期待 -12
英作が指差す椅子は分娩台にも似て座った自分の姿を想像すると被虐心をくすぐられ、英作の嗜虐心を満足させる淫靡な雰囲気を醸す。
足乗せ台は勿論、万歳の恰好で両手を固定するための拘束具も付き椅子の座面はU字に抉られているため、すでに濡れそぼつ恥部だけではなくアナルも丸見えになってしまう。
「両手両足を拘束して逃げようのない英子をローションまみれにして全身を撫でまわす。オマンコにバイブを捻じ込んでグリグリするから覚悟しろよ」
「イヤンッ、そんな事を聞かされると立っているのも辛くなる」
「クククッ、可愛いな英子は。こんなにスケベな奥さんがいる旦那が羨ましいよ」
「そう思う??ウフフッ、旦那様のエッチも気持ちいいの。今日も可愛がってもらっちゃおうかな……」
「浮気相手の私に惚気るとは……座りなさい。惚気の罰でローソクを持ってきてもらおうか??」
「いや、旦那様に浮気がばれちゃうことは止めてください。痕が残ること以外は我慢します」
交わす言葉は夫に向けたものだと気付かずに嫉妬心を芽生えさせた英作は突き倒すように拘束椅子に座らせた英子の両手両足をベルトで固定する。
糸くず一本身に着けない素っ裸の英子は両手両手足をX字に開き、股間はおろか裏門も隠す事を許されずに息を荒げて責めを待つ。
「ハァハァッ、こんな格好でお尻を見られながらバイブをアソコに挿入されてクリを電マで嬲られるの??ハァハァッ、身体が熱い」
「クククッ、英子の作ったストーリー通りに責めてその反応を見るのも面白いけど、生憎私はへそ曲りなんでねぇ」
ローションを手に取り乳房に垂らして両手を使って塗り広げていく。
「ウッウッ、クゥッ~……気持ちいいの、肌をサワサワされると身体の芯がゾワゾワする。たまんない、いやぁ~ン」
「ねぇ、その後は??バイブと電マで可愛がってもらったの??」
「優子が昂奮してどうするの……アンアン啼かされたのは私なんだから」
「栞、私のアソコを触ってみて、早く……ねっ、スゴイことになっているでしょう」
「どうしたの??優子のオマンコはグチャグチャでニュルニュル、熱くて火傷しちゃいそうだよ」
「栞の話で昂奮しちゃったんだもん」
「もう寝なきゃいけないし話の続きは今度ってことにする??ウフフッ、久しぶりに優子を苛めちゃおうかな」
「ダメ、こんなところで終わったら明日は栞と課長の顔ばかり見て仕事にならないよ。私のオッパイをクチュクチュしてもいいから続きを聞かせて」
「それじゃ、優子のオッパイをクチュクチュしながら続きを話してあげる」
ローションまみれの肌を這う英作の両手によって快感の海を漂う英子は両手両足を拘束されて逃げることもできず、艶めかしく身体をくねらせて喘ぎを漏らし続ける。
「ハァハァッ、イヤンッ、だめっ……狂っちゃう、このままじゃ嫌、もっと激しく、クゥッ~」
乳房の麓から頂上に向かってヤワヤワと揉み上がり、先端に達すると親指と中指で摘まんでコリコリと刺激する。
ギシギシッ……椅子が軋み音を立てるほど抗っても逃げることは叶わず、乳房を愛撫した両手は脇腹を撫でて腋窩を刺激する。
「英子はこんな処も性感帯なのか??脇の下を撫でると太腿を擦り合わせようとしているようだな」
股を開いたまま拘束されていては股間を擦り合わせることもできず、熱く火照る子宮は強い刺激を求めて英作を悦ばせる言葉を口にする。
「入れて、バイブでアソコを掻きまわして。熱いの、子宮が疼いて狂っちゃう」
「クククッ、敏感でスケベな英子はローションまみれの肌を撫でられるだけじゃ満足できないか、そうだな。分かったよ、バイブをぶち込んでやるよ」
ギシギシ、ガシャガシャッ……ハァハァッ、息を荒げてバイブの挿入を待つ英子はわずかしか動かない身体を動かして股間を突き出そうとする。
指先にローションを付けた英作はバギナを無視して丸見えのアナルに手を伸ばす。
「えっ、嫌、やめて、お尻はイヤッ……お尻は旦那様だけ、嫌、やめてください。お尻を許すと本当の浮気になっちゃう」
女性器は快感を得るための道具、アナルは大切な人と愛を確認するためとでも言いたげな英子に嫉妬を滾らせる。
「分かったよ。こんなスケベな身体を思い通りに出来る旦那は幸せな男だな」
バイブに直接ローションを振りかけて膣口に馴染ませ、グイッと押し込んでいく。
「ウグッ、クゥッ~……ハァハァッ、きついけど気持ちいい。押し広げられながら奥まで入れられるとバイブに犯されているような気がする」
「バイブに犯されるのが好いのか……英子は私よりもバイブや旦那が好いと言う、残念だよ」
バイブの振動を強くして膣壁を抉るように荒々しく出し入れする。
「グゥッ~、いや、やめて、壊れちゃう。乱暴なのは嫌」
「私よりもバイブが好いんだろう??バイブの愛撫で壊されるなら本望だろう。バイブを咥えてろよ、吐き出すんじゃんじゃないぞ」
スイッチを入れたまま子宮が震えるほど奥深くまで押し込み、スイッチを入れたまま離れてネクタイを手に取る。
「どうするの??怖い……傷を付けちゃ嫌だよ」
「約束しただろう、痕を残すようなことはしないよ。このネクタイは目隠しをするだけ、見えないっていうのも昂奮するだろう」
両手両足の自由を奪われて目隠しで視覚まで奪われた英子は直接肌に触れる感触と聴覚に頼るしかなくなってしまう。
微かに聞こえる英作の動く気配に耳をそばだてても子宮を抉るバイブの刺激に抗う事は出来ず、身体をくねらせて、ウッウッ、アァ~ンと秘かに悦びの声を漏らしてしまう。
英作はミニ電マのスイッチを入れて英子の頬に押し付け、
「こんなスケベな奥さんを旦那に返した時、電マの刺激が恋しいなんて口走ったら困るからな、このミニ電マで我慢しろよ」
ビィ~ンビィ~ン……ブ~ンブ~ン……膣壁を擦り子宮を刺激するバイブと頬を通じて感じる振動と淫靡な音は身体と気持ちを色欲の深い沼に引きずり込んでいき、妖しい期待で息が荒くなり身体が芯から火照るのを止めることが出来ない。
期待 -11
顎に指をかけて正対させられた英子は唇を奪われる。
寝取られ願望を隠していた夫の欲望を満たすのが愛される条件だと都合よく言い訳をした栞は英子となり、ボイスレコーダーを意識してベチャベチャと卑猥な音を立てて自ら貪るようにキスをする。
舌を絡ませてジュルジュルと音を立てて唾液を啜る英子に、
「今日の英子はいつも以上に積極的だな。私とのセックスに身体が馴染んできたのかな……おっ、届いたようだよ。英子、受け取ってきなさい……ダメだ、そのままの恰好で行きなさい」
脱がされたスカートに手を伸ばそうとすると腕を掴まれて邪魔をされ、ブラウスのボタンを嵌めようとすると叱声にも似た声でそのままの恰好で受け取りに行けと命じられる。
視線の端にバッグを捉えた時に夫の顔が脳裏に浮かび、抗う気持ちは消え失せて立ち上がる。
「ブラウスのボタンを留めちゃダメなの??」
「英子だってスリルを味わいたいだろう??但し、見せちゃダメだよ。もし見られたら次に会うときは罰を与えるからね」
「えっ、何をされるの??怖い……もしもの時のために、どんな罰か教えて。ねぇ、教えて」
「そうだなぁ、考えてなかったけど……待たせちゃ悪いから早く受け取って来いよ。その間に考えとくから」
「変な事を考えちゃダメだよ。私は大切な旦那様がいる人妻なんだからね」
「ごめんなさい。お待たせしちゃって……こんな格好でごめんなさい」
「いえ、申し上げにくいのですが、このままで外へ出ないようにお願いしますね……こちらがご注文の商品でございます」
「意外と若いおねぇさんだったな。私がチンチン丸出しで受け取ればよかったかなぁ……英子、わざと見せたのか??」
「わざとじゃない。ボタンを留めてないんだから見えちゃうよ……オッパイもアソコも見られたかもしれない、どうしよう」
「嬉しそうだな……見られたのか、わざと見せたのか分からないけど罰は私以外の人を交えて、そうだな……英子のストリップから初めて乱交パーティをしようか……楽しみに待っていてくれよ」
「えっ、本当なの??あの課長がそんな事を言ったの??それで、もうしちゃったの??課長以外の人を交えてエッチしちゃったの??……それより、ボイスレコーダーに録音されていたの??ご主人はそれを聞いたの??ねぇ、栞どうなの??」
「落ち着いてよ、優子。旦那様のボイスレコーダーはスイッチさえオンにすればバッグの中でも音は拾ってくれるし、私は約束を守った……課長にはSM遊びを交えて抱かれたけれど旦那様と離婚はしてない。それが全て」
「えぇ~と、と言うことは何も否定しないから、ご主人はボイスレコーダーで栞がSMプレーでヒィヒィ、アヘアへって喘ぎ声を漏らすのを聞いてオチンポを勃起させた。その時、ご主人の許しを得た栞は課長を含めた何人かと乱交プレーで犯されまくったって事なの??ねぇ、そうなの??」
「だから、落ち着いてよ、優子。聞きたいことも聞きたくない事もすべて教えるから、ねっ」
「あぁ、そうだった。ごめん、強烈な話で私の想像をツンヌケてるんだもん……ハァ~、フゥッ~、ハァッ、フゥッ、もう大丈夫」
落ち着こうとする優子は宙を睨んで深呼吸で息を整え、ぎこちなく微笑んで見せる。
風呂上がりの女が二人、何も隠すことなくシングルベッドに寝転んで互いの身体をまさぐり、興が乗ると胸の膨らみや股間に手を伸ばして栞が変身した英子の淫らな話に熱中している。
「優子って可愛い。私を心配してくれているんだよね……でもね、優子が気に入るかどうかは別にして私はセックスが好き。と言うか、セックスを通じて男女は本音で分かり合えると思っているの」
「分かるよ。私もそんな風に思うことがあるけど、栞ほど正直になれない。栞の話に驚いているけど……羨ましく思う私もいる、本当だよ」
「クククッ、分かる。だから気が合うのかもしれないね、エッチ好きで魅力的な女二人だから」
「ウフフッ、そうかもしれない」
あっけらかんとして不貞を働く栞と違って優子は健志との付き合いを誰にも知られることなく続けている。
そんな優子は、栞が経験したという課長とのSMプレイやこれから口にするであろう乱交プレイという言葉にドキドキと心臓が早鐘を打つのを意識する。
胸の内でモヤモヤする淫靡な思いを発散するためにSMショーパブで下着一枚になって見ず知らずの人たちの前で縛られたことが健志との付き合いの切っ掛けだっただけに、栞の話を聞いて秘かに期待するもう一人の自分がいる。
胸と股間を見せつけながらオモチャを受け取った英子は次に会うときは乱交プレイをすると言う英作の言葉を聞いて胸を高鳴らせる。
「英子、昂ぶりが止まらないようだな。股間を確かめてみろよ」
股間を覗き込むと太腿の付け根にまで花蜜が滲み、指を伸ばすとネットリと指に絡みつく。
「イヤッ、恥ずかしい。すごいエロ女になった気がする」
「クククッ、エロ女……もっと嬉し涙を流したいだろう。その椅子に座りなさい」
期待 -10
ドアを開けると真正面のXの形をした赤い磔台が目に入り思わずよろめいてしまい英作に身体を支えられる。
「だいじょうぶ??」
「だって、こんな部屋で……怖い」
声が震えるのは不安や恐怖ではなく、結婚後初めての浮気相手とのセックスを思い出したからだ。
それまで会った事のないような遊び人で経験したことのないセックスで翻弄され、初めて見る性的なショーにも連れて行ってくれた。
優子と一緒に行ったSMショークラブもその男に連れられて行き会員になった店だ。
性的好奇心の強かった栞はSM遊びや浣腸からアナルセックス、他人に見られるかもしれないという野外セックスにも快感を得るようになり、次第に性的に操られることに悦びを覚える自分に恐怖を感じて別れを告げた。
その後、愛する夫に愛される幸せに浸りながらも身体に浸み込んだ性的な想い出が浮気に走らせ、何度か不貞を働いた。
夫の目を盗んで何人かの男に抱かれても初めての浮気相手ほど快感の虜になる相手は居なかった。
今、身体を支えてくれる英作は仕事中の紳士的な課長と違って性的欲求をあからさまにして、当たり前のようにSMルームに栞である英子を誘った。
昔の男との想い出が鮮明に甦る。
身体の奥に眠る被虐心を刺激された時、これまでのように夫を愛することが出来るか不安になる。
視線を巡らすと壁に設えられた磔や皮の拘束具が付いた奇妙な椅子、透明の壁しかない丸見えのバスタブが目に入り、ハァ~……思わず漏らした吐息を聞いた英作は、
「英子はこんな道具を見たこともないか、怖がることはないよ。見えるから怖い、目隠しで見えないようにしようか」
目隠しで視覚を奪われた英子はジャケットを脱がされて両手を掴まれたまま押されて数歩進み、天井から下がる鎖に万歳の恰好で拘束される。
「傷つけるようなことはしないし、英子が嫌がることもしない。されたくない事は嫌と言えばしないと約束するから安心していいよ……分かったか??」
「分かりました。すごく怖くて震えているけど信用する」
英子の声と身体の震えは恐怖のせいではなく、昔を想い出した身体が期待に打ち震えていることを英作は知らない。
バッグに入れてある作動中のボイスレコーダーを気付かれることがないだろうかと不安になる。
これから起こることに身体が被虐の悦びを想い出して喘ぎ声を漏らしても、再生した夫が嫉妬心を芽生えさせて責めてくれれば夫を愛していられるし、他の男に惹かれることはない。
それに、この身体が他人の責めを求めることがあっても、それは夫の希望を叶えることで悪い事ではないと自分に言い聞かせる。
優子は栞の言い草に呆れ、課長とのセックスを肯定する身体に罰を与えることにする。
覆い被さるようにして左乳房の先端を摘まんで捻り、右の乳首を甘噛みして徐々に力を込めると、
「いやぁ~ン、痛痒くて気持ちいい。アンッ、濡れちゃう」
と、甘い声を漏らす。
それを聞いた優子が乳首を苛めていた手を下半身に移動して、情け容赦なくズブリと侵入させると指は火傷しそうなほど熱い蜜に包まれる。
「栞はセックスの化身なの??課長に責められたことを想い出していやらしく濡らすなんて」
「しょうがないじゃん、男性が愛おしいんだもん。課長ったら本当の私の淫乱さを知らずにアソコに入って可愛い声を出して逝っちゃう、出ちゃうよ……イヤンッ、思い出すだけでドキドキする」
愛撫に対する反応や栞の話に呆れた優子は課長との話の続きを促す。
視覚を奪われて万歳の恰好に両手を拘束されては、どんな悪戯をされてもハァハァッと息を荒げて堪えるしかない。
「英子、熱くないか??私は昂奮のせいなのか熱いよ……ストッキングや下着を着けたままじゃ蒸れるだろう、脱がせてあげるよ」
英作の手がスカートの裾から忍び込んで太腿をサワサワと撫でる。
「ムッチリとした肌を好ましいという男もいるが、私にはこれくらいスマートな身体が丁度いい。撫でるだけで勃起する」
手の平と言葉の愛撫で英子は身体をくねらせ、アンッと甘い声を漏らしたタイミングで英作の指が下着にかかり、抗議する間もなくストッキングごと一気に足首まで下ろされる。
「下半身だけじゃ不公平か??オッパイも熱いって言ってるだろう」
「いやらしい英作が好き。もっと、もっと私を嬲って、愛する旦那様がいるのに浮気する私を懲らしめて」
ボイスレコーダーを再生する夫の表情を思い浮かべて快感を燃え上がらせる。
ブラウスのボタンを外されてブラジャーのホックを外された無防備な姿で立ち尽くす。
「好い格好だよ、英子。エロっぽい生足、スカートで隠しているけどパンツを脱いだ股間はグジュグジュに濡らしているだろう……ジャケットを脱いでブラウスのボタンを全て外してブラジャーも守る役目を放棄しちゃったからプリプリオッパイがだらしなく見えるし」
「いや、こんな格好のまま我慢するのは恥ずかしい。いつものようにお口でアソコをクチュクチュされたい。オマンコをビロ~ンって開かれて舌でクチュクチュ、お口を開いてオマンコにガバッと吸い付いてズルズルと音を立てて吸われるのも好い、ねぇ早く、おねがい」
「今日の英子はいやらしいな。私に抱かれるのが楽しみになったようだね……可愛い英子がご主人に抱かれる姿を想像すると気が狂いそうだよ」
ボイスレコーダーを再生する夫を意識して卑猥な科白を吐く栞の気持ちを課長は都合よく誤解する。
このまま可愛がりたいけど、仕事着を着けたままじゃ集中できないから素っ裸にしちゃうかと独り言ちてスカートとブラウス、ブラジャーを剥ぎ取り、再び万歳の恰好に拘束する。
素っ裸の英子が身に着けるのは目隠しだけでグジュグジュに濡れそぼつ股間を見つめる英作の視線が熱い。
「こんなに嬉し涙を垂れ流したんじゃ焦らすわけにもいかないな……目隠しを外して拘束椅子で遊ぼうか。オモチャがなきゃ楽しめないだろう。ここはカタログで選ぶと届けてくれるんだな」
「オモチャで私の身体を嬲るの??昂奮するけど、自分で選べない選べない」
英子は目の前に突き出されたカタログから目を逸らし、英作に任せると呟いて目を閉じる。
ミニ電マ、バイブとローションを頼んだ英作は拘束を解いて目隠しも外してくれる。
「素っ裸の英子を目の当たりにすると我慢できないから、ブラウスだけでも羽織ってくれないか」
ブラウスに袖を通してボタンを嵌めようとすると、ボタンまでは必要ないだろうというので、そのまま英作のそばに座る。
期待 -9
優子と栞はいつもと違ってレズ遊びに興じることもなく、ぎこちない雰囲気のままバスルームから部屋に戻る。
学生時代から見慣れた互いの肌は隠す必要もなく、部屋に入ってすぐにタオルを剥ぎ取って素っ裸になる。
「ねぇ、栞は一か月ほど前にご主人に気付かれて責められたと言ったでしょう??課長とのセックスを一か月も我慢できたの??」
「クククッ、私は我慢しても、こんなに好い女をモノにした彼が我慢できるわけないじゃない」
「と、言うことは録音したの??喘ぎ声を録音してご主人に聞かせたの??」
「どうなったか聞きたい??……そうだよね、知りたいよね。教えてあげる」
いつものようにシングルベッドに二人で横になると自然と相手の肌に手が伸びる。
「優子の身体はエロイよね。白くてムチムチ、どんな愛撫でも受け入れてエッチな反応しそう……もったいないな、この身体で浮気すれば人生観が変わるのに」
「なに言ってるの、昔から栞は普通じゃないけど今日は特に変だよ」
「今思い出したけど、いつだったか一緒に風呂に入った時、縄の痕の様なモノが優子の身体に有ったんだけど、あれは本当に何でもないの??」
「えっ、縄の痕??いつ??そんなこと経験ないよ。栞じゃあるまいし」
優子は健志とのセックスや栞に連れて行ってもらったSMショークラブで縛られた経験を脳裏から追い払い、顔の前で右手を振る。
「なにか怪しいけど私の勘違いだったかなぁ……そうだね、優子だもんね、そんなことはないか。変な事を言ってごめん。もう二度と言わない」
「大好きで素敵な旦那様にこれで録音しろって渡されたのがボイスレコーダーだったの」
「えっ、ボイスレコーダー……スマホとかじゃなくて本格的ね」
「仕事用じゃないのって聞いたら、仕事で使っているけど自分で買ったものだから差し支えないって……課長とどうしたか聞きたい??……優子だから教えてあげる。誰にも言わないって信じているから、クククッ、聞いてね」
栞から聞かされた話は驚くばかりで優子は相槌さえ打つことが出来ず、ただただ聞くだけだった。
数日後、書類に紛れ込ませた暗号で誘う課長に二人だけに真意が通じる言葉で承諾の返事をした栞は退社後、二駅離れた場所にある待ち合わせ場所で課長を待っていた。
それほど遅れることもなく着いた課長は周囲を見回し、二人を知る者がいない事を確かめてようやく近付いてくる。
エスニック料理を提供する店で夕食を摂りながら栞は、
「課長、今日から二人きりの時は名前を変えませんか……課長と栞じゃ仕事の延長のようで落ち着かないから、私は英子、課長の事は英作って呼び合いませんか??」
「英子に英作か……なんだか雑なネーミングだけど、それもいいね。よし分かった。二人きりの時、私は英作、栞君は英子って名乗ることにしよう」
ボイスレコーダーを再生した夫に社内不倫だと気付かれないための偽名だが課長は不審がることもなく承諾してくれた。
英作は食事をする英子を見て、
「春雨を食べる英子は俺のザーメンを啜っているようでエロイな。チンポが立っちゃうよ」
「もう、英作のは暴れん坊チンチンだって知ってるけど食事くらいゆっくりさせてよ」
「久しぶりなので年甲斐もなく昂奮しているよ。英子を思い出して仕事も手に着かない有り様だったからな」
課長は英作になり切って卑猥な言葉遊びで性感を高めていき、英子はすでに録音を始めたボイスレコーダーを再生して昂奮する夫に責められることを想像して股間を濡らす。
「英子、最近ご主人とセックスをしてる??寝室は同じなの??同じベッドで寝ている??」
英作が放つ矢継ぎ早の質問に卑猥な思いを募らせた英子は一瞬浮かんだ夫が笑みを浮かべて頷いたような気がする。
「最近、仕事が忙しい夫は家に持ち帰ることがあるんだけど、同じ部屋だと私に申し訳ないと寝室は別にしたの」
「ふ~ん、そうか。風呂は一緒に入らないんだろう??」
「どうしたんですか、課長。あっ、間違えちゃった英作だ。英作、今日は変だよ」
「いや、ちょっと気になったんでね、変な事を聞いてゴメン。さぁ行こうか、歩くのに困るほど勃起しちゃってるよ」
腕を組むふりをして近付き、何気ない素振りで股間に触れた英子の手は火傷するほど熱を持ってズボンを押し上げる怒張を感じて驚きの表情を浮かべる。
ラブホで部屋を選ぶ英作の様子はいつもの冷静さを失い、乾いた唇に舌を這わせて狂気に似た気配を漂わせる。
「英子、今日は俺の欲望を満足させてくれないか??」
「好いけど、怖い事は嫌だよ。それに私には大切な夫がいるし……」
録音を続けているであろうボイスレコーダーを意識して他人に抱かれるのは夫のためだと自らに信じ込ませると同時に、夫を愛する気持ちに変わりはないと言外の意味を込める。
「フゥ~、話を聞くだけでも昂奮して喉が渇く。栞は??」
「優子が飲むなら私も……水が好いな」
素肌にナイトガウンだけをまとった優子は部屋を出てミネラルウォーターとグラスを持ってくる。
ゴクゴクと喉を鳴らして飲み干した優子は、
「もしかしてSMルームなの??栞は縛られて犯されちゃったの??……ねぇ、そうなの??ゴクッ」
昂奮を冷ますために飲んだミネラルウォーターの効果もなく、早口で質問する優子はゴクッと唾を飲む。
「よく分かったね。そうなの、課長の選んだ部屋はSMルームだったの……人妻を縛って凌辱の真似事をするのが夢だったんだって」
「えっ、あの課長が??想像できない……聞きたくなかったなぁ、課長の夢が人妻を縛ることだったなんて」
「クククッ、優子は課長を尊敬しているもんね……優子は課長の仕事だけを見てればいいの、私は仕事とチンチンの両方を見るけどね」
期待 -8
包丁の先端部分を口に押し込まれては夫の言う通りに刃を噛み続けるしかなく、少しでも力を抜くと唇が切れて舌から溢れる血が口の中に溜まる事が想像できて涙が滲む。
「包丁の刃先を噛んで支えるのは無理だろう??柄も重いからなぁ……可愛さ余って憎さ百倍って言うだろ。栞に裏切られた僕の気持ちが分かるか??」
四肢を縛られていては滲む涙を拭くことも話すこともできず、頷こうにも包丁で傷つくことを恐れて真っ赤な瞳で夫を見つめて許しを請うしかない。
「咥えた包丁を取って欲しいのか??……浮気をするような妻を許す必要はないけど、そんな事が分かっても僕は栞を愛している、包丁は取ってあげるよ」
栞が怪我を避けるためには噛み続けるしかない包丁を抜き取り、どこに置こうかと言う夫の目がギラリと光って下腹部を見つめ、視線はそのまま下りていく。
「いやっ、許して。どんな罰でも受けます……愛するあなたがいるのに他の男の人のオチンポをオシャブリしたり犯してもらったりしました。もう絶対にしません、許してください」
夫の反応は寝取られ願望を漂わすどころか浮気に対する義憤としか思えず、まさかこんな事になるとは思わなかったと混乱する栞は何をされても受け入れると謝るしかない。
「どんなことでも受け入れるというのは本当だね??その覚悟が本物なら一度だけ、今回の浮気は許すけど嘘がないか確かめないと分からない」
「二度と浮気はしません。あなたに嫌われたくない。許してください」
包丁で下着を切り刻まれてキッチンテーブルの四本の脚に拘束された栞は涙の滲む瞳で天板の裏側を見つめ、別れたくないと呟く。
そんな独り言を知ってか知らでか夫はいささかも躊躇することなくバギナに指を挿入して膣壁を擦るとドロッと花蜜が滲み出る。
四肢を拘束される恐怖で一見すると清楚に振舞う女の部分は淫らな本性を隠すことなく淫汁を滴らせ、真っ赤に燃える瞳の奥には羞恥と許しを請うだけではなく淫乱な光が宿る。
「栞、許して欲しければ浮気相手のチンポをどうやってしゃぶったのか、どんな格好で犯されたのか話しなさい」
「許してください、そんな事は恥ずかしくて口に出来ません」
「倫を外れた行為をしたって知ったうえで僕はそれを胸の奥に収めて栞を許さなきゃいけないのか……それは出来ないな。別れるしかないな、残念だけど」
離婚を口にされては課長とのセックスを告白して愛する夫に許しを請うしかないと思い定めて記憶をたどり始める。
浮気を認めてもフィットネスクラブから帰宅する課長に誘われるように待ち伏せをしたとは言わず、結婚してすぐの頃に以前付き合っていた男と再会して抱かれたことをついこの間の事のように話し始める。
話し始めても夫は怒りの言葉を口にすることなく、話に詰まっても先を促すことなく栞が話し始めるのを静かに待っている。
二人だけで食事をした時は互いに性的な期待を秘めていたので会話もぎこちなかったものの、夜景のきれいなバーに移るとカクテルが二人の距離を縮めて欲望を露わにしていた。
ラブホに連れ込まれるとシティホテルで抱かれることを想像していた栞は意外な成り行きに戸惑っていた。
部屋に入ってすぐに壁に押し付けられて唇を奪われ、抗う隙も与えられぬまま肩を抑えつけられて跪くことを強要された。
顔に股間を押し付けられて、
「オシャブリしてくれるだろう」
と、言う声を聞いた時は目の前のファスナーを下ろして半起ちのペニスに手を添えていた。
「あなた、ごめんなさい。これ以上は許して……大切なあなたを裏切ったことを話したくない」
「約束を守れないなら荷物をまとめて出て行きなさい」
「許して、おねがい」
「許すから、すべて話しなさい」
バスタブに浸かって背後から栞を抱きしめる優子はゴクッと唾を飲み、予想外の告白とこの先の進展に期待している自分を訝しく思う。
髪を掴まれて逃げることも許されずにグイグイ下半身を突き出され、唇に押し付けられた生温かいペニスが徐々に力を漲らせて、ついには口腔に侵入し喉の奥をつつく。
「ウグッ、グゥッ~……ウググッ、クゥッ~……」
瞳に嬉し涙でもなく悲しい涙でもなく、栞自身も分からない涙が滲むと男は栞を抱き起して、
「ごめん、昂奮しすぎた。君とこんな関係になる希望が叶えられそうだと我を忘れてしまった。ゴメン」
「いいの、悲しいわけでも嫌なわけでもなく喉の奥を突かれて、ほんの少し苦しかっただけ……オシャブリさせて」
「それでオシャブリしたのか??僕のと比べてどうだった……答えなくてもいい。僕のチンポの方が美味しいと言うだろうからな。 これまで、その男に何度抱かれたんだ、正直に答えなさい」
「二回です、もうしません。約束します、あなたが大好きなの、許してください」
抱かれた回数を少なく告げ、結婚前に付き合っていたことを隠して許しを請う栞は、テーブルの下で拘束されたままバギナの奥深くに挿入された夫の指の動きが優しくなっているのに気付く。
安堵の気持ちと大切な人を失うかもしれないという思いで再び涙が滲み、それを見た夫は、
「泣かなくてもいいよ。僕は何があっても栞の事を愛している。栞が僕を嫌いになったんじゃしょうがないけどな」
「決してそんな事はありません。私もあなたを愛しています……大切な人に守れているからと安心して常軌を逸したことをしてしまいました。ごめんなさい」
「そうだ、それを僕も反省しなきゃいけないな。愛する栞といつも一緒にいることに安心して結婚前のような刺激を得る事を忘れていたような気がする」
「そんな、あなたは悪くない。すべて私が悪いの、あなたはいつだって私を大切にしてくれた、それに安心した私が悪いのです。どんな罰でも甘受するから別れることだけは許してください」
下着を剥がされた素っ裸でテーブルの脚に四肢を縛られた栞がご主人に浮気の許しを請う姿を想像した優子はクスッと笑ってしまう。
「あぁ、笑った。私が必死に旦那様に許しを乞う姿を想像して笑うなんて、許せない」
「だって、仰向けで大股開き万歳の恰好で、しかもスッポンポンでしょう。許してくださいって言う格好じゃないよね……クククッ、アハハッ、おかしい。でも良かったね、許してくれて……それで、どうなったの??」
「うん、それがね……その男に誘われたら抱かれてもいいよ、その代わりに録音して来いって言うの」
「録音??録音ってどういうことなの??」
「撮影は難しいだろうから、録音して来いって言うの……やっぱり寝取られ願望があるみたいなの」
「ふ~ん、それで、どうするの??」
「私は旦那様を愛しているから別れたくない。だから、言われた通りの事をするって約束したの」
「結婚前に付き合ってた男じゃなく課長とのことを録音するの??」
「そう、それしかないもん。私は旦那様を愛しているし、あんなに可愛い男の人は他には絶対にいない」
栞とご主人との話は衝撃的だが、優子の気持ちの奥底で何かを期待してザワザワするのを感じていた。