愛欲 -7
栞の乳輪は破裂しそうなほど膨らみ乳首は今にも飛び出しそうなほど勃起し、ショーツを脱いで露わになった股間は恥毛に隠れることなくしとどに濡れた真っ赤な花弁を見せつける。
ショーツを脱ぎ捨てた松本の股間は、女の秘所を隠すことも守ることも放棄したようにまばらに生えた恥毛が滲み出た花蜜にまみれて大陰唇や恥丘に張り付き可愛くさえ見える。
「恥ずかしい……薄い陰毛がコンプレックスなの。女子高だったから友達は遠慮なく揶揄うので、それ以来ずっと気にしている」
「気にすることないのに。優子のマンチャンと比べてごらんよ。優子、見せてあげれば……」
「その前に松本さん、鍵をかけて。女三人でオマンブーを見せっこしているところを見られたくないでしょう??」
カチッ、部屋が密室になると優子の表情が緩み、
「松本さん、見なさい。飾り毛が薄いのなんて恥ずかしいことじゃないわよ」
自分でも驚くような言葉をさらりと吐き、座ったままの優子はスカートの裾から手を入れて穿いたばかりのベージュのショーツを脱いで松本の前でヒラヒラさせる。
「う~ん、好い匂い。鍬田リーダーに一つ質問してもいいですか??」
「ほんの少し悪意を感じる言葉だけど好いわよ、どうぞ。ただし、答えられることなら答える、答えたくないことは無言、いいわね」
「鍬田さんのフェロモンでたぶらかされた人っているのですか??勿論、ご主人以外にですが……」
「松本さん、二つのことを訂正してね。一つは私の魅力に引き寄せられる男性はいるかもしれないけど、たぶらかすことはない。二つ目は今脱いだばかりのパンツにフェロモンが染みているはずがないの、理由は言わないけど……」
「ウフフッ、やっぱり鍬田さんは隙がない。ごめんなさい、たぶらかすとは失礼だし生意気なことを言いました」
「分かればよろしい、許してあげる」
脱いだばかりのパンツにフェロモンが染みているはずがないという優子の言葉に事情を知る栞は二人の顔を見比べて笑みを浮かべる。
スカートの裾を摘まんで焦らすようにゆっくり捲り上げていく優子の目の縁は羞恥と興奮で赤みが差してハァハァッと息を荒げる。
「ウフフッ……松本さん、そんなに私のオマンブーを見たいの??首を伸ばしてスカートの中を覗き込もうとしている。そんなにガンミすると瞳が零れ落ちちゃうよ」
優子の声は掠れて上ずり、スカートを摘まむ指は震えを帯びる。
白くて男心をそそる魅力たっぷりの太腿が徐々に姿を現し、見つめる松本がゴクッと唾を飲んだ次の瞬間、太腿の付け根とその周辺が姿を現す。
「えっ、ツルツル……毛が無い……触ってもいいですか??」
「少しならいいけど、触るだけだよ。変なことをすると怒るからね」
人差し指と中指、薬指と小指の二手に分かれて割れ目の縁を撫で上がり、恥毛が生えていた名残を微かに残す恥丘で指先が戯れる。
「ツルツルのモリマンって可愛い。私もツルマンにしちゃおうかなぁ……自分で反るのは怖いからショリショリしてもらえませんか??」
「私が剃り落してあげる……ウ~ン、でもここじゃ無理だね。まさか剃毛用の剃刀をオーダーするわけにもいかないし……どうする??」
「アァッ~、ダメ、興奮する。鍬田さんが剃毛だとか剃り落すなんて言葉を使うだけで濡れちゃう」
「私が松本さんの優子愛が本物かどうか確かめてあげる。どれどれ……クククッ」
松本の股間に伸ばした指が滲み出た愛液をまとって肌に張り付く恥毛を撫でると新たな蜜が割れ目から滲み出す。
「イヤンッ、何をされたわけじゃないのに気持ち善くてドキドキする……心臓が破裂しちゃいそう」
松本の胸に伸ばした栞の手の平を通じて激しい拍動が伝わり、止まることのない昂ぶりで閉じることを忘れた口はハァハァッと息を荒げて全身が何かの発作が起きたかのように朱に染まる。
栞は松本ににじり寄り、両頬に手を添えてじっと見つめる。
「可愛いわよ、松本さん……そうね……明後日、日曜日がいいかな。私が松本さんチに行ってショリショリしてあげる。嬉しい??」
「……うん……ハァハァッ、ハァハァッ」
松本の意志なのか、それとも意味も分からず栞の言葉を肯定したのか二人を見つめる優子には分からない。
ニュルッ、チュルチュルッ……うん、という松本の返事を引き出した栞は頬を挟んだ両手に力を込め、唇を重ねて舌を侵入させる。
「ウフフッ、可愛い。日曜日が楽しみ、ねっ、松本さん」
「ハァハァッ……本気なんですね、恥ずかしいけど待っています」
住所といくつかの目印を描いた地図を受け取った栞は、
「優子も行くでしょう??」
栞のペースで話は進み、自分はワインを用意するから優子は得意のスイーツ作りを活かしたケーキを用意して松本はワインに合う料理を作るようにと話をまとめる。
その後、身なりを整えた三人は追加の料理とワインで腹を満足させ、最後に日曜の約束を再度確認して店を後にする。
愛欲 -6
創作料理の店の完全個室で親友だと公言する優子と栞に加えて仕事を通じて信頼関係にある松本の女性三人はビールで乾杯を済ませ、辛口のスパークリングワインのボトル二本を空けるころには1時間を経過しテーブルに並んだ皿も乱れ、栞はもちろん松本や優子もスカートの乱れを気にすることなく気が置けない三人の時間にどっぷり浸る。
「鍬田さんと深沢さんは本当に仲がいいですよね。二人で飲むときはいつもこんなですか??」
「えっ、こんなって……こんなにひどくないよ。ここまで乱れたのは松本さんのせいじゃないかなぁ、優子もそう思うでしょう??」
「せっかく誘っていただいたのに今日の私はドツボにはまってトッピンシャン状態なんです、ごめんなさい」
「ふ~ん、男に振られたの??それで落ち込んでいるの??振られて落ち込む原因になった男の値打ちが女の値打ち。つまらない男に振られて落ち込むなら松本さんはオンナとして努力が足りない」
「誤解しないでください。振られたんじゃなく振ってやったの……別れ際にそいつが陥没乳首って捨て台詞を吐いたんだけど、それがね……あんな奴にどうしてって……」
「陥没乳首、へぇ~……見たい、興味あるから見たい」
「深沢先輩のお願いでも勘弁してください」
「絶対に見たい、松本さんの陥没乳首。私のプックリオッパイを見せるから、見せっこしようよ」
言い終えた栞がシャツのボタンを外してブラジャーに手を添えても呆気にとられる松本は言葉が見つからず手で口を覆ったまま目を見開く。
「酔っちゃったかもしれない。私の秘密を知るのは愛する旦那様と優子だけ、松本さんが三人目だよ……見て」
ブラジャーを押し上げて剥き出しにしたオッパイは特別変わった様子もなく松本はフゥッ~と息を吐く。
「松本さん、見た目に騙されちゃダメだよ。私のオッパイを舐めたり吸ったりしてくれる??恥ずかしがらないで、恥ずかしいのは私だよ……アンッ、そう、気持ちいい。優子に舐められているみたい」
「えっ、二人ともご主人がいるのにそんな関係なの??」
「勘違いしないで、たまに冗談で遊ぶだけ。そんな気持ちを分かるでしょう??」
「はい、中高を女子の中で過ごしましたから。そうと分かれば久しぶりに女子を可愛がっちゃおう。深沢先輩、覚悟してください」
松本の唇がオッパイの先端を離れても指は離れることなく妖しく蠢き、ついに栞の口から甘い吐息が漏れ始める。
「ウッウッ、ウゥッ~、たまんない……松本さんがこんなに上手だなんて……クゥッ~、いぃ……」
はだけた胸は松本の愛撫を受けて乳輪も乳首もプックリと膨らみ始め、卑猥な遊びに興じる二人を見つめる優子はゴクッと唾を飲みバッグを手にしてトイレに向かい、松本に気付かれないように視線を合わせた栞はコクンと頷いて見せる。
通路に立って耳を澄ましても店内のざわめきのせいで押し殺した隠微な声が聞こえることはなく、安堵と共に歩き始める
スカートをたくし上げてプラチナチェーン下着の鍵を外し、バッグから取り出したベージュのショーツと穿き替えて二人が戯れる部屋に戻る。
「鍬田さん、深沢さんのオッパイがエロイの、見て」
栞の乳輪はプックリと膨らみ色素沈着した面積も心なしか広がったように見える。
膨らみの先端も優子が部屋を出た時と比べて同じ乳首かと思うほど膨らんでいる。
「恥ずかしい、少し前まではこんなにエロイオッパイじゃなかったのに旦那様と仲がよくなればなるほどエロク物欲しげになっちゃう……約束だよ、いいわね??」
ブラウスのボタンを外してブラジャーに指をかけて覗き込んだ松本は、
「ごめんなさい。深沢さんのオッパイを弄るうちに昂奮して陥没乳首が勃起しちゃったみたいです」
言い訳と共にブラジャーをずらして乳房を露わに曝し、申し訳なさそうに乳首を指先で撫でる。
「しょうがないよ。私のオッパイがプックリするほど可愛がってくれたんだもんね。興奮してもしょうがないよ。でも、気持ち善かったぁ……次は優子の番だよ」
「えっ、そんな事……二人の秘密はオッパイだけど、私はパンツを脱がなきゃ見せられないもん。不公平だよ」
「分かった、私も松本さんもパンツを脱ぐから……いいでしょう松本さん??じゃぁ、私が最初に脱ぐからね」
止める間もなく栞はショーツを脱いで股間を曝し、松本は、
「私も脱がなきゃだめですか??……笑わないって約束してください」
個室の扉が閉まっていることを確かめた松本は目を閉じ、唇を噛んで意を決したように下着を脱ぎ捨てる。
愛欲 -5
「栞、今日は古い彼と食事の約束をしているから先に帰るね」
「えっ、古い彼って……そうか、ご主人だね。フフフッ、古いって言われ方でご主人が可哀そう。そうでもないか、エッチでムッチムチの優子とデートできるんだもんね」
「夫とはいえ絶対に触らせてあげないけどね」
声を潜める栞に優子は腰を艶めかしく揺すって見せる。
「エッチな身体は新しい彼のモノなの、クククッ……バイバイ」
背中を見せて歩き出す尻を撫でた栞は振り返って睨む優子に手を振る。
夫から懐かしい場所で待っていると連絡のあった店の前に立つと何の憂いもなく明日の幸せを信じて暮らしていた夫との生活が思い出されて苦いモノがこみ上げる。
ドアを開けると懐かしい顔が満面の笑みで迎えてくれる。
「いらっしゃいませ。お久しぶりです……思い出の席でお待ちですよ」
夫が周りの人たちを気にする様子もなく立ち上がり手を振っている。
手を振ることを止めない夫を何事かと見つめる人たちの視線に羞恥を覚えた優子だが、人の目も気にせずに笑顔で迎えてくれる夫が誇らしくもあり自然と早足になる。
「遅くなってごめんね」
「そんなことはない、優子の方が遠いんだからしょうがないよ。懐かしい常連さんと思い出話しをする時間もあってよかった。あの頃の優子は可愛かったなぁ……誤解しないでくれよ、今も可愛い。優子のことをチラチラ見る人がいるだろう??気になるんだろうな」
島ラッキョウや海ブドウ、ミミガーなどを摘まみながらオリオンビールを飲むとプラチナチェーン下着を着けていることも健志の顔も思い出すこともなく心地いい酔いに笑顔が絶えることがない。
美味い料理と三線の音色が優子と夫、二人の気持ちを沖縄の想い出に誘う。
夫との共通の趣味であるスキューバダイビングで何度か潜った沖縄の海。
白い砂浜と青い空、海は何処までもアオイ。
優子の想い出の沖縄の海の色は青でもなく蒼でもなく藍や碧色でもない、アイランドブルー。
白い砂浜と青い空に赤いハイビスカスがよく似合う。
改めて言葉を交わさなくても二人で潜った群青の海の記憶が蘇り、将来を誓い合ったこの店のこの席が二人をつなぐ。
手を伸ばせば触れ合うことができるのにそれができない。それでもいつまでも二人で暮らしたいと思う。
沖縄の海は二人で行ったけど、たまには別々の旅をしたいと思うこともある。
そんなに遠くない将来、久しぶりに沖縄に行こうと誘ってみようと思う。
「懐かしかったし美味しかった。あなたと話すうち記憶が薄くなっていたことも鮮明に蘇ってくれた。誘ってくれて、ありがとう」
「優子が楽しそうで僕の喜びが何倍にもなった。また沖縄に行こう。潜りたいよな、透き通るように青い海に……優子は??」
「私も行きたい。絶対に行こうね」
「うん、昔と違って二人とも会社での責任も大きくなったけど、時間をやりくりして行こう」
破顔する優子は、約束だよ、指切りげんまんと手を伸ばしたくなる気持ちを抑えるとプラチナチェーン下着を着けていることを意識する。
「おはよう。優子、昨日はどうだった??古い彼との食事は楽しかった??」
「惚れ直しちゃった。私たちの共通の趣味がスキューバダイビングで沖縄の海が好きだって言ったでしょう。プロポーズされた懐かしい沖縄料理の店に行ったの、ウフフッ、懐かしいし楽しいし、最高の夜だった」
「じゃぁ、新しい彼と別れるんだ。それもいいかもね、優子の冒険は終わったのか……」
「勝手に決めないでよ。新しい彼と今すぐに別れるはずがないでしょう……彼には彩と名乗っているって言ったよね。優子と彩、私の中に二人の人格が共存していて今はそれが安定の基になっている」
「ふ~ん、みんなが知っている真面目で清楚な優子とチョイワル女の彩が共存しているんだ……なんか羨ましい気がする、ウフフッ」
「終わり、仕事を始めるよ」
「フゥッ~、終わった。今週も無事終了……優子、今日は??」
「今日??2時間くらいなら大丈夫だよ」
「じゃぁ、食事しようか。松本さん、一緒に行くでしょう??」
「はい、喜んで。私は一人暮らしだから時間の制約なしです」
「もしもし、深沢です……三人だけど空きがありますか??……お願いします。10分くらいで着きます……行くよ」
予約を済ませて先頭に立つ栞の後姿を見ながら優子と松本は苦笑いを浮かべる。
愛欲 -4
「優子、時間があれば夕食を一緒にどう??」
「今日はたぶん大丈夫だと思うけど、明日は金曜日だから忙しいかな……」
「僕も今日ならと思って誘ったんだけど、16時過ぎに連絡するよ。それでいいかな??」
「うん、お店はあなたに任せる。あなたと一緒なら私はそれだけで……連絡を待っている」
深夜のオナニーで満足した優子のオンナノコが落ち着いているので気持ちに余裕があり、夫の急な誘いにも笑顔で応じることができる。
夫の浮気を疑っても嫌いになることもできず、肌を合わせることがなくなって一つ屋根の下で寝室を別にしても別れようと思ったことはなかった。
夫のことを好きかと問われれば好きだと答える。
愛しているかと問われれば昨日は愛していました、明日も愛していたいと答えるだろう。今日は愛しているかと問われれば好きですと答える。
優子が想像する通り、夫は優子も浮気相手も同時に愛し、仕事や何かと理由を付けてしか夜を一緒に過ごせない浮気相手を不憫に思い、惚れて一緒になった優子を今も愛しているので後ろめたさを残すという忸怩たる思いがある。
優子は夫の浮気を知って後も生来の性格もあって事を荒げることを避け、他人の目には以前のように仲睦まじい夫婦のように振る舞っていた。
そんな優子が彩と名乗ってSMショークラブに行ったことをきっかけとして健志と知り合い、夫が浮気相手と泊りがけで遊びに行ったときは何度か健志と夜を過ごした。
夫の都合に合わせて健志に会うことに不満を覚えることもあったがプラチナチェーン下着を着けているとどんな時にも心と身体を抱かれているようで安心できる。
彩に変身して健志に抱かれることで自分も過ちを犯していると、夫を恨めしく思う気持ちが薄れ、ぎくしゃくしていた関係も全ての不信や不満が氷解したわけでもないが穏やかな関係を取り戻した。
目には目を歯には歯をと夫がするから自分も浮気をするといった荒々しい気持ちで健志との関係を続けているわけではなく、人は同時に二人の相手を愛することができると実感している。
「先に行くよ。久しぶりに優子と食事するんだから早く仕事を片付けなきゃいけないし。行ってきます」
「行ってらっしゃい。連絡を待っているからね」
「行ってきます」
少し遅れて家を出る優子は誰もいないリビングに向かって声をかけ、玄関ドアの施錠を確かめてエレベーターホールに向かう。
「おはようございます」
「おはよう、今日は私がほんの少し早かったね。鍬田さんと先着争いをしているんだと妻に話したら面白がっていたよ……おはよう、今日は深沢さんと松本さんが一緒ですか、プロジェクトメンバーは張り切っているね」
「当然です。課長の奥さんに夫をよろしくって頼まれたし優子は学生時代からの親友、松本さんは食べちゃいたいくらい可愛い後輩……先頭に立ってみんなを引っ張ることはできないけど後ろから叱咤激励、疲れた表情を見せれば鞭を振るって頑張れって励ますのが私の役目」
「ハハハッ、鞭で励ますのが役目ですか。案外、リーダーは深沢さんかもわからないですね」
「課長のおっしゃる通りです。栞と親しく付き合うようになって以降、引っ込み思案の私を叱咤して励ましてくれた。ありがとう、栞」
「えっ、課長も優子も急になによ……
私ってスゴイって勘違いしちゃうじゃない」
「後輩の私が言うのもなんですが、鍬田さんがおっしゃった通り深沢さんを頼りにしているのを感じますよ。プロジェクトの方向について結論を迫られた鍬田さんは口を開く前に必ず深沢さんを見つめて考えを整理していると感じることが何度かありました。ごめんなさい、生意気なことを言って……」
「謝ることはないですよ。私が口を挟むのは水を差すことになるかもしれないから聞き流してもらって結構ですが、まじめに仕事に取り組めば立場は平等。方針や方向を示すのはリーダーの鍬田さん、目標に向かって鍬田さんは自説を押し付けるようなリーダーじゃないと思いますよ」
「課長のおっしゃる通りです。メンバーがバラバラにならないように整理はしますが角を矯めて牛を殺すようなことはしない積りだから、これからも自由闊達に意見を交わしましょう」
「おはようございます」
「おはようございます」
課員が続々と出社し室内は心地好い緊張感に包まれる。
愛欲 -3
健志と話し終えた彩は誰もいない自室でスマホを見つめてフゥッ~と息を吐く。
イタリアンレストランで食事を終えた後、駅に向かう道すがら周囲の人に聞かれないように声を潜めて栞と卑猥な会話を交わし、別れて独りになった優子は彩となってスマホを手に取ったが健志を呼び出すことはできなかった。
帰宅後、帰ってきた夫を迎えて二人で摂る夕食は差し障りのない話題ながら幸せに暮らす夫婦と変わらず会話も弾む。
夫は浮気を気付かれていないと信じつつも後ろめたさで優しく接し、優子は彩と名乗って健志と付き合うようになって浮気する夫へのわだかまりが薄れ
ていた。
夫の入浴中にする夕食の片付けを鼻歌と共に済ませ、いつも通りゆったりとバスタブに浸かって一日を振り返る。
栞と予想もしない出来事があったが、ほぼやり残しのないことに満足する。
部屋に戻ってガウンを脱ぎ捨てた優子は股間を飾るプラチナチェーン下着に触れると彩に変身する。
最近の優子は健志の存在がなくても彩との間を自在に行き来することができる。
健志と離れていてもプラチナチェーン下着で心と身体を縛られて常につながり支配されていると実感できる。
縛られ支配されて得られる悦びもある。
そして優子は彩になって一つだけやり残した健志との話しを終え、ディナーの約束を取り付けたことに満足する。
眠ろうとして目を閉じても栞との会話が蘇り身体の火照りが鎮まることはなく苦笑いと共に彩の左手は胸を揉み、右手指は頬を擦り口腔に侵入させると温かく柔らかな舌がまとわりついて女にフェラチオしてもらえる男はズルイと声を発する。
「アンッ、指が気持ちいい。彩のフェラチオで気持ち善くなる健志はズルイ……ウッウッ、アァ~ン、イヤッ、気持ちいい……」
ヌチャヌチャ、クチュクチュッ……壁を隔てた隣室にいる夫を憚り、秘めやかな声を漏らして右手が股間に伸びると早くも生じた泥濘が悦びの滑り音を奏でる。
仰向けに寝たまま足を立て、右手の中指で泥濘を擦ると吸い込まれるように侵入し、クチャクチャと掻き回すと自然と足が閉じて自らの指の動きを封じようとする。
「アァ~、気持ちいい。健志のオチンポが欲しい……」
足を閉じて挿入したままの手を締め付けると切なさが募り、閉じた瞼の裏で健志が微笑む。
自然と両足はしどけなく開き、自由を取り戻した右手が蠢き始める。
中指に薬指も加えて滲み出る愛液の源泉に挿入し、親指の腹でクリトリスを刺激すると全身が痺れるような快感に襲われる。
「ウッウッ、クゥッ~、イヤッ、いぃ……ヒィッ~……」
自らが漏らした悲鳴にも似た喘ぎ声に驚いた彩は乳房を揉みしだいていた左手の甲を口に押し当てて声が漏れるのを防ぎ、夫のいる隣室との壁を見つめる。
右手指をオンナノコに挿入したまま動悸の収まるのを待ち、顔の強張りが解れると再び妖しく刺激を始める。
中指と薬指で膣壁を押すように擦ると性感帯が刺激され、クリトリスに添えた親指も二本の指の動きに連動するかのように妖しい快感を与えてくれる。
「いやんっ……オチリが、クゥッ~……」
親指と中指、薬指の三本の指が刺激を求めて蠢くと小指の先がアナルに触れて予期せぬ快感が芽生える。
「彩はオチリも弄ってほしいの??優子はアナルで気持ち善くなりたいなんて決して言わないのに、彩はスケベな女だね……ウフフッ、彩の好きな健志がオチリが好きなの??」
掠れ声で誰もいない部屋の天井に向かって囁いた彩は。クリトリスを刺激していた親指を泥濘に侵入させて薬指でアナルの周囲を撫でる。
「いやっ、オチリを弄らないで、恥ずかしい……アンッ、許してくれないの、いじわる」
独りだけの部屋で誰が見ているわけでもなく、誰に聞かれるわけでもないのに羞恥で頬を朱に染めて掠れ声を漏らす。
薬指が窄まりをこじ開けて侵入し、薄い膜を挟んでバギナに侵入した親指と擦り合うと意識するわけでもないのに足指がピンと伸びて唇を噛む。
「ウッウッ、クゥッ~、もっと……もっと、きつくされたい」
自らの言葉に命じられた右手は中指も窄まりをこじ開け、アナルの中指と薬指、バギナの親指が薄い壁を挟んで擦り合う。
左手で胸の膨らみが元の形を留めないほど強く揉みしだき右手の動きが激しさを増すと両脚が突っ張り、眉間に刻んだ皺が深くなり、ついに、
「ウッウッ、クゥッ~、逝く、逝っちゃう……」と呟いて、次の瞬間全身の力が抜けて弛緩する。
「ハァハァッ……」灯りを消した部屋に密やかな荒い息が響く。