2ntブログ

彩―隠し事 208

獣欲 -22

カチッ……拘束を解かれても立ち上がろうとしない彩の首輪に脚を縛っていたリードを取り付ける。
「彩……」
「どっちを先にすればいいの??」
「彩が決めればいい」
「いじわる……命令された方が楽なのに……やっぱり、彩はこっちが好き」
椅子に作った泥濘を横目で見た彩は健志の股間で宙を睨むペニスに指を添えてしゃがみ込み、パクリと口に含んで顔を前後する。
「クククッ、サクラさんの匂いがする」

三時間ほど前にマッサージ師のサクラに満足の証を吐き出した後でシャワーを浴びたままのモノをオシャブリした彩は上目遣いに見つめて嫣然と微笑む。
淫蕩さを隠そうともせずに欲情のままに振舞うさまに健志の股間で屹立するイチモツはピクピクと根元から震える。
「すごいっ、わざとなの??」
「武者震いだよ。オレのイジワルなムスコが彩を啼かせようとして武者震いしているんだよ……せっかく買ってきたワインだから飲もうか」
ソムリエナイフを使い、慣れた手つきで開栓した健志はスパークリングワインをグラスに注いで美味そうに飲む。
「彩も飲みたい……」
「口を開けて」
「これでいいの??」
開いた口にペニスを挿入してワインボトルを傾けると、口は一層大きく開き竿を伝ってくるワインで喉を潤す。
「美味しい、シュワシュワとオチンポの両方を一度に味わえるって幸せ……首輪とリードで彩は飼われているの、そうでしょう??」
「そうだよ、彩はオレのオンナ。オレの許可なく肌を見せたり抱かれたりするとお仕置きするよ」
「嬉しい……この前、話した今は更新していないブログでハダカンボになったりオナニーするのを見せたりするのは??」
「許さない」
「アンッ、もう一度、彩はレの女だって言って、早く」
「彩はオレだけの牝ウサギ。あらゆる動物の中で性欲が一番強いと言われるウサギだよ彩は……すべてを知りたい。意味が分かるだろう」
「健志に彩のすべてを見せてあげる。笑っちゃイヤだよ」

ズズズッ、チュルチュルッ、滴らせた花蜜を舐めとった椅子に座り、オモチャの入ったバッグを欲しいと伝える彩の瞳は妖しく燃えて興奮で乾いた唇に舌を這わせる。

命じられたわけでもないのに椅子のひじ掛けに脚を載せて大きく開き、濡れそぼつ割れ目に指を添える。
「べっちょり濡れた薔薇の花もいいけど、まっちろい太腿の裏っ側が震い付きたくなるほどエロっぽい……クククッ、その恰好はムッチリの彩に似合っているよ」
「イヤンッ、そんな褒めかたは恥ずかしい……ウッ、気持ちいぃ、笑っちゃイヤだよ。ねぇ、ローションを塗って、おねがい」
割れ目の縁を撫でて滲み出る花蜜をクリトリスに擦り付ける彩の指は動きを止めることなく淫猥遊戯に耽り、ローションを塗り込めることを求めてアナルを突き出す。
「ウフフッ、早く、焦らされるのは好きじゃない。彩は短気なの、知らないの??」
溢れ出る花蜜で濡れそぼつ花弁めがけてローションを垂らすと棲み処を見つけようとして窄まりを目指す。
バッグから銀色に輝く金属製のアナルプラグを取り出した彩は窄まりに届いたローションを自らの指で塗りこめ、妖しい光を宿らせた瞳で健志を見つめて唇を噛み、ゆっくりプラグを押し込んでいく。
「ウッウッ、ウググッ、きつい……冷たくて硬い金属に犯される彩は可哀そう。アンッ、いやっ、押し広げられるのが気持ちいい……ねぇ、来て、届かない」
アナルを押しひろげて侵入し、ずっしり存在感を示す冷たい金属の感触と、二本の指が膣壁を擦り親指がクリトリスで戯れると手の平がバギナを覆う感触にさえ性感が昂ぶっていく。
「ハァハァッ、ウッウッ、クゥッ~、気持ちいぃ……ちょうだい、彩のオチンポを欲しい」
間断なく喘ぎ声を漏らす口は閉じることを忘れてしどけなく開き、立ち上がった健志が腰を突き出すと先走り汁を滴らせて宙を睨む怒張に舌を伸ばす。
「可愛い彩の口をオレの精液でドロドロに汚してやる」
「ちょうだい、いっぱい出して。彩のお口を健志の匂いで満たしてほしい」

彩―隠し事 207

獣欲 -21

性的な話題として取り上げられことの多いSとM。
Mッ気が強いと自己診断している彩は男の欲情をそそり、自らの被虐感を募らせるプラチナチェーン下着だけを着けて手足の自由を奪われた姿で椅子に拘束され、悲劇のヒロインになったつもりで妄想に耽っていた。
夫の浮気に堪える貞淑な妻であり仕事では立場や性別に関係なく信頼を得ている優子と、身体と心の奥深くに密かに棲みついていた彩が違和感なく一体となって妄想の世界で欲情を滾らせる。

停滞しているプロジェクトの梃入れを託された彩は後輩や部下を叱咤するために自慢の身体を餌にして発奮させると予想を上回る結果を得た。
褒美と称して三人の男たちに身体を与えると息を弾ませて下着まで剥ぎ取り、三十本の指や三枚の舌が肌を這い回り天にも昇る思いで喘ぎ声を漏らし始めると男たちも我慢の限界を超えてオマンコとアナルに二本の怒張を捻じ込まれ、三つ目の穴の口までシャワーを浴びてもいない汗まみれのチンポに犯された。
膣壁を挟んで二本の怒張が激しく出入りを繰り返す気持ち善さに喘ぎ声を漏らそうとしても、三本目のチンポに塞がれた口からは呻き声にも似た声しか漏れることがない。
溢れ出た愛液が内腿を濡らして椅子にまで染みを作ったような感じがするが現実なのか、それも妄想の中の出来事なのか区別がつかなくなっている。

ガタンッ……「えっ、誰かいるの??健志でしょう??帰ってきたの??……ねぇ、何か言って、見えないから怖い」
玄関ドアが開く気配は感じなかったけれど誰かが部屋にいるのは間違いない。
「答えて、健志でしょう??何でもいいから声を聞かせて、おねがい……いるのは健志でしょう??」
テーブルに何かを置くような音が聞こえたはずなのに声をかけてくれず、動く気配もなければ息遣いも聞こえず、開け放った窓から忍び込む木々の枝が風と戯れる気配しか感じない。
パタパタッ……ギィッ~……静寂を破って密やかに歩く音と引き出しを開けるような音が聞こえる。
「ヒィッ~、イヤッ、お金なら差し上げます。すぐに出て行ってください。この部屋の住人がもうすぐ帰ってきます、喧嘩が強いですよ。早く出て行った方が身のためです……おねがいします」
必死の懇願にも応えてくれず、人が近づいてくる気配を感じる。

ハァハァッ、隠そうとしても隠しきれない荒い息遣いと男のモノらしい熱気と恐怖からくる存在感が迫ってくる。
「止めてお願い。こんな格好をしているけど、これは愛する人とのゲームなの。決してほかの男性に見られたいとか挑発しようというつもりじゃないの、許して、おねがい」
泣き出したくなるほどの恐怖を抑えて懇願しても一言も話してくれず、溢れそうになる涙を堪えることができない。
「ヒィッ、やめて、おねがい……私はそんな女じゃないんです」
背後にいるらしい男の手が肩に触れて髪を撫で、頬を擦る。
手櫛を入れて指の背で頬を撫でる動きに記憶はあるものの感触は健志のものではなく恐怖を振り払うことができない。
「いやっ、やめてお願い……いやぁ~……出て行って、早く」

「オレのことが嫌いになったのか??」
目隠しが外されて何も見たくない、何も感じたくないとかたく瞑っていた目を開けると憎らしいほどの笑みを浮かべた健志の顔がある。
「一言もしゃべらないし手袋をしていたから分からなかっただろう??」
見せつけるように手袋をした手をヒラヒラさせた健志は滲む涙を唇で拭い取り、閉じた瞼にチュッと音をたててキスをする。
「健志だって知ってたもん、いじわる……でも、もしかすると悪い人が押し入ったのだと思うと怖かった」
今は舐めとった頬を伝う涙で恐怖を現し、声と身体を震わせていた彩を愛おしく思うものの意地悪な言葉を口にする。
「彩、怖かったと言いながらオマンコはどうした??グショグショでビショビショ、椅子に水たまりができるほどだよ」
「もしかするとマン汁だと思っているの??違うよ、気持ち善くて漏らしたんじゃなく暑いからオマンコが汗をかいたの」
「クククッ、可愛いな……彩の言う通りだ。暑いから脱いじゃおう」
言い終えた健志は身に着けるモノをすべて脱ぎ捨てて素っ裸になり、椅子に縛った彩の拘束を解く。

彩―隠し事 206

獣欲 -20

プラチナチェーン下着はオンナの秘所を守る役割を放棄して健志の欲情を刺激し、離れている時の彩の心を縛ることしかしない。
そんな下着だけ着けて目隠しで視覚を奪われ、両足を椅子に縛られて両手を後ろ手に拘束される姿で放置された。
目隠しは現実の世界と妄想の世界をつなぎ、隠し事を楽しむ手段になると彩は知る。

もしも誰かが入ってきたら、そして、それが性に飢えた男なら慰み者にされて思うさま凌辱されてしまう……視覚を奪われたために現実と妄想の隔壁が取り払われて隠し事として密かに棲みついていた妖しい思いが姿を現す。

健志と会うまでは恥ずかしい姿を見られるか見られないかのスリルを味わいたいと妄想を膨らませて満足し、それだけで身体と心の疼きを癒せなくなったときブログの中で自慢の身体に糸くず一本着けずに生まれたままの肌を曝し、読者の卑猥な欲望を満たすために自縛姿やアナルオナニーまでして見せた。
恥ずかしい姿を見せるスリルと名前もどこに住んでいるかも知らない人たちに犯されるような快感に満足しても、やがて見る人たちの要求も激しさを増し、どうすれば満足してもらえるのかと考えるうちに、優子が彩と名前を変えて見ず知らずの人たちを相手に性的な妄想の一部を具現化する場所だったはずなのに、誰のためのブログなんだろうと思い始めて更新がおろそかになった。
いずれ再開するかもしれないが今はその時ではない。
夫の浮気に気付いて、それでは自分もと思うことがあっても生来の性格もあってできなかった。
性的に奔放なところがある親友の栞との付き合いの中で偶然、健志に会い、当たり前のように抱かれた。
健志との付き合いを通じて性的満足を得ると、健志以外の男にも抱かれたい。複数の男たちに弄ばれたいと欲求がどんどん膨らんでいく。

目隠しの下の目を閉じて耳を澄ますと繁華街の喧騒が開け放った窓の向こうにかすかに聞こえる。
ムッチリとして男を惹きつけてやまないこの身体を求めて彷徨う男たちの足音が聞こえる。
妄想が止まらない。

「鍬田君、プロジェクトリーダーとしての活躍と成果は予想以上だよ。そこで、もう一つ引き受けてもらいたいのだけどどうだろう??……撤退するか継続するか瀬戸際のプロジェクトを君に任せたい。このまま撤退ということになれば関わる社員には辞めてもらわざるを得ない。そんなことをしたくないから君に託したい。引き受けてくれるね??」

「私がこのプロジェクトを任された鍬田彩です。信賞必罰といいますが、罰は与えず信賞、成果をあげた人には賞を与えます。成果の程度により、性的な褒美を与えることを約束します。オシャブリしてほしければ帰社後すぐに汗臭いチンポを舐めてあげるし、エッチしたければ望む体位でぶちこんでもいいのよ……失敗は咎めないし、何もしなければ同僚が私の身体で満足するのを見ているだけ、抱きたいでしょう??……失敗を恐れず果敢に挑戦しなさい。どうすればいいか分からなくなったら、素っ裸になった私を想像して頑張りなさい。いいですね」
妄想の中で仕事ができる貞淑な奥さんと他人が評する優子と人知れず性的な欲望を満足させる彩が共存する。

目に見える形で成果は直ぐに出た。
「おめでとう。すごいわよ……えっ、私のために頑張ってくれたの。そうなの、望みをかなえてあげる。どうしてほしいの??」
フェラチオを望む後輩の希望に沿ってその場でスラックスのベルトを緩めて下着もろとも引きずりおろし、普段は不快と感じるはずの臭いも気にすることなく猛り狂うオトコをパクリと口に含んで激しく顔を前後する。
プロジェクトの仲間に見つめられていてもフェラチオされることを恥ずかしがる様子もなく表情に喜悦を浮かべてあっけなく昇りつめてしまう。
「入社した時から鍬田さんの口マンコを犯すのが夢だったんです。その夢が現実になって我慢することができませんでした……明日からは本物のオマンコににぶち込むことを目標に頑張ります。ありがとうございました」

口元から白濁液を溢れさせたままの彩は立ち上がり、口腔に溜まる精液を飲み干して口の周囲に舌を這わせる。
「あなたたちも頑張ってね。私は仕事が好き、仕事の成功はもっと好き。セックスはもっと好き、大好きなの……」
「僕も頑張ります。憧れの彩さんにチンポを可愛がってもらえるのだからたとえ火の中水の中、ライオンの檻にだって入ります」

数日後には予想だにしなかった成功をおさめ、頬を紅潮させた三人が報告する。
「すごい、やればできるじゃない……退職勧告までしようとした担当役員にボーナス査定の変更を私の責任で上申してあげる。楽しみにしていてね。それと、今日は残業よ、いいわね……このお金で精力剤を買って飲んでおきなさい、命令よ」
「えっ……はい、精力剤を飲んで彩さんに褒めてもらえるような残業します」
三人は頭を深々と下げて彩が差し出したお金を押し頂く。

「仕事での頑張りを思い出して残業も頑張るのよ。私がびっくりするほど満足させてね」
彩が目を閉じると三人は我先に手を伸ばしてスカートスーツを脱がせて下着も剥ぎ取り、あっという間に素っ裸にしてハァハァと息を荒げる。
驚くほど仕事で成果を上げただけではなくセックスの腕もなかなかのもので、三人の愛撫を息も絶え絶えに受け続ける彩はついに屈服の言葉を口にする。
「入れて、ぶっといチンポが欲しい。穴が三つあるのを知っているでしょう……早く、入れて、おねがい」
オマンコとアナルにチンポをぶち込まれて激しく出し入れされ、間断なく喘ぎ声を漏らす口も三本目のチンポに埋められてしまう。
「ウグッウグッ、フグフグッ……ウググッ、グゥッ~……」

妄想の世界に浸る彩は玄関ドアが開いたことに気付かない。

彩―隠し事 205

獣欲 -19

視覚を奪われると聴覚や触覚などが鋭敏になり、わずかな物音や空気が肌をくすぐる刺激にさえ反応する。
フゥッ~……健志が吹きかける息さえも性具となって彩の性感を刺激する。
「ヒッ、いやんっ、言ったでしょう、アキラ君のオチンポを受け入れてから彩の身体はおかしいの……息を吹きかけられるだけでドキドキする……ハァハァッ」
「彩は可愛いよ。もっと早く出会っていればオレだけの女にしたのに残念だ」
アンッ、彩の肌には触れずに耳元に近付き言葉で愛撫する積りで囁くとブルッと震えて甘い吐息を漏らす。
「ほんとう??不倫じゃない関係になったかもしれないのに、残念。でも、健志とのセックスは不倫だから楽しいのかもしれない……正式な夫婦になるとどうだろう??」
「そうか、彩の言う通りかもしれない。これが彩とオレの運命なんだろうな……オレが見る夢は何処まで行っても覚めることがないんだね。夢ならそれでもいい」
「いいの、夢でも??」
「現実じゃなく夢の中なら彩をオレの思い通りにできる。一人でいる時のオレが彩に抱く妄想と同じことをするよ」
目隠しの縁をなぞり、チュッと音を立てて唇を合わせた健志はデニムスカートの外れていたフロントボタンを嵌めてリードを引く。
「部屋に戻るからついておいで」

首輪を着けられて目隠しまでされたのにスカートの裾を留められたのを不満に思いながらも足元を気にしてすり足でリードに引かれるままついていくと、椅子に座らされる。
「仕事中の彩が座るようにしてごらん」
姿勢を正して自由な手を机に伸ばし、キーボードに手を伸ばして月曜の朝一番にする予定の仕事を思い出してみる。
「エロイなぁ……スカートがずり上がってムッチリ太腿の中ほどまで見えている。彩が見える位置の男たちは仕事が手につかないだろうな」
「そんな……仕事中はデニムスカートなんて穿かないし、みんな真面目に仕事をしています。健志のようにエッチなことばかり考えていると仕事ができないもん」
「そうか、そうだな。勤めを辞めて時間が経つから当時のことを忘れていたよ……椅子を回転させてオレの方を向いて脚を組んでくれないか」
「いやらしい男。フフフッ、仕事中にそんなことを言ってくれる人がいないのが残念……これでいいの??」
大げさに脚を振り回すように組んだために一瞬とは言え付け根まで見えて健志の股間が反応する。
「どうだった??昂奮した??」
見ていたような彩の言葉に苦笑いする。
「あぁ、ビンビンになっちゃったよ。オレは彩と一緒に仕事はできないな……動いちゃだめだよ」

ボタンをすべて外してデニムスカートを抜き取り無毛の股間に息を吹きかけても彩の抵抗はなく、広げた付け根に顔を埋めてズズズッと音を立てて溢れる花蜜を啜り飲む。
「ウッ、イヤンッ……」
言葉とは裏腹に開かれた脚を閉じようともせずに両手を健志の頭に添えて腰を突き上げる。
「ウッ、苦しいよ。罰を与えなきゃだめだな」
外したリードで両足を椅子の脚に縛り付けた上にTシャツを脱がせて素っ裸にし、両手を背後で縛って動けなくする。
「プラチナチェーン下着だけを着けた彩を椅子に縛って目隠しするのも会えない時の健志が夢の中でしていることなの??」
「そうだよ。夢の中ではどんなことをしても彩は怒らないし、すべて受け入れてくれる。エロイ彩を前にして喉が渇いたな」

バタンッ……冷蔵庫を開ける音がして、「あれっ、ワインがなくなっていたよ」
わざとらしい声に続いて、
「コンビニでシュワシュワを買ってくるから待っていてくれるね」
返事も聞かずに遠ざかり、ドアが開ける気配に、
「待って、こんな格好で置いていかないで」と、叫んでもドアは無情な音を立てて閉まってしまう。
誰も入ってこないと思っても卑猥な下着を着けて素っ裸で椅子に縛られていると思うと心臓は早鐘を打ち、後ろ手に縛られて固く握った手に汗が滲む。
坂道をほんの少し下ったところにコンビニがあった。買い物をして帰ってくるまで5分では無理、10分はどうだろう??素っ裸で椅子に縛った彩を残しているんだから急いで帰ってくれるだろう。
10分我慢すればいいかもしれない。
ゴクッ、ハァハァッ、喉が渇く。ドキドキするのが止まらない。
視覚を奪われるのがこれほど怖いと思ったことがなかった。

彩―隠し事 204

獣欲 -18

ベランンダから見える夜景に自らの欲望を重ねる彩は近付いてきた健志にしなだれかかる。
「今日の彩は変なの……砂浜でアキラ君とエッチした時から身体の芯が熱く燃えている感じがして、忘れられるのは仕事をしている時だけ」
「今の彩はウサギのようだね」
「ウサギのように可愛いって褒めてくれるの??」
「可愛いって部分に異存はないけど、クククッ、ウサギは性欲が一番強い動物で年中発情するし意味が分からないけど妊娠していても新たに妊娠できるらしいよ。そんなことを知ったプレイボーイの創立者ヒュー・ヘフナーはウサギをロゴマークにしたらしい……今の彩はウサチャン。オレが言ったんじゃないよ、彩の言葉で思い出したことを口にしただけ」
「ふ~ん、じゃぁ、バニーガールって……そういう意味も含んでいるの??」
「クククッ、バニーガールのコスチュームは、プレイボーイがやっていたプレイボーイクラブの衣装が始まり。上品なエロとは言えヌードグラビアが売りの雑誌、そこが経営するクラブだから、私は男性をいつでも受け入れますって言う暗示じゃないかな。そうだとしても、やらせてくれないだろうけどね」
「今の彩は暗示じゃなく本当に受けいれちゃうよ。健志は発情している??」
「発情する前に可愛いウサチャンを飼ってみたい」
「ウフフッ、彩ウサギは飼われてみたい」

「飼うには道具がいるな」と独り言ちた健志は部屋に入り首輪とリードを手にして戻る。
ゴクッ、ハァハァッ……一階にコンビニが入るビルの二階、三階にあるオモチャ屋に行った帰りに立ち寄ったペットショップで買った犬用の首輪とリードを見るとその帰り道、歩く人がいなくなった夜道で素っ裸にされて首輪とリードを着けられた記憶が蘇り平静ではいられない。
「ウサギは動きが素早いから逃げないように首輪をしておこう……おいで」
カチッ……ウッ……真っ赤な犬用首輪を嵌められてDカンにリードのナスカンをつなげる音がすると吐息が漏れる。
驚いたわけでもないし、悲しいわけでもなく強いて言えば悦びのあまり漏らした吐息だと思う。

エロブログを書いていた頃、自らの裸身に赤い縄をまとい恍惚とした時間を過ごしたことを思い出す。
夫の浮気が原因で身体の関係がなくなり精神的にはともかく肉体的に自由になっても優子の性格で浮気もできず、身体の疼きをオナニーで紛らすしかなく悶々としていた頃に自縛姿をブログで曝して見ず知らずの男たちだけではなく女性にまで美しいと褒められた。
優子の身体に見向きもせずに浮気をする夫を恨むどころか、赤い縄に愛される悦びに浸るきっかけを与えてくれたことに感謝さえしたくなる。

自由を奪われて感じる悦びもある。
身体を縛られても気持ちが自由であれば悲劇のヒロインになることができるし、彩自身Mッ気が強いと思っているので拘束されることは嫌ではない。
逆もまた真なりでプラチナチェーン下着は気持ちを縛る。
健志と離れている時は自由に振舞えるはずなのに別の男に気を惹かれそうになってもプラチナチェーン下着を意識するとそれを許してくれない。
下着を留める鍵は彩が持っているので外そうと思えばいつでも外せるが、外してしまうと下着だけではなく健志との縁も切れそうな気がしてプラチナチェーンに抱かれたままで居る。
身体も心も全てを男に依存することなく、愛する自由だけは誰にも渡さずに不自由の中の自由に酔いしれたい。

「これも着けようか」
健志の手は黒い布を掴んでいる。
「ハァハァッ、脱がなくてもいいの??健志は素っ裸になった彩を見たくないの??ウェストの括れから張り出した腰を経てムッチリヒップや太腿が好きだって言うのは嘘なの??」
「彩、来なさい」興奮を隠した健志の囁き声に吸い寄せられるように近づくと黒い布で目隠しをされる。
欲望を持つ人たちを誘う誘蛾灯のような繁華街の灯りと共に妖しい影も見えなくなった彩は、自らの身体の奥に巣食う性の疼きが甘い蜜を求めて姿を現し始めるのを感じる。

プロフィール

ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード