キネティックアート展に行きたいと言うアユに誘導されるようにデートに誘ったものの、初デートでは初心な少年のように手を握ることも出来なかった。
待ち合わせ場所まで送ると、
「今日は勝負パンツを穿いていたし着替えも用意していたのにがっかりした」と挑発され、泊りでもいいけど先ずは美味しいコーヒーを淹れると魅惑的な誘いを受けたが断って帰路に就いた。
数日後、店に行ったとき、
「もう来ないのかと思っていた」と言われた時は、「ママのような好い女に挑発されるのは慣れていないから、正直になれなかった」と言い訳をして次の機会を与えてもらった。
妻に制限されているので親しく話すのはオチャケ女子だけ。
そんな時、話すのを嫌がっていないと感じた時は、遊びに行こうと誘うのは女性に対する礼儀だと思っているけどベッドに誘う言葉をかける勇気がない
初デートで挑発してくれたアユのような女性だとオレの下半身は直ぐに元気になるし考える前に身体が反応してくれる。
二度目のデートで欲望を抑えることなくアユの身体にぶつけると、男の温もりを肌で感じるのは久しぶりだと言い貪欲にオレの精を貪った。
アユが芸術を愛する源泉は妖しい想いの発露かと思うほど性的欲望を露わにするのを持て余すこともあった。
店で見るアユはスナックバーのオーナーママにも拘わらず水商売ずれしたところがなく、色気で切り盛りしているようにも見えなかった。
そんなアユが二人きりになると欲情を漲らせてセックスを求め、飽きることなく時間の限りオレの身体を貪った。
毎週、水曜の夕方アユの部屋で会い、夕食を済ませたアユが店に向かうのを見送り適当な時間をおいて何気ない振りで客として店に向かう。
土曜日はアユの部屋で過ごすだけではなく妻への愛を隠すことのないオレが泊りは出来ないと告げてあったため、日帰り可能な美術館巡りやサイクリング、釣りなど野外で過ごすこともあった。
店の客に会うことを恐れる二人は遠出することを厭わず、新潟県十日町市の国宝・火焔型土器や愛知県の徳川美術館へ日帰りで行ったこともある。
アユの希望で一度目の徳川美術館へ行ったときは定休日で、名古屋市内のホテルのディユースを予約してあったのは休館日と知っていたからだろうが、そんなことも些細ないたずらと思うほど親密な仲になっていた。
いつしか互いが空気のような存在になり、そばにいて当たり前、いなくなることを考えることも無くなっていた。
ある時、
「いつか、一度でいいからあなたとお泊りしたいな」
「そうだな、いつって約束できないけど、一泊でホテルに行こう」
「ディユースじゃなくて??」
「もちろんだよ。温泉でもいいよ」
「嘘、そんな事を言うあなたは嫌い。あなたは、夜、絶対に奥様のところへ帰る、たとえ奥様が留守の日でも帰るでしょう。寂しいなって思うけど、決めたことを守るあなたを信用できた」
「…………」
「何か言ってよ。守れない約束をする人は信用できないし、大嫌い。好きな男の言うことは信じたいの、嘘って分かっていても信じるのが女なんだよ。あなたは守れない約束をする人じゃないと思っていた……嫌い、信じられなくなった。帰って、もう会いたくない」
唐突過ぎる提案だったと悔やみながらもアユを見ると普段の慎ましさをかなぐり捨てて怒りを隠すことなく露わにしている。
こうなっては納得してもらう術もなく、部屋の鍵をテーブルに置いて出ていくしかない。
数日後、アユの連絡で仲直りの機会を与えられたオレは2か月足らず先になるけど、友人のお嬢さんの結婚披露宴に招待されたので大阪で一泊するけどアユも来ないかと誘った。
そして、二か月後、「来ちゃったけど本当にいいの??」と、はにかむアユを新大阪駅の新幹線ホームで迎えた。
知る人が誰一人いるはずのない街の夜のそぞろ歩きで解放感に浸ったアユはホテルの部屋に戻ると欲望を解き放ち、
「今日の私は夜が好き。いつもは夜が嫌い。今日のあなたは奥様の待っている家に帰る事を寂しく思う必要がない。朝を一緒に迎えられる……ごめんなさい、忘れて……」
「いいや、忘れる必要はない。ごめんな……可愛いよ。一緒に泊まることは出来なくても、たまには喜ばせてあげられたらと思うよ」
「ほんとう??絶対にお泊りできない人だと思っていたのに、こんな機会を作ってくれた……あなたの言葉を信じる」
「期待が膨らみすぎるのも困るけど、アユの笑顔が好きだよ」
「ウフフッ……私を喜ばせてくれるのを期待してサービスしちゃう。見てね……」
ホテルのベッドでアユは目隠しをしてオナニー姿をオレに見せつけて大胆に身体を開き、窓に手をついて夜景を見ながらオレを迎え入れた。
クリスマスは店があるので直後の土曜にシャンパンを開栓するのが恒例だった。
ハダカンボのサンタコスで迎えてくれるアユにオレの股間は反応して、その後は満足したことを態度で示して見せた。
自らのヌード写真を16分割したカード2組でトランプの神経衰弱ゲームのように遊ぶのは罰ゲームとセットで色々楽しめた。
そんなアユがオレも知っている男と結婚したという。
アユも大切だが一番大切な人は妻。大切な妻を守るために人妻や親しく付き合っている人のいる女性は誘わないし付き合うこともない。
記憶を消すのは難しいが連絡する術は削除したし、アユと付き合った痕跡は可能な限り処分した。
これからアユはオレの記憶の中だけに存在する。
いつか、こんな日が来ると分かっていたし今はアユの幸せを願うばかり。
そして、妻を除けばアユは親しく付き合う最後の女性になるだろう。
<< おわり >>
「久しぶり……おめでとう……奥さんのメールで結婚したことを知ったよ。声に緊張を感じるけど幸せそうな様子が滲み出ているよ……今は仕事中だろ??……えっ、社長が電話しろって言ったの??……そうか…………奥さんの記憶は消せないけど、電話番号やアドレスは消去したよ……今は人妻だろ、奥さんって呼ぶしかないよ…………怒っちゃいないし、片付けなきゃいけないこともあるから今の状況が落ち着いたら行くよ。そのときは連絡するから例のエロいガールズバーに行こう……クククッ、分かっているよ。独身だから行ったんだろう。既婚のオレを誘って……冗談だよ、居酒屋にしよう……奥さんによろしく」
フゥッ~、スマホをテーブルに放り出した男は天井を睨んで息を吐く。
「誰からの電話か当てようか??」
「言わなくていいよ。半分正解だよ。アユ…鮎さんじゃなく旦那からだよ」妻の言葉にわざとらしく不貞腐れて応えた男は苦笑いを浮かべる。
「ガールズバーっていやらしい店なの??男はしょうがないね、タケちゃんには私がいて鮎ちゃんもいたのに……クククッ、完全に振られちゃったね。かわいそう……いい子いい子して慰めてあげようか」
「振られてオワが好いんだよ」
「鮎ちゃんのため??……それとも自分のため??」
「お互いのため。鮎さんはオレと別れて結婚で幸せになる。オレは振られちゃったけど姫がいる」
「クククッ、タケちゃんは台風が接近して大しけでも帰る港があるからいいね。違う??」
「違わない。オレには過ぎた奥さんだよ、いつでも、なにがあっても優しく迎えてくれる姫がいる」
「オミズ女子に相手にされなくなったら嫌いになるからね。顔はこのままでいいけど体型がプクになるのは嫌だよ」
「それは大丈夫、しっかり食事を管理されているから体型についての責任はオレじゃなく姫にある」
「いつも言っているけど、付き合ってもいいのはオミズ女子だけだからね。それ以外の女子と付き合えば……どうなっても知らないよ」
アユとの付き合いは5年を過ぎ、妻以外の女性とこれほど長く続いたことはない。
友人に連れられて行ったスナックバーで出会ったアユは美大出身で今でも美術に興味があると言い、客とママとの会話の中でキネティックアート展があるのだけどと、うまく誘導される格好でデートに誘うきっかけを作ってくれた。
20以上の歳の差がある二人の関係は何事もなく続いたわけでもなく、疎遠になることも何度かあった。
週に一度決まったようにアユの店に行く日が雨になると、夫の送迎で店の場所を知った妻は後日、開店直後の店でアユと話して夫との関係を察しても動じることなく、
「妻の私が言うのもなんだけど、付き合う女性がいると張り切る男だから邪魔はしない」と告げ、その後は女子友として付き合い、二人の仲が切れそうになると、
「私という妻のいる夫は引け目があるから二人の仲は鮎ちゃん次第。夫から関係を元に戻してくれとは言わないよ」と話して、修復を望むなら鮎ちゃんから話すしかないよと助言もしたらしい。
同時に妻は、夫が親しく付き合った女性と友人になったのは鮎ちゃんが初めてではないとも話して負担に思わなくてもいいと言った。
そんなこともあったので鮎は結婚の報告を付き合っていた夫よりも先に妻に伝えていた。
入籍を済ませた二人は当分の間、結婚式を見合わせると言うことなので思案の末、お祝いをアユの旧住所に送ることにする。
二人の新居の住所はあえて聞かなかったし、旦那の勤め先の住所は調べることも可能で社長以下、何人かはアユの店で会ったこともあるが気持ちが落ち着かないし、おそらく転居届を出しているだろうから届くだろうと結論付ける。
そして数日後、男のスマホにアユの着信があった。
「もしもし、結婚おめでとう」
「ごめんなさい。怒られてもしょうがないのにお祝いをいただいて……私から電話したのに、どう言えばいいのか分からない」
「幸せなんだろう??アユが幸せならそれでいい。本当だよ」
「あなたが来るって言っていた水曜日、緊急事態宣言で来られなくなった週の土曜日に彼から結婚前提で付き合ってほしいと言われたの。返事を躊躇していると、あなたと付き合っているのは知っている。彼があなたに連絡して承諾を得るようにするって言うから、時が来たら私から伝えるって言ったんだけど、メールで伝えただけで言葉足らずに……ごめんなさい」
用意していた科白のように一気に話し終えたアユは言葉を詰まらせる。
「気にするなって。結婚すると聞いたときはドキッとしたけど、アユが幸せになれるなら、おめでとうと心から言える」
「ありがとう……昨年、通常営業できなくなった時、何度か資金援助してもらったままなのが申し訳なくて……」
「そのことは旦那に話した??……そのまま話さなくていいよ、神様は誰にも隠し事をする権利を与えてくれた。アユが彼にする隠し事はオレがらみだと思うと気持ちいいな、ウフフッ」
「返さなくてもいいの??」
「気にするなよ。少しでも助けになったのならオレも嬉しい。美術に縁のなかったオレに興味を持たせてもらったお礼だよ」
「美大で私の後輩になる姪御さんがいるでしょう??」
「姪とアユが同じ言葉を口にしても、オレの記憶に残るのはアユの方だな。しょうがないだろう……そうだ、アユの電話番号やアドレスは削除したし記憶の中のアユはこれからも想い出の中で生き続けるけど、やばいプレゼントは燃やしちゃったからエロイアユはいなくなったからね」
「そうなの??残念な気がする。温もりを忘れていた私に男を想い出させてくれたのはあなただったから……」
「それはそうと式は当分見送りだって聞いたけど、入籍は??」
「もう済ませちゃった。私の誕生日に入籍しようって言ってくれたんだけど、喜ぶのは解禁日を待っている父だけ。私はたとえ1歳でも若い方がいいからって言ったの」
「お父さんはアユの結婚記念日を忘れないだろうし、毎年一人でお祝いイベントをできただろうに……ゴメン、長々と引っ張っちゃって。おめでとう、アユが幸せになってくれるとオレは嬉しい」
「うん、ありがとう。これからは連絡してくれないの??……そう、そうなんだ。これまで、いろいろとありがとうございました。私は幸せになります」
フゥッ~、宙を睨んで息を吐いた男は束の間、思い出に浸る。
余韻 -1
午後、彩の最寄り駅に近く人通りが少ない、いつもの場所まで送った健志は名残を惜しむキスを交わして股間に手を伸ばす。
「アンッ、思い出しちゃう。離れている間はこのプラチナチェーン下着で心を縛られている。そうでしょう??身体や心を縛られて感じる自由もある。彩はМッコだから……行かなきゃ。しばらく会えないけど我慢する」
「結婚指輪は二人を結び、心を縛るモノだと思うけど結婚指輪を送る術もないオレが彩を縛る象徴。象徴である証に鍵は彩が持っている……今日から独り寝だけど、シーツの交換を断ったから彩の匂いに包まれて眠れるよ」
「彩と離れて独り寝の夜は、夢の中で彩を自由自在に操るんでしょう??そんな健志を想像すると、独り寝の彩は濡れちゃう……オナオナの友達はこのバイブだね。ウフフッ」
お土産だよと言ってDVDと共に渡されたバイブをバッグ越しに指さし、
「行くね、連絡するから電源は入れといてね」
夫と暮らす家に帰ると言わず、あえて行くという彩に愛おしさがこみ上げる健志は姿が見えなくなるまで笑顔で手を振る。
途中、ロードサイドのショッピングモールで買い物と食事を済ませた健志は帰路に就く。
帰宅した健志は京都で作られたジンとグラスを冷蔵庫から取り出し水割りを作ってソファに腰を下ろす。
一口含むと和を感じさせる風味が口の中に広がり、いかにも京都で作られたクラフトジンだと思わずにいられない。
二口目を飲んで目を閉じると彩の姿が瞼に浮かぶ。
学生時代からの親友が隠し事をすることなく彩に打ち明けたというアダルトビデオ出演。
そのDVDを見ながらの淫猥遊戯で満足したはずの彩と健志だが昼間のベランダで再び愛を交わし、マンション横の通りを歩く人や隣室の住人に見られるか見られないかのスリルで昂ぶりは収まることを知らず、身体の奥底に棲みついていた卑猥な想いが白昼に姿を現し淫蕩な欲望の虜になっていた。
彩が帰るまでという約束の夫婦ごっこの時間が残り少なくなると健志は想いをぶつけるように彩の身体を貪り得も言われぬ快感と共に絶頂に到達した。
「シャワーを先に使って、彩は後でいいの……しばらく会えなくなるから、きれいな彩を見てもらいたい」
シャワーで汗とセックスの残滓を流した健志は白いチノパンと青いTシャツ姿で炭酸水を美味そうに飲み、フゥッ~と満足そうに息を吐いてバスルームに視線を向ける。
肌と床をたたくシャワーの音が消えて暫らくしても出てくる様子がなく、大丈夫かと声をかけようと一歩近づくと白いバスローブを羽織って上気した表情の彩が姿を現す。
「上気した表情が色っぽい。可愛いなぁ……抱きしめたいよ。飲むだろう??」
飲んでいたのと同じ炭酸水のボトルを手渡すと白い喉を見せてゴクゴクと音を立てて飲み、「ありがとう、美味しい」と呟いてニコッと微笑む。
「おう……」色っぽいと感じた彩に正面から見つめられた健志は、ドキッとして視線を逸らして目元を赤らめる。
「彩を見るのが恥ずかしいの??可愛い……ウフフッ、暴れん坊オチンポの持ち主とは思えない」
「うるせぇ。きれいな女性に見つめられて平気なほど厚かましい男じゃねぇよ」
「ウフフッ、褒めてくれたから、そうだなぁ……明日以降しばらくの間、お泊りはムリでも時間に余裕があれば食事に付き合ってあげようか??迷惑??」
「迷惑じゃねぇよ、嬉しいよ。期待して待っている」
「絶対ってわけじゃないからね、時間に余裕があればだよ。それでもいい??」
「いいよ。一日二十四時間、いつでも待っている」
時刻を確かめた健志は笑みを消して硬い表情になり、
「もう帰る時刻だろ、送るよ……その前に彩の心を縛る下着を穿かせるからバスローブを脱ぎなさい」
「ここで??」
「そうだよ……どうしても嫌だと言うなら強要はしない。寝室で着けてきてもいいよ」と告げてプラチナチェーン下着を持つ右手を突き出す。
「いじわる。断らないのを知っているのに、そんな言い方をする。脱ぐから見てね」
紐を解いたバスローブに右手を差し入れて左肩から滑らせようとした彩は一瞬躊躇し、許してと呟いて後ろ向きになり左肩、右肩の順に滑らせるとハラリと足元に落ちる。
パンと張り出した腰から太腿に続くラインは成熟した女性らしい丸みを帯び、マリンスポーツやヨガの効果で崩れることなく存在感を示す尻もまた健志には好ましく、ヴィーナスの笑窪が健志に向かって微笑んでいるようで抱きしめたくなる。
背中から腰を経て太腿に至る白い肌は染み一つなく、凛とした後ろ姿と共に顔や髪形、衣装だけではなく自分では気付きにくい後ろ姿にも気配りの行き届いた女性だと思え、そんな彩と濃密な時間を過ごせる自分に笑みが浮かぶ。
「彩、こっちを向いて顔やオッパイを見せてくれよ」
胸を左手で、股間を右手で覆った彩は向きを変えて健志に正対し、
「夫婦ごっこは楽しかったし生まれ変わったら健志と結婚してもいいかなと思っていたけど止める」
「どうして??オレが嫌いになった??」
「嫌いになった訳じゃないけど、クククッ、健志と一緒だとセックスに忙しくて他のことは何もできなさそう……セックスは大切だけど他のこともね。恥ずかしい、早く済ませて」
「夫婦ごっこはダメ。生まれ変わってもオレと一緒になるのは嫌……オレは今を楽しむしかない。帰る時刻ギリギリまでこのままだよ」
前屈みになってムッチリとした内腿を見つめ、次の瞬間には上半身を仰け反らせて頭の天辺からつま先まで彩のすべてを記憶に刻もうとする。
「スマホに残してもいいのに」
「大切な彩をこんな小っちゃくて狭い中に押し込みたくない。離れていてもすぐに想い出せるように頭ン中のキャンパスに描いとくよ。幸いなことに頭ン中のキャンパスに描く絵は画才のないオレでも上手に描ける」
そんなことを想い出しながらジンの水割りを飲み干した健志は睡魔を追い払うことができず、彩の匂いと感触が残っているシーツに顔を埋める。
転生 -48
「気持ちいい……通りを歩く人や隣室の住人に見られちゃうかもしれないと思うと興奮する。分かる??」
「彩にとって羞恥と快感は表裏一体なんだろう、分かるよ。泉に挿入した指は火傷しそうなほど熱い。彩、エッチに集中しなきゃダメだよ。今は二人だけの時間だ」
泉に挿入した指はそのままにして親指の腹でクリトリスを刺激すると自然に膣壁を挟んで擦り合うことになり健志は頭上の艶めかしい声に頬を緩める。
グジュグジュッ、ニュルニュルッ……中指と薬指が膣壁を擦り、親指の腹がクリトリスで戯れると三本の指が薄い壁を通じて連動し、彩の性感を昂らせる。
「ウグッ、グゥッ~、たまんない、アソコがジンジン痺れちゃう。もっと、もっと気持ち善くなりたい」
「欲張りだな、可愛いよ……親指さん、チョイト退いてくれよ」
親指に代わって唇がクリトリスを覆い、ズズズッと音を立てて吸い込むと頭上にクゥッ~と艶めかしく悲鳴にも似た声を聞くと唇に込めた力を抜き、舌が尖り切る花芽の周囲をなぞる。
「アウッ、ウッウッ、クゥッ~、気持ちいい……入れて、我慢できない。気持ちいいんだもん、もっと、もっと気持ち善くなりたい」
「オレも昂ぶりを抑えきれなくなって股間が重いよ」
「ウフフッ、重くなるほど膨れたの??見たい、見せて??」
立ち上がった健志が視覚を奪うアイマスクを外すと眩しそうに目を眇めた彩は嫣然として視線を合わせ、すぐに眼下の通りに視線を移して熱せられた地面のせいで揺らめく陽炎に目を見張る。
「道路はすごく暑そう。差し迫った用がある人しかいないよね……手を縛られているから脱がせられない」
アイマスクを外された彩はマンション横の通りを歩く人がいないのを確かめ、安心感と共に健志の股間に恨めし気な視線を向けてルームウェアを噛む。
「両手を使えなくても口を使えばなんとかなるだろう??彩ならできるだろう??」
パンツの右を噛み、左側を噛み、息を弾ませて少しずつ引き下ろすと先走り汁で濡れた亀頭が姿を現し、勢い付いた彩は健志の協力もあって一気に脱がせてしまう。
「うわっ、すごい。欲しい、彩のオチンチンでしょう??」
健志の股間で隆々と宙を睨む怒張を見つめて膝立ちになり口に含もうとしても、前夜、満足したはずのペニスは腹を打たんばかりに聳え立ち、両手を後ろ手に縛られているために咥えることができない。
「オチンポが欲しいのに手が使えないからナメナメできない、ハァハァッ」
「彩はマンコにぶち込むチンポをオシャブリしたいと言い、オレは彩の温かい口が好きだし、入りたいから拘束を解くよ」
手の拘束を解かれた彩は仁王立ちの健志の前で跪き、両手で包み込むようにした怒張の先端に舌を伸ばして先走り汁を舐め取る。
「ウッ、ウググッ、苦しい。そんなに押し付けなくてもナメナメするから……」
昂奮を抑えきれない健志の両手は彩の頭を掴み、息ができなくなるほどペニスと共に股間を押し付ける。
「ジュルジュルッ、ジュボジュボッ、ハァハァッ、おいしい……入れて。健志が欲しい、つながりたいの、早く……」
手を添えて立ち上がらせた彩をフェンスに押し付けると両手をつき、突き出した尻をプルンッと一振りして、ハァッ~と艶めかしい声を漏らす。
ピシッ……「イヤァ~ン、いたいっ、お尻を打たれちゃった」
ピシッ……「アンッ、二度も打たれちゃった……痛いけど気持ちいい。ゾクゾク、ジンジンする」
健志の手が左右の内腿を擦るとドロッと花蜜が溢れ、無意識のうちに自らの快感の昂りを知った彩は、恥ずかしいと呟いて座り込みそうになる。
「ウッ、ウグッ、苦しい……リードを引かれると首輪で喉が締まっちゃう。立ちあがるから、もう引っ張らないで」
「分かったよ……だけどダメだよ。座り込んじゃオレのチンポの収めどころが無くなっちゃうだろう」
ピシッ……「イタイッ、彩のオチリは太鼓じゃない……ぶち込んで、オチンポが欲しい」
「両足をもう少し開いて……そうだ、入れるよ」
通りや隣家に視線を巡らしながら両脚を踏ん張り、尻を突き出した彩は背中越しに健志を見つめ、ゴクッと唾を飲んで目を閉じ挿入の瞬間に備える。
屹立するペニスを摘まんで濡れそぼつ花弁に擦り付け、十分に馴染ませて腰を突き出すと難なく先端は溢れる花蜜の源泉に没し、泥濘で遊ぶ男の子のように竿は出入りを繰り返す。
「クゥッ~、気持ちいい。健志のモノが出たり入ったり……アンッ、そんな処を突かれると漏らしちゃいそうになるほど気持ちいい」
健志が腰を掴んで自在に下半身心を揺すると身長差もあってあり得ない角度で膣壁を擦り、予期せぬ快感が彩を襲う。
「彩の中が温かくてオレのモノをウネウネと包み込んで奥へ奥へと引きずり込もうとする。接する下半身も吸いつくほど気持ちいい」
背中に覆いかぶさり両手で抱え込むようにして胸の膨らみを揉みしだき、先端を摘まみながら耳朶を甘噛みして温かい息を吹きかける。
「可愛い彩との夫婦ごっこももうすぐ終わっちゃうんだな。時間を止める術があるなら知りたいよ」
「アァ~ン、いやっ、アソコもオッパイも気持ちいいのに悲しいことを思い出させないで。彩もいつまでも二人でいたい……イヤァ~ン、たまんない」
「大きい声を出すと聞かれちゃうよ。我慢しなさい」
「そんなことを言われても気持ちいいんだもん。ウッウッ、イヤァ~ン、気持ちいい。もっと突いて、激しく。お尻を打って……アンッ、ダメ、通りを歩く人がいる」
漏らしそうになる喘ぎ声を口に押し付けた手の甲で防いだ彩は昂ぶる快感に身を委ね、尻を振り上半身を前後してピストン運動をせがむ。
夏の熱気が残るベランダで首輪だけを着けた彩は全身にうっすらと汗が滲み、その汗さえ好ましく思う健志は一層激しく腰を前後する。
パンパンッ、技巧を凝らすこともなく本能と欲望に支配されて思いの丈をペニスに込めて突き入れる。
「ヒィッ~、すごい、ウッウッ、クゥッ~、我慢しようとしても声が漏れちゃう」
「オレはもう我慢の限界だ。彩とだと制御が効かない……逝っちゃうよ、出してもいいか??」
「ちょうだい、彩も逝っちゃう、いい、いぃの、ちょうだい。熱いのをちょうだい」
転生 -47
「えっ、うそ、見ている人がいるの??いやっ、リードを外して、おねがい」
ギシギシッ……ウッ、ウグッ……首輪につながるリードをつながれているせいでフェンスから離れることは出来ず、屈みこもうとしても首輪が邪魔をしてそれも出来ない。
唇を噛んで項垂れたまま羞恥を堪える彩の頬に唇を合わせてチュッと音を立てた健志は、
「通りから彩を見る人はいないよ。この暑さだから歩く人は少ないし、隣室もエアコン使用で窓を閉めているだろう、彩のエロイ身体を見てくれる人は残念ながらいない……だからって安心できないよ」
「イヤンッ、驚かさないで……彩の身体でいっぱい、いっぱい、遊んで。何もかも忘れるほど気持ち善くなりたい」
「そうだな、今はこの身体も心も全てが彩。明日は清楚で仕事ができる女性に戻らなきゃいけない。しばらくの間、仕事に集中して彩に戻りたいという心残りをなくすのが今のオレの務めだよな」
大きすぎず、かと言って小さくもなく手の平にすっぽり収まり張りと柔らかさが共存する乳房を揉み、ツンと存在感を示すピンクの先端を口に含んでコロコロ転がしたり甘噛みしたりと舌や歯が戯れる。
「ウグッ、クゥッ~、気持ち好い。アンッ、自然と声が出ちゃう。イヤァ~ン」
左手を後ろ手に縛った彩の手に重ねて身体を支え、右手は腰や尻を撫でて内腿を擦る。
「このパンと張り出した腰やムチムチと旨そうな太腿に触れるとカヲルに縛られて悩ましい姿態を曝していた姿を思い出す……最後に一枚だけ残ったパンツを脱がせたいな、抱きたいなと思った身体が目の前にあるんだよ、涎がでちゃうよ」
言い終えた健志はしゃがみ込み、目の前の白短パンの縁をなぞる。
健志がなぞる短パンは脚を長く見せて美しさを強調するよりも、ムッチリと艶めかしく成熟した女性の持つ色っぽさを際立たせて健志の淫らな思いを昂らせる効果に満ちている。
「見ているの??彩のムチムチアンヨを見ているでしょう??健志のいやらしい視線に犯されている。エッチな健志が好き……喘ぎ声を漏らすと見られちゃうかもしれない、ハァハァッ、興奮が止まらない……」
股間を目の前に見る位置でしゃがみ込んで短パンの縁をなぞる健志の吐く息を内腿で感じる彩は、逃げたり避けたりすることなく、マンション横の通りを歩く人や隣室の住人に見られるかもしれないという昂奮で声と身体を震わせる。
短パンのボタンを外し、ジジジッとファスナーを下ろして無毛の恥丘にチュッと音を立てて唇を合わせた健志は立ち上がる。
「アンッ……えっ、終わりなの??オッパイを丸出しにされて首輪を着けられ、後ろ手に縛られた挙句、チュッとされるだけなの??」
「明日以降、しばらくの間は仕事と家事に集中して彩に戻りたいと思わなくてもいいほど可愛がってあげると言っただろう。これからだよ」
立ち上がった健志がアイマスクに唇を合わせると物足りなく思う彩はフゥッ~ンと艶めかしい吐息と共に身体を押し付け、オッパイを擦り付ける。
「いやらしいキスをねだってオッパイを押し付けてくる、わがままな彩も可愛いよ」
濃厚なキスで満足した彩が気付かぬうちに背にしていたフェンスに正対するように身体を回転させる。
「えっ、歩く人が見上げるとオッパイが丸見えになっちゃう。いやっ、怖い」
「静かにしていれば見上げる人はいないよ。空には眩しい太陽、見上げる人はいないよ……中には暑い中、上り坂に音を上げて恨めし気にお日さまを見上げる人がいるかもしれないな」
彩の身体をフェンスに押し付けて動きを封じ、ボタンを外してファスナーを下ろした短パンに指をかけて一気に引き下ろす。
「いやっ、ダメッ、こんな処でハダカンボにしないで……ウッウッ、イヤァ~ン」
「以前この場所でスッポンポンになった彩は昂奮でアソコをグジュグジュに濡らしたような気がするけどな」
「あの時は目隠しされたり手を縛られたりしていない。いやっ、クチュクチュしないで、我慢できなくなっちゃう」
背後から抱きかかえて股間に回した手で短パンを引き下ろした健志の手の悪戯は止むことなく、涸れることのない泉のように花蜜を滴らす源泉に指を忍ばせる。
クチュクチュ、ニュルニュルッ……「見られるかもしれないと思って昂奮しているの??それともオンナノコをクチュクチュされて気持ちいいの??答えなさい」
「アンッ、そんなことをされたら我慢できなくなっちゃう。ベッドでなくてもいいけど、せめてソファで可愛がって……イヤァ~ン、気持ちいい」
ヌチャヌチャ、クチュクチュッ、可愛いよ、彩。フゥッ~……健志の両手は腰を抱きかかえるようにして彩のオンナで戯れ、愛の言葉で耳をくすぐり黒髪を噛んで花蜜にまみれた左手で唇を刷くと彩はその指をパクリと口に含んで舌を絡ませる。
「ウフフッ、美味しい。彩の愛液って最高……健志はクンニだと言いながらいつもこんなにおいしい蜜を啜っていたんだ。独りで蜜を啜るなんてズルイ」
「ズルイって言われたんじゃ蜜を啜るしかないな。彩、こっちを向きなさい」
フェンスを背にする格好に身体を入れ替えるように指示すると、「これは邪魔」と言い捨てて足首に引っかかる短パンを脱ぎ捨てて、彩自身の意志で首輪だけを着ける素っ裸になってしまう。
「それでこそ、彩だよ。良き妻、有能な仕事人、清楚な女性という普段の姿を忘れて性的好奇心に支配される一人の女性、それが彩……右足を椅子に載せなさい」
アイマスクで視覚を奪った彩の右脚に手を掛けて椅子に誘導した健志は再びしゃがみ込み、割れ目に添えた指で大きく開き濡れそぼつ花弁に舌を伸ばす。
ジュボジュボ、ジュルジュルッ……「彩の言う通り、美味いよ。涸れるまで啜り続けちゃおうか」
「できない、ムリ、ムリ。ナメナメしてもらうと気持ちいいんだもん、蜜が涸れる事なんてありえない」
「気持ち善くなってくれるのは嬉しいよ。こうするとどうだ??」
泉から溢れる花蜜を啜る唇が離れ、右手中指が侵入する。
ニュルッ……「アンッ、ウフフッ……もう少し太いのが欲しい。彩は欲張りなの」
クククッ……中指に加えて薬指を挿入した健志は二本の指を出し入れしながら親指の腹でクリトリスを刺激する。
アンッ、ウッウッ、クゥッ~……オンナノコを弄られる気持ち善さで感に堪えぬ喘ぎ声を漏らす彩は健志の右手に股間を押し付け、下半身を上下してより強い快感を得ようとする。