2ntブログ

おとぎ話

残業

「用意したハンドアウトはあれで良かったですか??」
「ありがとう完璧だったよ。急な会議の進行がスムーズだったのは佐伯さんが用意してくれた資料のお陰です。出先からの連絡だったのに助かった、ありがとう」
「感謝してくれますか??」
「いつも助けてもらって本当にありがとう」
「じゃ、飲みに連れて行ってください・・・だめですか??」
「いや、それで良いなら行きましょう」
「約束ですよ。今日は金曜だから帰りが遅くなっても大丈夫だし・・・」
「フフフッ、お手柔らかにね。待ち合わせは18時、駅の向こう側、シャノアールで良いかい??」
「判りました。残業にならないように頑張って仕事します」

「千春、今日はデートでしょ??」
「判る??」
「判るわよ。でも、デートを隠さないのは千春らしくないね」
「ウフフッ、みんなには内緒だよ。秘密にしといてね・・・オネガイ」
「あらあら、今の千春を見たら誰でも何か良い事があったんだなって思うよ」
「えぇ~、そんなに浮かれてる??」
「見ちゃいらんないくらいウキウキ、ニヤニヤしてるよ。遠くを見て思い出し笑いもするし」
「ごめん、気を付ける。仕事では迷惑を掛けないようにするから・・・」
「うぅうん。それは大丈夫、いつもより張り切っているから仕事は捗っているし・・・」

「おまちどうさま、出ようと思ったら電話が入っちゃって・・・」
「いいえ、電話は気が付いていましたから・・・断りのメールが入ったらどうしようってケータイばかり見ていました」
「すぐに終わるってメールしたほうが良かったね。気がつかなくって、ごめんね」
「いいえ、そんなこと・・・無理なお願いをしてすみませんでした」
「夕食は何がいい??」
「う~ん、一人じゃ食べられない鍋もいいし・・・ステーキで元気もつけたいし・・・中華もいいし・・・」
「すごい食欲だね。今日は何がいいか、コーヒーを飲み終わるまでゆっくり考えていいよ」
「えっ、今日はって・・・この次もありですか??」
「いつもお世話になっているし、残業になるような無理も聞いてもらっているし・・・これをきっかけに月1くらいはお礼をしなきゃね」
「嬉しい。じゃ、今日は中華がいい・・・ちょっと質問してもいいですか??」
「いいよ、何かな??」
「駅の反対側って言うのは、私と一緒のところを見られたくないからですか??」
「私と一緒のところを見られるのも、どうかなって思ったんだけど」
「私は構わないですよ。別に悪いことをしているわけじゃないですから・・・まずいですか??」
「佐伯さんに憧れている人たちに恨まれたくないからな」
「そんな事はないです。それに私としては誰かに見られたいくらいです・・・あっ、ごめんなさい」

「ごちそうさまでした。フカヒレも車海老のチリソースも美味しかったです・・・ウフフッ、これからも厄介な仕事をどんどん頼んでくださいね」
「これからもお世話になるね。駅まで歩こうか??」
「えっ、約束しました・・・飲みに行く約束です」
「もうすぐ9時だし大丈夫なの??」
「言ったはずです、金曜だから帰りが遅くなってもいいって・・・」
「それじゃ、このホテルのバーでいいかな??」
「出来れば・・・柏木さんの馴染みの店がいいな、だめですか??」
「判った、お世話になってるお礼だからね。佐伯さんが望むところへ案内しよう」
「良かった、手を組んでもいいですか??・・・アッ、変な意味じゃないですよ。カップルはみんな手や腕を組んでいるから、その方が自然かなって・・・」
「女性と手を組むのは、久しぶりだから照れちゃうな」
「これって知ってます??恋人つなぎって言うんですよ」

「酒は強いんだね」
「知らないんですか、私は高知の出身ですよ。酒は少々です」
「それは聞いたことあるよ。酒升升で二升のことだろ」
「そうです。飲み比べしましょうか・・・負けたら何でも言うことを聞くって言うのはどうですか??」

「大丈夫??そろそろ帰ろうか??」
「私が勝ちなら止めますけど・・・参りましたか??」
「参った、負けました」
「それならよろしい。これからは2人の時は佐伯じゃなく千春って呼ぶこと。最後に、もう1杯飲ませてください」
「ほんとに最後の1杯だよ。同じカクテルでいいかい??」

「あっ、ごめんなさい。ここは・・・??」
「タクシーに乗ったら自分で住所を言って、直ぐ寝ちゃったんだよ、部屋の鍵を出してもらうのが大変だったんだから」
「ホントにごめんなさい。寝てないんですか??」
「女性が一人住まいの部屋は慣れてないから落ち着かないよ・・・千春の寝顔は可愛かったよ」
「千春って呼んでくれるんですか??」
「飲み比べで負けたからね、約束は守んないと」
「優しいから、必ず負けてくれると思っていました。ウフフッ、私は千春で・・・雅之って呼びますよ・・・雅之に髪を撫でられるのって気持ちいい」
「謝んなきゃ、上着とスカート、ブラウスとパンストは脱がせたよ」
「全部脱がされたかった・・・いま何時頃ですか??」
「8時過ぎだよ」
「お風呂に入りませんか??そのあと朝食を作りますから」
「お酒は??残ってない??」
「大丈夫です、酔ったふりです。ごめんなさい・・・升升ほども飲んでなかったですから・・・」
「そうか、騙されちゃたんだ。でも直ぐに寝ちゃたよ」
「作戦成功で安心したからです。お湯を入れてきますね」

「お風呂でキレイになったし、すべてを見られちゃったし・・・朝食の前に私を食べてみませんか・・・恥しい・・・」

「そんなとこ・・・ウッウゥゥ~、舐められると気持いいの・・・挿れて・・・」

「アゥッ、アァァ~、気持ちいぃ・・・イックゥゥ~」

「ごちそうさま。美味しかったよ。しかし朝からすごいごちそうだったね」
「男の人のために料理を作るのは久しぶりだったので張り切り過ぎました。お礼のキスを・・・おねがい」

「あうっ、じょうず・・・」

「それじゃ、月曜日・・・」
「家まで送ってくれたお礼を受け取ってくれますか??」
「何かな??」
「この次、送ってもらう時のために合鍵を持っていてください」
「送った時だけかな??使っていいのは??」
「フフフッ、嬉しい。いつでもいいです・・・待たせちゃ悪いから、来てくれる日はメールをください」
「うん。それじゃ、美味しい朝食と・・・千春も美味しかった・・・ありがとう」

鏡ー1 焼肉

<エクスペンタブルズ3>のポスターの前で、スタローン、ハリソンフォード、アントニオ・バンデラス、ジェイソン・ステイサム、ウェズリー・スナイプス、ジェットリー、シュワルツェネッガー・・・と小さな声で出演者を確認していると、
「この映画を見るの??」
「いやっ、2年前の前回作と出演者は一部替わったんだなぁって思いながら見ていただけだよ」
匂いに惹かれて声の主を見るオレの心臓がドクドクと早鐘を打ち、全身の血が顔に集中したように熱くなる。
「うん??私の顔が交番に貼ってあった??・・・重要指名手配犯を見つけたような表情だよ」
「クククッ・・・あなたが指名手配犯なら、世界中を敵にしても守って見せる。身柄を私に任せる気はある??」
女の軽口にオレは正気を取り戻し、舐めるが如くに全身をねめ回す。
「どう??割と好い女でしょう。見た目には自信があるんだ」

デニムパンツにワークシャツを合わせただけなのに、元々の素材の良さを隠しきれない魅力は自慢するだけの事はある。
「う~ん、どうかな??・・・あなたの辞書には謙遜って言葉も載ってるようだね。割とじゃなく文句のつけようのない好い女」
「クククッ・・・あなたもなかなかのものよ。好い女を目の前にしても、どぎまぎしない、それだけで立派な紳士」
「それは嬉しいね、ありがとう・・・ところで・・・??」
「そうそう、ヒマそうだけど私にプレゼントする時間がある??」
「確かに、忙しそうに見えないだろうね。自信家じゃないけど食事位なら大丈夫だと思うよ」
「焼肉屋に誘ってもらえると嬉しいんだけど・・・独りで入るのは苦じゃないけど、男たちが何かとね」
「想像できるよ、蜂蜜に群がるアリたち。食事中だから邪魔しないでくれるって追っ払っても、先延ばしの効果しかないだろうな」
「自意識過剰って思われちゃうだろうけど、実は、当たらずと雖も遠からず・・・ウフフッ、可愛くない女だと思ってるでしょう」
「そう思う男がいるとすれば、正直なあなたに気圧されての事だろうね・・・私は嫌いじゃないよ」
「嫌いじゃないって、好きって事を回りくどく言ってるの??それとも、好きじゃないけど嫌いでもないって事??・・・いぃ、答えてくれなくても、こんな事を言うから可愛くないんだよね」
「あのね、続きは食べながらにしない??」

「タン塩とコリコリ以外は任せる。ビールとね」
「コリコリとは、好い女は食べるものも小粋だね」
「そうぉ、ステーキを食べたければそう言う。焼肉って言う限りはホルモンでなきゃ、しかも肉を食べてる感はコリコリのように気取ってちゃ歯も通らないのが最高・・・間違ってる??」
「間違っちゃいない・・・肉を食べて男も食べる。やっぱり好い女だな」
「クククッ・・・あっ、オーダーを取りに来たよ、続きは食べながらね・・・」

「カクテキとオイキムチ、タン塩・コリコリ・ハラミ・上ミノ・ハートにセンマイ、焼き野菜、チシャ、生中・チューハイ・・・お願いします」

「今のお兄さん、好い男だよね。どう思う??」
「私とあなたが親しい間柄なら答えられるけど、食事を付きあっただけで他の男が好いか悪いか、面白くない質問だな」
「ウフフッ、仕返しなの、あなたも随分と失礼な事を言ったよ。肉を食べて男も食べるって言ったでしょう・・・どういう意味なの??まさか、焼き肉を食べる男と女は、その後アレをするなんて言う陳腐な事を言わないでしょうね??」
「食欲と性欲は生きるために必要な事で裏表の関係だと思っているんだけど、食べるのが好きな女性は男を食べるのも好きに通じるかなって・・・」
「ふ~ん、それも、当たらずと雖も遠からずね・・・男を食べるのは好きよ。グルメ以外に男好きに通じる女っている??」
「カラオケ好きはノリが良く、デュエットで肩を抱いてそのままベッドに、アロマテラピー好きな女性は癒されたい願望が強いから、優しく抱きしめてあげれば心も身体も開いてくれるし五感をくすぐるようなセックスに憧れを持っている。旅行好きな女性は非日常を求めているからセックスも野性的なのを好む」
「クククッ・・・あなたにかかればどんな女性も身体を開いちゃうの??」
「もちろんダメ女性もいるよ・・・エクササイズなどを好む女性は自分の内面にこだわりを持ち厳しく律する事が多い、男に対しても要求が高いから私ごときじゃ歯牙にもかけてもらえない」
「ウフフッ・・・あなたこそ謙虚な処もあるんだ。私はグルメじゃないけど、食べるのが好き・・・当然男を食べるのも好き。ここを出た後、あなたを食べさせてもらえるの??」
「私は礼儀を弁えた男の積りだから上の口を満足してもらった後は、下の口も満足してもらえるように努力するよ」
「そう、じゃぁユッケを追加してもらえる??生肉は男にむしゃぶりつくのに通じるから」

「少し歩こうか・・・大丈夫??」
「デニムパンツにスニーカーだから大丈夫だよ。どこに行くかは聞かない事にする」
明治通りを北に歩き六丁目の交差点の先で左に曲がる。
着いたよ・・・決して新しくはない建物に入り、男は手慣れた様子で部屋を選ぶ。

鏡-2 ホテル

「なに??何??なんなのこの部屋は??」
壁も天井も鏡で囲まれた部屋に一歩入った瞬間、女は目をこれ以上は無いほどに見開き、あちこち見回す。
一枚鏡ではなく、角度を変えて何枚もの鏡を設えた部屋は、どこにいても自分の姿が何人もいるように見えて我が目を疑い、次の瞬間にはベッドに寝転んで天井や壁の鏡に見入る。
「すごいね、どこにいても私が何人もいるように見える。あなたに組み敷かれると身悶える私が天井にいる。私が上になると正面や左右に髪を振り乱してセックスに興じる私が何人もいる・・・そんな姿を想像するだけで濡れてくる。バスを先に使って、後から行くから・・・」

躊躇することなく素っ裸になり、オレの下半身を見て何か言いたげな女を残してバスルームに向かう。
素早く全身を洗い、最後に股間に手を伸ばすと女の魅力に気圧されたのかオレのものは情けなく萎れたままぶら下がっている。時として初めての女性を相手にすると、満足させなきゃいけないと頑張りすぎて遅漏気味になる事がある。
「緊張すんなよ。普段通りにすれば満足してもらえるからな」

ゆったりと身体を伸ばしてテレビを見ていると女の声がする。
「入るね、目を瞑って・・・お願い。急に恥ずかしくなっちゃった」
シャァ~シャァッ~・・・目を瞑り耳に神経を集中するとテレビの音声に交じり、女がバスルームに入る音に続きシャワーを全身に掛ける音が聞こえる。
「どこに入ればいいの??」
足を伸ばして両手を開くとオレの腿を跨ぎ、恥ずかしいと言う言葉が信じられないほどリラックスした様子で背中を預けて胸に寄りかかる。
「アァ~、気持ちいぃ。こういうホテルって、これからは作れないんだよね・・・勿体ないよね」
「詳しく知らないけど、ラブホの新設は場所規制がうるさくなったし、鏡張りの部屋や回転ベッドの新設は認められないって聞いたような気がする。法律施行前からあるこのホテルなんかは皆で利用して、ぜひ残さなきゃね」
「ほんとう、私もそう思う。こんな部屋は初めてだけど、また利用したいって思うもん・・・いつも、お気に入りの女性をこの部屋に連れ込んでいるの??」
「連れ込むとは、ざっくばらんな言い方だね。二度目だよ、一度目は私が連れ込まれた。衝撃的なセックスだったから、好い女とヤル時はここでと決めていた・・・」
「そう、私はこの部屋にふさわしい好い女って事なのね・・・期待外れにならないように満足させてあげる・・・ウフフッ」
互いの身体を洗いっこしながら気持ちを盛り上げようと思うものの、ベッドで抱き合い前後左右や天井に映るあられもない二人の姿を想像すると、早くベッドに戻りたいと思う気持ちを抑えることが出来ない。

焦る気持ちを見せずに冷静さを装おうとする女は努めてゆっくりと話しかける。
「鏡張りの部屋はびっくりしたけどバスルームはごくごく普通だね」
女性らしく柔らかな感触の女を背後から抱きながらボタンを操作する。
バシャバシャ・・・「ごめん、訂正する。普通に見えたバスルームもびっくりする武器を隠していた・・・スゴイッ、興奮するし気持ちいぃ」
照明が暗くなると同時に水中から七色の灯りが光り輝き、ジェットバスが稼働する。
赤や青、黄色の光が混じり合い、波に連れて光も揺れて女の肌を幻想的に飾り、妖艶な魅力にオレの股間が立派な男になる。

屹立したものが腿を跨ぐ女をつつくと背中越しに手を伸ばして確かめ、にんまりと微笑む。
「やっと・・・私に魅力がないのか、それとも・・・クククッ、不能なのかと思い始めてた・・・こんなに立派なんだから期待しても好いわよね??」
腿を跨いだまま向きを変えてオレに正対し、ねっとりと視線を合わせて目を閉じる。

女の頬に手を添えて唇を重ねる。
ハァハァッ、フンフンッ、フゥフゥッ~・・・ついばむように何度も唇をつつき合い、唇を割り出た二人の舌が宙で戯れる。重なり合って擦り合う。
閉じていた女の目が開いて男を見つめる。
真っ赤に染まった瞳が二人の欲望をあからさまにする。
女の手がジェットバスの作る泡の中に埋もれて下腹部を撫で下りてペニスを擦る。
「大きい、裸になってバスルームに向かう時は萎れていたからどうしようかって思っちゃった」
「好い女と初めての時は、良いところを見せようとして身体の反応が遅くなるんだよ」
「そうなの??信じる。私は我慢できないくらい興奮してる。一度満足させて・・・いやっ、ここじゃ嫌。ベッドで・・・鏡の中で組み敷かれて身悶える姿を見たいの。この部屋はそのためにあるんでしょう??」
アンッ、いやっ・・・本当だ、熱いよ・・・女の股間に手を伸ばすとバスタブの中でも分かるほど粘度のある液体が滲み出て、指を吸い込もうとヒクヒク息をする。

鏡-3 始まり

「私がいつも使っているのと同じボディシャンプーがあるので良かった。あなたもこれで良い??・・・帰りを待っている人がいるなら香りが違うと不味いでしょう??」
待ってくれる人はいない、とだけ伝えて入ってすぐに洗ったとは言わず、擦り合わせた身体の間にシャンプーを垂らして泡まみれになりながら互いの身体を洗い合う。
歯を磨き、ハダカンボのままの女を抱え上げてベッドに運ぶ。

「やっぱり、すごい・・・私たちが何人もいる。不思議・・・鏡の中のすべての私が私たちを見つめている。誰一人として視線を逸らすことなく私たちを見つめている・・・覗き見されているようで興奮する」
「すごいだろう。セックスのための部屋って感じがするよな」
壁面は左右と頭側には一枚鏡ではなく何枚もの鏡が角度を付けて設えられており、ベッドの真上の天井にも同様の鏡がセットされている。
足元側以外はどこを見ても、乳房や恥毛をあからさまに見せる女が横たわっている。部屋はライトで煌々と照らされており、明かりの明度を落とすとせっかくのミラー効果が薄まるために毛穴さえもが見えるほどの明るさに晒されて横たわる。

糸くず一本さえも身に纏うことなく裸身を照らされても羞恥心に勝る性的な好奇心を満たすために部屋のアチコチに視線を走らせる。
元々数多いライトが何枚もの鏡に映りこみ、本当の数も解らないほどの明るさで裸身を照らす。
視線を逸らす事も出来ずに乳白色に輝く肌を見つめる男に怯むことなく、何をしているの、見るだけじゃつまんないでしょうと言わんばかりに色っぽい視線で見つめ返す。

手と膝で身体を支えた男は肌を合わせることなく覆い被さり、指一本触れることなく首から乳房の谷間を経て下腹部まで息を吹きかける。
「アンッ、いやっ、焦らしちゃ、イヤッ・・・」
女は両手で乳房を掴んで男に向けて突き出し、鼻頭に擦りつける。
「くすぐったい??・・・見て、オッパイが幾つも、あっちにもこっちにもある。気持ち良くないの??」
「クククッ・・・謙虚な中に自信をみなぎらせるあなたが、乳首マッサージで気持ちいいかどうか確かめるなんて・・・らしくないよ」
「ウフフッ、そうね。鏡に囲まれて、いつのまにか恥ずかしがっていたみたい・・・」

女を抱き起して対面座位の格好で見つめ合う。
言葉は必要なく、ただ互いの身体を欲する二人は飽きることなく見つめ合う。値踏みをするわけではない。目の前の相手に惹かれていく自分を確かめるだけ。
鏡に囲まれている事を忘れて見つめ合う。
顔を近付け額をくっつける。二人の表情に笑みが浮かぶ。
視線を絡ませたまま鼻頭を近付け頬を擦り合う。唇だけは避けるようにして額や鼻、頬を擦り付けて二人の関係を密にしていく。
我慢できなくなった男は女の背中に手を回して抱き寄せる。目を閉じた女は緊張で乾いた唇に舌を這わせて滑りを与え、男はその唇にキスをする。
互いの唇の存在を確かめるように優しく始まったキスはやがて唾液を交換するような濃密なものに変化していく。
ングングッ、フグッ、ウッウゥッ~・・・性的な興奮が十分に昂まった女は視線の端に鏡を探し、それに気付いた男は抱き上げた女を後ろ向きで腿を跨がせる。

「どうだ、よく見えるだろう??正面にも右にも左にも素っ裸でセックスに飢えた女の姿が見えるだろう??」
「スケベ・・・かよわい女を辱めるのが趣味なの??」
「そう、必要なら・・・Mっ気の強い女性が相手ならね」
「ハァハァッ・・・それは残念、私は違う。Mっ気よりもSの方が強いの。男に選ばれるのは嫌い、私がヤリタイ男を選ぶの・・・だから、あなたに声を掛けた」
「そうか・・・今日はいつもと違うセックスをしたくて私を選んだのだろう・・・あなた自身が気付いていない本当のあなたがね」
「そうなの??今日は、あなたが私を満足させてくれるの??」
「見てごらん、あっちからもこっちからも見られてるよ・・・恥ずかしいだろう??オッパイを揉みなさい」
前方と左右の鏡に映る素っ裸の自分を見る女の瞳は潤み、男の声に抵抗するそぶりも見せずに揉みしだく。
乳房を揉み、乳輪の周囲をなぞった指が先端を摘まむ。
「アッアンッ、クゥ~・・・恥ずかしい、こんな事をしても笑わない??」

鏡の中で背後から抱く男の淫らな視線が乳房を見つめて離れない。
鏡の中の男と視線が絡む。股間がじっとり熱を持ち、妖しいときめきと共に滑り始めたことを確信する。
男の太腿を跨いでいるために恥毛の奥に隠れているはずのバラの花が綻びを見せ、思わず身体を捩って隠そうとする。
「見えない。股間を開いて見せなさい・・・両手で開きなさい。オマンコの奥まで見えるように・・・」
耳をくすぐる囁き声が魔法の言葉のように女を意のままに操る。

鏡-4 羞恥

男の腿を跨いた女はおずおずとM字に足を立てる。
「それじゃ、見えないよ・・・指で開いて奥まで見せなさい」
あくまで耳のそばで囁く男の声に刺激されて欲情する女は、アウッっと艶めかしい吐息を漏らして膝を開き、大陰唇に指を添えて割れ目を開く。
煌々と照らすライトと鏡に反射する明かりが潤んだ股間を照らし、可憐に咲いた薔薇の花弁の全容をあからさまにする。
「あんっ、イヤッ、恥ずかしい・・・このまま開いてればいいの??」
恥ずかしいと言う声は上擦り、内腿はヒクヒクと震えを帯びる。
快感が昂まると共に可憐な薄桃色の花弁がビロードのように濃い光沢を帯びて華やかに咲き誇る。男を誘う芳しい香りを漂わせ、ライトと鏡で明るく照らす部屋が淫靡な空気を漂わす。

自らSっ気が強いと言っていた女が羞恥に苛まれて身を捩る様は男の嗜虐心を刺激する。
「好い女はマンコも美人だな・・・清楚な薔薇の花が甘い蜜を滴らせて男を誘い込む。私は見事に釣り上げられたようだ。クリトリスが何処にあるか教えてくれ」
「いやっ、知ってるくせに・・・こうして指を添えて開いてるだけでも恥ずかしいのに・・・・・ダメなの??分かった、見てね・・・ここがクリトリス。最初は包皮に守られて隠れているんだけど優しく刺激すると嬉し涙を流して悦ぶの、オチンチンみたいに大きくなって勃起するんだよ・・・イヤンッ、もう、言わない」
「ふ~ん、それがクリトリスなんだ。刺激すると勃起するのか、弄って見せてくれる??・・・いや、その前にオシッコの穴がどこにあるか教えて欲しい」
「また変な事を、エッチ・・・恥ずかしいけど、なんか興奮する。見える??」
正面の鏡を見ながら恥ずかしさを振り切るために恥毛を撫でて自らに興奮を促す。唇を噛んで目を閉じ、吹っ切れたように見開いた瞳は鏡を見つめて両手を大陰唇に添える。
「見える??見てる??・・・ハァハァッ・・・」
鏡の中の男を見つめる瞳は興奮で朱に染まり、渇きを訴える唇に何度も舌を這わせる。

小陰唇に指を添えて花弁を開き、包皮を突き破って尖るクリトリスの先端を舐めて湿らせた指先でくすぐり、ハァッ~と甘い吐息を漏らして小さな穴を強調するように指を添える。
「見える??ここがオシッコの穴・・・後で、オシッコするところ見せてあげようか??・・・アァ~ン、そんな恥ずかしい姿を想像すると身体が震えちゃう。今日の私はへんなの、こんなの初めて・・・」
「本能に素直に反応する今の姿、きれいだよ・・・気持ち良くなるところを自分で弄っちゃおうか・・・見ていてあげる。気持ち良くなりなさい」
男は背中越しに抱きしめるだけだった両手で乳房を掬うように揉み込み、耳の裏から耳朶に掛けて息を吹きかけるようにしながら囁く。女は両手で鼠蹊部を撫で、内腿を擦る。
鏡の中にいる自分の姿の艶っぽさに息を飲み、男の視線に羞恥を覚えて股間を隠そうとする。

男は女の手を掴んで濡れそぼつ秘所に押し付け、女は鏡の中とは言え妖艶な視線で男を見つめ返して目を閉じ、指先を秘部に潜り込ませる。
ピチャピチャ、クチュクチュ・・・アウッ、ウッウッ、ウゥ~・・・指はためらいがちに膣口に姿を隠し、ゆっくり出入りを繰り返す。
目を閉じたままの女の首を舌と唇が刷き、舌先が耳を舐める。
全身が総毛立つような快感に女は全身を痙攣させ、指の動きが激しくなる。
ヌチャヌチャ、ジュルジュル・・・あっ、あっ、アウッ、いやぁ~ン・・・美しい顔が朱に染まり口から出そうになる喜悦の声を必死にこらえても蚊の泣くような悦びの声が自然と漏れてしまい、乳房を刺激する男を刺激する。
「オッパイの先端が固くしこってきたよ・・・気持ち良いのかい??見なさい、目を開けて。せっかくの鏡が台無しだよ・・・見ないと、こうするよ」
「ヒィッ~、痛いっ・・・見ます、見るから痛くしないで、お願い・・・」
男に乳房の先端を捻られた事を切っ掛けにして目を開け、鏡の中で身悶える妖艶な姿の我が身に唾を飲む。

「Sっ気の強いはずのあなたが羞恥に苛まれて身悶える姿は色っぽいよ・・・実はMじゃないのかなぁ??これまでの男があなたの事を理解していなかったんじゃないか??」
「そんな、そんな事はありません。恥ずかしい事をされて悦ぶような女じゃないの・・・そう、そうなの、オナニーをしてるから気持ち良くなったの。あなたが首や耳を愛撫するしオッパイも揉んでくれるから、それで興奮しちゃったの。私はSなの、本当です」
映画ポスターを見ていた男に声を掛けた時の歯切れ良さが影を潜め、嫋やかな女性らしい話し方になる。
男は嗜虐心を隠そうとせずに命令口調になり、いつの間にか被虐心を募らせた女は唯諾々と言葉に従い始める。
「左手が遊んでるだろう・・・クリを弄りなさい。寂しがってるよ・・・そうだ、それでいい、気持ち良いだろう??」
プロフィール

ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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