想いを巡らす 二日目 59
抱き枕のように右腕を抱いて足を絡め、穏やかな寝息を漏らしながら眠り続ける彩の邪魔をしないように気遣いながら寝顔を見つめる健は、自然と表情が緩むのを意識する。
些細な憂いも感じさせない寝顔を見ているだけで目覚めは爽快なものになり、白い天井は彩の肌を映したような心地良さを感じさせ、グレーのカーテンさえも安眠を助ける味方に思える。
目を閉じると昨日の出来事が脳裏をよぎり、彩の痴態を思い出すと就寝で英気を養った股間に力が漲る予感がする。
ナイトテーブルに手を伸ばしてミネラルウォーターを手に取り、気付かれないよう静かに喉を潤してフゥッ~と息を吐く。
「何よ、ため息なんかついてイヤな男」
「起こしちゃったかな、ゴメン・・・ため息じゃないよ、ミネラルウォーターが身体中に行きわたって眠っていた細胞が起きるのを感じたんだよ」
「そうなの、それでココも水のお蔭で元気になりつつあるんだね・・・あれっ??ナイトシャツだけで下着を穿いてないんだ」
ナイトシャツの上から股間部分に指を上下させた彩は顔を綻ばせて身体を起こし、馬乗りになって健の手からミネラルウォーターを奪い取る。
「いつでも彩に襲い掛かれるようにパンツを穿かないで準備万端だよ」
「ウフフッ、彩が馬乗りになって許してって言うまで責めちゃう」
ミネラルウォーターを口に含み、頬に添えた手で健を上向かせた彩は視線で口を開けるようにと合図する。
ツツッツゥッ~・・・糸を引くように彩の口から滴り落ちるミネラルウォーターは健の口に吸い込まれていく。
「ハァハァッ・・・すごい、興奮する。健を征服したような気になる・・・もう一度したい、口を開けて・・・」
再び流し込んだ彩は、背後に手を回して健の股間を探り、
「なんだ、つまんない。大きくなってない・・・彩じゃ興奮しないの??」
「彩を相手にして興奮しないわけがないさ・・・こうすれば、触るのも熱いほど熱を持って大きくなるよ」
腰を掴んで身体を入れ替えた健は馬乗りになって彩を見下ろし、両手首を掴んで頭上で押さえつける。
「彩をどうするかはオレ次第、オッパイペロペロ、マンコクチュクチュ、オレの彩をどんなふうに調理するか・・・クククッ」
「ハァハァッ、いやらしい。彩は苛められるの??良いよ、苛めて欲しい・・・健の想い出を身体に刻んで欲しい」
真っ赤に燃える瞳が挑むように健を見上げ、視線を避けることなく見つめ返すと一瞬のうちに羞恥に包まれたのか視線を逸らせて目を閉じる。
体重をかけないように気遣いながらも身体を跨いだまま手首を押さえつけて顔を近付け、首筋に舌を這わせて息を吹きかける。
フゥッ~・・・ヒィッ~、アァ~ン、鳥肌がスゴイと言う彩の首や腕などベビードールが隠さない肌は言葉の通り鳥肌が覆っている。
「すごいな・・・背中がどうなっているか見てやる」
手首を重ねて左手で掴み、右手で仰向けから俯せにしようとすると、それを察した彩は自ら姿勢を替える。
「アンッ、今度は背中をペロペロされちゃうの??それとも、お尻をペシペシされちゃうのかなぁ??・・・ハァハァッ、だめ、興奮する」
ピンクのジョーゼット生地は清楚な魅力を損なうことなく、それでいて透け感は彩の魅力であるムッチリ感を明らかにして健の欲情を刺激する。
左手を彩の手に重ねて包み込むと握り返し、
「舐めて・・・朝になったら可愛がってくれるって約束したでしょう。舐めて擦って、健のモノで啼かされたい。次に会う日が待ち遠しいと思うほどの記憶を身体に刻んで・・・お願い」
「オレも身体中を満たすほど彩の記憶が欲しい・・・足の先から頭まで手触りも匂いも記憶に刻んどくよ」
右手で髪をすくって香りを胸一杯に吸い込み、首を舌で刷いて耳朶を甘噛みする。
「アウッ・・・ゾクゾクする。また鳥肌が・・・ウッ、アワワッ、気持ちいぃ」
握り締めた左手を離すことなく右手で脇腹を撫で、舌と唇をベビードールと肌の境目に這わせる。
彩は予期していた快感とはいえ一瞬の緊張で身体が強張り、握られている左手が白くなるほど力を込めてしまう。
「彩、緊張しちゃダメだよ。手を離すけど力を抜いてリラックスするんだよ」
手を離した健はベッドを下りてカーテンを開け放ち、ガラス越しの陽光を招き入れる。
陽の光を背にして立つ健は俯せのまま眩しそうに見つめる彩に話しかける。
「淫靡な雰囲気じゃなく開放感のある雰囲気で彩を抱きたい。オレは外で他人の視線を意識しながらってのは無理だから、せめて明るい場所でね・・・」
「期待するよ・・・彩は俎板の鯉。美味しい鯉料理に出来上がるかどうかは調理人次第、恋のフルコースを召し上がれ」
アンッ、ウッウッ・・・俯せの彩の両脚を撫でて足の甲と足裏に指を添えてマッサージを施し、甘い吐息が漏れ始めると足指を一本ずつ揉んで口に含む。
温かい口腔に指を含んで顔を上下し、指と指の間に舌を這わせる。
「温かくて気持ち良いけど、そんな処まで・・・恥ずかしい」
想いを巡らす 二日目 58
赤じゃないのかと言いながらピンクのヒモパンを受け取った健は嫌がるのを承知で匂いを嗅ぎ、目の前で広げて見せる。
「あれっ、嫌がって怒んないの??」
「ばかっ、アソコだけじゃなく、オチリの穴を悪戯されるところを見られて、健のモノを捻じ込まれたんだよ。今更、恥ずかしがってもしょうがないもん」
「クククッ、そうだな・・・恥ずかしがっても、そうじゃなくても彩は可愛いよ」
「ショーツは健が持っているけど、このべビドはいつまで持っていればいいの??」
目の前に立つ彩を見上げて視線を外すことなく、バスローブの上から身体のラインを確かめるように添えた手の平で撫で回す。
肩を撫でて脇腹を撫で下り、ウェストの括れを確かめて張り出した腰に手の平を添えて視線に笑みを含ませる。
「ムッチリしすぎ??・・・いやな表情、そういうのは好きじゃない」
「誤解するなよ、いいなぁって思っただけだよ。趣味も食べ物も好みは人それぞれ、女性への印象も十人十色。オレは抱いた時に女性のムッチリとした柔らかさを感じるのが好き、彩はオレの理想だよ」
「健は女の価値をセックスにだけ求めるの??彩はセックスの相手として理想的なの??」
「前にもそんな事を話題にしたね・・・彩の理知的で清楚な感じに一目惚れしたんだけど、男と女。飾っときたいわけじゃないから、手をつないで歩きたいしベッドも共にしたい。理屈じゃなく背後から腰や太腿に手を回した時の抱き心地が最高。白くて染みのない肌や後姿の美しさは努力の賜物だろうから愛おしく思うのは当然だよ」
「ふ~ん、もう言わない。健が彩の事を好きだってことが分かったらいいの・・・」
腰の辺りを撫でていた手がバスローブの裾を割って入り込み、内腿に指先を這わせる。
アッ、アウッ・・・腿の付け根まで撫でた指は円を描くようにして撫で下りていく。
ムッチリとした感触が好きだと言われたばかりの内腿は戯れる指に反応してフルフル震え、唇を噛んで目を閉じる彩は健の頭に手を置いて崩れ落ちそうになる身体を支える。
「彩、どうしたの??苦しそうに見えるけど・・・」
「苦しくなんかない・・・ウッウゥッ・・・いつもと同じだよ」
右から左の内腿に移動した指は触れるか触れないかの繊細なタッチで刺激し、残った手がバスローブの裾を開いて立っているもやっとの震える足をあからさまに晒す。
「イヤッ、見ちゃ嫌・・・恥ずかしい、笑っちゃイヤだよ」
身体を支える手に一層力を込める彩は必死の形相で哀願し、笑みを浮かべる健は腰に回した左手で彩を支えて右手親指の腹で割れ目を上から下へとなぞる。
「ウッ、ほんとうに止めて、我慢出来なくなっちゃう。健といると自分でも止めようのないほどエッチな女になっちゃうの・・・だから、止めて」
「夜の今は世界一の娼婦で良いのに・・・目覚めの一発を楽しみに止めとくよ」
立たせたままの彩に手を伸ばしてバスローブの紐を解いて肩から滑らせ、素っ裸にした姿を静かに見つめる。
健の視線は瞳を見つめ、彩はたじろぐことなく見つめ返す。
口にすると関係が壊れてしまいそうな思いを心に秘めたまま見つめる瞳は、逸らすと思いが嘘になると思っているかのように熱く燃える。
二人は思いを視線に乗せて伝え、健は想いを受け取ったと返事するために口元を緩める。
健の表情に笑みが浮かんだのを確かめた彩も表情を綻ばせて、
「ショーツは持つモノではなく穿かせてあげるモノじゃないの??」
そうだね・・・健はヒモパンの前後を確かめて蹲り、穿かせ終わると股間の中心部に唇を合わせて、明日までバイバイだよと声をかける。
「真っ赤のじゃなくて怒ってる??せっかくお風呂に入り直してきれいになったのに、同じパンツを穿くのは嫌だもん」
「クククッ、彩の白くて柔らかな優しさを感じさせる肌にはピンクが良く似合うよ。クールなイメージの彩よりもフェミニンな彩が好きだよ」
「じゃぁ、真っ赤な下着は情熱的な彩なの??・・・セックスしようって迫る彩は嫌いになる??」
「フフフンッ・・・二人きりでいる時はフェミニンな彩、そしてセックスの時は情熱的な彩、昼間、手をつないで歩く時はクールな彩。どんな彩もすべてがオレの理想だよ」
「そう、良かった・・・彩の持ってるベビードールも何とかしてくれると嬉しいんだけど」
ベビードールを着せた彩を抱き上げてベッドに運び、腕枕をして抱きかかえる。
健の右手を枕代わりにして抱きかかえられた彩は、ナイトシャツの胸元から指を差し入れて乳輪をなぞり、
「今日は眠りたくない、明日の夜から次に会うまで独り寝。いっそ亭主が帰ってこなければ健といつまでも一緒にいられるのに・・・あっ、ダメか。ごめんなさい、聞かなかった事にして」
優子と円華との痴戯や円華との露出遊戯、コスモワールド近くで見た他人にセックスを見せて燃え上がる若いカップルなど、一日の出来事とは思えない事を話すうち、彩は静かになる。
健の腕の中の彩は、スゥ~スゥ~と静かに寝息を漏らして穏やかな表情で目を瞑る。
想いを巡らす 二日目 57
足を開いて両肘をつき、揃えた手首の辺りに顔を付けた彩は尻を高くつき上げて健の指示を待つ。
「早く・・・早く命令して。こんな恰好のまま指示を待つのは恥ずかしい」
「おや、こんな恰好をしたのは彩だろ。オレはエロいショーを見せてくれって言った覚えはないよ」
「ハァハァッ、ごめんなさい。エロイ事を始めたのは彩だけど、オチリの穴が丸見えになるような格好をさせたのは健だよ・・・次の命令を待っているんだから、お願い、早く・・・」
自らMっ気が強いと言う彩は被虐心の昂ぶりで立てた太腿がフルフル震え、窄まりは悪戯を待つかのようにヒクヒク息をする。
「ねぇ、触ってもいいよ。触られても我慢するから・・・ねっ、お願い」
「だめだ。彩の指で昇りつめるのもよし、オレを昂奮させるだけでもよし。ここに座ってスケベな彩の姿を見せてもらうよ」
「いじわる・・・いいけどね。今の意地悪はモーニングセックスで二倍にして返してもらうから・・・あぁ~ァ、どうしてこんな事を始めちゃったんだろう」
突き上げた下半身をそのままにして右手を伸ばして太腿を撫でる。
僅かながら汗がにじむ白い肌は滑りを帯びて乳白色に輝き、割れ目の底にある窄まりの中心は色素沈着が薄く、刺激を求めてヒクヒクしているものの上品さは損なわれていない。
アナルとバギナを繋ぐ会陰部は滲み出た蜜がナメクジの這った跡のような痕跡を残し、気付いているはずの彩は一言も触れようとしない。
「彩、マンコと尻の穴の間をなんて言ったっけ・・・蟻の門渡りだったっけ、オシッコを漏らしたみたいに濡れてるよ、触って確かめてごらん・・・彩・・・そうだよ、指先で確かめるんだよ・・・濡れてない??」
「ハァハァッ・・・スケベ、いじわるな言い方・・・アァ~ン、湿り気を帯びてる、お漏らしなんかしてないのに」
「そうか、漏らしてないのか・・・じゃぁ、指先の滑りを舐めて味を確かめてごらん」
「いやっ、エッチ・・・舐めるね・・・ハァハァッ、なんか分んないけど興奮する・・・オシッコを舐めた事はないけど、これは違うと思う」
分りきった言葉遊びによる掛け合いも満足しているはずの欲情を刺激して新たなときめきを目覚めさせ、涸れることのない泉が滾々と水を溢れさせるように妖しい思いが芽生え始める。
アンッ、アッアッ、クゥッ~・・・滲む愛液にまみれた中指で会陰部を擦り、じわじわと襲い来る快感に表情を歪める彩の口は半開きとなって甘い吐息を漏らし始める。
彩の痴態を見つめる健は言葉を発する余裕を失い、只々見つめるだけとなって唾を飲みこんだり、乾いた唇に舌を這わせたりと落ち着きがなくなる。
会陰部を撫でていた中指の動きが止まり、潤んだ瞳が健を見つめてゴクッと唾を飲んで親指が蠢き始める。
健の視線と絡むと羞恥を浮かべて目を閉じ、一瞬の躊躇の後に、ハァッ~と艶めかしい声を漏らして親指が滑りの源泉に姿を消していく。
ズルズル、ニュルニュルッ・・・指が姿を消すにつれて乾いた音が卑猥な音に変化して彩の表情も苦痛を伴ったようなものに変わる。
ニュルニュル、ジュルジュルッ・・・アッアッ、ウゥッ~ン・・・指が出入りを繰り返すと表情が柔和になり、半開きの口から喘ぎ声に似た甘い響きが漏れる。
蜜の滴りが激しくなり、透明だったモノが白濁する。
膣口に姿を消した親指をそのままにして会陰部を撫でていた中指を折って押し付け、薬指が窄まりに向かっていく。
やっと正気に戻った健は、
「オレのモノを咥えこんで善がった尻の穴と思えないほど品がある。エロイ太腿や尻に隠れてひっそり佇む淑女って風だね」
「クククッ・・・笑わせないでよ。彩は太腿やオチリが下品で、オチリの穴が上品なの??・・・なんか、バカにされてるような気がする」
「真面目に褒めているんだよ・・・モデル体型のようにスラッとして整った美人よりも、清楚と卑猥・・・ほんの少しバランスが崩れている方が色っぽいと思うよ、オレは。振れなば落ちんってヤツだな」
「酷い、もう止める・・・彩は誰でもいいからって男を誘ってるみたいな言い方・・・怒っているんだからね」
健をからかう積りで始めた痴態も止める切っ掛けを無くして困り始めていた彩は、いい機会だとばかりにベッドから降りて怒ったような表情でバスルームに向かう。
彩の後を追うと港の夜景を見ながらのセックスに行きつくと思う健は、優子の口に吐き出したのは余計な事だったなと口元を歪める。
「来ないの??」
「あぁ、やめとく。一緒に行けば搾り取られそうだから止めとくよ。モーニングセックスをパスしても良いならついて行くけどね」
「クククッ・・・男のモノって残念だね」
ナイトシャツ姿でくつろぐ健は二杯目のジントニックを手にして夜の港を見つめ、バスタイムを終えて上気した顔の彩はバスローブ姿でその前に立つ。
「彩のナイティはベビードールなんでしょ??着せてくれるの??それとも彩が自分で着替えるの??」
右手に持ったピンクのベビードールとヒモパンを突き出すようにした彩は、悪戯心を秘めた瞳をキラキラ輝かせて口元を緩める。
想いを巡らす 二日目 56
膝立ちのまま半身の構えで自らの尻を撫でる彩の美しさに見惚れる健は乾いた唇に舌を這わせて滑りを与え、抱きしめたくなる衝動を白くなるほど指を握って堪える。
成熟した女性らしく柔らかみを帯びた白い肌を包む真っ赤なベビードールは肌の白さと嫋やかさを強調し、頬ずりしたくなるほど愛おしい。
尻を撫でながら背を向けた彩は肩越しに振り返って笑みを浮かべ、
「目を逸らしちゃダメだよ。エロイと思ったら褒めてもいいけど、チンチンに触っちゃダメ。彩のモノだから」
背中を向けたまま上体を倒して四つん這いになり、突き出した尻を左右に蠢かす。
健が常々大好きだと言う腰から腿へのラインを強調する。
染み一つない白い肌はバスタイムやヨガなど普段の生活で気遣った賜物だし、ムッチリとした女性らしいラインは密かに自慢に思っている。
「オレは対面座位や正常位など彩の表情を何一つ逃さず見ることのできる体位が好きだけど、こうやって見ると腰をガッチリ掴んでオレのモノを押し込んで征服したくなるよ」
「クククッ・・・彩はバックでつながるのが好き。知ってると思うけどMっ気があるから身動きできないように腰を掴まれて犯されるがいいの。尻をピシピシッて叩かれるとキュッとする。オチリがジンジンすると、大好きな男に征服されているって感じるの・・・変じゃないでしょう??」
健はあえて返事をせず、無言のまま揺れ続ける尻を見つめる。
薄暗いベッドで下半身を突き出す彩は静寂に堪え切れず、
「恥ずかしいけど、大好きな健に本当の彩を見て欲しいの。エッチな彩を見ても嫌いにならないでね・・・」
港の音も街の喧騒も聞こえない部屋はしわぶき一つなく、静寂だけが二人を包む。
シュッ、サワサワッ・・・ベビードールを捲り上げ、白い裏腿を擦る音が静寂を破る。
ゴホンッ・・・自然と湧き上がる淫靡な思いを隠そうとしていた健は、腿を撫でる音に重ねて誤魔化すように空咳をする。
ゴクッ、ハァハァッ・・・自らの行為に酔う彩は興奮する思いを鎮めようとして唾液を飲み込み肩で息をする。
両膝を立てた姿勢からジリジリと足を広げ、両腕をベッドにつけて顔を押し付ける。
頭を下げて下半身を突き上げた格好は、剥き出しの腰から尻を経て裏腿へ続くムッチリ感を強調して健を刺激する。
腿に置いて固く結んだ拳に力が入り、我慢の限界に達するのを感じ取った健は腕組みをして宙を睨み、フゥッ~と息を吐き出す。
視線を向けずとも健のしぐさを感じ取れる彩はベッドに顔を押し付けたまま、ヒモパンの紐に手を伸ばす。
「見たい??・・・この紐を解いて欲しい??・・・ハァハァッ、見せてあげる」
自らの言葉で羞恥を募らせ、健が見ているはずの自分の姿を想像して息を荒げる。
紐に指を添えたまま下半身を艶めかしく揺すり、健の昂ぶりを極限まで高めてから焦らすように、ゆっくり結び目を解く。
結び目を解かれた右腰のヒモは十分な長さがあるので元の場所にとどまり、振り向いた彩の赤い舌先が上唇をなぞる煽情的な行為が健の股間を刺激する。
腰に留まる紐に視線を走らせた彩は、下半身を左右に揺すって垂れ落とす。
おっ、ゴクッ・・・ヒモパンは左腿にしがみついて右腿は全容を現し、薄明りの中でも白さと丸みの際立つ尻はウェストの括れを強調し、腰から腿にかけてのムッチリ感が例えようのないエロッポさを強調する。
「何か、言って。無言は辛い・・・もっと見たい、エッチな彩が可愛いって言って・・・オチリが熱い、視線に犯されて熱いの」
「可愛くてエロイ彩は見るだけで興奮するしオレの宝物。大理石のようなヌメ感とムチムチと張り出した腰や太腿はセックスのために存在しているようだよ」
「彩を見るだけでセックスしたくなるの??ほんとう??」
「服を着ている時は清楚な奥様で声をかけるのも躊躇わせる雰囲気があるのに、服を脱ぐと男の目を惹くいやらしい人妻に変身する」
「クククッ、今の言葉は寝る前に色々と尋問するからね・・・ねぇ、犯したくなるほど好い女の彩にどうして欲しいの??」
片方の結び目を解いたために中途半端な存在になったショーツが健の欲情をそそる。
ヒモパンが片足に引っ掛かるバランスが崩れた状態は不安定さがあり、その不安定さが付け入る隙があると思わせる。
ヒモパンが隠していた尻の割れ目があからさまになり、その奥にある窄まりを凝視した時の彩の羞恥を確かめたくなる。
「頭を下げた今の格好のままで足をもう少し開いて尻を上に突き出して・・・そうそう、腹式呼吸じゃなく尻穴呼吸をしてみてくれる??」
「いやらしい・・・いやらしい健が好きだよ。エッチな雰囲気になった時はハメを外してくれないと彩だけじゃ恥ずかしいもん・・・見える??こうすると何が見えるの??」
「クククッ、尻の穴が息をしてカプカプしてる。何か入れたくなっちゃうな・・・彩の尻も何か食べたいと思ってるんじゃないの??」
「お客さん、スケベな想像は禁止していないけど、お触りは厳禁ですよ・・・ハァハァッ、興奮する」
想いを巡らす 二日目 55
健は唇を近付けながら彩の髪を撫でる。
髪は女の命。
見知らぬ男性に触れられると不快に思うものの、好ましく思う男性に髪を撫でられると安心感や満足感に包まれる。
健は折にふれて髪を撫でてくれる。
顔にかかる髪を整えてくれ、掻きあげて露わにした耳元で囁いてくれる。
ゾクゾクするような心地良さと、その後にどんな事をしてくれるのかと期待を膨らませてくれ、自然と身体と気持ちが熱くなって快感がより深いモノになっていく。
髪を撫でられたり梳いてもらったりするうち、気持ちの昂りを抑える事が出来なくなった彩は、早くと言葉にしてねだる。
可愛いよ・・・手の愛撫に続いて言葉でも愛撫されると我慢も限界に達した彩は、むしゃぶりつくように唇を重ねる。
互いの唇や這い出た舌先を何度も何度もついばみ、戻っていく彩の舌を追って侵入した舌を重ねて擦り合う。
絡めとろうとして周囲を這い回り、上顎や歯茎を舐めまわす。
彩の唇は健を誘う妖しい花。
華やかで愛らしく見えることもあれば、赤い舌が健を誘って蠢くさまは罠に落ちる虫を待つ食虫植物の妖花にも見える。
時に、彩の唇はバギナに変身する。
しとどに濡れた膣はペニスの侵入を待ち、唇は舌の侵入を待って滑りを帯びる。
健の舌を吸い込んでしゃぶり、舌を絡ませる内に口腔は膣壁のように性感帯となって唾液は愛液に変身する。
ジュルジュル、グチャグチャッ・・・舌をしゃぶり、唾液を交換するような濃厚なキスは卑猥な音を立て、それがまた二人の性感を刺激する。
健は舌を丸めて二度三度と出し入れを繰り返す。
それはペニスが出入りを繰り返す事と何らの違いも感じさせない。
肌を這い回る手は満足する事を知らず、彩の手は背中から脇腹を撫で回し、健の手は背中から腰を経て腿の裏まで撫で下ろし、そこで反転して内腿を撫でて鼠蹊部から脇腹を撫で上がって胸の膨らみに至る。
「止めて・・・お願い、これ以上されたら我慢できなくなる」
「ハァハァッ・・・そうだな、楽しみは目覚めた時に取っておこう」
あっけなくキスと愛撫を止めた健は、息を荒げて言葉を返し、息遣いに昂奮の証を感じた彩は満足の笑みで応える。
再びグラスを手にした健はジントニックを飲み干し、それを見た彩はビールの入ったグラスが欲しいと瞳で伝える。
健が持ったままのグラスから泡が消えてなくなったビールを飲み干し、口の周りにあるはずのない泡を舐め取って欲しいとねだる。
口元を緩めた健は頬に手を添えて何度も唇をついばみ、最後にチュッと音を立てて唇を合わせて、笑顔と共にオシマイと言葉を掛ける。
「もう終わりなの、つまんない・・・抱っこでベッドまで運んで」
頬を膨らませて拗ねた振りをする彩は抗いようのないほど愛らしく、分ったよと投げやりな風で返事をしてお姫様だっこでベッドに向かう。
「彩を抱っこできて嬉しいくせに・・・ウフフッ」
ベッドに下ろされた彩は離れていこうとする健の腕を掴んで、
「抱っこのご褒美あげようか??欲しい??・・・窓際の椅子に座って」
健を椅子に座らせた彩は、部屋の灯りを暗くしてと、言いながらFMラジオのスイッチを入れる。
曲名は分らないけれど、艶めかしいサックスの音色が心に染み入るジャズが流れている。
肌の白さが分る程度に照明を落としたベッドで膝立ちになって胸を突き出し、ベビードール越しに乳房を掬うようにして支えて身体を揺する。
シャギーを入れた黒髪がスポーティな印象を与えてスポーツ好きの彩に良く似合う。
キラキラ光る瞳や頬のラインは好奇心と優しさを現し、顎は自分を見失うことの無い意志の強さを宿らせる。
肩から腰に続くラインはヨガの効果もあって健康的な女性らしい優美さを見せて見飽きることが無い。
健の視線が腰の辺りで止まったのが気にいらない彩は、挑発するように尖らせて突き出した唇でチッチッと音を立て、赤い舌をチロチロと出し入れして唇に滑りを与える。
唇はグロスを塗ったように艶かしく、見つめる健は思わず席を立つ。
「お客様、席を離れないようにしてください。お触り禁止ですよ」
うっ、そうか。フゥッ~・・・浮いた腰を下ろした健は宙を睨んで息を吐く。
正対していた身体を斜めにして脇の下から腿まで身体の側面をゆっくり撫で下ろし、反転して内腿を付け根まで撫で上がる。
艶めかしくやわらかな曲線を強調する手の動きから逃れる術はなく、腿の付け根に至った手がベビードールの中で鼠蹊部を撫でると裾が捲くれ上がって白くてムッチリとした腿が全容を現す。
ゴクッ・・・フゥッ~・・・・・
「どうしたの??お客様。唾を飲んで息を吐く、ウフフッ、可愛い・・・お客様は、お尻を強調する格好が好きかしら??」
鼠蹊部を撫でていた手を腰に当て、尻を撫で始める。