥じらいを浮かべた美香は背後から抱きかかえられるようにすっぽりと胸に収まる。
「分かってくれていると思うけど、お客さまとこんな事をするのは初めてだからね……この仕事で枕はしないって決めているの。内藤さんの事が好きだから、でも、抱いたからって負担に思わなくてもいいよ」
「そうか、ありがとう……それはそうと、また会ってくれる??」
「ほんとう??無理してない??……でも、大きくなってない。私に魅力がないのかなぁ??舐めても擦っても大きくならなかったし……悲しいなぁ」
腕枕する右手を乳房に添えてしっとり馴染む感触に頬を緩め、腰を抱きかかえるようにしてムッチリとした太腿の間に差し入れた左手の心地良さに、
「スッポンポンの美香の抱き心地が良くて吸い込まれそうな気になる」
耳元で囁くと美香の身体がブルッと震え、
「もっと、きつく抱いて。動けないくらい強く抱いて……身動きできないほど束縛されて嬉しいって思うこともあるの。お前は俺のモノだって言われたい……こんな事を言うとどうする??……フフフッ、うそ、冗談だよ」
黒髪に顔を埋めてスゥッ~ッと息を吸い込むと胸は美香の香りで満たされて穏やかな気持ちになる。
「スッポンポンの私を抱きしめてもあなたのモノは起きてこないよ……イヤッ、我慢できない」
抱きしめる内藤からスルリと抜け出た美香は身体を入れ替えて陰毛に隠れるペニスを摘まみ、陰嚢を掴んで力を込める。
「クゥッ~、つぶれる……それ以上、力を込めると男じゃなくなっちゃう」
「ハダカンボの私を抱っこしても役に立たないんじゃ魅力がないから男性でなくなってもいいよ」
「美香に魅力がないって言われるのは困るからオレを跨いでくれよ」
美香の左足を掴んで顔を跨がせ、両足を抱え込んで目の前の景色に見入る。
数時間前、目隠しと両手を縛られた昂奮と溢れ出た愛液でしとどに濡れていた割れ目は慎ましやかに佇み、清楚で淑やかな美香に戻ったように見える。
そんな思いも束の間の夢かシャボン玉のように霧散し、美香の手の中で萎れたままのペニスをパクリと口に含む。
ジュルジュル、ジュボジュボッ……唾液を溜めた口の中でペニスは硬度を増し、なおも激しく顔を上下しようとする美香は内藤の舌が大陰唇を這う気配にウッと声を漏らして顔を歪める。
舌が這い、指が擦ると閉じていた割れ目はあっけなく綻びを見せて可憐な花弁が姿を現し、内藤の舌がベロリト舐めて膣口に二度三度と出入りする。
舌の動きが激しくなり、膣口から小陰唇が作る溝を舐めたり甘噛みしたりすると鼻頭がクリトリスを擦り、予期せぬ刺激でペニスを吐き出した美香は嬌声を張り上げる。
「ウググッ、クゥッ~……ずるい、私の太腿を抱えて動けなくしてマンちゃんをナメナメするんだもん、気持ち良くて我慢できなくなっちゃう」
美香はペニスをしゃぶり、内藤はバギナに舌を伸ばして内腿から鼠径部を指で刺激し、二人は性感の昂ぶりを我慢できなくなって騎乗位でつながる。
美香 -10
歯ブラシで触れるか触れないかの微妙なタッチで首筋を刷くと、指とは違う新鮮な刺激に身体を緊張させて正体を探ろうとする。
「なに??どうしたの??あなたの指や舌じゃないでしょう??怖くないよね、大丈夫でしょう??」
恐怖に苛まれるほどではないものの不安を感じている声は甲高く裏返る。
歯ブラシの背で背骨に沿って腰まで撫で下り、尻の割れ目を歯ブラシでなぞる。
美香の尻はプリプリして美味そうだな、齧りたくなっちゃうよ……ここはどうだ??」
歯ブラシは尻の割れ目から前に回って鼠径部を刷き、
「美香、こっちを向きなさい」と、窓ガラスに背中を寄りかからせる。
「ガラスの感触はどうだ、気持ちいいだろう??」
「うん、冷たくて気持ちいい。私の身体を這い回っているのは何??あなたの事は信じているけど、でも不安もあるの」
「分かった、教えてあげるから腰を落として足をもう少し開いてごらん」
「これでいいの??ハァハァッ、昂奮する。立っていられなくなるかもしれない……ハァハァッ」
肩幅ほどに開いて腰を落とした美香の両足はフルフルと震え、しどけなく開いた口は閉じることを忘れたかのようにハァハァッと息を弾ませる。
目隠しのために視覚を奪われた美香は肌を這い回るモノが何かを探ろうとして、耳をそばだてて音に頼ろうとする。
そんな美香の様子に気付きながらも無視する内藤は歯ブラシを使って滴る蜜を大陰唇に塗り広げ、残る手で乳房を鷲掴みする。
ヒィッ~……肌を這う異物に意識を集中していた美香は、突然、乳房に与えられる違和感に悲鳴を上げ、それが内藤の嗜虐感をそそる事に気付かない。
「美香、これが何か気になるようだね??教えてあげるよ……ほとんどの場合、口の中で使うものだよ……力を抜いて、そう、それでいい」
腿を軽く打ってリラックスしろと合図し、濡れそぼつ割れ目に指を添えた内藤は反抗する暇も与えずに歯ブラシをバギナに挿入する。
「えっ、なに、なに??どうしたの、なに??」
内藤の指示通りに両足の力を抜いてバギナに異物を受け入れた美香は、一層腰を落として中腰になり、膣壁の違和感から逃げようとしてガニ股のような格好になる。
「ねぇ、なんなの??教えて、怖いの」
「ヒント、口の中で使います。朝、夜はほとんどの人が使って、毎食後の人もいます……美香のスケベマンコが咥えこんでいるものが分かった??」
「歯ブラシなの??ねぇ、そうなの??アソコが壊れない??大丈夫??」
違和感から逃れようとして一層、足を開いて腰を落とした美香は声を震わせる。
「大丈夫かどうかは試してみれば分かる。動いちゃダメだよ」
しゃがみ込んだ内藤は美香の腰に軽く手を添え、歯ブラシの柄を摘まんでクルリと一周させ、柄のほとんどが姿を消すほど押し込んでしまう。
「アッアァッ~、だめ、ダメッ、壊れちゃう。立っているのが不安」
「そうか、美香を怖がらせるのが本意じゃないからベッドに戻ろうか」
抱きかかえてベッドに下した美香にチュッと音を立てて唇を合わせ、可愛いよと囁く。
「ほんとう、信じていいの??可愛いのに、こんな事をするの??」
「バカだなぁ、可愛いと思うから色んな事をして楽しむんだろう」
挿入したままの歯ブラシを気にして仰向けに寝かせたカエルのような格好の美香は、あからさまに晒す股間を隠そうともせず、縛られた両手で羞恥に染まる顔を隠そうとする。
「可愛い顔を隠そうとすると手は背中で縛っちゃうよ、いいの??」
「ハァハァッ……されてみたい気もするけど怖い。内藤さんはやっぱり変態、そんなあなたを好きな私も変態かなぁ??」
フフフッ……楽しそうに微笑んだ内藤は歯ブラシに手を添えて膣壁を傷つけないように回転させ、恥丘をハムハムと甘噛みしたり恥毛を噛んで引っ張ったりと淫猥遊びに興じる。
歯ブラシをゆっくり出入りさせるとニュルニュルとグジュグジュと卑猥な音を奏で、粘度の高い蜜がドロッと溢れ出る。
ズズズッ……歯ブラシの柄に頬をつけながら溢れ出る蜜の源泉に唇を押し付けて音を立てて吸い取っていく。
「美味い。美香のように好い女はマンコ味も最高だよ」
「ウフフッ、もう少し乱暴にしても好いよ。内藤さんのオモチャになりたい」
「嬉しい事を言うな美香は、ポケットに入れていつも持ち歩きたいよ」
ウッ、アンッ……歯ブラシを挿入したまま会陰部をなぞると、お尻は止めてね、経験がないのと心細げな声を漏らして身体を捩る。
「尻とマンコの間のココは気持ちよくない??」
「気持ちいいけど……アンッ、急にそんな、クリちゃんが……」
指先で会陰部を刷いたり軽く押したりしながら大陰唇の縁に舌を這わせ、割れ目の上部を甘噛みする。
「もっと、もう少し強く噛んで……アウアワワッ、痛痒いのも気持ちいい」
指を添えて割れ目を開くとクリトリスはすでに包皮を突き破って尖り、内藤の愛撫を待ちわびて濡れそぼつ。
クリトリスの先端に触れることなく包皮の周囲を唾液まみれの舌先でなぞると、目隠しで全体は見えないものの歓びで表情を緩めて仰け反り、白い喉を見せつける。
「ごめんなさい。もうダメ……入れて、このままだと狂っちゃいそうなくらい気持ち良くて我慢でない。オシャブリする余裕もないの」
美香 -9
「オマンコがすごいことになっているよ。気付いているだろう」
「うそ、そんな事はない。不感症じゃないけど、ビショビショに濡らすほどエッチじゃないもん」
「そうか、それじゃぁ、これは何だ??」
右手で乳房を鷲掴みしたまま動きを封じ、股間に伸ばした左手で濡れそぼつバギナを刺激して蜜を掬い取る。
「ヒィッ~、いやっ、いやっ、濡れてない……やめて、恥ずかしい」
蜜にまみれた指を口に近付け、
「美香は独りエッチで濡れた時にマン汁の味見をするんだろう??」
「ハァハァッ、そんな事はしないよ」
「そうか、じゃぁ、いい機会だから味見させてあげるよ。口を開けなさい」
嫌々をするように顔を背ける美香の乳房を掴む手に力を込めると、
「アンッ、いたいっ、舐めます……アンッ、美味しいかも」
「美味しいか……よし、美香のように素直な好い子にはご褒美を上げなきゃな」
羽を開いたクジャクのように背中に広がる黒髪を整え、髪の流れに沿って掌をすべらせながら背中や首筋にキスを繰り返す。
「大好きな人の大きな手で髪を撫でられるのって安心できるし落ち着く。キスも最高……なにを言っても怒らないでくれる??」
「あぁ、怒らないよ」
「髪を撫でられたり気持ちが蕩けるようなキスをされたりすると愛されているなって思える……私が一人で思うだけだから気にしないで……」
「美香ちゃんは素直でいいな、オレは歳のせいなのか余計な事を考えちゃうから時間がかかるんだよ。ごめんな」
「謝らないで……年齢を気にしているなら関係ないよ。内藤さんは見た目も気持ちも若いもん。愛しているって言ってくれなくても好いの、二人だけの時は嘘でもいいから好きって言ってもらいたいだけ……イヤンッ、恥ずかしい」
気持ちを言葉に込めた美香は精神的な緊張が解れ、素っ裸で尻を突き出した恰好に新たな羞恥を覚えながらも貪欲に性欲を貪ろうとして艶めかしく身体を蠢かす。
背後に立ち尻の割れ目を開くと、いやっ、止めてと叫んで逃げようとする。
腰を掴み、ピシッと音を立てて尻を打ち、
「美香……」
叱声の声をかけると身体の動きを止めて、
「見ないで、シャワーを浴びた後なら見られても我慢できるけど今は嫌。お尻を可愛がられたことがないから恥ずかしい。許して……おねがい」
分かったよと答えた内藤は割れ目から髪の生え際まで一気に指先を走らせ、耳の裏側に息を吹きかけて耳朶を甘噛みする。
首筋を刺激した手が乳房を愛撫してくれるだろうと期待すると期待はあっけなくはぐらかされて脇腹を撫で下り、背後から抱え込むようにして恥丘を撫でて恥毛を引っ張り、
「素っ裸で目隠しされて両手の自由を奪われたうえに、ホテルの窓辺で悪戯される感想はどうだ??気持ちいいか??」
「ねぇ、もう一度聞くけど本当に見えない??」
「大丈夫だよ、オフィスビルの灯りはないし、この部屋はフットライトを残しただけ、暗くて見えないよ。それに美香のハダカンボは誰にも見せたくない、オレだけのモノだよ。違うか??」
「嬉しい……私って自分で思っていたよりもエッチみたい。もっと、いろんなことをしても好いよ」
「窮屈だろうけど、ここに手をついて立ちなさい。真っすぐ立つんだよ、尻を突き出さなくていいからな」
手首を縛ったまま窓に誘導して立たせ、尻を突き出そうとするとピシッと小気味いい音を立てて打ち、腰を伸ばせと命じる。
「イヤンッ、痛いっ……何をされるの??怖い??」
怖いという声は言葉本来の意味ではなく、与えられる刺激にどれ程の快感を得るのかを不安に思う気持ちの表れのようで、それが証拠に顔は上気して声は甘えを帯びる。
「このまま、おとなしく待っているんだよ」
「どこに行くの??こんな格好で残していかないで、手を自由にして、おねがい」
「バスルームに行くだけだよ。すぐに戻る」
アメニティグッズの中から歯ブラシを選んだ内藤は美香の元に戻り、
「離れた位置で見ると美香の色っぽさが際立つ。水着デーがあればナンバーワンになれるだろう」
「私の裸を誰にも見せたくないんでしょう??あれは嘘なの??」
「水着姿も駄目じゃ、プールや海に行けないな。残念だよ」
「行く、行きたい。本当に連れてってくれる??ホテルのプール、伊豆か外房の海……どこが好いかなぁ……ヒィッ~、くすぐったいけど気持ちいい」
首筋から耳に息を吹きかけ、可愛いよと囁いて耳朶を甘噛みする。
ハァァ~と、感に堪えないという風情で甘い声を漏らす美香に頬を緩めた内藤は、髪の生え際を歯ブラシで優しく撫でる。