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酒と女は二ごうまで

酒と女は二ごうまで 2/3

バスタブが湯で満たされるのを待つ間、二人はシャワーブースで戯れる。
被っていたシャワーキャップを脱ぎ捨てた女はボディーソープで泡だらけになった身体を擦りつけ、キスをねだり柏木の全身をまさぐる。
「ねぇ、もう一度聞くよ……年上の女でも嫌じゃない??」
「2週間前、初めて会った時に一目惚れしたって言うのは嘘じゃないよ。嫌じゃなければ付き合ってほしい」
「ありがとう……正直に言うね。私が一目惚れしたって言うのは本当だけど、少し不安もある。しばらくは便利な男と女で付き合わない??」
「どうしてもそうしたいって言うなら、あえて反対はしない。いいよ」
「もう一つ、言っとくことがある。OLじゃなくてオミズなの。化粧品メーカーを辞めてクラブ勤めの後、一年ほど前から自分の店を持って女の子一人と二人でやっている……それでも好いかなぁ??」
「ふ~ん、見事に騙されちゃったな。大学とアルバイトがあるから毎日はムリだけど飲みに行くよ。店の名前と場所を教えてくれるだろう」
「うん、来てほしい……名前は店に来てくれた時に教える。それでいいでしょう??」
「初めてなのに名前を知ってちゃまずいよな。ママ目当ての客が多いだろうから」
「ヤキモチだったら嬉しいな……でも、しばらくは若いあなたの負担になりたくないから便利な女でいいよ。独りで食事を摂るのがつまんない時に会い、女が欲しくなった時は抱かせろって言ってくれればいい」
「バ~カ、一目惚れの相手にそんなことを望むわけがないだろう」
「クククッ、お湯が溜まったからバスタブで乾杯しようよ。便利な男と女の契りを結ぶ記念日……そのためにワインとバラの花一輪を用意してくれたんでしょう??そうでしょう??」
「少し違う。赤いバラの花言葉は、あなたを愛しています。受け取ってくれる??」
「そうなんだ……女を泣かせちゃダメだよ。若いのに悪い男」

柏木の太腿を跨ぐようにして座った女はボトルのエチケットを見つめる。
「ドゥラモットのブランドブラン。詳しくはないけどセンスの好い選択をしたのは分かる。学生とは思えない趣味の良さ、真面目に勉強しているのか心配になる」
「オレに判るわけがないよ。部屋を予約した時に希望を伝えただけだよ」
「そうなんだ。でも、ワインや花を用意する知恵は学生とは思えない……私と付き合って卒業できなかったなんて嫌だから勉強は真面目にね」
「生き甲斐が出来たから頑張るよ、心配させないと約束する」
女からボトルを受け取った柏木はシールを外し、栓を押さえながら留め金を外してナプキンで覆い、ゆっくりガスを抜いて開栓する。
「イヤな男。学生とは思えないほど遊び慣れている」

カチンッ……ゴクッ……美味しい……美味いなぁ……ゴクッ……ゴクッ……シャンパングラスが空になると二人は抑えきれない欲情を持て余して動きは急にぎくしゃくしたものになり、言葉もなくなる。

上気し隠しようのない昂ぶりを抑えようとする柏木は女の頬を撫で、顎を擦り鼻梁をなぞって唇に沿って指を這わす。
「ほんとうにイヤな男。近頃の大学って女の扱いを教えてくれるの??」
焦点が合っているのかどうかさえ怪しい瞳が柏木を見つめる。
「男は背伸びする。背伸びするほど大きく育つと信じている……一目惚れした好い女をモノにするまで精一杯背伸びするさ」
「あなたがこれ以上背伸びするとキスできなくなる。今でも立ったままキスしようとすると私は背伸びしなきゃいけないのに」
「ハイヒールを履けばいいだろう??ハイヒールは男とキスするために作られたと聞いたことがあるよ」
「あら、そうなの??中世ヨーロッパの道路には汚物も捨てられていた。それを踏まないためだと聞いたけど、背の高い男性とキスするためだったんだ……ねぇ、キスして、美味しいシャンパンと恋に酔い痴れたい」

静かに目を閉じた女の頬を擦り、
「可愛いよ」
「私の方が年上であなたは学生だよ」
「年齢に関係なく可愛いモノは可愛い。自棄酒を飲む人は嫌いだけど、これまで生きてきて一度だけ例外があることに気付いた」
「さ……」
柏木は言葉を口にさせずに唇を合わせて口を塞ぎ、ドロッと流し込んだ唾液を女が嚥下すると舌を吸い甘噛みして唇と舌を躍らせる。
「ハァハァッ…あなたよりも長く生きて人並みの経験があるから優位に立てると思ったけど、想像以上に経験豊富なのね??……これまでどんな生き方をして来たの??ぜひ、聞かせてほしい」
「今は2年生。初デートは高校2年のクリスマス、それまで付き合ったことはナシで初恋。初エッチは高校の卒業式直後の日曜で当時付き合っていた女子。彼女に言わせるとオレの童貞喪失は初エッチの方法を教えてもらったソープ嬢らしい。その後はエッチの楽しさに目覚めたけど勉強は真面目にしている積りだよ」
「童貞喪失から2年くらいなんだ……その後、熱心に女体研究したようだね。童貞喪失の相手がソープ嬢ってどういうこと??」
「高校卒業後、彼女は地元の大学、オレは上京と離れることが決まったから初エッチをしようと思ったので、その道のプロにご教授を願ったというわけ」
「クククッ、勉強熱心だね。2年足らずの経験で年上の私を蕩けさせるんだから、スゴイとしか言いようがない……プロに教わった技術はベッドで披露してもらうとして、此処で直ぐに入れて。私のアソコはすでにグチョグチョ、このままじゃ生殺しのようで我慢できない」

柏木を立たせて半立ちのオトコを口に含み顔を前後すると、あっという間に上顎を擦るほどに勃起し、目の縁を朱に染めた女は浴槽の縁に両手をついて尻を突き出し、股間に指を伸ばした柏木は濡れそぼつ割れ目に満足の笑みを浮かべる。
花蜜の源泉に伸ばした指先で拭い取った滑りを亀頭に塗り付け、軽く尻を打つと女はじりじりと両足を開いて尻の穴と割れ目をあからさまにする。
早くも嬉し涙を垂れ流すオンナノコにそそり立つペニスを押し付けて馴染ませ、入れるよ、の言葉と共に腰を突き出すと怒張は小陰唇を巻き込みながら姿を没していく。

「ウッ、アァ~ン、いやっ……気持ちいい」
何の技巧を凝らすことなく、出入りを繰り返すこともなく柏木に刺し貫かれただけで女は悦びの声を漏らして身悶え、背中越しに女を見つめる男もまた歓びに震える。

二人はバスルームでの一度目の交わりで身体と気持ちの相性の良さを感じ取り、ベッドで二度目に求め合うと互いを慈しむ気持ちの芽生えでめくるめく歓びに包まれ、離れがたい気持ちを伝えようとして抱きしめる両手に力を込めて濃厚なキスをする。
その日の二人は寝る間も惜しんで肌を重ね、互いの身体を貪り自らの愛する気持ちを確かめた。

「バスルームであなたが何かを言おうとしたとき、我慢できなくなったオレは口を塞いじゃったことを覚えている??」
「覚えているよ、私が伝えたかったのは……マスターの店であなたは、酒と女は二ごうまでと言ったでしょう。私はそれでいい。お店でお客様に勧められても飲み過ぎないようにする。女性に関してだけど、やはり歳の差が気になる。でもあなたとは付き合いたいから二番目でもいいけど三番目は嫌」
「あなたは一番目だよ。直ぐでなくてもいいから信じてほしい」

酒と女は二ごうまで

ここに書き連ねているのはイメージを膨らませた妄想の世界。
もう一つは、微かな事実を十重二十重に覆って現実を虚構の世界に置き換えたモノ。
先日、学生時代の友人と度を越して酒を飲んだ際に記憶の底で澱のようになっていた想い出が蘇り、遥か以前の記憶をチョイト虚構の世界に置き換えたくなっちゃった。
前半は2018年9月、私の誕生日直後に書いた妄想交じりのモノ。
友人と酒を飲んだ際に脳裏をよぎったので、続きを現実とはチョイト違えて妄想を膨らませることに。


酒、、、(2018年9月)

「いらっしゃいませ」
「急に雨が降り始めちゃったよ」
「二日連続は珍しいなと思いましたがウチは傘代わりですか??」
「傘は差して歩けるけど、マスターの店を担いじゃ歩けないですよ」
「そうでした、傘の代わりはできないですね。ウチは雨宿り用の軒先ですね……ジントニックでよろしいですか」
よろしいですかと言いながら氷を入れたタンブラーに水を注いでステアし、グラスを冷やし始めている。

「ふぅっ~……」
独りでカウンターに座っている女性客がバーテンダーと男性客の言葉遊びを意に介する様子もなく溜息をついてバックバーを見つめている。
「おまちどうさま……悪い癖だよ」
「そうだな……ごめん」
興味深げに女を盗み見る男をバーテンダーがたしなめると、眉毛をあげて好奇心を捨て去りジントニックを口にする。
「美味いな……ジンやトニックウォーターにこだわりがなかったけどマスターの作るジントニックを口にすると、タンカレーの香りが口の中に広がる。初めての時は冷やさないのはどうしてだろうと思ったけど、香りを楽しむにはこれが好いんだな」
「こだわりがないって言うけど、違いを感じてもらえるのは嬉しいよ。酒は人生の彩、酒は喜びを二倍にし、悲しみを半分にしてくれると言った人もいるからな」
マスターは男と会話を続けながらチラッと女性客に視線を向ける。

「お代わりください……キールロワイヤルをお願いします」
飲み干したスプモーニよりもアルコール度数の強いカクテルをオーダーする。
フルートグラスとカシスリキュールを用意したマスターは、シャンパンストッパーで封をしたシャンパンを冷蔵庫から取り出す。
「このシャンパンは、昨日、彼と二人で乾杯したクリュッグ社のシャンパンで高級とされるものです。昨日、十分すぎる料金を貰っているのでキールロワイヤルはサービスさせていただきます」
「よろしいのですか??」
「魅力的な女性が憂鬱な表情をされることに私も彼も堪えられるほど強くないのです」
「フフフッ、お世辞と分かっていても今の私には嬉しい言葉です」

フルートグラスの脚をいじり、口にすることもない女性客はマスターに話しかける。
「酒は喜びを二倍にし、悲しみを半分にしてくれると言うのは本当ですか??」
「さぁ、どうでしょうか??……酒を飲むのは嫌な事を忘れるためだと言った人もいます」
「酒を飲めば嫌な事を忘れられるのですか??」
「どうですかね??どんな嫌な事を忘れたいのだと聞かれて、酒のせいで嫌なことが何だったのか忘れちゃったと答えたらしいですよ」
「ウフフッ、酒のせいで一時忘れるだけですか……そうか、そうですね。酒を飲んでも逃げるだけか……」
「楽しくないことがあったのですか??……失礼なことを申し上げました。聞かなかったことにしてください」
「仕事でミスをしちゃったんです。付き合っていた彼と別れたばかりで、頭の中が整理できていないのです。酒ですべてを忘れることが出来ればいいのですが無理ですね。こんな女じゃダメですよね、どう思います??」

女はジントニックを飲む男に問いかける。
「えっ、いやぁ、美人ですよねぇ」
「褒めてもらうのは嬉しいけど、お世辞は好きじゃない」
「あなたがお世辞と言うのは他の女性に失礼ですよ……容姿は勿論だけどグラスを口にする時の姿勢が好い。制服というか、仕事をする時の衣装が似合っている人は一流だと思っています。あなたは仕事帰りでしょう??スカートスーツが似合っています。如何にもできる女性って雰囲気がします。掛け値なしに好い女です」
「ありがとう……私を誘ってもらえますか??口説いてくれますか??自信を取り戻したい」
「疲れている女性、しかもあなたのような好い女が参っている時に付け入るような真似はしたくないのでお断りします。それに自分を安売りする女性は好きじゃないです」
「そうですか……一か月後、いえ、二週間後に私が立ち直っていれば口説いてもらえますか??」
「一つ、忠告していいですか??」
黙って頷く女に向かって、
「酒は飲んでも乗られるなって言った人もいますよ」
「えっ??……飲んでも乗られるなって、まさか……ウフフッ。大丈夫です、二週間後に立ち直っていれば酒のせいにして安売りするようなことはしませんから」

「気になる男女なら酒のせいにして過ちを犯すのもいいんじゃないですか。過ちから始まる幸せもあるはずですよ」
「ウフフッ、私はそれでもかまわないけど、どう思いますか??」
「酒と女は二ごうまでとも言うから飲み過ぎなければね」
「えっ、待って、えっ……奥さんがいるの、それとも付き合っている女性がいるの??」
「はははっ、酒は二合までの部分だけです、付き合っている女性も妻もいません、マスターが証人になってくれます」
「良かった……二度と立ち直れなくなるところだった。それより、私が男性を誘うことになると思わなかった……どうしてだろう??」
「運命ですよ。お客様はスプモーニとキールロワイヤルという赤いカクテルを飲まれました。今日は情熱的で活動的な気持ちだったのでしょう」
マスターの言葉で二人は顔を見合わせて笑みを浮かべる。

「三杯目を飲むなら私に選ばせてください。プースカフェスタイルのオーガズムをどうですか??」
「オーガズム……いやらしい名前。エッチなカクテルですか??」
ジントニックを美味そうに飲む男をわざとらしく睨みつけて、マスターに質問する。
「全然エッチなカクテルじゃないですよ。バーテンダーの腕を問われるカクテルです。コーヒーリキュールを底にして比重の大きい順にリキュールが層になるように注ぐカクテルです」
「ふ~ん、興味があるけど飲み過ぎて嫌われるのは嫌だから二週間後に頂きます……昨日二人で乾杯したと聞きましたが、お祝いするようなことがあったのですか??」
「マスターが振られちゃったので慰めたのですよ」
「振られた……それで乾杯するの??」
「酔っぱらった彼が、二人で飲もう。酒で忘れちゃいなよって、このシャンパンを開けたんですよ、彼の奢りでね」
「ウフフッ、忘れることが出来ましたか??」
「忘れるよりも、ヒドイ男ですよ、こいつは……マスター、明日以降、最初に独りで来た女性客を口説いちゃいなよ。この世にブスはいない、ウォッカが足りないだけだって言うロシアの諺があるからって言ったのに、最初の女性客をこいつが口説くことになっちゃったんだから。それに、こんな美しい女性が最初だったのに」
「えっ、私のせいですか、ごめんなさい……それにしてもひどい、最悪の男。ウォッカを飲めば好いなんて女をバカにしてる……ありがとう。元気になりました。今日は帰ります。二週間後に来ます、その時に嫌じゃなければ口説いてください」
「二週間後、何があっても口説きに来ます。スプモーニやキールロワイヤルがこんなに似合う女性は初めてです。おやすみなさい」

<< おしまい >>


ここから先は上記の続きで実よりも虚を基に妄想を膨らませます。


酒と女は二ごうまで 1/3

「お待たせ……マスター、オレに口説かせないように酔っぱらわせたんじゃないよな??」
開店前のバーはマスターと女性客が一人いるだけでジャズピアノ曲が静かに流れ、息せき切って重厚な木のドアを開けた男は二人の様子を見て問いかける。
「遅いよ。何時だと思っているの??待ちくたびれちゃった」と、女の蓮っ葉な言葉が響く。
カウンターに突っ伏す女の周囲は空になったグラスが並び、右手が摘まむ脚付きリキュールグラスはプースカフェスタイルのオーガズムが満たしている。
「まだ七時だよ。こんなに飲んでどうするんだよ……酒と女は二ごうまで、口説く積りだったけど止めとくわ」
「クククッ、飲んでないわよ……マスターの言う通りだった。生き方を曲げない男は信用できる。お泊りセットを用意してきたから……口説いてもらうわよ」
だらしなく突っ伏していた女は姿勢を正して男を見つめ、自分を取り囲んでいるグラスをまとめて男の前に滑らせる。
男はカクテルグラスを手に取って匂いを嗅ぎ、残った液体を飲んで首を傾げ、次に手にしたコリンズグラスの匂いを確かめて底に残った液体を飲み干す。
「クククッ……」と、破顔する。
「どうかなさいましたか、柏木さま??」
「オレの名前はマスターが??……二人に揶揄われて弄ばれた気分だよ。面倒な口説き文句は止めた。これを受け取ってもらえますか??」

「ホテルのキーなの??口説き文句代わりだと思って受け取ります。一目惚れですから……」
「オレも名無しの女性に一目惚れ……ごめんね。本当はマスターが口説くはずの女性だったのに」
「マスター、ごめんなさい。付き合っていた男性と別れた直後にお勤め時代の友人と会って人恋しくなったの。お仕事の邪魔をしちゃいけないと思って、マスターじゃなく柏木さんに誘ってほしい、口説いてくれますかと言ったんだけど、本当にごめんなさい」
「そんな謝り方をされると惨めになっちゃうよ。オレは開店の準備があるから、酒は他の店で飲んでくれよ」
「マスター、彼女にもう一杯飲ませてあげてよ」と、柏木と呼ばれた男はマスターにウィンクする。
「いいよ、二人の付き合い始めのお祝いに、こいつが好きなジンベースのカクテルを作ろうか」
マスターもまた男に向けてウィンクし、男は女に、
「手の平を見せてくれる??」
言い終えた時にはすでに女の右手を取って手の平を見つめ、女の視線をマスターから逸らせる。
「ウフフッ、やっぱりそうだ。あなたとオレは相性最高。この世に生まれる前から付き合うことを神さまが決めていたらしい」
「ほんとう??一目惚れは神様の意志に従ったことなんだ。ウフフッ、安心した」

「お待ちどうさま。出来たよ。ジン・,ホーセズネックです。ジンとジンジャーエールのカクテルに長く剥いたレモンの皮、レモンスパイラルと言いますが、これを飾ったカクテルです。ホーセズネックはブランデーとジンジャーエールのカクテルにレモンスパイラルを飾ったものだけど、ブランデーをジンに変えました……どうぞ」
「ジンとジンジャーエールのカクテルってジンバックですよね。ふ~ん、レモンピールの端をグラスの縁に引掛けるのですね……白い部分が全然ついてない。バーテンダーさんの腕のいい仕事だと思います。目でも味わえます……レモンの香りが移って爽やかで美味しい」
「白い部分は苦みの元になりますからね」

その後は言葉もなく開店準備をするマスターの動きを見ながら女はジン・,ホーセズネック、柏木はジントニックを飲みながら時計を気にする。
「行けよ。時刻が気になるんだろう……明日でなくてもいいから、付き合い始めたと報告はしてくれよ、待っている」
支払いを済ませた柏木はジン・,ホーセズネックを飲み終えた女を促す。
「それじゃあ、行こうか……ごちそうさま」
「ごちそうさま。美味しかったです……また来ます」

「柏木さんは私を好い女だと言ったけど、ホテルの部屋を見れば私の評価がどれほどのモノか分かる……そうでしょう??違う??」
「そこまで考えていなかったなぁ。あなたを誘うことだけを考えていたよ」
「そうか……柏木さんにとって私は誘えばやれる、その程度の女なんだ。大切な人なら初デートのホテル選びにもこだわりを持つと思うけどなぁ……」
それを最後に女は口を開くことはなく、タクシーの車中でも身体を接することを避けて窓外の景色を見るだけで柏木に対して心を閉ざしたように見える。

ホテルの車寄せでタクシーを降りると態度はガラッと変わり、ドアマンに向ける笑顔は柏木が嫉妬するほど魅力的でさりげなく腕を絡ませるさまは初デートとは思えない。
チェックインを済ませ、ベルガールの案内で重厚な雰囲気の漂う廊下を歩くうちに高揚しつつあった滾る思いは脚が沈み込むほどのカーペットの感触で穏かになり、部屋に入ると女の表情がカメレオンのように変化する。

非常口や部屋の設備などの説明を終えたベルガールがいなくなると女は満面の笑みと共に柏木の首に手を回し、
「クククッ、ワインと花で迎えてくれるホテルの部屋、柏木さんが依頼しなきゃあるはずがないよね……お前に惚れた、絶対に逃がしたくないって正直に言ってもいいよ……何も言わなくていい。今は言葉なんて必要ない」
言い終わるや否や女はしゃがみ込み、柏木の穿くズボンの上から股間を撫でる。
「ねぇ、学生のあなたは私よりも若いと分かっているけど後悔しない??」
「好きになるのに歳なんて関係ないだろう。それに、あなたは若いよ……おいで、オレが好きになった女性の顔を見せてくれるだろう」
「ダメ、あなたの坊やにご挨拶するまではお顔を見せてあげない」
摘まみ出した半立ちのペニスをパクリと口に含み、顔を前後すると上顎を突き上げるようにムクムクと立派なオトコになる。
「ウグウグッ、フグフグッ……大きくなった。私のお口の中って気持ちいい??……ダメッ、抜いちゃダメ。もっとあなたを感じていたい。フグフグッ、ウッウッ、クゥッ~」
引き抜こうとする柏木の腰を抱きかかえて一層喉の奥深くまで咥え込み、ジュボジュボと卑猥な音と共に顔を前後する。
「気持ちいい……クゥッ~、ダメだ。我慢できない、これ以上されると逝っちゃうよ」
「ウグッ、グゥッ~、出して、口であなたのオトコを感じたい」
オトコを咥えたまま上目遣いに見つめる女の瞳が妖しい光を帯び、凄艶な色気に柏木は尻から脳天まで駆け上がる電気のような衝撃に前触れもなく絶頂を迎えてしまう。
「ウッ、ウッ、ゲボッ、ウグッ……ウッ、ハァハァッ、すごい、火傷するほど熱い迸りが喉の奥まで……」
「ゴメン、我慢できなかった」

蹲ったまま微かに滲む涙を拭おうともせずに見上げる女は口腔に残ったオトコを飲み込み、隠しきれない羞恥で目元を朱色に染める。
柏木は女に手を添えて抱き起こし、意思を確かめることもなく濃厚なキスをする。
「バカッ、あなたのオトコがお口に残っているよ。クチャクなかった??」
「オレのモノを口で受けてくれたし飲み込んでくれた…この唇や口とキスすることが嫌なわけがないだろう」
「クククッ、ムリしてない??ねぇ、お風呂に入ろうよ」

彩―隠し事 407

妄想-3

独り寝の夜の妄想を話しながらも対面座位でつながる彩を刺激することを忘れず、ベッドのクッションを利用して突き上げ、時には耳元に口を近付けて息を吹きかけながら卑猥話を続ける。
「イヤンッ、エッチな妄想話を聞きながらそんなことをされたら善くなっちゃう……健志の妄想の世界とは言え、両手を吊り上げられて卑猥な悪戯をされても彩は抗うこともなく堪えるだけなの??」
「妄想だからオレにも制御できないんだよ、彩と会えない寂しさを紛らわすためだから許してくれるだろう??」
「クククッ、健志が彩に期待していることなのかなぁ……カヲルさん主催のイベントに行ってもいいよ」
「それは……ウ~ン、考えとくよ」
「紗矢ちゃんたちや千葉の海でもサチさんやアキラ君、悠士さんにも抱かれたしカヲルさんのイベントでも他人棒を咥え込んだ。今更、彩を他人に任せたくないなんて言わないでしょう??それより妄想話は終わりなの??」


アァ~ン、イヤッ……目隠しのせいで顔も見えず正体不明の男に首筋に息を吹きかけられながら乳房を揉まれ、股間をまさぐられると人並み以上に成熟した身体を持つ彩は与えられる刺激に身を任せて甘い吐息を漏らして身悶える。
「もう限界だよ。無茶はしないからタガを外させてもらうよ」
「俺もだ。こんな好い女を前にして紳士の仮面を被り続けるのは酷ってもんだよ」
「やれやれ、俺もお前たちと同じで我慢の限界だよ。そうと決まれば、ワンピースは邪魔だな」
三人目の男は言い終わるや否やワンピースの襟ぐりに指を掛けて力まかせに引っ張ると、ビリッと音を立ててワンピースは布っ切れと化す。
左右の腕に引っかかる布切れとなった袖をハサミで寸断して足元に落として肌を守るのはブラジャーとショーツだけとした男は、彩が漏らす羞恥の言葉を聞こうとしてボールギャグを外す。

「染み一つなく大理石のように肌理が細かい艶めかしさを持つ白い肌に黒い下着が映えるなぁ。女っぷりが見事だよ」
「黒もいいけど、ピンクの下着姿も見たいと思わないか??」
「そうか、俺は黒もピンクもナシで素っ裸が好いな……こんなに肌理が細かくて艶めかしい肌の持ち主だから股間にも余計なモノがなくツルンツルンの割れ目があるのだろうな、間違いない」

「イヤァ~ン、三人の野獣に責められる彩は可哀そう」
視覚を奪われた彩は聴覚と肌を這う男たちの手指の感触を探る触覚に集中し、人数は三人だと確信して彼らの淫猥責めを想像して息を荒げる。
「クククッ、野獣だってよ。美女と野獣、俺たちの腕の見せ所だな」
「始めようか、これ以上我慢するとチンポが爆発しそうだ」
「クククッ、そうだな俺の暴れん坊チンポも猛り狂っているよ」

三枚の舌が蛞蝓のように白い肌を這い、三十本の指がワンピース越しに探り当てた急所を刺激する。
「ウッ、ウグッ……、クゥッ~」
「ウゥウゥ~、羞恥の言葉を堪えて呻き声だけを漏らすのもエロイなぁ」
「ハァハァッ……三人もいて彩を啼かせることも出来ないの??ガッカリだなぁ。ウグッ、クゥッ~……」
吊り上げられた両手の指が白くなるほど固く握りしめ、自由な両脚を擦り合わせる彩は甘い吐息を漏らしながらも愛撫に屈服する言葉を吐くことがなく気丈にも男たちを挑発する。
「アヤさんって言うのか。色白のムッチリ肌で俺たちを挑発するエロっぽさ。ゆっくり昇りつめる様子を楽しもうと思ったけど、そこまで言われちゃ、少々荒っぽくさせてもらうよ」
「クククッ、アヤさんのように上品で好い女はゆっくり、じっくり追いつめるのがいいけど、それは気に入らないらしい。プランHの荒っぽい方法で男の恐ろしさを思い知らせてやる。恥ずかしい姿を見せてもらうよ」
「クククッ、四人目の男の俺が、アヤさんが恥をさらす姿を撮影してあげるよ」
ウグッウグッ、グゥッ~……呻き声と共に足を振りほどこうとしても男二人の力に敵うはずもなく徒労に終わる。

「先ずは卑猥な責めで善がり啼く彩さんがオシッコを蒔き散らさないように空にしとこうな」
前触れもなくショーツを引き下ろされ、二人の男が両側から太腿を抱え上げて露わになった股間を晒す。
「すげぇ…アヤさんはマン毛も上品でそそられるよ。これから恥を掻いてもらうけど逆らっちゃダメだよ。ケガをしてほしくないからね、分かったら返事をしなさい」
「ウゥッ~、ウゥッ~、ウグウグッ、ググッ……」
「暴れてもダメだよ。この格好で男二人の力に敵うわけがないし、抗うとケガをするって注意しているだろう」

男二人は抱え上げた彩の太腿を抱え込む手に力を込めて動きを封じ、三人目の男が割れ目を開き尿道口にキシロカインを塗り込める。
「なに??なに??何をしているの??止めて」と、言っても改めてボールギャグ噛まされた口から洩れるのは、ウゥッ~、ウゥッ~という呻き声にしかならない。
太腿を抱えて彩の身体を浮かせる男二人は力を込めて動きを封じ、両脚の間に立つ男は開いた割れ目に膣口からクリトリスに向かってベロリと舐め上げ、彩がクゥッ~ンと甘い声を漏らすと尖らせた舌先で尿道行をツンツンとつつく。
「アヤさん、静かにしてよ。ケガさせたくないんだよ……挿入するよ」
左手を尿道口に添えて右手に持った尿道カテーテルをゆっくりと挿入する。
「ウッ、ウッウグッ、ウググッ……グゥッ~」
チュルチュルッ、ジョロジョロッ……カテーテルの動きが止まるや否や透明の液体がチョロチョロと滲み出て、股間に突き出されたワイングラスを満たしていく。
「ウグッ、グゥッ~、フンフンッ……クゥッ~」
醜態を晒すことを嫌がる彩は鼻息を荒げて抗うものの、男二人が力を込めて両腿を支える力に敵うはずもなく自らの尿がグラスに溜まる音を聞いて全身を朱に染める。

尿が出なくなってもカテーテルを引き抜くこともなく、男たちは彩を嬲り続ける。
「オシッコは空になっただろうから、次は尻の穴もきれいにしておこうか」
「そうだな、アヤさんが尻の穴を可愛がってくれと言うかもしれないから準備しておいた方がいいだろう」

クチュクチュ、ローションを塗り込めた尻の穴に浣腸器を突き入れて液体を注入する。
両手を吊り上げられて両足を二人の男に抱え上げられたままの彩は仰向けの格好で宙に浮き、注入される浣腸液を一本、二本と飲み込まされる。
「最初の排出は浣腸液に混じるモノもあるだろうからトイレを使ってもいいよ」
拘束を解かれて自由を取り戻した彩は尿道口に挿入されたままのカテーテルを抜き取り、周囲を見回して口枷を外し、
「トイレは何処??我慢の限界なの、ねぇ、何処なの??」と叫ぶ。
「右手の壁際にあるだろう。周囲はアクリル板で囲ってあるから撒き散らすことはないよ。思いっきり」
「存分に浣腸液を撒き散らしなさい。俺たちが見ていてあげるよ」
「いやっ、彩に恥を掻かせるのが面白いの??……アァ~ン、ダメ、洩れちゃう」
ブラジャーだけを着けた彩は擦り合わせた股間を左手で隠し、浣腸液を漏らすのを防ぐために右手を添えて倉庫の片隅に設えられた丸見えのトイレに進む。
プロフィール

ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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