堕ちる・調教ー10
両手を背中に回してブラジャーのホックを外し、右手で乳房を抱え込んで乳房を守りながらブラジャーの落下を防ぐ。
五人に正対していたのをずらして斜めになり、左手でストラップを肩から外して羞恥に頬を染める。
褒める言葉もなく五人に見つめられると対応が不十分である事を悟り、右手で乳房を隠したまま抜き取ったブラジャーを持った左手をショーツに掛ける。
ショーツに指を掛けて腰を揺らし、膝まで下ろすと足を揺すって足元にショーツを脱ぎ落しブラジャーを持った左手で股間をカバーする。
「ハァハァッ・・・恥ずかしい。これ以上は出来ない」
「エロイ・・・想像以上に色っぽい、恥ずかしがって肌を朱に染める。そんな人が好き・・・私が可愛がってあげる」
妖子が紗耶香に近付き、乳房と股間を隠したままなのを叱責もせず、足元のショーツを拾い上げてベッドに誘う。
「四人に見られながら嬲られるのは恥ずかしいでしょう??縛ってあげる。身動き出来ない身体を甚振られるのは自分に言い訳ができるでしょう・・・ねっ、縛っちゃおう」
妖子は親切ごかしにブラジャーを乳房に乗せて先端を隠し、股間はショーツでカバーする。
二つの秘所を隠してくれた妖子に心を許し、
「ハァハァッ・・・縛られちゃうの??恥ずかしい」
「意地悪な男たちの言う事を聞いて、素っ裸の股間に自分の指を添えて赤貝の中をジロジロ見られるのがいいの??縛られて身動きできない身体を弄ばれるのは諦めがつくでしょう??ねっ、動いちゃダメよ」
囁きながら頬を擦り、髪を撫でて緊張を和らげると万歳の格好に両手を上げさせて素早く皮の拘束具を手首に巻く。
「痛くないでしょう??可愛い紗耶香を苛めたりしないから私を信じてね。男なんか信じちゃダメ・・・気持ち良くしてあげる。足も拘束しちゃおうか」
見つめ続ける妖子の視線による愛撫と止む事のない囁き声で麻痺したように、足首に皮の拘束具を巻かれても抗う事はなく両手両足を大の字に開いて拘束される。
妖子はマッサージパウダーを手に取りながら、
「力を入れちゃダメだよ、リラックスしてね」
パウダーマッサージは心地良い。
腿をすべる手の平は摩擦感を与える事無くサワサワと這い回る。
気持ち良さに目を閉じると、三人の男と新田に連れられてきた時も一人で来た時も受付に居た瑞樹に見つめられている事を忘れてマッサージの心地良さに酔いしれる。
腿を這い回った手の平に新たなパウダーを取り、膝の周囲を撫でて脹脛をマッサージし、足の甲を揉み足裏や指を一本ずつ解していく。
ハァハァッ・・・心地良さが不安を消し去り、緊張のあまり握りしめていた手を開放し息が穏やかなものに変化する。
「どう??気持ち良いでしょう・・・筋肉の緊張を解すと心も穏やかになるでしょう。解き放ちなさい・・・自分の気持ちに正直になるのよ、出来る??」
「はい、気持ち良いです。恥ずかしさからくる緊張でコリコリしていた身体が、妖子さんのマッサージでリラックスできました」
「ウフフッ、ありがとう・・・気持ち良いって言ってくれるとマッサージする甲斐があるわ。もっと、もっと気持ち良くしてあげる」
三度目のパウダーを手に取り足首から膝へと撫で上がり、ムッチリと量感豊かな腿を撫でて鼠蹊部を指先で撫でながら張り出した腰に至る。
アッ・・・鼠蹊部を撫でる指が股間を隠していたショーツを引っかけて剥ぎ取り、紗耶香は羞恥混じりの驚きの声を漏らす。
「うん、どうしたの??痛かった??・・・ごめんね」
「いえ、痛くないです。そうじゃないの・・・」
妖子は隠れていた股間が剥き出しになった事を気にする風もなくマッサージを続け、腰から下腹部を撫でて這い上がった手の平は胸の膨らみを掬い上げる。
「ンッ、ウッ・・・クゥッ~・・・」
足から胸までマッサージされて火照った身体は小さな刺激にも敏感に反応する。乳房を揉まれて先端を隠していたブラジャーが払いのけられ、偶然を装った指先が乳首に触れると甘い吐息を漏らしてしまう。
乳房を揉む手は女性らしく繊細で急所を心得ているために無駄な動きがない。
ウッウッ、クゥッ~・・・ギシギシッ、ガチャガチャッ・・・歯を食いしばり、顔を仰け反り逃げようとしても鎖に繋がれていては、望みが叶うわけなく鎖がこすれて軋む音が空しく響く。
妖子は指を立てて爪先で脇腹を刺激する。
ウググッ、クゥッ~、いやぁ~ン・・・ヒィッ~、恥ずかしい・・・紗耶香が天井を見ると鏡の中で悦びに震える我が身が本物の自分を見下ろしており、羞恥にまみれて呻き声に似た悦びの声を漏らす。
「ウフフッ、紗耶香さん、あなたも見たでしょう??オークションに掛けられた女性がセックスするところ・・・紗耶香さんが覗き見したのはマジックミラー、向こうから見れば鏡って事でしょう。慣れなきゃね・・・たくさんの人に見られながらヤラレちゃうのを・・・」
堕ちる・調教ー9
瑞樹と妖子のやり取りを聞きながら、紗耶香の視線は岡部と共にいる二人の男の手元を見つめて離れない。
一人は縄を手でしごいて使い心地を試しているように見える。何人もの女性の汗や嬉し涙を吸ったらしく、しっとりと手に馴染み美しい生き物のようにさえ見える。
縄が身体を這い回って自由を奪われ、三人の男姓と二人の女性に思うさま嬲られると思うと目が潤み、立っているのさえ辛くなる。
もう1人は紗耶香にチラチラ視線を送って手元を注目させ、バイブやローターを弄り浣腸器の内筒を押したり引いたりしてキィキィッとガラスが擦れる不気味な音を立てさせる。
二人の男は準備をしているのではなく紗耶香の反応を確かめている。
カジノで作った借金を返す術もなく、やむなく身体を預ける女性なら妖子と瑞樹の会話や男二人のする事を見て平気で居られるはずがないし、後に禍根を残すことなくゲストに身体を委ねて金を回収するには相応の調教をしなければならない。
といって、セックスが好きなだけの女性もゲストを満足させるのは難しく、回収を手間取る事になる。
目の前にいる紗耶香は理想的な女性に見える。男性ゲストの目には清楚にして淑やか、裸になれば男の視線を鷲掴みにして逃れようのない色気に絡め取られてしまう。
セックスに嫌悪感を持つ様子を感じられないし、有り余る好奇心がチェックの進むにつれて不安を霧散してしまう事だろう。
「それでは始めましょうか。紗耶香さん、すべて脱ぎ捨てて素っ裸になっていただきましょうか。ご自分で脱いだ方が衣服が皺にもならずいいでしょう・・・出来ないと仰るなら、私たちがお手伝いいたしますが些か乱暴になるかもしれないですしね」
乱暴に命令されたなら泣いて許しを請う事も出来るが、折り目正しく丁寧に話しかけられると借金していると言う弱みもあって逆らう余地がどこにもなく、じわじわと逃げ場のないところに追い込まれていく。
「紗耶香さん、どうしました??・・・手伝いましょうか??丸裸にして差し上げましょうか??」
「いいえ、大丈夫です。一人で脱げます」
頭の中が真っ白になり自らの意思で考える事も出来ず、足元が震えているのを意識しても、手は動きを止める事なくトップスを脱いでデニムパンツに指を掛ける。
ホォッ~・・・岡部と二人で紗耶香の家を訪れた男は何も隠す事のない裸を見ているが、残る男一人は下着姿を見て感嘆の声を漏らし、女二人は衣服を着ていた時の清楚な美しさが肌を晒すと成熟した女性の持つ濃厚な色香を漂わすのを見て息を飲む。
「色っぽい・・・私が男なら、あの人なら・・・」
思わず漏らした瑞樹の、あの人が新田を指すと察した岡部は鋭い視線を送り、それに気付いて口元を緩めたのを見て微笑みを返す。
美しい紗耶香の下着姿を見て、どこかに旅行しようかと言った新田の言葉を思い出し、その真意を一瞬疑ってしまった。
「バカね、疑っちゃダメだよ。新田さんは貴女を大切に思っている。だからカジノに連れてきて受付をやらせているんだから。そうしなきゃ瑞樹と一緒に暮らせないのを知ってるでしょう・・・疑っちゃダメ」
妖子は視線を紗耶香に向けたままで瑞樹にだけ届く声で囁く。
チラッと妖子を見た瑞樹は、ありがとう。お蔭で落ち着いたよ・・・と心からの礼を言う。
妖子の言葉で動揺を押さえ、悋気を持つことなく紗耶香に向かえると安堵する。
下着姿のまま立ち尽くす紗耶香に声を掛けることなく五人は辛抱強く待つ。
紗耶香が諦めの境地になり、自ら下着を脱ぎ棄てて秘所を晒した時の様子を確認しようと待ち受ける。
ドキドキッ・・・鼓動が自然と意識され、頬が赤らみ身体の芯が熱くなってくる。
こんな時にどうしてと思いながら、アソコが濡れてくるのを意識する。
アンッ、あぁっ~、ダメッ・・・吐息と共に思わず漏らした声は、紗耶香が五人に屈服した証であり、これから襲い来る予期せぬ快感を期待し始めた瞬間でもある。
意を決し俯いていた顔を上げると五人の背後の鏡に下着姿で立つ我が身が見え、羞恥のあまり顔を背けると横の壁にも同じ姿がある。
嘆きにも似た気持ちで宙を睨むと下着姿の自分が見下ろしている。
足が震え自然と身体が揺れるのを感じる。頭の中が真っ白になり、何をしようとしているのか一瞬とはいえ分からなくなってしまう。
ハァッ~・・・フゥッ~・・・ハァッ~・・・目を閉じて大きく息を吐き、胸いっぱいに吸い込み、それをゆっくりと吐き出す。
足の震えが治まり、下着姿で立ち尽くす我が身を鏡の中に確かめる。
フゥッ~・・・ハァッ・・・大きく息をする動作を繰り返して天井にいる自分に、大丈夫と声を出さずに話しかける。
落ち着きを取り戻すと、収まっていた身体の疼きが蘇る。
堕ちる・調教ー8
打ち合わせをする部屋に入ると紗耶香のセックスチェックに関わるメンバーは、瑞樹を除く四人がすでに集まっており席に着くと同時に前置きは一切なく進行する。
紗耶香は新田とカジノに来た時のようなエレガントな装いではなく、デニムパンツにプルオーバーを合わせたカジュアルな装いだ。安っぽく見えず、奥に秘めたエレガントさは損なわれていない。それどころかスポーティな装いが新たな魅力を引き出して一瞬、妬ましさが生まれる。
瑞樹が知る新田がこれまでスカウトした女性の誰と比べても魅力で劣る事がなく、いつもの事ながら新田の自分への愛情を信じて良いものかと不安を覚える。
デニムパンツを身に着けた事が、潜在的な不安から身体を守ろうとしているように思え、それは新田への思いの強さではないかと身構える。
カジノで紗耶香のアテンダントだった男が岡部と自己紹介の後
「紗耶香さん、今日は返済のための最終確認をさせていただきます。1500万円の返済について身体を提供して頂きます。先日、身体を確認させていただきましたがお客様も満足されるはずの素晴らしい身体です。カジノのお客様を対象としたオークション形式、あるいは定額で必要とする回数をこなすかを選択して頂きますが、それは今日でなくても結構です。今日は、ここにいる私を含めて男性3人、女性2人を相手にセックスをしていただきます。食事とギャンブルそしてセックスと言う人間の本質に関わり、本音が出る欲求を満たす事を目的としているクラブですので、どのようなお客様、言い換えればどのような嗜好に適合できるかを調べさせていただきます・・・よろしいですか??」
「はい、分りました」
紗耶香の声が震えを帯びているのは特に驚きではなく、最終チェックに臨めばよくある事なので誰も意に介さない。
その後も紳士的に、あくまで事務的に一通りの説明を終えた岡部は、紗耶香を促して隣室に通じるドアに向かう。
ギィッ~・・・バタンッ・・・6人全員が部屋を移動すると、紗耶香の後方で自由と拘束の境目の扉が重い音を立てて閉められる。
ヒッ・・・強制的に自由を奪うと宣言するような音に思わず声を漏らし、意外に明るい部屋の印象に眩暈がしそうになり、次の瞬間には身体が竦み目の前は霞がかかったように見えなくなる。
ドクドクッ・・・心臓は早鐘を打ち、視線を上げることも出来ず、部屋の様子を窺う事も出来ない。
崩れ落ちそうになる身体を支えてくれたのは受付で優しく対応してくれた瑞樹だった。
「大丈夫??・・・しばらく横になってもいいのよ」
瑞樹が好意で指さしたベッドは、四隅に金属製の鎖がセットされ、その先にはどう見ても手足用の皮製の拘束具と思しきものが付いている。
「いっ、いえ、結構です。大丈夫です」
おぞましいものを見て足元をふらつかせながらも気丈に答え、やっとの思いで視線を上げると天井と壁はほぼ鏡で覆われ、明るく感じたのはそのためだった。
天井からは何本も鎖が垂れ下がり、壁際には生贄を拘束するための十字架が設えられており、キャスター付きの椅子や木馬のようなものまである。
テーブルの上にはバイブやディルドに混じって浣腸器や用途も分からず、見た事もない紗耶香を辱めるための道具が並んでいる。
部屋の隅でひときわ異彩を放つ透明の壁で囲まれた場所は、透けて見えるバスタブとトイレが用意されている。
頭の中が真っ白になり、次の瞬間には鮮明な景色が現れて紗耶香は独りで想像を膨らませる。
強制的に椅子に座らされ、手も足も拘束されて自由を奪われて浣腸される。
いやも応もなく、拒否する事も出来ずに尻穴を犯した浣腸器が吐き出す液体を飲み込まされ、排出時には10個の好奇な瞳に見つめられながら生き恥をさらす事になるのだろう。
「どうしたの??熱があるんじゃないの??」
もう1人、ネームプレートバッジに妖子と書いてある女性が紗耶香を覗き込むようにして声を掛ける。心配してと言うよりも面白がっているように見える。
「えっ、いえ、大丈夫です・・・設備にびっくりしました」
「そうだよね、普通のラブホじゃこんなに充実してないもんね・・・特殊なラブホ、SM撮影なんかもできる所ならあるだろうけどね・・・行ってみたいでしょう、そんなラブホに。今度連れて行ってあげようか??」
「・・・・・いえ、結構です。私は・・・そんな、行きたくない」
「そう、そうだよね。但し、今はって事だよ・・・そんなに時間は必要じゃないよ、今日の調教が終わったら、連れて行って下さい。二人っきりで苛めてください、縛られたいって言いだすよ、きっと・・・賭けても良いわよ」
「クククッ、女性二人で紗耶香さんを怖がらせちゃ、この後がやりにくくなるだろう・・・こんな事は事務的に進めた方が紗耶香さんの心理的負担も軽くなるだろうから、さっさと始めようか」
「そうね、こんな可愛い子を見ると私の性癖が表に出ちゃうんだよね、ゴメン」
「私には考えられない事だけど、妖子さんは可愛い女性や美しい人を見ると嗜虐感を一層そそられるSなんだよね」
瑞樹の言葉に、そうだよ、貴女を餌食に出来ないのが悔しいと口走った妖子はわざとらしく手で口を覆う。
堕ちる・調教ー7
対面座位で新田に抱えられた身体を擦り付ける瑞樹は、
「アワワッ、すごいっ・・・子宮に届く」
「いっぱい好くなるんだよ。オレも気持ちいぃ、瑞樹の中が温かくてウネウネしてる」
「好いの??私の身体で気持ち良くなってるの??・・・こうするとどうなの??」
首に回した手と楔のように打ち込まれたペニスを支えにして、身体を前後に揺すり、円を描くように蠢かす。
「ウッ、ウググッ・・・すごいよ。瑞樹の中に何かがいるようだよ。オレのを包み込んで膣壁がヤワヤワしている。たまんない、我慢できないくらい気持ち良いよ」
暗闇の中で昇りつめた二人はシャワーで汗を流し、素っ裸のままソファに座る。
新田の右胸に寄り添い抱きかかえられる瑞樹は満足の表情を浮かべ、萎れて陰毛に隠れてしまったペニスを指で弾く。
「痛い・・・コラッ、痛いよ」
顔を顰めても嫌がる様子はなく、仕返しだとばかりに肩を抱いていた手を伸ばして乳首を摘まむ。
「クククッ・・・くすぐったい。気持ち良くなったら、もう一度してもらっちゃうよ。いいの??」
「ホットミルクを作るけど、瑞樹も飲むかい??」
「うん、飲みたい。マシュマロ入りが良いな・・・巧く逃げたつもりだろうけど、もう一度してもらう時間はないのに・・・ウフフッ」
鍋に牛乳を入れ、温め始めた新田の背中に話しかける。
「ねぇ、何処へ連れてってくれるの??」
「何も決めないで行こうか・・・車じゃなく、先ずは駅のホームに立って最初に来た電車に乗る。あとは気分次第ってのはどうだ・・」
「ウ~ン・・・表カジノと買い物や食事で香港とマカオが良いけど、今回は休みが短いから無理だよね、私が休めないから・・・予定なしって面白そう・・・次の機会は香港に連れてってくれる??」
「好いよ、約束する。サラリーマン時代、中国本土へ行くのに何度も行ったところだからね・・・次回のスカウト時は二人分の休暇を条件にしちゃおうか」
「大丈夫??・・・大丈夫だよね、スタッフの女性を男性スタッフにくっつけるのが凄いよね。外の男に惚れてカジノの事をしゃべったりしないようにって・・・私が貴男とこうなったのは指示なの、それとも貴男の希望だったの??・・・ずっと気になってたの・・・」
「ホテルのバーで瑞樹を見た時、オレの股間がビビビッって反応したんだよ。この女性と付き合いたいって。カジノは秘密を守るために付き合う女性にも条件が付くから、瑞樹をスタッフに引き込むしかなかった・・・怒るかい??」
「初めて声をかけられた時に、そんな事を知っていたら絶対に抱かれる事はなかったかな、多分。でも、いいの、後悔しない。昔の友人に会っても仕事内容をすべて話す事は出来ないけど・・・貴男がいればいいの」
温めた牛乳をカップに移し、小さくちぎったマシュマロを浮かべてシナモンパウダーを振りかけソファに戻る。
「美味しい。シナモンスティックがあれば良かったのにね・・・身体が温まる。このまま眠りたいけど、そろそろ行くね」
「もう、そんな時刻か・・・今日は遅番だね」
「うん、受付が終わっても直ぐに帰れないと思うの。すべて終わったら連絡するね」
カジノの受付をしている瑞樹は予定をすべて把握しているはずで、紗耶香のセックスチェックに立ち会う予定になっている事も知っているはずだ。
あえてそれを口にしないのは、妬いていると思われないためか、あるいは新田への心遣いなのかは分からない。
瑞樹を見送った新田はソファに横たわり、いつの間にか夢の世界の住人になっていた。
夢か現実か区別がつかないまま見る景色は、素っ裸の紗耶香が両手を拘束されて天井から垂れさがる鎖に繋がれ、スーツ姿で浣腸器を手にした瑞樹がゆっくり近付いていく。
ウッ・・・ハァハァッ・・・跳ね起きた新田はソファに寝ていた事を思い出し、時計を見ると25時を過ぎている。
店をはねた紗耶香がカジノに向かっている頃だろうと想像して股間を熱くする。
「瑞樹さん、地下室の準備が整ったようなのでレセプションを交代します」
テーラードスーツを着こなした瑞樹に勝ると劣らない容姿の女性が声を掛ける。
「そう、引き継ぎ事項はありません。後をお願いね」
「今日の女性は新田さんがスカウトした人でしょう??立ち会って平気なの??」
「平気よ、あの人がスカウトしたんだから後で悶着もないだろうし・・・それに、一緒に来た時は私が受付に居たし・・・じゃぁ、地下室へ行きます。後は任せたよ」
二人が地下室と呼ぶ部屋は言葉通り地下にあるものの、管理部門の部屋の並びにあり借金を身体で返そうとする客に引導を渡す部屋の隠語として使われている。
堕ちる・調教ー6
ゴトッ、ドスンッ・・・追いかけてくる気配を感じて、後ずさりしながら逃げていた瑞樹は何かに躓き倒れてしまう。
「痛いっ・・・あっ」
漏らした声に驚いて口を塞いだものの、新田はすでに体温を感じられるほどに近付き指先に触れた瑞樹を抱きしめようとする。
「キャァッ~、何??・・・舐めてあげるから、焦んないでよ」
尻を落としたまま床に座る瑞樹に中腰の新田が近付いて抱きしめようとしたため、先走り汁でぬらつく怒張が顔をつつく。
ヌチャ・・・ジュボッ、ジュルジュル・・・先走り汁でベトベトするペニスで顔を擦られる瑞樹は、手を添えることなく大きく開けた口で、それを追いかけてパクリと口に含み顔を前後する。
「ムハッ・・・ハァハァッ・・・大きくて苦しい、喉の奥を突くんだもん」
「捕まえたぞ、どうやって食べちゃおうかな・・・クククッ」
「ウフフッ、私が先に食べちゃったもん。お好きにどうぞ・・・食材を活かすも殺すも料理人次第。私はまな板に乗っけられて調理されるのを待つ哀れな女の子」
暗闇の中で互いをまさぐり合う。
まな板の上で調理されるのを待つはずの瑞樹も息を弾ませて新田の身体を撫で回し、唇を押し付けて舌を這わせる。
最初は戸惑っていた二人も慣れ親しんだ身体であり、直ぐに普段のペースを取り戻して何一つ見えない中での愛撫とは思えない吐息を漏らし始める。
ウッウッ、ウゥゥッ~・・・瑞樹上手だよ、気持ちいぃ・・・アンッ、いや、そんな、オッパイを吸われたら我慢できなくなっちゃう・・・・・
セックスの相性が好い二人は互いが見えなくても気持ちは繋がっており、迷うことなく唇を重ねる。
ウッウゥッ~、ハァハァッ・・・真っ暗闇で顔が見えない。口の周りを唾液が汚すほど激しいキスをした二人は見えない相手を手で探って存在を確認する。
ドキドキッ、ドクドクッ・・・ハァハァッ・・・胸を打つ早鐘の音に興奮し、隠しようのない荒い息遣いに思い合う気持ちを確かめて興奮を増していく。
新田の唇が乳首を捉えて甘噛みし、瑞樹の手がペニスを摘まんでピストン運動を繰り返す。
「すごいッ・・・オチンチンの先がビショビショに濡れてる。我慢できるの??」
摘ままれて刺激されるペニスを瑞樹の下半身に押し付けて腰を振る新田は、成熟した女性らしくムッチリと張り出した腰や尻を撫でまわす。
「いぃ、気持ちいぃ。貴男の手が這い、刺激さるところが全て気持ち良くなっちゃう・・・吐く息さえも私を愛撫する」
無言のまま愛撫を続ける新田の頬を撫で、唇を重ねても言葉を発しない。
「ねぇ、何か言って・・・真っ暗で顔も見えないから、知らない男に抱かれているようで怖いの」
「ウッ、いやんっ・・・声を聴かせて、瑞樹は可愛いって言って、見えないから怖い・・・アウッ、ウッ、ウゥ~・・・ウググッ、クゥゥッ~・・・こんなで気持ち良くなんかなりたくない。声を聴かせて、お願い」
新田の指が愛液で濡れそぼつバギナを捉え、親指がクリトリスを刺激して中指が膣口に沈み薬指がアナルをくすぐる。
「顔が見えなきゃオレだと分からないのか??声が聞こえなきゃ分からないのか??・・・これでも分からないと言うのか??」
「分る、貴男だって分るよ。クリとアソコとお尻を同時に可愛がってくれるんだもん、分かるよ・・・ヒィッ~、すごい」
右手の三ヶ所責めに加えて左手が右乳房を揉み、左の乳首を甘噛みする。
固い床に押し倒した瑞樹を両手と唇で愛撫する新田は、痛くない??痛いのを我慢しちゃダメだよと囁き、瑞樹は新田の頬に添えた両手で愛おしげに擦り唇を合わせてむしゃぶりつく。
「我慢できない、入れて・・・だめっ??」
「オレも我慢できない・・・入れるよ」
瑞樹を抱き上げて対面座位で挿入する。
「ウググッ、大きい・・・ウッ、アウッ、来る来る、入った・・・ハァハァッ、これが欲しかったの。大好き」
新田の首と背中に手を回して掻き抱いた瑞樹は悦びの声を耳元で囁く。
ペンライトライトの灯りでアロマライトの位置を確かめてスイッチを入れる。
薄っすらと輝く青い光の中にムッチリとした乳白色の肌が映えて色っぽいこと、この上ない。
「瑞樹、見てごらん・・・」
新田の指示する方に視線を移すとつながった二人が壁に映っている。
光が弱いためにぼやけて映る様子が想像力を豊かにさせて妖艶さを増して見える。
新田が腰を突き上げると壁に映る瑞樹の髪が揺れ顔を仰け反らせる。
「ウッウゥゥ~・・・だめっ、逝っちゃう。我慢出来ない」
瑞樹の言葉を意に介した様子もなく新田は腰に手を添えて抱き上げ、下から突き上げる。