2ntブログ

彩―隠し事 360

余波 -17

彩が舌を抜こうとすると逃すまいとして強く吸い込まれ、抗うことを止めると健志の動きも止まる。
舌は口腔に飲み込まれたまま絡み合い、甘噛みされて顔を顰めるとドロッと唾液を流し込まれる。
ウッ……ゴクッ……彩が舌を吸い込まれたまま、流し込まれた唾液を飲み込むと健志の顔はフェラチオのように前後を繰り返し,彩の舌は粘膜の擦れ合う柔らかい感触と共に甘美な悦びで羞恥が薄れていく。
舌は健志の口腔で翻弄され、口を窄めて強く吸われたり膨らませた頬のせいで動き回る自由を与えられたり、甘噛みされて身体の芯がビクッと緊張するような刺激を与えられたりと男性がフェラチオで得る快感は今と同じほどに気持ちいいのだろうかと羨ましく思う。

「アンッ、気持ちいい。いつだったか指をナメナメされた時に男性はズルイって言ったのを覚えている??」
「覚えているよ。指を舐められて、こんなに気持ちいいのなら、オチンチンをナメナメされるのって羽化登仙の境地になるのだろうなって……でも、ココを舐めたり吸ったり、時には甘噛みしてズルッと舌で刷いたり、彩だって気持ちいい思いをしているんだろう??」
スカートの裾から忍び込んだ健志の指が彩のオンナノコを守ることを放棄したプラチナチェーン下着に触れながら割れ目を擦ると呆気なく泥濘に没してしまう。
ニュルニュル、グジュグジュッ……「ウッ、ウグッ、イヤァ~ン」泥濘に侵入した指が膣壁を擦ると離れたベンチで淫猥遊戯に耽るカップルや通りを気にすることも忘れて悲鳴にも似た喘ぎ声が道路脇の公園内に響く。
「彩……」
「えっ、恥ずかしい」

そんな彩に触発されたカップルは負けじとばかりに大胆さを増し、ファスナーを下ろして摘まみ出したペニスを擦っていた女はパンツごとズボンを膝まで下ろして彩を見つめ、髪を掻き揚げながら唇に舌を這わせてパクリと口に含む。
ウグッウグッ、ジュルジュルッ……それほど広くないとはいえ、昼間は母親に連れられた子供たちが嬌声を上げて走り回るのに十分な広さがある公園の離れた位置では聞こえるはずのない淫靡な音が彩の耳を刺激する。
プファッ~、女の口で逞しく育ったペニスは解放されて宙を睨み、見つめる彩はゴクッと唾を飲む。
「彩、ぶっといチンポが欲しいのか??我慢しなきゃダメだよ。今日の彩はオレの愛する娼婦じゃなく淑女タイムの延長なんだからね」
健志の指はスカートスーツを擦り、今はエロイ彩になる時間じゃないよと言葉をかける。
「健志に会う時はいつでも娼婦になる準備が出来ているんだよ、知らなかった??クククッ」

股間で熱り立つ怒張はフェラチオの名残りをとどめる先走り汁と唾液交じりの滑りが灯りを反射して妖しく輝き、男の獣欲が沸点を超える。
離れた処で見つめる彩と健志にも男の昂奮が伝わるほど激しく女の唇を貪り、手の平が女の肌を這い回り、シャツの裾を捲り上げて夜目にも白い肌を剥き出しにする。
女は嫌がる様子もなく彩を見つめて胸を突き出し、宙を睨むペニスを握った手は艶めかしく上下する。

彩と健志の視線を気にするどころか、見られる快感に酔いしれる二人の恥戯は激しさを増し、女は下乳だけではなく膨らみの全容を曝して白い喉を見せて仰け反り、男は自らの手でズボンを膝から足首まで下ろしてしまう。
そんな二人を見る彩は新たな人が公園に入って来ないかと気が気でない様子で二人と公園の入り口に交互に視線を走らせる。
「ハァハァッ、熱いの。心臓が飛び出しちゃいそう……ねぇ、触って確かめて」
彩の声は上ずり平静ではいられないことを隠そうともせずに健志の手を取って左胸に誘導する。
「こんなになっちゃ苦しいだろう。胸が破裂しそうなほどドキドキしているのが判るよ」
「英子にちょっかい出さないかと心配したのは杞憂だった。ご褒美で夕食に付き合ってあげたら、こんな事に……健志とは身体の付き合いだって証明されたようなモノね、嬉しい??」
「嬉しくはないけど彩を失うよりはいいよ……見てごらん。女性の下の口がソーセージを食べちゃった……オレたちに見られたいんだろう。行くよ……」
「えっ、何処へ行くの??」
立ち上がった健志は彩の手を引いて恥戯に耽る二人に近付いていく。

「ここに座ってもいいですか??」
手を伸ばせば届くほど近くにあるベンチを指さした健志が問いかけると、
「ハァハァッ、こんな格好で失礼します。どうぞ、気持ち善いことと楽しいことは分かち合った方がいいですからね、大歓迎ですよ。なぁ、そうだよな??」
「ウッ、クゥッ~、そばに人が来たからって興奮するから……アンッ、いぃ、たまんない……ねぇ。お姉さん、おねがいがあるんだけど」
「私に出来る事なら。何をすればいいの??」
「彼の言う通り見てもらいたいのに私のスカートとシャツが邪魔で良く見えないでしょう??お姉さんのように素敵な女性に見てもらいたいの。見てくれるでしょう??」
「見てほしいのね。分かった、見てあげる。彼のオチンポに掻き回されて嬉し涙を垂れ流すオマンコを見てあげる」

健志の身体に隠れるようにして覗き込んでいた彩は立ち上がって二人に近付き、スカートを摘まんで大胆な言葉を口にする。
「一旦、結合を解いてくれる。見たところノーパンのようだからスカートを脱がせば、もろ見えになるでしょう。幸いにも公園の入り口からは立木が邪魔で見えそうもないし」
「ハァハァッ、お姉さんは上品な顔をしてすごいことを言うね。つながりやすいようにフレアスカートで来たけど、いいわ、脱がせてちょうだい」
男に頼らず、女は自ら結合を解いて立ち上がり、スカートを掴んだ彩が下ろしきるのを息を荒げて待っている。

彩―隠し事 359

余波 -16

夫が泊りなので誘ってくれという彩の言葉に相好を崩した健志は、表情を引き締め、
「彩、どうだろう、明日の出勤にはオレンチの方が近いから泊っていきなよ」
「そうだなぁ、旦那は泊りだし確かめたいこともあるから泊めてもらっちゃおうかな」
「タクシー乗り場に戻ろうか」
「歩くと20分、走ってくれば約10分でしょう??歩きたい…早く聞きたいこともあるし」
健志の部屋に戻ってから深刻な状況になるのは嫌なので確かめたいことは歩きながら問いただしたいと思う。

左手で健志の右手をつつくと躊躇うことなくギュッと握ってくれて歩き始める。
前を見たまま彩に視線を送ることなく、何か買い物はあるかと聞くので、何もないと答えると、そうかと言ったきり握る手に力を込める。
「痛いよ。怒っているみたい……泊めてくれと言ったのが気に入らないの??」
「ごめん、嬉しいに決まっているだろう。英子さんとのことをどう話そうか考えている」
「考えることはないよ。色っぽかった??抱きたいと思った??その二つを知ればいい」
「それなら簡単だ。英子さんのヌードは見ていないし抱きたいと思っていない。嘘じゃない」
「素人とはいえエロビデオ女優の一糸まとわぬ姿を目の前で見たり触ったりするチャンスだったんだよ、見なかったって言うのを信じると思う??」
「信じてもらうしかない。彩よりも大切な人はいない、嘘じゃないよ」
「ふ~ん、グラスを持って窓際に立っていたのは見ないために部屋を出た。そして、採寸を終わった英子を駅まで送って後姿に手を振っただけだって言うの??」
「えっ、どうして知っているんだよ??……監視していた??」
「悠士さんの店の前にカフェがあるでしょう。駅前はアチコチに見張り用のカフェがある。尤も、二人が悠士さんの店に入るところから見張った訳じゃないから英子のハダカンボを全然見ていないかどうかは分からない」
「信用してもらうしかないな。それより、彩以外の女性に惹かれることを気にして、嫉妬もほんの少しは混じっている??」
「いけないの」
わざとらしく怒った振りをする彩を愛おしく思う健志は歩く人たちを気にすることなく抱き寄せて額にチュッと唇を合わせる。

「イヤッ、こんな中途半端なのは嫌。彩が好きなら、分かるように態度で示して」
言葉は震えて語尾は掠れ、隠しようのない欲情が健志を刺激する。
「ここで??オレは構わないけど、彩は通勤着のままだし誰が見ているか分からないからまずいだろう」
「えっ、そうだね、ごめんなさい。DVDを見て興奮した英子のハダカンボを見る前後に二人きりになる時間があるから心配して変なことを想像していたけど杞憂だった。安心したから興奮しちゃった」
「今日は激しいことはできないから、帰り道で彩の興奮を冷ましておこうか」
「イヤァ~ン、いつかのように暗い公園でハダカンボにされちゃうの??エッチな健志に付き合いきれないよ」
言葉とは裏腹につなぐ手はジットリ汗ばみ、息を荒げて身体を摺り寄せる。
そんな彩の手を引いてコンビニに入った健志は、
「マンゴーアイスバーでいい??」

封を解くことなく彩の手を引いて公園に入った健志は通りに面した入り口が見える位置のベンチに腰を下ろす。
昂奮を冷まそうと言ったのはアイスバーを食べる事かと拍子抜けした彩は、公園に入ると動悸が激しくなりベンチに座ると卑猥な想い出と共に妖しい妄想で身体を熱くする。
「このベンチは座ったままつながった場所じゃない??向こうのベンチでカップルがエッチしていた。ねぇ、そうでしょう??」
「そんなこともあったけど今日は誰もいないよ。アイスが融ける前に食べよう」
二人がアイスバーを食べ終わる頃、視線を外さずにいたベンチにカップルが座る。
「えっ、来ちゃった」
「ほんとうだ、どうする??」
「あの二人次第ってことにしない??始めたら彩たちも……何もしなければこのまま帰る」
「面白そうだけど、彩の明日に影響しないか心配だなぁ」

二人が座るベンチは愛を語り、堪えきれない欲望を発露しても立木が公園灯を遮るために薄暗くすべてを見られるわけでもないが、彩の視線の先にあるベンチは注意深く見れば表情さえも分かるほどに明るい。
そんなことを承知しているはずのカップルは彩と健志を誘うかのように顔を逸らすことなく、互いの身体をまさぐり始める。
男の手が頬を擦り、唇を合わせて遠目にも濃厚なキスを始めると全身の緊張を解いた女の手が男の腿を擦り徐々に股間に近付いていく。

決して広くはない公園と言えど、聞こえるはずのない吐息や喘ぎ声が耳をくすぐるような感覚に捉われる彩は身体の芯から湧き上がる獣欲を持て余す。
「ねぇ……いいでしょう??」
目を閉じて顎を突き出す彩に手を添えた健志が突きだした舌で唇をつつくと、ハァハァッと息を荒げて舌を突き出す。
楕円形の公園の対角線の位置にいるカップルを意識する二人の舌は宙で戯れ、彩の手は健志の股間に伸びて健志の手は上着をはだけてブラウスのボタンを一つ、また一つと外していく。
スカートからブラウスを抜き取り、すべてのボタンを外してもはだけることなく凝視するカップルを焦らす。
「ウフフッ、悪い男。彩の肌が見えないから、あの二人は焦れて……ほら、見て」

ズボンのファスナーを下ろして宙を睨むほどに屹立したペニスを握った女の手は妖しく上下する。
そんなカップルを視線の端に捉えて舌先が彩の口をつついて催促すると赤い舌が宙に踊り、そのまま健志の口に吸い込まれる。
舌を引き抜こうとすると健志の唇は固く窄み、舌と唇の粘膜がこすれ合う感触が股間を刺激する。

彩―隠し事 358

余波 -15

駅に戻った優子はこのまま帰るか否か一瞬の逡巡の後、二階にあるカフェに入り駅入り口を見渡せる窓際の席に座り、コーヒーを飲みながら駅前のロータリーに入ってきた路線バスやタクシー、送迎の車や歩道を歩く人、そこかしこに佇む人待ち顔の人たちに視線を巡らす。
目の前に広がるこの場所は、夜の帳が降りた健志の部屋から見る煌びやかに輝く夜景の一部を作り、この街に集う人たちの妖しい欲望を飲み込んでしまうエネルギーを隠している。
待ち合わせらしい人たちは相手が来ると一人、また一人といなくなり、新たな人が同じ場所で時刻を確かめて彼方此方に視線を巡らし待ち人を探す。

時刻を確かめてはイライラした様子で周囲を見回す女性が気になり始める。
時計を見たり周囲に視線を巡らしたりする回数が増えてその間隔も徐々に短くなり苛立ちが周囲にも伝って近くに居た人が遠ざかり、遠巻きに様子を盗み見る。
そんな様子を見つめる優子は自分もそんな風になっていないかと気になり、目を閉じて大きく息を吸い込み、わずかに口を開けてゆっくり吐き出す。
深呼吸を繰り返して平静に戻った優子が目を開けるとロータリーに入ってきた車から栞が降り、車を挟んで立つ健志が後姿に手を振って見送くる。
悠士の店ではハダカンボになった栞の採寸に立ち会わず、ここでもまた食事に誘うこともなく見送る健志に安堵してスマホを手に取ると健志を呼び出す前に栞から着信が入る。

「もしもし、栞??もう終わったの??」
走り去る車を見ながら何も知らぬ風を装って話し始める。
「うん、終わったよ。デザインも決めて旦那様の誕生日に間に合わせてもらえるように健志さんも頼んでくれて助かった。ありがとう」
「私は何もしてないよ。それより、今は何をしているの??」
「フフフッ、健志さんと一緒じゃないかと心配しているでしょう??大丈夫、駅まで送ってもらって別れたところ。私はもうすぐ電車に乗るよ」
「そうなの……心配はしていなかった、本当だよ。続きはまた明日ね、バイバイ」
車はとっくに視界から消えて、周囲にも分かるほどイライラしていた女性の恋人らしい男性が現れると満面の笑みで飛びつくようにして腕を取り繁華街の方向に歩いていく。

手の中のスマホを見つめ、ホテル泊りだと言った夫の言葉を思い出すと指は自然と健志を呼び出す動きをする。
「もしもし、もう終わった??」
「終わったよ。英子さんを駅まで送って、もうすぐ帰り着くところだよ」
「そうなんだ……夕食は食べちゃった??」
「適当に作るかどっかに食べに行くか思案中。彩は何をしているの??」
「帰宅途中……ねぇ、もしもだけど、食事相手が欲しいなら途中下種してもいいよ」
「嬉しいな。車を駐車場に入れたらすぐに戻るから、オレが駅に着くのは20分後、改札口で待っているよ」
「20分なら彩の方が早く着くと思うよ。待っているから急いでね……」

「ハァハァッ……10分で来たけど待った??ハァハァッ……」
「走ってきたの??急いでと言ったけど20分くらい待つのは平気だから何も走らなくてもよかったのに……それとも、彩が誰かに誘われてフラフラついていくと思った??」
「オレよりも好い男が誘ったのかよ……どいつだ、ぶっちめてやる」
「誘いを断るとタクシーに乗ってどっかに行っちゃった……クククッ、ざんねん。彩を取りっこするために魅力的な男性が二人、人目も憚らずに決闘するなんて、想像するだけでゾクゾクするし女冥利に尽きる」
駅構内であらぬ妄想に耽る二人を避けて通りすぎる人たちを気にする様子もなく言葉遊びに興じる内に健志の息遣いは平静に戻り、額に浮いた汗を白いハンカチで拭き取った彩はチュッと唇を合わせる。
「ありがとう、何を食べようか??急ぐだろう??」
「任せる。健志の地元だもん」
「分かった……運動の後は良質のたんぱく質補給ということで鶏料理にしよう」
豪華なディナーを期待したわけではないけど、釣った魚に餌はやらぬということで焼き鳥なのか、それとも気取る必要のない仲になったと喜ぶべきなのか、彩は健志の表情を覗き見る。
「どうした??オレの顔に何か付いている??」
「彩が愛するのは夫が最後だと思っていたけど、ウフフッ……焼き鳥やさんに早く行こうよ、お腹が空いた」
腰に添えられた手の温もりがスカート越しに微かに感じられ、仕事のためにホテル泊まりになった夫の顔を振り払って健志の腕に手を回して身体を預ける。
店は入り口も堂々として彩が知る焼き鳥店と同じようには見えない。
「いらっしゃいませ。あいにくと個室の空きがございませんのでテーブル席にご案内いたします」

鶏肉の梅肉和えを食べた彩は、お通しがこれなら十分に満足させてくれると、釣った魚に餌はやらぬと考えているのかと思った自分を恥じる。
魚介刺身や鳥刺しと共に飲む冷酒が身体の隅々まで届く頃には能弁になっていたが、悠士の店で栞の裸体を見なかったのかと問いただすには周囲の客が気になり話題にできない。
砂肝やせせりを使った料理が冷酒を飲むペースを速める。
「彩、ピッチが速いよ。味わって飲まないと酒が悲しむよ」
そんな健志の言葉に、これくらいの酒で酔っぱらうことはないよ。亭主がホテル泊まりだといつ告げようかと考えているんだから察してよねと言う言葉を飲み込む。

鶏すき鍋を食べ終えてデザートも終わると空になったグラスを示して、
「カクテルを一杯飲みたいな、ダメ??」と首を傾げる。
「もう9時近いけど大丈夫??」
そんな言葉を聞きばしてニコッと微笑むと、しょうがねぇなと言いたげに口元を歪めて、しかし嬉しそうにカシスソーダとジントニックをオーダーする。

両手でグラスを弄りながら視線を合わせることなく、
「今日は夫が帰って来ないの……泊まれよって言ってくれる??」
話し終えた彩は視線を外したままカシスソーダを飲み、見つめる健志は赤い液体が口腔に吸い込まれていく様にドキッとして唾を飲む。

彩―隠し事 357

余波 -14

「もしもし、分かる??」
「大好きだよ、彩……」
いつものように、彩、大好きだよという言葉を聞いて相好を崩した優子は、愛するという言葉ではないことに不満が残るものの、未だ浮気をしている夫を嫌いになれない彩を慮って愛していると言わないのだと好意的に受け取る。
英子との待ち合わせ場所と時刻を告げた優子は、
「二人きりになってもエロイ気持ちになっちゃダメだよ」と冗談めかすと、
「彩は来ないの??」
「行かないよ。英子のスッポンポン姿を見たいと思わないもん。彩がいないと寂しい??」
「当然だろ。いつでも望めば会えるわけじゃないから数少ないチャンスだと思ったんだけどなぁ。まぁいいや、我慢するよ」
「ウフフッ、大好きな人の言葉は脳がビリビリ反応する。スマホから息が届くわけがないのに、耳を愛撫されているような気がする……英子のこと、よろしくね」

「優子たちの電話は楽しそうだね。こんな風じゃ会えない時は寂しくない??」
「浮気に邁進している夫でも夫は夫、嫌いになれないしね。健志と会いたいけど我慢するのも性欲が昂ぶって……会った時の、ウフフッ、最高」
「気持ちいいセックスのために我慢しているんだ。セックスが目的のセフレってヤツなんだ、ふ~ん」
「私はそれでいいと思っているんだけど……」
「健志さんはセフレってことだけじゃなく優子…違った、彩は愛されているの??」
「私の勘違いかもしれないけど……そんなことより、待ち合わせ場所と時刻をメモしたよ。健志は場所を知っているから間違えることはないし栞を見つけてくれると思う」
「健志さんがいるからいいけど、優子は本当に一緒に行ってくれないんだね」


「今日も頑張ったなぁ……私のお給料ってもう少し多くてもおかしくないと思うけど、愛美はどう思う??」
「えっ、決定権のない私に聞かれても困ります。でも後輩の私が生意気なことを言うようですが、鍬田さんが安心して仕事をできるのは深沢さんがいるからだと思います」
「うんうん、褒めてもらうのって気持ちいい。これから人に会うんだけど幸先が良くて気分最高……バイバイ、また明日ね」
愛する夫へのプレゼントのためとはいえ初対面の男の前で一糸まとわぬ姿を晒す憂いを宿す様子もなく栞は意気揚々と退社する。

栞がというより健志が誘惑に惑わされないかと気になる優子は後を追うように退社して駅に向かう。
彩と付き合うようになった健志はSMショークラブのオーナーであるカヲルとの男女の関係を絶ったといい、それは嘘ではないと思うがAVデビューした英子の痴態を想い出しても欲情を催さずにいられるか不安になる。
いつもの帰路と同じ方向の電車に乗った優子は気持ちを抑えることができず、健志の最寄り駅で降りる。
仕事の打ち合わせで何度か訪れた会社は駅を挟んで反対側にあり、健志の住むマンションと反対方向に歩いて悠士の店を目指す。
夜になると集う人たちの欲望を飲み込んで煌びやかに着飾るこの街も夕方ということで妖しい陰を作ることも出来ず、猥雑な看板が夜の賑わいを想像させるだけとなっている。

悠士の店の近くの駐車場で健志の車を見つけると、あらぬ妄想が脳裏をよぎり心臓が早鐘を打ち、息苦しくなって口を閉じることができなくなり乾いた唇に舌を這わせて滑りを与える。
時刻を確かめた優子は、健志と悠士の前ですべての衣服を脱いで胸の膨らみも股間も隠すことなく曝した栞の姿を想像する。
二人の男の手が栞の肌を這い回り、ゴールド製下着のデザインを検討することを言い訳にして卑猥な欲望を満たそうとする。
元々、性的欲求の強い栞は男二人の卑猥な想いをすべて受け止めて嫌がる風もなく、嬉々として身体を突き出し甘い声で二人の股間を刺激し、健志は欲望を露わにして尻を揉み胸の膨らみの先端を口に含もうとする。
そんな光景を妄想する優子は目を閉じて首を振り、
「そんなことをすると絶交だからね」と、独り言ちて唇を噛む。

悠士の店を見渡せる位置にカフェがあることを想い出した優子は速足で向かい、窓際の席に座る。
悠士の店を見ることが不安で店内に視線を巡らし、ぐるりと一周すると最後に視線の端にアクセサリー.銀細工の看板が見えて思わず天井を睨む。
うん??……独り言のように呟いて悠士の店の窓に視線を戻すと、グラスを手にして窓際に立っている健志が見える。
「間違いない。健志は栞を送り届けるだけで採寸の場に立ち会っていないんだ」

「何かおっしゃいましたか??」
「あっ、ごめんなさい。独り言です。コーヒー、いえ、レモンスカッシュをください」

「お待たせいたしました。レモンスカッシュでございます。ごゆっくりどうぞ」
「ありがとう」
グラスの中でシュワシュワと立ち昇る泡を見ていると、
「最近はこれが気に入っている」と言って健志が勧めてくれたシードルを想い出して頬が緩み、一口飲むと可憐な少女が女になる切っ掛けを与えてくれた先輩の顔が甘酸っぱい想い出となって蘇り、健志のことを考えながら初めての男を想い出す淫蕩さに子宮が疼く。

「もしもし、どうしたの??」
「まだ会社なんだけど、今日は遅くなりそうだからホテルを予約したんだよ。連絡が遅くなってごめんね……うるせぇな、俺は君たちと違って愛妻がいるから連絡しなきゃいけないんだよ……同僚が揶揄うんだよ。そういうわけで、ゴメン」
「遅くまでご苦労様。私のことは気にしなくてもいいよ。身体に気をつけてね」
昨日、自宅に持ち帰った仕事の打ち合わせだろうか……私のことは気にしなくていいどころか、二日でも三日でも泊りになってもいいよと思う自分に苦笑いが浮かぶ。
夫が帰って来ないと分かった優子は窓越しに見える健志に、
「英子のハダカンボを見ないのはえらいよ……ウフフッ」
物憂げな健志の様子に頬を緩め、足早に駅に向かう。

彩―隠し事 356

余波 -13

英子のオンナノコに挿入したままの二本の指で膣壁を擦りながらベッドに置かれたスマホを見つめる彩は、
「英子のように悪い妻を愛するご主人が可哀そう……私を大切にしなさい。ご主人の言いつけを守るんだよ…クククッ、好いご主人だね」
「世の中の多くの人と同じで旦那様も優子のことを見誤っている。こんなにスケベでエッチ大好き女なのに、真面目で清楚な人妻だって……悪い女」
「あら、そうなの??私は人見知りするし集団の中で自己主張するタイプじゃないから他人の評価は信じるよ」
「私と優子は同じ穴の狢。優子を知る人は清楚で貞淑、仕事も出来る好い女と言うけど、浮気相手に極太オモチャを突っ込まれて嬉し泣きする彩という別人を隠している。私は優子ほど上品で清楚な女と思われていないかもしれないけど、それでもAV女優の顔を持っているとは思われていないはず」
「クククッ、間違いない。栞と優子は昼間の親友、夜になると英子と彩に変身してエッチな親友になる」
「それに、これまでSMショークラブやAV撮影の現場見学などエロイ処に案内したけど、今度は優子が私をエロイ店に連れて行ってくれるんでしょう??楽しみ……イヤンッ、気持ちいい」
英子を跨いだまま指先をクネクネ蠢かして膣壁を擦ると喘ぎ声を漏らして股間を突き上げる。

そんな英子に頬を緩める彩は男性のように射精というゴールがないために止める切っ掛けを掴めず、指を挿入したまま逡巡する。
そんな彩の様子を察した英子は、
「ねぇ、優子、健志さんを借りても怒らない??」
「うん、信用しているよ。栞は親友だもん。悠士さんって言うんだけど健志と同じマンションに住んでいる友達。本職はアクセサリーなどの銀細工師さんで色々細かいオーダーも聞いてもらえるよ」
「うん、優子と健志さんに参考になる話を聞かせてもらったから、それをベースに希望を伝える積り……ウフフッ、旦那様の悦ぶ顔を想像すると彩の愛撫じゃ物足りなく感じる。ゴメンね」
「仲の好いご夫婦のようで、ごちそうさま」
淫猥遊戯を止める切っ掛けを与えられた彩は指を抜き取り、ポッカリと残った洞に唇を合わせてズズッと滴る蜜を吸い取り、ベロリと舌を這わせて残滓を舐め取る。
「きれいになったけどシャワーを使いたい??」
「ガサガサ動き回ると何をしているのかとご主人が不審に思うかもしれない。どうしようかなぁ……」
「じゃぁ、これを使おうか」
「携帯用ビデ……なの??ねぇ、健志さんに苛められて善がり啼きしたことを想い出して独りエッチした後、ご主人を憚ってこの部屋で処理していたの??」
「当たらずとも遠からずかな……想い出してってだけじゃなく、こんな風にされたら興奮するだろうなって妄想も、ウフフッ、出来そうもないことの方が多いけどね」
「エロイなぁ、想像以上にスケベな女。今度、妄想オナニーするときはAV撮影をイメージしてみてよ。すごく昂奮するシーンがあれば教えてね、次回作の参考にするから」
「どうかな、約束はしないよ。AV出演を妄想できるかどうか自信がないもん」

ベッドを降りた優子はクローゼットから取り出した洗面器を跨ぎ、携帯ビデで股間を洗浄して、
「さっぱりした。どうぞ……」と栞に場所を譲る。
栞もまた洗面器を跨いでビデを股間に向ける自らの格好に羞恥を覚えて背を向け、グッショリ濡れる花蜜を洗い流す。
「独りエッチの後始末の準備まで用意しておく優子は私よりもエロイ。完全に負けた……健志さんとは別腹でご主人に甘えればいいのに」
「他所で他の女にナメナメしてもらってアソコにぶっこんだオチンポをオシャブリする気にならないよ。今のままじゃ、ムリムリ」
「秘密のオチンポがあるしね。私にも教えてくれなかった隠しオチンポ。ねぇ、満足している??」

改めてパジャマを着た優子は嫣然と微笑んでベッドに上がり、栞もまた眠る準備をする。
「言っとくよ、栞。英子と彩ゲームは終わり。変なことをしちゃダメだよ」
「分かった、何もしないで寝るって約束するから、お返事は??優子の答えを聞かないと眠れない」
「満足しているよ。健志に会う前の二倍かな……今では少し疎遠になっているけど、主人もいるし健志もいる。これが答え、おやすみなさい」
「ふ~ん、分かった。仕事は順調、親友の私との仲はますます親密になってきているし、浮気をしているご主人とは付かず離れずの関係だけど、いつか元鞘に戻る。そして仕事中も抱き続けてくれる健志さんがいる幸せな女……でしょう??」

栞は隠し事もなく私を信じてくれているように感じるけれど、私は栞に対して以前よりも身軽になったものの、まだ秘密が残っている。
健志の存在を明かしたことで十分だろう。それ以上の事は必要があれば話すし、意識してすべてを話すつもりはない。
そんなことを考えている内に優子は睡魔に屈して夢の世界の住人になり、気持ちよさそうな寝息に頬を緩める栞もまた瞼の重みに耐えきれなくなる。

「おはよう。朝食の用意が出来たよ」
前日、健志も交えた三人で、個室居酒屋で夕食を終えたのち衣服をすべて脱ぎ捨ててプラチナチェーン下着を見せ、帰宅後、夫が仕事をしているのを承知で淫猥遊戯に耽ったことを忘れたかのように屈託のない笑顔で栞を起こす。
「おはよう……えっ、もうそんな時間なの。ご主人は起きている??」
「大丈夫、仕事の仕上げは会社でなきゃダメだと言って朝食を頬張りながら出かけたよ」
急ぐ夫に合わせて用意したスパムと卵焼き、キュウリやアボカドなどの、おにぎらずで手早く朝食を済ませた二人はマンションを後にする。

優子がリーダーを務めるプロジェクトメンバー全員参加してのミーティングも終わり、昼食を摂りながら健志に連絡を入れる。
プロフィール

ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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