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年下の男の子 

エピローグ -1

仕事中は気もそぞろで集中しようと思えば思うほど森との待ち合わせが気になり、仲の好い同僚に今日はおかしいよ、身体の調子が悪いんじゃないのと言われる始末だった。
午後になると時間の経過が気になり何度も時計を見るので調子が悪いなら早退した方が良いよとも言われた。
大きな過ちもなく仕事を終えても時刻を気にしながらグズグズと社内に残り、約束の時刻に間に合うギリギリでようやく退社した。

約束の場所が近付くにつれて動悸が激しくなり、本来の自分ではなくなっていくのが意識される。
待ち合わせ近くの駐車場に車を入れて店に向かうとドクドクと心臓が早鐘を打ち、息をするのも苦しくなる。
森の顔が浮かんで歩くのを逡巡する。
立ち止まって宙を睨み、目を閉じると笑顔の夫が週末の濃厚なセックスを約束してくれたのを思い出して自然と笑みがこぼれる。
「悪い事をするわけじゃない。息を切らせてまで忘れたバッグを届けてくれたお礼をするだけ」
誰に聞かせるわけでもなく自分自身に言い聞かせ、時刻を確かめて待ち合わせの店を目指す。

カランコロン……軽やかなドアベルの音が響き、奥の窓際席で森が手を振り屈託のない笑顔で迎えてくれる。
「遅くなってごめんなさい」
「いいえ、5分前だから遅くありません。僕が早すぎただけですから……えぇ~っと、ごめんなさい、お名前を聞いてもよろしいですか??」
「あっ、ごめんなさい……どうしよう、アヤでいい??苗字は勘弁してくれる??」
「はい、分かりました。アヤさんですか……〽いつか君と訪れた……彩さん、好い名前です」
「その歌を知っているの??」
「僕の母が大好きで他の歌もよく口ずさんでいたので自然と好きになりました。多分、ほとんど歌えますよ」
「そうなんだ、お母さんの好きな曲なんだ……私も若くないってことだね」
「そんな事はないです。彩さんの年齢は知らないけど十分に若いし魅力的です……あっ、ごめんなさい」
「ウフフッ、魅力的って言ってくれたから、許してあげる……私は昔から大ファンでファンクラブは勿論、ライブもよく行くわよ」
「そうなんですか。僕も母と何度か行きました。もしかすると同じ時間、空間を共有したかもしれないですね……どうですか、カラオケに行きませんか??行きましょうよ。一曲、いえ、二曲だけでもいいですから、おねがいします」
「そうね、二曲なら30分を少し過ぎるだけで帰ることが出来そうね。いいわよ」
「二曲じゃなく、二十曲っていえばよかった」
森の呟きを無視した彩は会計票を手に取り、
「お礼だから私に支払わせて」と言いながら席を立つ。

行きつけだというカラオケ店で会員カードを出した森は彩を振り返り、
「30分じゃなきゃダメですか??……やった、1時間でお願いします」
彩を振り返り30分でなきゃダメかと問うと指を一本立ててニコッと微笑む。

ビールとから揚げ、車通勤の彩はアップルジュースをオーダーした後は歌うわけでもなく、話すわけでもなくぎこちなく時間が経過し、互いの顔を見ることもできないほど緊張する。
そんな状態でも、年の離れた姉弟気分でいる彩は森を警戒することがない。
何かを吹っ切るかのように森は届いたビールを一気に飲み、受話器を取って再びビールを注文する。
アップルジュースを一口飲んだ彩は気まずい雰囲気を払拭しようとして森が口ずさんだ歌をセットして歌い始めると、森は届いたばかりのビールをまたしても一気に飲み干してしまう。

「さすがです彩さん。淑やかで美しく歌も上手、惚れ直しちゃうよ……今度は一緒に歌おうよ、デュエットでいいでしょう??」
ビールのせいで饒舌になった森は馴れ馴れしく際どい科白を口にして彩の隣に移動したタイミングでシャララの演奏が始まる。
歌い始めた森は彩の腰を抱いて身体を揺すり、頬を寄せて手に力を込める。
スポーツ好きで体力に自信があると言っても男の力に敵うはずもなく、身体を密着させたままでマイクを口の前に突き出されると好きな曲なので歌い始めてしまう。
ビールのせいなのか、それとも抱き寄せても抗わない彩に許されたと思ったのか、ついに頬にキスをする。

「やめて、森君はそんな人じゃないでしょう??信じていたのに……」
「ごめんなさい。ご主人がいるって知っていたし、名前も住まいも何も知らなかったけど彩さんが好きだったんです。忘れたバッグをお渡しした時に喜んでくれたので、つい我を忘れて厚かましいお願いをしてしまいました……その上、ビールを飲んだ勢いで……本当にごめんなさい」
カラオケの流れる部屋で彩の顔を見ることもできずに俯いたまま恐縮し、詫びの言葉を繰り返す森が可哀そうになり、テーブルについた手を取り、
「分かったから……分かったから、もういいよ。バイト中の森君は誰が相手でも真摯に接客しているのを知っているから私は忘れる、ねっ、顔を上げて、いつもの笑顔を見せて」
曲が終わり、静かになった部屋をまたしても気まずい空気が覆う。

「ウッウッ……ごめんなさい。大好きで憧れていた彩さんにご迷惑をかけて申し訳ありませんでした。僕はあの店のアルバイトを辞めます、許してください……ほんとうに、ごめんなさい」
顔を上げようともせず、今にも泣きだしそうな森を目の当たりにして途方にくれる彩は、どうしていいか分からず掴んだ手を擦り始める。
怒られてもしょうがないし、店員を呼ばれても止むを得ないと思うのに優しく接してくれる彩に接して申し訳なさが募り、一層顔を上げることが出来なくなる。

異性として意識したことはないものの明るく快活な接客に好感を抱いていた彩は、ついに禁断の言葉を口にする。
「森君、顔を上げて……森君のような好青年に好きだって言われて嫌がる女はいないよ。私もそう、でもね、私には夫がいるの……最後まではムリだけど、ガッカリしないって約束してくれるなら、ほんの少しだけ……一度だけ、今日だけって約束してくれる??」
「本当ですか、約束します。大好きな彩さんの言うことなら何だって聞きます……一度だけ、今日だけ、少しだけ僕の望みを叶えてくれるんですね??」

コクンと頷いた彩は室内に防犯カメラのない事を確かめて通勤着を脱ぎ、女の隠し処を上下の下着だけで守る姿になってしまう。

年下の男の子 

モノローグ

入浴を済ませて下着を着ける前の身体を姿見に映してみる。
「おチビちゃんだけど中々のものだよ。油断すると気になる体形もヨガを欠かさないお陰で成熟した女の魅力にあふれていると思うし、染み一つない白くてムッチリの身体は友達と行った温泉で羨ましがられもした」
誰に聞かせることもなく独り言ちて乳房を掬い、先端を摘まんでクチュクチュと指を蠢かす。
「アンッ……感度は好いし、色っぽい身体だと思うのにどうして旦那様はたまにしか抱いてくれないのかな……ウフフッ」
鏡の中の自分に話しかけて自室に向かう。

森君がどんな積りで誘ったのか分からないけど誠実そうな見た目や働きぶりから邪な企みを隠しているとは思えないし、誰が相手でもすべてを許す気はないし浮気をしたいと思ったこともない。。
30分でいいと言った言葉に嘘はないだろうと思うし、アルバイト先も苗字も分かっているから無茶なことも言わないだろう。

夫の部屋を恨めし気に見ながらドアを開けて自室に入り、部屋を覆う冷たい空気に身体が引き締まり宙を睨んでフゥッ~と息を吐く。
バタンとドアの閉まる音を聞くと、この部屋は私だけの空間。特別な秘密を隠しているわけじゃないけど隠し事がないわけじゃない。

ベッドに入ってからも、どうして易々と誘いを承諾したのだろうと自問する。
大切なバッグを届けてくれたお礼をするのは当然だろう。お礼代わりにお茶を飲むのは行き過ぎかなぁ……でも、こんな事が不貞になるはずがない。
待ち合わせの約束をした時の喜色満面の森君が蘇る。素直な表情に見えたけれど、まっすぐな感情を持て余しそうな不安も残る。

不実な人は好きじゃなく、人見知りする質で先頭に立つことを好まず、控えめに過ごす事が多いものの身体を動かすことが好きで小さい頃からスポーツに興じていた。
競泳をしていたこともあって今でもマリンスポーツが好きだし、サッカーなども好き。
体形維持も兼ねてヨガを欠かさない。場所を問わず、いつでも好きな時に出来るのが好い。
家族や仲の好い友人に普段の淑やかさをかなぐり捨てて、びっくりするほどの積極性を見せることがあると言われることもある。
森君の誘いを受けたのはそんなことなのだろうか、それとも過去を振り返ることなく未来ばかりを考える年齢でもなくなり若さを求める現れなのだろうか。

夫が欲しい。
時として粗野に映る夫の胸で温もりを感じながら子猫のように安心して眠りたい。
枕を抱き、股間を擦り合わせて森の顔を振り払おうと思えば思うほど屈託のない笑顔が鮮明になる。

悶々としながら寝返りを打ち、我に返ると指は股間に伸びて泥濘を弄っている。
閉じた瞼に後ろ姿を見せる素っ裸の男性が映り、徐々に近づいてくる。
ハァハァッ、誰??あなたは誰なの??あなたでしょう??……ウッウッ、クゥッ~……指の動きが激しさを増し、アンッ、ダメッ、気持ちいぃ、逝っちゃう~……全身の力が抜けて弛緩した時、瞼の裏の男性が目の前に立っている。
森君??どうして、森君が……明日、会うことを約束した森を想像して絶頂を迎えた自分を訝しく思う。
親子ほど年が離れたとは大袈裟だけど、若さ溢れる森君を男性として意識したこともないのにどうしてだろう……

「ありがとうございました……あっ、ごめんなさい」
数日前、お釣りを受け取り、レジ袋を手渡された時に指が触れた際の慌てぶりが思い出される。
年の離れた私を女として意識したのだろうか、それとも思い過ごしだろうか??
雨の降る日、勤め帰りに立ち寄った時の事、お車の運転に気をつけてくださいねと言われたこともある。全ての客に注意を促しているのだろうか、それとも私にだけなのか、なんとも思わなかったことがそれぞれに意味があるように思い始める。

喉の渇きを覚えて部屋を出てキッチンに向かうと灯りが点いている。
消し忘れたのかと思った瞬間、バタンッと音がする。
「誰??あなたなの??」
「ごめん、驚かせちゃったね。喉が渇いたのでビールを取りに来たんだよ……色っぽいな、キスさせてくれる??」
身体の疼きと股間の滑りを意識しながら夫のキスをしたいという言葉を何よりの僥倖と思い、自分から抱きつき貪るように唇を合わせる。

「ハァハァッ……俺と離れて寝るのは寂しいか??前と同じように同じ部屋で寝るか??」
「いいの、今のままでいい。忙しいあなたは家に仕事を持ち帰ることも少なくないから同じ部屋だと私が気になるでしょう??……それに、部屋が別だとキスだけで、こんなに興奮する……確かめて??」
夫の手を股間に誘導して恥ずかしそうに視線を逸らし、両手を背中に回して密着する妻が他人を思って蜜を滲ませているとは思わない。
「こんなになって……寂しい思いをさせてごめんよ。久しぶりに好いだろう??」
言葉にせずにコクンと頷いた妻をお姫さま抱っこした男は自室に向かい、ドアの前に立つと夫の腕に支えられた妻が手を伸ばしてドアノブを掴む。

夫の部屋は懐かしい匂いが溢れ、目を閉じて息を吸い込んであなたの匂いがすると囁いて頬を緩める。
ベッドに横たえた妻の頬に手を添え、髪を撫でた夫は、
「いつも通りの可愛い妻が手の届く場所にいる。ごめんな、忙しいからと近くて遠い二人になったのは俺のせいだ」
「近くて遠いなんて思ったことはないよ。食事を美味しそうに食べてくれるし、何かあると、ありがとうって言ってくれる。私の事を忘れていない証拠でしょう??たまにだけど、気持ち善くしてくれるし……ねっ、愛撫はいらない。入れて、我慢できないの」
妻のパジャマを剥ぎ取り、素っ裸になった夫は早くもそそり立つペニスをバギナに擦りつけて馴染ませ、グイッと腰を突き出すとズブズブと子宮を目指して突き進む。

「クゥッ~、気持ちいい……ダメ、逝っちゃう、いぃの??逝っちゃうよ……ウググッ、ヒィッ~……」
「俺もだ、我慢できない。出すよ、逝っちゃうよ……グッ、ウグッ、ハァハァッ、気持ち良かったよ」

「こんな時に言うのも変だけど、週末の予約をできないかな??こんな素晴らしい身体の妻がいるのに、これじぁ半分しか味わったことにならない……こんな言い方で怒らないでくれよ」
「怒るどころか、大歓迎だけど無理してない??……そう、嬉しい。エッチの前にワインと腕によりをかけた食事を用意するね」

年下の男の子 

プロローグ

「136円のお返しでございます。ありがとうございました」
「ありがとう」
コンビニで買い物を済ませた女性は時刻を確認して大急ぎで店を出る。

「お先に失礼します」
「お疲れさま。森君、明日は休みだっけ??」
「はい、明日は休ませていただきます」
「勉強、頑張れよ。学生の本分は勉強だからな」
「はい……あれっ??このバッグは今のお客様の忘れ物ですか??……そうですよね、お渡ししてきます」

頼むよという声を背中で聞いた森は店を出て、今まさに車に乗ろうとする女性客に声をかける。
「お客さ~ん。忘れものですよ、お客さ~ん……」

駐車場の車止めに腰を下ろした高校生らしい二人連れや店に入ろうとする男性客、歩道を歩く親子が何事かと森と声を掛けられた女性に視線を向ける。
「私ですか??」
「ハァハァッ……これはお客さまのバッグですよね??」
「えっ、あっ、そうです。ありがとう。息が切れるほど走ってもらって、ごめんね……それにしても私の忘れ物だってよく分かりましたね」
「お客様がいつもお使いなっているし、更衣室を出た時に店を出る後姿を見たものですから大急ぎで声を掛けました……ハァハァッ」
「免許証も入っているし、忘れると大変な事になるところでした。森さん、ありがとね」
「えっ、僕の名前を知っているんですか……そうか、仕事中は名札をつけているんだ……厚かましいお願いですが、今日でなくても好いので食事……いいえ、お茶をご一緒していただけませんか??」
「どうして??……まぁいいか。お茶だけなら好いけど、お礼代わりに私にご馳走さてください」
「明日の夕方はどうですか??30分ほどで好いので、おねがいします」
翌日の夕方、駅前で待ち合わせの店と時刻を約束した二人は軽く手を振って別れる。
駐車場を出る車に軽く頭を下げて見送った森は自らの右手を見つめ、店に向きを変えて見つめる先輩に会釈して帰路に就く。

秘かに焦がれていた女性客と店の外で会う約束が出来た事に心が躍る森のニヤニヤ笑いは、事情を知らずにすれ違う人を薄気味悪く思わせて自然と道を譲るような格好になる。
そんな様子に気付く様子もない森は、〽エリー、マイラブ……母親に影響されて好きになった曲を自然と口ずさみ、今にも走り出しそうなほど早足になる。

その頃、家路を急ぐ女はハンドルを握る手に力を込めて、どうしてあんな約束をしてしまったのだろうと自問する。
夫との仲は付かず離れずの関係になって久しく、愛しているかと問われれば愛していると応えるけれど、いつも一緒にいたい、頭から離れることがないということはなくなり、そばにいて当たり前、いなくなれば困るという空気のような存在になっている。
そんな夫に申し訳ない約束をしたと思うものの、コンビニで明るく朗らかに接客する森君に好意を抱いていたのも原因だったのだろう。店の外で会いたいと思ったこともないし、結婚して以来、夫以外の男性とデートしたこともない。

着替えを済ませて鏡の中の見慣れた顔に微笑み、よしと軽く気合を入れて休む間もなく夕食の準備を始める。
手際よく調理を終えて椅子に腰を下ろすと森と交わした約束を思い出す。
どうして、あんなことを言っちゃんだろう……お茶だけなら好いけど、お礼代わりに私にご馳走さてください……何かの進展を期待するわけでもないし、そんな事を考えたこともない。
夫とは、たまには小さな言い争いもするけど、そんな事はどの夫婦にもあるだろうし愛しているし愛されているという自負もある。

コチ、コチ、コチ……いつもは気にしたこともない時を刻む掛け時計の音が静かな部屋に響く。
「ただいま」
「おかえりなさい。夕食の用意が出来ているけど、どうする??」
「疲れているだろうに心を込めて作ってくれた夕食、温かいうちに食べようか」

「ごちそうさま、美味しかったよ……そうだ、明日は帰りが遅くなるので夕食はいらないよ。たまには友達とゆっくりしてきなよ、急で申し訳ないけど」
「うん、ありがとう。そうしようかな、久しぶりにカラオケに行きたいし、美味しいビールでも飲んでこよう」
脳裏に浮かんだ森の顔を追い払うために、さぁ、片付けようと声を出して立ち上がる

その後はいつもと同じようにテレビを見ながら会話を楽しみ、時計を確認した夫がバスルームへ向かうのを見送って片付けに遺漏がないか確かめて翌日の準備をする。
「お先で申し訳ないけど、おやすみ」
いつの頃からか寝室は別になり、それと時を同じくしてセックスからも遠ざかり、性的欲求はオナニーで紛らわすことが多くなった。
夫はどうやって発散しているのだろうと思うこともあるが、肩を並べて座りテレビや音楽を楽しむときの温もりを感じている限り愛が冷めることはないと思っている。

偽者 ~PRETENDER~ -39

佐緒里と内藤 -11

腋窩にむしゃぶりつく内藤は微かに感じる塩っけさえも好ましく、吸い付く力を弱めようとしない。
「痛いっ、脇の下に吸い付かれて気持ちいいなんて……恥ずかしいけど、痛痒いのがいい。アウッ、クゥ~ン、もっと」
二の腕の内側をハムハムと甘噛みすると、くすぐったいと呟いて内藤に組み敷かれたまま身体を捩る。
「そんなに動くとオレのモノが佐緒里の中に入っちゃうよ」
「ダメ、まだダメ。我慢できないから入れてって言うまで可愛がってもらうのだから」
「ふ~ん、試されているようだな」
「クククッ、あなたは試す必要もない。近寄りがたいって言われることがあるけど、あなたは躊躇いもなく私を跪かせて口の中に精液を吐き出した。そんな風にされる事を妄想して独りエッチしていたの」

内藤が髪を撫でながら、
「佐緒里の事を可愛いって言える男はゴロゴロいるわけじゃないんだ??」
「私が思う以上に私への評価は高いらしいからね。髪を撫でてくれる人もいないなぁ……男性よりも格上の女性の髪は撫でることが出来ないでしょう??本当の私はMっ気の強いエロ女なのにね」
「そうするとオレは鈍いのかなぁ……だから仁王立ちのオレは佐緒里を跪かせて口腔を犯すこともできる」
「クククッ、鈍いんじゃなくて自信家でしょう??自信家のセックスで啼かせて、早く」

佐緒里の右手の二の腕から肩を経て鎖骨の周囲をなぞり、右手で左鎖骨の窪みを撫でる内藤の瞳は自然と胸の膨らみに向く。
「スケベ、なに見てんのよ」
「あれ、聞いたことのあるようなセルフだなぁ」
柔らかな膨らみでさえ変形することのないように優しく裾野を擦り、佐緒里の意識を乳房に集中させる。
「ハァハァッ、ドキドキする。次は何をされるんだろうって思うだけで昂奮する」
膨らみを擦る右手はゆっくりと頂上を目指して指先で乳輪をなぞり、右側の乳輪は唾液まみれの舌で舐めまわす。
指先を立てて乳輪の周囲でリズムよく振動を与えると眉間に皴を刻み、弛緩していた指が再び固く握られる。
目を閉じようとすると内藤がじっと瞳を見つめて囁く。
「佐緒里の瞳にオレが映っているのが見える。二人だけの時間、急ぐことはないよな」
「うん、今は私の事だけを見てくれる……恥ずかしいけど、嬉しい」
「クククッ、どうした。乳輪が膨らんできたよ、ここを刺激するとどうだろう」

ぷっくり膨らんだ乳輪の周囲を指先でなぞると先端が尖り始めて股間に押し付けた内藤の下半身が滑りを感じる。
「どうしてだろうね、佐緒里の身体は??乳輪の周囲をトントンすると膨らみ、乳輪を刺激すると乳首が勃起する。直接愛撫するよりも周辺の愛撫が好いのかなぁ」
「いやっ、意地悪な事を言わないで。あなたの触れる処が私の性感帯、独りエッチの時はオモチャを使うことが多かったけど、そんなモノよりもあなたの指や唇の方が100倍も気持ちいい」
「佐緒里と肌を合わせるだけで気持ちいい。融けて混じり合って一体になるような気がする」
「なりたい、身体が一つで頭が二つの双頭人間……あなたとなら好いよ。美香ちゃんが怒るだろうけど、ウフフッ、もっと気持ち善くして」

乳輪の周辺で戯れていた内藤の手が乳房を揉みしだき、勃起した乳首を口に含んでコロコロ転がして舌先でツンツンつつく。
唾液まみれの温かい舌で包み込み、尖り切る乳首をチュ~ッと吸いあげて根元を甘噛みする。
「アンッ、やっぱり痛痒いのが好い。私がマゾだからかなぁ」
「クククッ、すごいよ。オマンブーに押し付けている下腹部に温かい液体が絡みついてくる」
「ねぇ、舐めて……アソコをペロペロされたい」
「ダメだよ。オッパイを可愛がって、臍に下りて下腹部をペロペロなめなめ。マン毛をショリショリしたツルツルの下腹部をベロベロ舐めまわして溢れ出る花蜜をチュウチュウ飲み干す。飲んでも、飲んでも溢れてくる蜜を溢れさせる源泉を長くて太い棒で栓をする。グリグリ棒を押し込んで蓋をするんだよ。我慢できそうか??」
「ハァハァッ……そんな事を聞かされると昂奮する。想像するだけで気が狂いそう」

右乳房が歪になるほど揉みしだいて先端を甘噛みすると、気持ちいいと呟いて内藤の髪を鷲掴みして両足を絡ませる。
抑えきれない快感に佐緒里は言葉もなく、シーツの代わりに髪を掴み、両足指を伸ばしたり曲げたりして切ない思いを伝える代わりに両足でしがみつく。
内藤の右手が左乳房を鷲掴みしたまま先端を人差し指で弾く。
髪を掴み両足を絡ませたままの佐緒里は胸を突き上げて内藤の顔を乳房に押しつけ、
「ねぇ、我慢できない。アソコを無茶苦茶に掻きまわして、たまんないの。気が狂っちゃう」
髪が抜けそうになるほど掴んだ両手を振り回し、絡ませた両足に力を込める。

偽者 ~PRETENDER~ -38

佐緒里と内藤 -10

離婚のせいで乾いたままの佐緒里の心に潤いを与えたいと思う内藤は、身体への愛撫が心にも届くようにと手を握って気持ちをつなぐ。
髪を撫で、乾いた舌先で首筋から耳の裏側まで刷いて息を吹きかける。
アンッ……一瞬、身体をすくめて握った手に力がこもり、次にはリラックスして身体が弛緩するのが伝わってくる。
耳朶を舐め、甘噛みをして耳の穴に舌を侵入させると再び身体をすくめて、クゥッ~と艶めかしい声を漏らす。
「佐緒里、緊張しちゃダメだよ。可愛い佐緒里がオレを気持ちよくしてくれたからお返しするからね」
「イヤンッ、耳のそばで囁かれるとあなたの声が頭の中で反響する。ゾクゾクするの、気持ちいい」
唇や舌、歯と息まで加わって施す愛撫に快感を呼び起こされる佐緒里は声にも甘い刺激を受けて子宮がキュッとなるのを意識する。
繋いだ左手は離れることはなく力を込めたり、抜いたりと変化をつけて右手は腰を擦り腿の裏側を這う。

舌が耳から首筋を撫で下りて肩を舐め、痕が残らないように気遣いながらハムハムと甘噛みをする。
「ハァハァッ……痕が付いてもいいよ。あなたが私の身体に残す刻印、想像するだけでドキドキする」
繋いだ左手に力を込めて下半身を擦っていた右手で再び髪を擦り、
「オレの大切な佐緒里の身体に傷をつける積りはないよ……」と、囁いて耳を弄る。
耳朶を摘まみ小指で穴の入り口をくすぐり、唇は反対側の耳を甘噛みする。
「アァ~ン、いぃ……オチンポで口を犯されて喉の奥に精液を吐き出されるのは、あなたに征服されてお前はオレのモノだって宣言されたようで嬉しかった。優しく愛撫されるのはセックスの捌け口じゃないと言われるようで嬉しい」

つないだ手を、放すよと囁いた内藤は俯せの佐緒里の両足を跨いで背を丸め、膝から付け根に向かって太腿の裏側を撫で上がりプリンとした尻を揉みながら割れ目に舌を這わせる。
「やめて、家を出るときにお尻をきれいにしてきたけど恥ずかしい」
「シィッ~、何も言わなくていい。佐緒里の身体はすべてオレのモノ、何も考えずに気持ちを解き放つんだよ」

尻の割れ目を舌が上下するとパクッと開き、次の瞬間に固く閉じられる。
「イヤッ、今日は止めて」
「佐緒里の部屋で、今日は止めてって言ったのを覚えている??」
「覚えていたから今日はきれいにしてきたけど、やっぱり恥ずかしい。もう少し時間を頂戴、アナル処女はあなたに捧げる積りだから。ねっ、おねがい」

スベスベと染み一つなく丸みを帯びた尻を鷲掴みした内藤は揉みしだき、左右に広げてセピア色にも似た窄まりの中心がヒクヒクと物欲しげに息をするのを見つめて息を吹き付ける。
「ヒィッ、いやんっ」
「クククッ、オレといる佐緒里は可愛いな」
ビーナスのえくぼを指先でなぞり、右腰から肩に向かって乾いた舌先が舐め上がる。
「ウッ、ヒィッ~……」
シーツを固くつかみ、足指を曲げたり伸ばしたりして襲い来る快感に声を漏らすまいと堪える佐緒里の顔は歪み、クジャクが羽を広げたように乱れる髪が悩ましい。
肩から腰へ背骨に沿って舐め下りる際は両手の指先が脇腹で蠢き、虫が這いまわるような妖しい愛撫に身体を捩って喘ぎ声を漏らす。
「アンッ、ダメ……気持ちと身体が別になったみたいでゾワゾワする……変な感じだけど気持ちいい」
「もっと気持ち善くなってくれると嬉しいよ。両手を開いて足も力を抜いて……、そうだ、それでいい」

産毛を一本一本逆立てるようにゆっくりと舌を這わせて舐め上がり、左手を再び佐緒里の指に絡ませる。
手を握るとわずかに残っていた緊張は姿を消して与えられる愛撫に素直に反応し、羞恥も消え失せる。
尻の割れ目に両手を添えて左右に開き、窄まりの中心に息を吹きかけてベロッと舐めると、
「ヒッ、いやぁ~ン。今日はダメって言ったのに……」と艶めかしい声を漏らして仰向けになる。
「クククッ、次の訪問を約束するために挨拶しただけだよ」
「いやらしい、肛門、だって」
「ばかっ、訪問だろ。肛門なんて言ってないぞ」
「ウソ、言った。絶対に肛門って言った……罰としてオッパイもオマンコも嫌って言うまでペロペロしてもらうよ」
店では凛として、例え客に対してでも媚びることなく毅然と振舞うのが魅力の源氏名さおりが、内藤の前では佐緒里に戻って何も隠そうとしない。

仰向けに寝る佐緒里の右手を取って二の腕から肘まで舌を這わせ、そのまま舐め続けて中指を口に含み、舌を絡ませる。
「アンッ、いやっ、もっと……温かい口や舌でベロッとされると気持ちいい。男の人がフェラチオで気持ち良くなるのって分かるような気がする」
「佐緒里が気持ち良くなってくれるとオレも昂奮する。分かるだろう??」
「うん、太腿に熱い棒を押し付けられている……まだ、ダメだよ。もっと、もっとナメナメしてもらって気持ち善くなりたい」
佐緒里の指を一本ずつ口に含み終えた内藤は手首から二の腕まで舌を這わせて、パクッと腋窩を口に含んでチュ~チュ~と吸い上げる。
「ヒィッ~、いやっ、嫌。脇の下を舐められるなんて恥ずかしい」
プロフィール

ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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