彩―隠し事 348
余波 -5
「なんか緊張してきちゃった。優子がひどい男を選ぶはずがないから浮気相手の品定めをしようなんて考えるんじゃなかった」
「栞が緊張することないでしょう。あっ、栞じゃなかった、英子が彼を取ろうとするんじゃないかと心配で寝不足になったんだからね」
「私も今から優子のことを彩と呼ぶね。彩の彼がどれほど好い男か知らないけど、旦那さまやAV男優、上の口も下の口も私は美食家だよ……この右手もね、クククッ、彩の大切な人を寝取ったりしないよ」
目的地に向かうために駅に向かう二人は声を潜めて淫靡な会話を交わし、栞は何かを包み込むように丸めた右手を上下する。
「よしてよ、いやらしい……すれ違った女の人が英子の右手の動きを見て驚いたように顔をしたよ。気付いた??」
「汗が出るほど恥ずかしくてびっくりした。汗が出るのはアソコからだけどね」と言う英子は、さりげなく右手で股間を触れる。
「お願いだから彼の前でそんなことを口にしないでね」
英子に変身した栞が妙に興奮する様子に彩は表情を曇らせる。
「大丈夫、分かっている。根はスケベなのに世間の評価が優子の行動を抑制していたんだよね……そんな優子が彩と名を変えて素の自分になった。ウフフッ、相手がどんな男なのか興味を抑えきれないの。ゴメン」
「なんだ、私が心配って言うのは嘘だったんだ、アァ~ア、信じていたんだけどな」
「ゴメンって謝ったでしょう。もう許してよ、駅に着いたよ……」
「もうすぐだね。駅から遠いの??」
「5分くらいだと思う」
「そうなの……フゥッ~」
駅に向かって歩くときは雄弁だった栞は電車に乗ると周囲を気にして寡黙になり、降車駅に近付くと健志に会いたいと言ったことを悔やむかのように、フゥッ~と息を吐く。
駅を出て上を見ながら三分ほど歩き、連絡を受けたビルの前で立ち止まった優子は、
「ここだと思うけど……うん、間違いない」
エレベーターを三階で降りて目の前にある暖簾をくぐる。
「いらっしゃいませ」
「予約してあるはずの鍬田と申します」
「承っております。お客様がお待ちですのでご案内いたします」
「お願いいたします」
着物姿の仲居の案内に従い階段を使って大小の個室が並ぶ四階に上がり、健志が待つ部屋に案内される。
「お客様がお着きになりました」
「ありがとう……どうぞ……」
立ち上がった健志は二人を案内してくれた仲居にお礼の気持ちを伝え、彩と英子に奥の席に着くように勧める。
「コース料理でいいですか??」
彩と英子が顔を見合わせて頷くと、仲居に向かって、「お願いします」と告げる。
「かしこまりました。ご予約通りにすぐにご用意いたします……失礼します」
席に着くのも忘れて立ったまま健志を見つめる栞の様子にただならぬ様子を感じた彩は、
「座ろうよ。お座敷だけど正座しなくてもいいから楽でいいね。改めて自己紹介はしなくてもいいよね」
冬には掘りごたつとして供される席に腰を下ろした彩は、見たことのないような恥じらいを浮かべる栞が自己アピールしないように自己紹介を省いてしまう。
「電話で自己紹介済みだしね……座っているのに足が自由に動かせる……あっ、ごめんなさい」
栞の言葉で健志の足に触れたことをわざとじゃないかと疑う彩は、
「栞、約束したよね」と睨みつける。
「お待たせいたしました」
豚しゃぶにパプリカ、ナスなどの野菜たっぷりの小鉢と鶏肉の生ハム巻き、ビールが届き、乾杯前に、健志が酒も任せていただけますかと二人に確かめて、
「獺祭スパークリングをお願いします」と仲居に告げる。
「カンパイ」の声と共にグラスを掲げた三人はゴクゴクと喉を鳴らしてビールを飲み干し、満面の笑みで満足を表す。
「ありがとうございます……唐突ですが、DVDの感想をお聞きしてもいいですが??」
二杯目のビールをお酌する健志に向かって嫣然と微笑んだ英子は、真っすぐ見つめて問いかける。
「えっ、困っちゃったな」彩に視線を移した健志は、どう答えたモノかと思案する。
「彩のことを気にせずに思った通りの感想を伝えてあげて。おっきい声じゃ言えないけど、もう少し涼しくなったら二本目を撮影するらしいから……ねっ」
健志から英子に視線を移した彩は窘める気持ちも込めて隠し事を口にする。
「そうなの。愛する旦那様が変態っぽくて、愛妻が他人にオモチャ扱いで凌辱されるとオチンポビンビン。正直に言うと私はエッチが大好きだから旦那さまとは、凸と凹、相性抜群でピッタリ嵌まっちゃうの。だから今後のために感想を聞かせて欲しいの……もし、健志さんが、どうしてもって言うならお相手してもいいですよ」
「英子」
冗談でも許さないよと言わんばかりに彩は目を吊り上げる。
「ねぇ、健志さん。こんな彩を可愛いと思うでしょう??」
「そうですね、拗ねた振りも可愛いですが何をしても愛おしくて抱きしめたくなります。可能ならいつもポケットに入れて一緒に居たいと思います」
「えっ、彩が自分でも言う通り、おチビちゃんでもそれはムリでしょう??」
「ドラえもんからスモールライトを借りるので大丈夫です」
「ふ~ん、健志さんは彩のことが大好きなんだ……それはそうと感想を聞かせてください」
「感想と言われても、すごい、エロイとしか言いようがないです。時々ですがご主人の後ろ姿が映りますよね。そのご主人に見せつけるように身体を開いて二つの穴に加えて口も蹂躙される。彩の親友だと聞いても興奮が冷めることはなかったです」
「英子は芸名で本名じゃないけど、エロイ英子を褒めてもらったと思っていいですよね……男たちに責められて善がり啼く英子を見て昂奮した健志さんは愛する彩を責め抜いた。パイパンマンコは勿論、お尻の穴もオモチャが押し開いて裂けちゃいそうなんだもん、びっくりしちゃった……彩は清楚で上品、仕事のできる好い女って思われているんですよ」
「そんな彩に惚れました。ほら、食事の作法もきれいでしょう??彩の所作すべてが上品で飽きることなく見ていることができます」
「上品な彩を汚すのも好きなんでしょう??健志さんが望むなら三人でどうですか??この後、ホテルで……あっ、こんなことを言うと彩が怒っちゃうね、ゴメン。タイプなんだもん。力ずくで抑え込まれちゃったら自然とハァハァって喘ぎながら足を絡ませちゃいそう、逃がさないようにね。ウフフッ」
「英子、この部屋から追い出しちゃおうか……いいの??」
「ゴメン。もう言いません……美味しいなぁ、この小鉢。今度、旦那様に作ってあげよう」
「なんか緊張してきちゃった。優子がひどい男を選ぶはずがないから浮気相手の品定めをしようなんて考えるんじゃなかった」
「栞が緊張することないでしょう。あっ、栞じゃなかった、英子が彼を取ろうとするんじゃないかと心配で寝不足になったんだからね」
「私も今から優子のことを彩と呼ぶね。彩の彼がどれほど好い男か知らないけど、旦那さまやAV男優、上の口も下の口も私は美食家だよ……この右手もね、クククッ、彩の大切な人を寝取ったりしないよ」
目的地に向かうために駅に向かう二人は声を潜めて淫靡な会話を交わし、栞は何かを包み込むように丸めた右手を上下する。
「よしてよ、いやらしい……すれ違った女の人が英子の右手の動きを見て驚いたように顔をしたよ。気付いた??」
「汗が出るほど恥ずかしくてびっくりした。汗が出るのはアソコからだけどね」と言う英子は、さりげなく右手で股間を触れる。
「お願いだから彼の前でそんなことを口にしないでね」
英子に変身した栞が妙に興奮する様子に彩は表情を曇らせる。
「大丈夫、分かっている。根はスケベなのに世間の評価が優子の行動を抑制していたんだよね……そんな優子が彩と名を変えて素の自分になった。ウフフッ、相手がどんな男なのか興味を抑えきれないの。ゴメン」
「なんだ、私が心配って言うのは嘘だったんだ、アァ~ア、信じていたんだけどな」
「ゴメンって謝ったでしょう。もう許してよ、駅に着いたよ……」
「もうすぐだね。駅から遠いの??」
「5分くらいだと思う」
「そうなの……フゥッ~」
駅に向かって歩くときは雄弁だった栞は電車に乗ると周囲を気にして寡黙になり、降車駅に近付くと健志に会いたいと言ったことを悔やむかのように、フゥッ~と息を吐く。
駅を出て上を見ながら三分ほど歩き、連絡を受けたビルの前で立ち止まった優子は、
「ここだと思うけど……うん、間違いない」
エレベーターを三階で降りて目の前にある暖簾をくぐる。
「いらっしゃいませ」
「予約してあるはずの鍬田と申します」
「承っております。お客様がお待ちですのでご案内いたします」
「お願いいたします」
着物姿の仲居の案内に従い階段を使って大小の個室が並ぶ四階に上がり、健志が待つ部屋に案内される。
「お客様がお着きになりました」
「ありがとう……どうぞ……」
立ち上がった健志は二人を案内してくれた仲居にお礼の気持ちを伝え、彩と英子に奥の席に着くように勧める。
「コース料理でいいですか??」
彩と英子が顔を見合わせて頷くと、仲居に向かって、「お願いします」と告げる。
「かしこまりました。ご予約通りにすぐにご用意いたします……失礼します」
席に着くのも忘れて立ったまま健志を見つめる栞の様子にただならぬ様子を感じた彩は、
「座ろうよ。お座敷だけど正座しなくてもいいから楽でいいね。改めて自己紹介はしなくてもいいよね」
冬には掘りごたつとして供される席に腰を下ろした彩は、見たことのないような恥じらいを浮かべる栞が自己アピールしないように自己紹介を省いてしまう。
「電話で自己紹介済みだしね……座っているのに足が自由に動かせる……あっ、ごめんなさい」
栞の言葉で健志の足に触れたことをわざとじゃないかと疑う彩は、
「栞、約束したよね」と睨みつける。
「お待たせいたしました」
豚しゃぶにパプリカ、ナスなどの野菜たっぷりの小鉢と鶏肉の生ハム巻き、ビールが届き、乾杯前に、健志が酒も任せていただけますかと二人に確かめて、
「獺祭スパークリングをお願いします」と仲居に告げる。
「カンパイ」の声と共にグラスを掲げた三人はゴクゴクと喉を鳴らしてビールを飲み干し、満面の笑みで満足を表す。
「ありがとうございます……唐突ですが、DVDの感想をお聞きしてもいいですが??」
二杯目のビールをお酌する健志に向かって嫣然と微笑んだ英子は、真っすぐ見つめて問いかける。
「えっ、困っちゃったな」彩に視線を移した健志は、どう答えたモノかと思案する。
「彩のことを気にせずに思った通りの感想を伝えてあげて。おっきい声じゃ言えないけど、もう少し涼しくなったら二本目を撮影するらしいから……ねっ」
健志から英子に視線を移した彩は窘める気持ちも込めて隠し事を口にする。
「そうなの。愛する旦那様が変態っぽくて、愛妻が他人にオモチャ扱いで凌辱されるとオチンポビンビン。正直に言うと私はエッチが大好きだから旦那さまとは、凸と凹、相性抜群でピッタリ嵌まっちゃうの。だから今後のために感想を聞かせて欲しいの……もし、健志さんが、どうしてもって言うならお相手してもいいですよ」
「英子」
冗談でも許さないよと言わんばかりに彩は目を吊り上げる。
「ねぇ、健志さん。こんな彩を可愛いと思うでしょう??」
「そうですね、拗ねた振りも可愛いですが何をしても愛おしくて抱きしめたくなります。可能ならいつもポケットに入れて一緒に居たいと思います」
「えっ、彩が自分でも言う通り、おチビちゃんでもそれはムリでしょう??」
「ドラえもんからスモールライトを借りるので大丈夫です」
「ふ~ん、健志さんは彩のことが大好きなんだ……それはそうと感想を聞かせてください」
「感想と言われても、すごい、エロイとしか言いようがないです。時々ですがご主人の後ろ姿が映りますよね。そのご主人に見せつけるように身体を開いて二つの穴に加えて口も蹂躙される。彩の親友だと聞いても興奮が冷めることはなかったです」
「英子は芸名で本名じゃないけど、エロイ英子を褒めてもらったと思っていいですよね……男たちに責められて善がり啼く英子を見て昂奮した健志さんは愛する彩を責め抜いた。パイパンマンコは勿論、お尻の穴もオモチャが押し開いて裂けちゃいそうなんだもん、びっくりしちゃった……彩は清楚で上品、仕事のできる好い女って思われているんですよ」
「そんな彩に惚れました。ほら、食事の作法もきれいでしょう??彩の所作すべてが上品で飽きることなく見ていることができます」
「上品な彩を汚すのも好きなんでしょう??健志さんが望むなら三人でどうですか??この後、ホテルで……あっ、こんなことを言うと彩が怒っちゃうね、ゴメン。タイプなんだもん。力ずくで抑え込まれちゃったら自然とハァハァって喘ぎながら足を絡ませちゃいそう、逃がさないようにね。ウフフッ」
「英子、この部屋から追い出しちゃおうか……いいの??」
「ゴメン。もう言いません……美味しいなぁ、この小鉢。今度、旦那様に作ってあげよう」