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彩―隠し事 348

余波 -5

「なんか緊張してきちゃった。優子がひどい男を選ぶはずがないから浮気相手の品定めをしようなんて考えるんじゃなかった」
「栞が緊張することないでしょう。あっ、栞じゃなかった、英子が彼を取ろうとするんじゃないかと心配で寝不足になったんだからね」
「私も今から優子のことを彩と呼ぶね。彩の彼がどれほど好い男か知らないけど、旦那さまやAV男優、上の口も下の口も私は美食家だよ……この右手もね、クククッ、彩の大切な人を寝取ったりしないよ」
目的地に向かうために駅に向かう二人は声を潜めて淫靡な会話を交わし、栞は何かを包み込むように丸めた右手を上下する。
「よしてよ、いやらしい……すれ違った女の人が英子の右手の動きを見て驚いたように顔をしたよ。気付いた??」
「汗が出るほど恥ずかしくてびっくりした。汗が出るのはアソコからだけどね」と言う英子は、さりげなく右手で股間を触れる。
「お願いだから彼の前でそんなことを口にしないでね」
英子に変身した栞が妙に興奮する様子に彩は表情を曇らせる。
「大丈夫、分かっている。根はスケベなのに世間の評価が優子の行動を抑制していたんだよね……そんな優子が彩と名を変えて素の自分になった。ウフフッ、相手がどんな男なのか興味を抑えきれないの。ゴメン」
「なんだ、私が心配って言うのは嘘だったんだ、アァ~ア、信じていたんだけどな」
「ゴメンって謝ったでしょう。もう許してよ、駅に着いたよ……」

「もうすぐだね。駅から遠いの??」
「5分くらいだと思う」
「そうなの……フゥッ~」
駅に向かって歩くときは雄弁だった栞は電車に乗ると周囲を気にして寡黙になり、降車駅に近付くと健志に会いたいと言ったことを悔やむかのように、フゥッ~と息を吐く。

駅を出て上を見ながら三分ほど歩き、連絡を受けたビルの前で立ち止まった優子は、
「ここだと思うけど……うん、間違いない」
エレベーターを三階で降りて目の前にある暖簾をくぐる。
「いらっしゃいませ」
「予約してあるはずの鍬田と申します」
「承っております。お客様がお待ちですのでご案内いたします」
「お願いいたします」
着物姿の仲居の案内に従い階段を使って大小の個室が並ぶ四階に上がり、健志が待つ部屋に案内される。
「お客様がお着きになりました」

「ありがとう……どうぞ……」
立ち上がった健志は二人を案内してくれた仲居にお礼の気持ちを伝え、彩と英子に奥の席に着くように勧める。
「コース料理でいいですか??」
彩と英子が顔を見合わせて頷くと、仲居に向かって、「お願いします」と告げる。
「かしこまりました。ご予約通りにすぐにご用意いたします……失礼します」

席に着くのも忘れて立ったまま健志を見つめる栞の様子にただならぬ様子を感じた彩は、
「座ろうよ。お座敷だけど正座しなくてもいいから楽でいいね。改めて自己紹介はしなくてもいいよね」
冬には掘りごたつとして供される席に腰を下ろした彩は、見たことのないような恥じらいを浮かべる栞が自己アピールしないように自己紹介を省いてしまう。
「電話で自己紹介済みだしね……座っているのに足が自由に動かせる……あっ、ごめんなさい」
栞の言葉で健志の足に触れたことをわざとじゃないかと疑う彩は、
「栞、約束したよね」と睨みつける。

「お待たせいたしました」
豚しゃぶにパプリカ、ナスなどの野菜たっぷりの小鉢と鶏肉の生ハム巻き、ビールが届き、乾杯前に、健志が酒も任せていただけますかと二人に確かめて、
「獺祭スパークリングをお願いします」と仲居に告げる。

「カンパイ」の声と共にグラスを掲げた三人はゴクゴクと喉を鳴らしてビールを飲み干し、満面の笑みで満足を表す。
「ありがとうございます……唐突ですが、DVDの感想をお聞きしてもいいですが??」
二杯目のビールをお酌する健志に向かって嫣然と微笑んだ英子は、真っすぐ見つめて問いかける。
「えっ、困っちゃったな」彩に視線を移した健志は、どう答えたモノかと思案する。
「彩のことを気にせずに思った通りの感想を伝えてあげて。おっきい声じゃ言えないけど、もう少し涼しくなったら二本目を撮影するらしいから……ねっ」
健志から英子に視線を移した彩は窘める気持ちも込めて隠し事を口にする。
「そうなの。愛する旦那様が変態っぽくて、愛妻が他人にオモチャ扱いで凌辱されるとオチンポビンビン。正直に言うと私はエッチが大好きだから旦那さまとは、凸と凹、相性抜群でピッタリ嵌まっちゃうの。だから今後のために感想を聞かせて欲しいの……もし、健志さんが、どうしてもって言うならお相手してもいいですよ」
「英子」
冗談でも許さないよと言わんばかりに彩は目を吊り上げる。
「ねぇ、健志さん。こんな彩を可愛いと思うでしょう??」
「そうですね、拗ねた振りも可愛いですが何をしても愛おしくて抱きしめたくなります。可能ならいつもポケットに入れて一緒に居たいと思います」
「えっ、彩が自分でも言う通り、おチビちゃんでもそれはムリでしょう??」
「ドラえもんからスモールライトを借りるので大丈夫です」
「ふ~ん、健志さんは彩のことが大好きなんだ……それはそうと感想を聞かせてください」

「感想と言われても、すごい、エロイとしか言いようがないです。時々ですがご主人の後ろ姿が映りますよね。そのご主人に見せつけるように身体を開いて二つの穴に加えて口も蹂躙される。彩の親友だと聞いても興奮が冷めることはなかったです」
「英子は芸名で本名じゃないけど、エロイ英子を褒めてもらったと思っていいですよね……男たちに責められて善がり啼く英子を見て昂奮した健志さんは愛する彩を責め抜いた。パイパンマンコは勿論、お尻の穴もオモチャが押し開いて裂けちゃいそうなんだもん、びっくりしちゃった……彩は清楚で上品、仕事のできる好い女って思われているんですよ」
「そんな彩に惚れました。ほら、食事の作法もきれいでしょう??彩の所作すべてが上品で飽きることなく見ていることができます」
「上品な彩を汚すのも好きなんでしょう??健志さんが望むなら三人でどうですか??この後、ホテルで……あっ、こんなことを言うと彩が怒っちゃうね、ゴメン。タイプなんだもん。力ずくで抑え込まれちゃったら自然とハァハァって喘ぎながら足を絡ませちゃいそう、逃がさないようにね。ウフフッ」
「英子、この部屋から追い出しちゃおうか……いいの??」
「ゴメン。もう言いません……美味しいなぁ、この小鉢。今度、旦那様に作ってあげよう」

彩―隠し事 347

余波 -4

「尻の穴にオチンポを咥えて無毛のオマンコにオモチャを挿入されて善がり狂う優子…じゃなかった、彩だったね。こんな姿をスマホに残して惚気る……優子もAVデビューする??監督が大喜びするよ」
「私は見るだけでいい。セックスは密かに、そして淫靡に楽しむことにする」
「分かった、もう言わない。私は大好きな旦那様が悦んでくれるから涼しくなったら緊縛モノでもう一本撮る。それはそれとして紹介してくれないの??」
目を閉じて何事か思案した優子はスマホを手にする。

「もしもし、分かる??」
彩、スピーカーと言う栞に頷き、健志との会話を続ける。
「彩だろう??どうした、こんな時間に??」
「あのね、怒らないで聞いてね。今は昼休みで、すっごい隠し事を持っている親友と食事中なんだけど、DVDを見てどれほど興奮したかスマホに残した証拠を見せたら紹介しろって言うの、いいかな??」
「もしかすると、彩のことを心配してオレを確かめようって言うのかな??それならいいよ」
「それが全てじゃないと思うけど、全然ないわけじゃないと思う??怒った??」
「いい友達じゃないか、いいよ」
「ごめんなさい、英子です。自分のしていることを差し置いて厚かましい申し出ですが心配なんです」
「初めまして、健志です……顔も見ないで話して誤解されるのは嫌だから、今度お会いした時にってことでいいですか??」
「はい、私もその方がいいです。手探りで話して誤解されるのって嫌ですよね」
「もしもし、彩だよ、良かった。彼女は明日、彩んちに泊まるんだけど、その前に夕食を一緒にどう??」
「いいよ、場所と時間を連絡してくれれば合わせるから……」

「優子は根がエッチなのに他人の目にはそう見えない。清楚で淑やか、仕事もできる好い女って思われている。私のように奔放な部分があれば本当の自分をさらけ出すことも出来るだろうけど、優子はそうじゃない。人見知りで他人の目も気にするのに時にはびっくりするような思い切ったことをする。浮気相手が優子に相応しいかどうか気になるの」
「それは良いけど栞、絶対にとっちゃダメだよ。私の彼なんだからね」
「優子の邪魔はしない。優子は大切な親友だから、ほんの少し心配なだけ。好い人だって確かめたいだけ」
「うん、分っている。ありがとう」


食事をしながら交わす夫との会話はベールをまとったように時には近くに感じたり、手の届かない遠くにいるように感じたりで夫の浮気前の親密な関係には戻っていないが互いに近付こうとしていることを意識する。
言葉の力を借りて近付こうとすると夫は遠ざかり、諦めて遠ざかると近付いてくる。
夫の真の気持ちは分からないが優子はそんな状況を楽しむ余裕がある。
夫の浮気を気付いた頃は気持ちの平静を保つことができず、優子自身に至らないことがあったのが原因なのかと自問し内向することが多かった。
いわゆるエログを始めて見ず知らずの人たちに、こんなに美しい裸身を持つ人を奥様にするご主人が羨ましいとか、身体も心もハダカンボになっても清楚な美しさを保つ彩さんは素晴らしいと褒められることが自信と代償行為となって気持ちの均衡を保つことができた。
そんな揺れ動いた気持のままで居た頃が遠く懐かしく感じられる。

身体も気持ちも開放して美容も兼ねてゆったり湯に浸かるのが好きな優子は今、バスタブに浸かって彩を意識する。
離れている時も彩を抱いていたいからオレの腕だと思って着けてくれと言うプラチナチェーン下着も外し、身体も心もナニモノにも束縛されない自由を満喫しようとすると却って健志との記憶が鮮明に蘇る。
たった一日とはいえ、「行ってきます」と告げてお出かけ前のキスで送り出され、日曜の昼頃まで続けた夫婦ごっこの時間はセックス三昧だった。
たまに会うから身体の疼きを鎮めるために自然と求めあうのか、それとも健志はこの身体に首ったけなのかと成熟した女性らしく艶めかしい肌に手を這わす。
「フフフッ、おチビちゃんだけどなかなかのモノよ。健志がこの身体の虜になるのは自然の摂理、自信を持ちなさい、彩」

自室に戻った優子はバスローブを脱ぎ捨ててハダカンボになり、スマホを手にしてベッドに倒れ込んで仰向けになる。
「もしもし、今日は変なお願い事をしてごめんなさい」
「彩のことを心配してくれる好い友達じゃないか。明日は不安にさせないように精一杯紳士を気取ることにするよ」
「ごめんなさい。それと、私たちが知っている店だと何かと差し支えがありそうだからお店は任せてもいいかな??我がままばかりでごめんなさい」
「彩の我がままは嬉しいよ。どんなことでも好きな女性に頼られるって気持ちの好いもんだよ……和洋中、それを決めてくれる??」
「気楽に食べられる和食が好いな……あとは任せる」
「分かった、午前中に連絡するよ」
「うん、おねがいね……本当に怒ってないよね」
「彩と話すことができて望外の喜びだった。それに明日、食事もできるしオレこそお礼を言うよ、ありがとう」
「ウフフッ、そんなことを言うと泣いちゃうよ、大好き」
「おう、オレは、大大大好きだ」
「彩だって、大大大大大好き」
「クククッ、キリがないから止めよう」
「うん、おやすみなさい」
「おやすみ。オレ以外の男の夢を見ちゃダメだよ」

スマホを通じて伝わる健志の声が彩の耳を愛撫して自然と身体が火照り、このままでは眠れそうにないなぁと思うと自然と右手が股間に伸びる。
「アァ~ン、たまんない……ここをクチュクチュすると気持ちいいの。アンッ、いやらしい音がする」
クチュクチュ、ニュルニュルッ……アンッ、気持ちいぃ、ウッウッ、クゥッ~、ダメッ……秘めやかな滑り音を覆い隠すように押し殺した喘ぎ声を漏らし、薄暗い部屋が淫靡に装う。
「ウグッ、グゥッ~、オチンポが入ってくる……アンッ、もっと奥まで突いて……ヒィッ~、そんなことをされたら、逝っちゃう、往く、ダメッ、クゥッ~」
グチャグチャ、ニュルニュルッ、ペニスに模した中指と薬指が膣壁を擦り、親指の腹がクリトリスを擦ると呆気なく昇りつめる。

彩―隠し事 346

余波 -3

「おはよう、優子」
「あっ、栞、おはよう」
週明けの月曜日、栞の目に優子は何となくいつもの印象と違って映る。
「今日の優子はいつもと違う……かな??どうなの??」
「クククッ、あえて否定はしないけど自分でもよく分からない。どう思う??……栞に色々教えてもらったからかなぁ、最近、私の中の闇が深く広がっていくような気がする」
「違うでしょう、優子だって分かっているはずなのに。私の影響も少しはあるかもしれないけど、クククッ、浮気相手、不倫相手の影響でしょう??」
「えっ、あっ、そうか、彼のせいなのか……そう言えば、フフフッ……栞の言う通りかもしれない」
「それはそうと例のモノは見てくれた??」
「勿論だよ、彼と二人でエッチの最中に見たよ。エロイ栞、じゃなかったドスケベの英子を見た彼が私を責めるの、腹を打つほどギンギンになったオチンポがアソコをズボズボ……アァ~ン、思い出しちゃう」
「優子、興奮しないで。みんなが出社してくる時刻だよ。続きは昼休みにね」

「おはよう、二人は本当に仲良しだね。二人を見るだけで清々しい気持ちになる.
羨ましいよ」
「おはようございます、課長」
卑猥な会話を聞かれたとも思えないが月曜朝の話題として些か不謹慎だったと思う二人は深々と首を垂れたまま顔を見合わせ、口元を緩める。
「ゴメン、仲の好い二人の会話に水を差したようで済まなかった。ところで鍬田さん、松本さんから連絡がありましたか??」
「あっ、申し訳ありません。松本さんが新幹線に乗る前に連絡がありました。予定の時刻に着くということです」
「そうですか、交渉は松本さんに任せましょう」

昼休みを終えた課員が次々に戻ってくるのと入れ替わりに優子と栞は席を立つ。
「OLのランチらしくコスパって言うよりコスト重視ってことで今日は弁当。いつもの公園に行こう」
「いつも、私の弁当も用意してもらって、ありがとう。」
「旦那様の弁当を作るついでだし、優子ンチにお泊りさせてもらうからね。明日はダメ??」
「明日??いいよ。ご主人の許可は出たの??」
「寝る間も惜しんで土日の二日間、責められちゃった。AVデビューで見直した私の身体を堪能したからしばらく休憩だって……旦那様は責め疲れしたって言うけど、私は何か物足りない気分、クククッ」
「エェ~、変なことを考えているなら泊めてあげない。どうなの??」
「クククッ、可愛い。わざとらしいふくれっ面。ねぇ、浮気相手はそんな優子を見て可愛いって言うでしょう??」
「残念でした、彼は栞のように意地悪なことは言わないもん、いつも自然に振舞える。あざとかわいく振る舞う必要はないよ」
「はいはい、分かりました。私は意地悪な女です」
すれ違う人たちに卑猥な会話を聞かれないように気遣いながら公園を目指す。

「いつものカジュアルレストランのこの席でいいよね」
「うん、日陰の慣れた席が好いね。食事は持ち込みだけのレストラン。いつも空いているのがいい」
「ドレスコードはOLに見えること。私たちの希望はベンチシート、そうだよね」
栞が用意した弁当を食べ始めた二人はしばしの間、無言になり食事に集中する。
「ごちそうさま、美味しかった。ありがとう」
「どういたしまして。それより、私の女優デビューの感想は??」
「スゴイとしか言いようがない。私も彼も大興奮。私は撮影を終えた栞から話を聞いて驚いたけど、実際に見たDVDは聞いた時以上の迫力があってちょっとショックを受けた。一つ一つのシーンについて感想を言うのは大変だけど、これを見てもらえばどれほど刺激されて、どれほど興奮したか分かってもらえると思う」

スマホの中で優子のオンナノコはバイブを押し込まれて嬉し涙を滴らせ、アナルを犯す金属製のプラグは灯りを反射して妖しく光る。
レンズに向ける彩の瞳は焦点を失い、それが却って艶っぽさを強調する。
「なに??どうしたの??これは彩だよね、無理やりやられているように見えないけど……自分のことを忘れて少し混乱している」
「栞のAVデビュー作を見た彼の昂奮が止まらなくなっちゃったの、英子が親友だと言ったからかもしれない。ハダカンボのM字開脚で椅子に拘束されて二つの穴をオモチャで遊ばれちゃった……目を閉じるとあの時の彼が、今この公園で目の前に立っている姿が見える。アンッ、イヤッ、ジュンとなっちゃう」
「優子、大丈夫??今は昼休みだけど、午後の仕事が残っているんだよ」
「仕事のスイッチが入れば大丈夫だと思うけど……これで終わりじゃないよ。栞は複数のオチンポを相手にして善がり啼き、身悶える姿を見せてくれたでしょう、これはどう??」
「ほんとうだ、M字開脚で遊ばれちゃったんだ、気持ち善さそうにウットリ、エロイ表情。ねぇ、優子、一度食事だけでいいから紹介してくれない??」
「えっ……大丈夫だよ。栞が心配してくれているのが表情に出ている。でもね、栞も私もマゾッケがあるでしょう。これは無理やりされたんじゃなくて、してもらったんだから」
「分かった、クククッ……今朝の優子がいつもと違うって感じたけど、私のエロDVDを二人で見てこんなエロイことをして幸せな週末を過ごした証なんだ」
「夫の浮気で目の前が真っ暗になるほど落ち込んだけど、今は感謝したい気持ち。浮気してくれなかったら、彼と付き合うことはなかったし、こんな事をできなかった」

スマホの中の新たな優子は背面座位でアナルに健志のモノを受け入れてオンナノコに突き入れたバイブを自ら操る羽化登仙の世界で身悶える姿を晒し、これはビフォーアフターだって彼が言うのと羞恥を浮かべ、獣欲を満足させた二つのオンナノコが閉じることを忘れてポッカリと開いたままの洞を見せる。
一見すると無残な姿に見える二つの洞の一つはダラダラと嬉し涙を滲ませ続け、背後の穴は男が吐き出した精をドロッと溢れさせて女の業を見せつけているようにも感じる。

「彩の親友はオマンコと尻の穴では足りずに口も性器と化して男たちの欲望に応えたんだろう??尻の穴にオレのモノを飲み込んだだけでは釣り合いがとれないよなってアソコにオモチャを入れたんだよ、想い出しちゃう……物足りないのは私のスマホにエッチな私はいるけど、彼のスマホにはいないの。人妻の彩にはリスクがあるからオレは記憶の中のキャンバスに描くだけにしとくって言うんだよ」

彩―隠し事 345

余波 -2

健志が夫婦ごっこの余韻に浸り、シーツに残った彩の匂いに埋もれて睡魔と戦っている頃、彩は優子に戻って帰宅した夫と遅い夕食を摂っていた。

工場は順調に稼働しているように見えるけど今のままだと、いつまた不調になるか分からないので構造上の問題点がないか調べるので出張が何度かあると思うと告げられた優子は、思わず綻びそうになる顔に渋面を浮かべるのを苦労した。
「私とは重要度が違うだろうけど仕事を任される大変さは分かる積もり。十分に休養を取ることを忘れないようにしてね」と、言葉をかけると夫は汚れのない笑顔になる。
「優子もプロジェクトのリーダーとしてメンバーと会社の期待を背負っているんだろう。僕も頑張るから優子も頑張れよ、応援している」
「私とあなたでは責任の程度が違う。私が任されたプロジェクトは仮に失敗してもなかったことにすれば損失の程度は限定的で私が責任を取ればいい。あなたが負っているのは成功しなければ生産計画に致命的な打撃を与えるかもしれない……尊敬できる仕事よ、すごいわ」
互いの仕事や離れていた数日間の出来事を虚実を交えながら会話を交わし、ビールの苦みを心地好いと思う余裕を感じる自分自身に驚きながら互いを思いやる夫婦の時間を過ごした。

後片付けなどの家事を済ませた優子に入浴を終えた夫が改まった様子で声をかける。
「美味しい食事と出張の疲れを癒してくれる温かい家庭、優子、ありがとう……おやすみ」
「おやすみなさい」
自室に入る前にかけられた慈しみのこもった言葉に心が和んだものの意地悪な気持ちが頭をもたげ、私も同じように仕事をしているのだから何か手伝ってくれてもいいのにと思って苦笑いが浮かぶ。

今も続いているだろう夫の浮気や手伝いをしてくれないことに以前のように苛立つことがない。
浮気していることを隠して平然と過ごす夫に、私が食事を作り家事をこなすのはあなたの浮気がスムーズにできるように協力するためじゃないよと愚痴りたくなるのを堪えていた。
世の中には不倫や浮気を許せないという人も多いし優子も生来の性格からそう思っていた。
健志と付き合うようになって自らの非を踏まえたうえで夫の浮気と向き合ってみると、私たちにはそう悪いことでもないのではないかと思える。
浮氣をされても嫌いになれなかった夫を今でも愛している。
仕事を口実にして寝室を別にし、肌を重ねることがなくなっても気持ちはつながっていると信じている。
夫の浮気を知った時は心が騒めき、なにに対しても心は此処に非ずという状態で集中力に欠けることもあったが健志と付き合い始めると気持ちにゆとりができて寛大になったと思う。
自分は正しいと他人の欠点をあげつらうよりも、優子自身が負い目を感じる行動をすることにより自分も含めて過ちに寛大になれた。

ほとんどの場合、産み育ててくれた両親や兄弟姉妹よりも長い時間を過ごすのが夫婦、二人の長い時間は平和で平坦な道がいつまでも続くわけもなく、急峻な上り坂や油断すると谷底に転落するような絶壁を歩くこともあるだろう……そんなことを考えるのは健志との付き合いに対する言い訳だろうが、今はあえて容認することにする。
健志との時間があるから誰に対しても優しくなれるし、次はいつ会えるだろうかと思うと仕事や家事を頑張れる。
優子は彩に変身して許されるはずのない不貞を働いているのだから、普段は貞淑で良き妻、仕事を頑張る女でなければいけない。
そんなことを考えると心は弾み、自然と笑みが浮かぶ。

健志と過ごした時間の疲れをゆっくりバスタイムで解きほぐし、リビングに戻った優子は夫の部屋に向かって、「おやすみなさい」と呟いて自室のドアを開ける。
バタンッ……独りになった優子は閉めたばかりのドアに寄りかかり、フゥッ~と息を吐き、バスローブを脱ぎ捨ててプラチナチェーン下着だけを着けた身体をスタンドミラーに映す。
「なかなかのものよ、エロイ身体。清楚で上品な奥様と私を知る人は褒めてくれるし、栞や松本さんと進める仕事もやりがいがある……優子からエロイ彩に変身すると健志はこの身体に首ったけ。ウフフッ、彩はこの下着と二人っきりの時は犬用の首輪を着けられて健志に支配されるけど、健志が彩に首ったけということは彩も健志を支配しているのと同じ……アンッ、気持ちいい……」
右手で下着とも言えないプラチナチェーンをなぞり、左手が胸の膨らみの先端を擦ると眉間に皺を刻み、しどけなく開いた口から甘い吐息が洩れる。

「イヤンッ、気持ち善くなっちゃう。いいの??気持ち善くなってもいいの??」
鏡の中の艶めかしい姿態に向かって話しかける。
「いいのよ、気持ち善くなりなさい、彩。あなたは彩でしょう??……私は優子、知っているでしょう??私は昼の顔。彩、あなたは眩しく煌めく夜景が作る陰に住む私の分身。彩がいるから私は気持ちと身体のバランスを保つことができる……これからもこの身体の中で仲良く共存しようね」
「アァ~ン、優子に認められて嬉しいけど、いいの??彩が存在しても??」
「いいのよ、お礼を言いたいくらいなんだから。旦那様が浮気をして私が壊れちゃうかもしれないと思うほど目の前が真っ暗になった時、彩が姿を現してエログって言ったっけ??ブログでこの身体を曝したりオナニー姿を見せたりした時、見ず知らずの男の人やなかには女の人も、彩さんの身体はきれいだ、どんな格好をしても清潔感があると褒めってもらったでしょう……優子の私があれを見た時、自分に対して自信を持つことができた。見ず知らずの人が褒めてくれる私の元にいずれ旦那様が帰ってきてくれると信じることができたの。本当だよ」
「ウフフッ、そうなんだ。優子は浮氣をする旦那さまを今でも愛している。優子の分身である私は彩に変身して健志に抱かれるの。変態チックなこともするよ。多摩川の木陰で全裸にされたし、夜の歩道の植え込みに隠れながらハダカンボになったこともある。そんなときの恥ずかしい姿は彩のスマホにあるから見てもいいよ。健志に見られながら見知らぬ男を受け入れたこともある。砂浜、マッサージ店、お座敷パブ、SMショークラブの共同オーナーが個人で主催するエロイパーティも……これからも優子のエロイ想いは彩が形にして発散してあげる」
自分の気持ちを持て余す優子は分身である彩と会話しながら気持ちの均衡を保とうとする。

「アァ~ン、イヤッ、気持ちいい……アンッ、クゥッ~、アソコがグチョグチョなんだもん」
胸の膨らみの先端を摘まんでいた左手は形を変えて歪になるほど乳房を揉みしだき、割れ目の左右を飾るプラチナチェーンをなぞっていた右手は、食虫植物の妖しい芳香に誘われる哀れな虫のように泥濘に没していく。
「クゥッ~、たまんない。気持ちいい、ダメッ、イヤァ~ン……」
プロフィール

ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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