禁断
「ほんとに来ちゃったよ、いいの??」
「よく来てくれたね、嬉しいよ」
新大阪駅の新幹線ホームで下車した女からバッグを受け取った男は笑みを絶やすことなく抱き寄せて頬を合わせ、階段を下りて在来線ホームに向かう。
「今更だけど、無理してない??」
「大丈夫だよ、この間、アユを怒らせちゃっただろ。あの時は今日の事が頭にあったんだよ」
「そう言ってくれればよかったのに、あの時は一瞬だけどあなたの事を信じられないと思っちゃった。ごめんなさい」
「いつか、一度でいいからあなたとお泊りしたいな」
「そうだな、いつって約束できないけど、一泊でホテルに行こう」
「ディユースじゃなくて??」
「もちろんだよ。温泉でもいいよ」
「嘘、そんな事を言うあなたは嫌い。あなたは、夜、絶対に奥様のところへ帰る、たとえ奥様が留守の日でも帰るでしょう。寂しいなって思うけど、決めたことを守るあなたを信用できた」
「…………」
「何か言ってよ。守れない約束をする人は信用できないし、大嫌い。好きな男の言うことは信じたいの、嘘って分かっていても信じるのが女なんだよ。あなたは守れない約束をする人じゃないと思っていた……嫌い、信じられなくなった。帰って、もう会いたくない」
男は立ち去り、残っているのは置いていった合鍵だけ。
二か月ほど前の行き違いを思い出す。
女から出て行けと言われた男は言い訳一つせずに合鍵を残して部屋を去り、数日後、女の会いたいという連絡で仲直りできた。
「妻が一緒に行くと言い出す可能性を否定できなかったからなぁ……一旦約束をして、後日、あれはダメになったとは言えないだろう??」
「うん、今は分かりすぎるほど分かる。ごめんね、あなたの気持ちを理解できなくて、違う、何があっても信じることが出来なくて……電車に乗るの??」
「そうだよ、一駅だけどね」
新大阪駅15番ホームで待つ間もなく滑り込んだ電車に乗り、次の大阪駅で降りて駅から出ることなくデパートの入り口に並ぶホテルに入りチェックインする。
友人のお嬢さんの結婚披露宴に招待された男が、大阪で一泊するからアユも来ないかと誘ってくれたので半信半疑のまま泊りの準備をして新大阪駅に降り立ち、ホテルのロビーで感慨深げに周りを見回す。
「ありがとう」、「ごゆっくりお過ごしください」
部屋に案内してくれたベルボーイに礼を言い、挨拶と共にいなくなるとアユは窓際に近付いて眼下に広がる大阪の眺望に目を見張り、スゴイと感嘆の声を漏らして表情に喜色を残したままベッドに飛び乗り、落ち着く間もなくバスルームを覗く。
「いやらしい、私が一人で入っていても、あなたは見ることが出来る。ガラス張りでカーテンがない」
「おや、アユは独りで風呂に入りたいのか。オレは当然二人で入るものと思っていたのに、残念だなぁ」
「いじわる。二人で入るに決まっているでしょう……そうだ、それより結婚式はその恰好で行ったわけじゃないでしょう??着替えやそのほかの荷物はどうしたの??」
「着替えも引き出物も、花嫁の父親にオレの実家に届けるように頼んどいた」
「えっ、そんな事をして大丈夫なの??私といることがバレない??奥様が私を知っているとは言え、私たちは世間的にマズイ関係でしょう??」
「大丈夫だろう」
「私は、あなたのような人を亭主にしたくない……ウフフッ、私も水商売の女。勉強も兼ねて大阪の夜をあなたに案内してもらおうと思ったけど予定変更でこの部屋から出ない事にする」
「そうか、明日、家まで送ってバイバイするまで何でも希望通りにするよ」
「なんでも私の希望通りにしてくれるの??」
部屋のあちこちを確かめるアユをソファに座ったまま目で追う男に近付き、腿を跨いで座り、瞳を覗き込む。
優しく微笑んだままコクンと頷く男を見ると無茶な要求も出来なくなるし、たとえ暫らくの間とは言え彼と離れていた時間の寂寥感を思うと必要以上の満足感を求める気持ちになるはずもない。
「少し早いけど、食事をしたい……その後は、少しだけ散歩して戻ってからは長い夜を過ごすために風呂に入るの、いいでしょう??」
男の首に両手を回して身体を支え、太腿を跨ぐ下半身を妖しく蠢かすアユは欲情を隠そうともせずに甘え声で囁く。
「いいけど、その前に……」
アユの頬に両手を添えて顔を近付け、一言も発することなく瞳を覗き込む。
心の奥まで見通すような視線に畏怖するアユが思わず目を閉じると、閉じた瞼にキスされ舌先が感触を味わうように瞼を這う。
アンッ、気持ち良さで思わず声を漏らすと、それを封じて唇を合わされ、左手が頬を擦り、右手は腰から太腿を撫でる。
アウッ、ウグッウグッ……気持ち良さに堪えきれずに崩れ落ちそうになる身体を支えるために両手を男の背中に回し、体重を預けて寄り掛かる。
アユの身体を抱きかかえたまま倒れるようにソファの肘掛けに頭を乗せ、チュッと音を立てて唇を合わせる。
「寝かせないよ。もう許してくれって言っても聞かないからね。アユの足指から髪の毛に至るまでオレの跡を残しちゃうよ」
「ほんとう??でも、身体だけなの??心にあなたの跡は残さないの??何があってもあなたから離れられない女になりたい……こんな事を言うと負担になる??」
「アユがそれで幸せかどうか不安に思うよ、正直に言うと」
「今日は優しさを欲しくない……今日だけでもいいから、ほかの事は考えないで、あなたの想い出で身体も心も満たしたい」
レストランフロアーに降りてアユの希望するフレンチレストランに入る。
早い時間帯ということもあって予約なしでも窓際の席に案内され、先ほど感嘆の声を上げたのと同じ景色を見ながらの食事に満足する。
その後、阪急三番街を歩き、
「何回か改装もあったけど中学から高校生の頃はよく来た場所だよ」
「遊ぶのは神戸じゃなかったの??」
「神戸の方が好きだったけど、同じ兵庫県と言っても神戸は乗り換え,梅田は乗り換えなしだからね」
ビルの屋上にある赤い観覧車は高い処が苦手という男の反対で見上げるだけにする。
「このホテルで幼馴染のお嬢さんが結婚式と披露宴をしたんだよ」
ヒルトンホテルに併設されたヒルトンプラザでウィンドーショッピングを楽しみ、地下街を通じてホテルに戻る。
「お風呂の用意をするね。汗を流したいでしょう」
男を見つめるアユの瞳に淫蕩な光が宿る。
栞がお泊り-6
その後も課長との不倫を嬉々として話す栞は遠ざかる記憶を引き戻そうとするように細部に及び、熱を帯びる事はあっても優子を相手に恥じる様子はない。
優子はそんな栞を羨ましく思う。
人目が気になるし目立つことを好まない性格から健志との関係をあくまで秘密にしておきたい優子は誰にも話す積りはないものの、夫との性生活が途絶えた今、妻と言う立場を忘れて自分の魅力を引き出してくれる男がいる事をさらけ出したいと思う事もある。
「鏡の中の自分を見ながらオナニーする気持ちはどうだったの??恥ずかしかった??それとも、見て見てって言っちゃったの??」
「最初は恥ずかしかったんだけど、途中から鏡の中の自分が他人のように思ええてきたの。その他人は私が昂奮すればするほどエッチな事をするんだよ。アソコが、ヌチャヌチャって粘り気のある音を立てると一層激しく指が蠢くの……私の言うことはおかしい??」
「うぅうん、おかしくないよ。鏡の中のエッチな女性を見て昂奮するんでしょう??……恥ずかしい姿を見られているから昂奮するって事は、それを客観的に見ているもう一人の自分がいるからだと思う。私には経験ないけど分かるような気がする」
ヌチャヌチャ、クチャクチャッ……鏡の中でオナニーする栞の股間は溢れる蜜と激しく蠢く指が卑猥な音を奏で、しどけなく開いた口が切れ切れに歓喜の声を漏らし、足指を伸ばしたり曲げたりして襲い来る興奮を隠しようもない
股間で屹立するモノを掴んでしごき続けていた課長はベッドに上がって枕を椅子代わりにして座り、背面座位でつながろうとして栞の腰を掴んで引き寄せる。
意図を察した栞は課長に背を向けて鏡に見入り、緩々と腰を下ろして中腰になり怒張を摘まんでバギナに擦りつける。
ウッウッ、クゥッ~……ヌチャッ、ニュルッ……バギナとペニスを十分に馴染ませ、ゆっくりと腰を下ろしていくと宙を睨む怒張が姿を消していく。
ズブッ、ズズズッ……ハァハァッ、すごい……鏡の中を凝視する栞が目にするのは陰毛を掻き分けて怒張が蜜の源泉に押し入る様子であり、無残に押し広げられたバギナが嬉し涙を流して奥へ引きこもうとしてウネウネと蠢くさまである。
「くぅっ~……ウグッ、ヒィッ~……くるっ、すごい。大きいし熱い……私の口マンコでは満足できなかったの??」
「栞君を相手にして若返ったような気がするよ。私の指や肌を優しく弾き返すかと思えば、吸いこまれそうに感じるほどピタリと馴染む若々しく躍動する肌に私は年齢を忘れてしまいそうだよ」
「うそっ、課長はワル。遊び慣れたワルイ男、純情な人妻をあっという間にとりこにする嫌な男」
「クククッ、栞君が純な人妻って言うのはどうかと思うが、まぁ好いだろう。私はワルイ男か……魅力的な女性にそう言われるのは光栄だよ」
仕事中と同じように栞君と呼ばれたり、あるいは栞と呼び捨てにされたり名前の呼ばれ方でも気持ちを翻弄される栞は、身体も心も自在に操られる心地良さに酔いしれて男らしい胸に背中を預けて陶然とする。
背面座位でつながり自在に動く課長の両手は脇腹を擦って乳房を揉みしだき、クリトリスや結合部を弄って休む間もなく動き回る。
可愛いとか魅力的な女性だとか栞の心を蕩かせる言葉を囁きながら耳元に息を吹きかけ、首筋に舌を這わす。
枕とベッドのクッションを利用して下から突き上げ、
「結合部を見なさい。私のモノが出入りする度に栞の流した嬉し涙がヌチャヌチャと糸を引くようでいやらしいな。淫乱主婦の栞君、私のチンポが好きだと言いなさい……言わないと抜いちゃうよ」
「いやんッ、スケベ。課長がこんなにワルイ男だと思わなかった……言います。言うから、もっと激しく……課長のオチンポで私のオマンコをグジャグジャに突き刺して啼かせて、課長が満足するまで遊んで欲しいの。ヒィッ~、いやぁ~ン、すごい、ウググッ、クゥッ~……」
鏡の中の結合部を見ながら卑猥な言葉を言わされたり、背面座位から四つん這いになって獣の姿勢で突かれたり水面に浮く木の葉が波に弄ばれて翻弄されるように被虐の情をかきたてる。
これまでの男たちとの火遊びの様に課長を相手に一度限りの浮気で済むかと自分に問いかけると、子宮を突かれ言葉で翻弄されるたびに身体の芯から沸き上がる熱い疼きに自然と涙が滲む。
愛する夫への贖罪の涙であり、課長との淫らな遊びで滲み出る悦びの涙でもある。
「ふ~ン、栞の事を信じているから説教がましい事は言わないけど、これからどうするの??」
「すぐには止められないと思う。夫には申し訳ないけど課長が悪いのじゃなく、私が悪いわけでもなく、感度の良すぎる私の身体が悪いだけ……ねぇ、そう思うでしょう??」
「そうか、そうなんだ。それが栞だよね……でも、ご主人が可哀そう。私が代わりに、お仕置きしてあげる。覚悟しなさい」
「ハァハァッ、いやんっ……冷たい……優子のアワビ酒も良かったけど、ワカメ酒も好いよ。飲んで……」
仰向けに寝かせた栞の乳房の谷間にスパークリングワインを垂らし、下腹部に向かって滴り落ちるのを舐め取ると息を弾ませて両足を重ねて息を弾ませる。
ワカメ酒を飲むほどのワインが残っておらず、ニヤッと不気味な笑みを浮かべた優子は、
「今はね、栞を悦ばせる時間じゃないの、お仕置きタイムだって言ったでしょう……タオルを目隠し代わりにして顔に乗っけなさい。そうそれで好いよ、外しちゃだめだよ。両足を抱えてオマンコを開きなさい」
タオルを目隠し代わりにして視覚を奪った栞に両足を抱えて秘所を丸見えの格好にさせた優子は、
「動いちゃだめよ。怪我をしたくないでしょう??」
「えっ、なに??どうするの??・・・痛いことをしちゃ嫌だよ。優子を信じているからね」
課長とのセックスを赤裸々に語って昂奮したオマンコは滲み出た蜜で濡れそぼち、指先で滴りを掬った優子はワインボトルの先端に塗り付ける。
「ウグッ、アワワッ……冷たいし硬い。私の身体で遊ぶの??いやんッ、こんな事をされても気持ちいい。ヒィッ~、クゥッ~、ウググッ……」
アッという間もなくボトルの先端はバギナに姿を没し、栞の口からは予期していたかのよう憚りのない喘ぎ声が漏れる。
グチャグチャッ、ニュルニュルッ……ボトルの先端を飲み込んだバギナの下で密やかに息をする窄まりを見つめると自然と指が伸びて滑りを与え、力を込めるとアナルへ侵入していく。
長い夜を終えて朝を迎え、素っ裸のまま優子の胸に顔を押し付けて眠っていた栞は羞恥を浮かべて目覚めの時を迎える。
「栞、起きるよ。出勤の準備をしなきゃ」
軽やかな優子の声が栞の心の隅に巣くっていた卑猥な気持ちを取り除き、何事もなかったかのように出勤の準備をする
<< 続く >>
栞がお泊り-5・栞と課長2
頭に添えられていた課長の両手は昂奮のあまり髪を鷲掴みして栞の動きを封じ、喉の奥めがけて狂暴な満足の証を吐き出す。
「ウッウッ、ウゲッ、ゲボッ……あうっ、すごい……」
雄々しく濃厚な射精を喉の奥で受け止めた栞は身体をヒクヒク震わせ、栗の花の香りが身体中を駆け回る感触に酔いしれる。
目隠し代わりに被らせた下着を剥ぎ取った課長は、涙を滲ませる目汁に指を伸ばして拭い取り、
「こんな事をする私が嫌いになったか??」
左右に顔を振り、フグフグッと声を漏らす栞に、
「私が吐き出したモノを飲み込みなさい……その前に、口を開いて見せなさい……よしよし、可愛いぞ。よ~く、味わうんだよ、栞のために濃いのを用意しといたからな」
口を開けて口一杯に溜まった精液を見せ、意を決したように目を閉じて、ゴクッと音を立てて嚥下する。
「ウグッ……ハァハァッ、課長の吐き出したモノがすごいんだもん。濃いし熱いし量が多くて吐き出された瞬間、喉が火傷するかと思っちゃった」
蹲ったままの栞の脇に両手を差し入れて抱き起した課長は唇を合わせて濃厚なキスを交わす。
「ハァハァッ、好いの??匂いがするでしょう??」
膝に座らせられた栞は頬を朱に染めて、課長の瞳を覗き込む。
「栞が私の臭くて熱いモノを喉の奥で受け止めてくれたんだよ、気にする事はない」
両手の自由を奪うベルトの拘束を解いてベッドに上がらせた課長は椅子に座って、顎をしゃくる。
課長が示す先には鏡があり、ベッドに座った栞の全身が映っている。
「マゾの栞君なら私を楽しませるには、どうすれば好いか分かるね??思った通り動いてごらん」
スカートをたくし上げて膝立ちになり、鏡の中の自分を見つめて身体を揺すり、衣服をつけたままで乳房を揉んでスカート越しに股間に当てた手を上下する。
上下する手の動きにつれてスカートは一層ずり上がって下着が姿を見せる。
鏡の中の課長の視線が股間にくぎ付けになっていることに羞恥を募らせ、見られることに昂奮して下着が水気を帯びる感触に息を荒げて膝立ちの身体を震わせる。
ハァハァッ……膝立ちの姿勢が辛くなった栞はペタンと尻を落として、スカートの裾を整える。
栞の体勢が変わっても課長は股間を見続けることに変わりなく、まるで視線に犯されているようで愛液を滴らせるだけではなく乳首が硬く尖り始める。
課長は鏡の中の栞から生身の身体に視線を移し、栞が剥き出しの股間を見つめると口の中で爆ぜたばかりのイチモツは萎れてしまって猛々しさの面影もない。
「つまんない、私に魅力がないのかなぁ??」
言葉とは裏腹にがっかりした様子を見せない栞はスカートスーツのジャケットを脱いでキャミソール姿になり、ストラップに指を差し入れて肩を滑らせるような振りをして課長を挑発する。
「悪い子だな、栞君は……焦らされる私は満足したばかりなのに力が漲ってくるよ」
萎れたペニスを摘まんで数回擦ると言葉通りに昂ぶりを見せて竿部に血管が浮き上がり、狂暴で傲慢な姿に戻る。
黒々とした陰毛を掻き分けて勃起するペニスは猛々しく宙を睨み、擦る課長の表情に微かな笑みが浮かぶ。
栞を挑発するようにマスターベーションの動きを止めない課長を見つめてハァハァッと肩で息をし、笑みを浮かべる課長から逃れる術もなくスカートを脱いでショーツとキャミソールにストッキングを残すのみの姿になる。
優子の成熟した女性らしく柔らかな身体のラインと白い肌を羨ましく思う事もあるが、全体に引き締まり胸や腰、太腿など要所要所に脂肪を乗せた鏡の中の身体もなかなかのものだと思う。
「想像していた通り美味そうな身体だな。苛めがいがありそうだよ、次の機会をもらえるなら縄で縛って宙に吊り、口を犯してマンコやアナルも思うさま責めてみたいものだよ」
「うそっ、課長は変態じゃないでしょう??そんな事をされなくても私は課長のオモチャになれます」
「栞こそ嘘を吐いているでしょう??課長がそんな事をするの??ほんとうなの??」
「優子が課長を尊敬しているのは知っているけど仕事をしている時と、オチンポを丸出しの時は別人格。ワル、あんなワルはいないよ……私はワルが好き。スリルと満足を与えてくれる。次に会う時はラブホのSMルームで可愛がってもらおうかしら……アァッ~、想像するだけで昂奮する」
「ねぇ、栞。縛るって、どういう事??縄とかロープで縛ると痕が付いちゃわない??愛するご主人にバレちゃうよ」
「ほんとだ、考えもしなかった。それはまずい、だめ、絶対ダメ……さすがに優子、冷静な助言をありがとう」
私の脇腹に変な傷のような痕があるよと言った正体は縄で縛られた証拠だよとも言えず、苦笑いで誤魔化した優子は、
「課長相手の浮気を止めろとは言わないけど、気を付けてよ。栞も課長も二人とも失いたくないもん。W不倫がばれると会社に居づらくなるでしょう??」
「うん、気を付ける。優子はこれからも浮気する事はないね、ご主人の浮気が終わって仲直りできればいいね」
自然と浮かぶ苦笑いを栞はどのように受け取るだろうと思うと、自分だけの秘密を持つことが楽しくなる。
これまでの優子は清楚で上品な奥様と呼ばれることが多かった。それも栞にこの街の影の部分に連れていかれ、それを切っ掛けにして健志に会ってからは優子自身が昼間の存在なら夜の影を生きる場とする彩が生まれた。
彩を知るのは健志だけで、健志は優子を知らない。
健志以外の他人、たとえ栞にも彩の存在を話す積りはない。
ホテルのベッドで課長の視線を一身に受けながらストリップの真似事をした。
仕事中もそんな紐パンを穿いているのかと問われ、今日は金曜日、課長に抱いてもらう積りだったからショーツのゴムの痕を残すのを避けたかったと答えた時の嬉しそうな表情が忘れられない。
鏡の中の自分を見ながらオナニーして、内腿にまで滴る蜜が卑猥な音を奏でると栞の口から長く尾を引く喘ぎ声が漏れ始め、我慢や昂奮が沸点を超えた課長の黒光りする怒張に貫かれて朱に染めた身体を仰け反らせた。
髪を振り乱し、二人の肌から滲む汗さえもがエロティックな匂いを撒き散らせて羽化登仙の世界に導かれた。
呼吸が穏やかになり全身を包む満足感の中で二人は言葉にしないけれど、離れがたい思いを共有したと栞は言う。
栞がお泊り-4・栞と課長1
夫を愛していながら性的に奔放な栞は好みの男を見つけると、気持ちは拒否しても身体は我慢できずに恋の炎に火を点けてしまう。
男らしい潔さと清潔な身なりや風貌、相手が誰であろうと話し方に敬意を滲ませ、何よりも色気ある指先を持つ課長に一目惚れしてしまった。
課長には奥様がいるし栞にも愛する夫がいるものの、火の点いた恋心を抑える術はない。
課長という地位に就いても性別や年齢、経験によって課員を区別することなく、各人の持つ能力を正当に評価してやる気を引き出してくれる。
それでいて失敗しても一方的に責めることなく、任せた私にも責任があるからとリカバリーの方法を一緒に考えてくれる。
一目惚れで始まった恋心は仕事を通じて尊敬に変わり、必死に気持ちを抑えていたけれど、ついに禁断の一歩を踏み出した。
金曜日は会社近くのフィットネスクラブに通っていると聞いたことがあり、課長の帰宅時刻を見計らい偶然を装って路上で会うことに成功した。
その日は駅まで一緒に歩いて、翌日、調べたいことがあるので参考資料を探す助言をもらえないかとデートの約束をした。
昼食時のワインの影響かもしれないと体調不良を訴えて目の前のラブホで休憩したいと言うと、栞の真意をくみ取ってラブホじゃ申し訳ないから近くのシティホテルに部屋を取ってくれた。
「栞、課長を誘うのは、そんなに簡単だったの??」
「そうじゃないの、課長は見た目の謹厳実直さと違ってワル。遊び慣れたワルそのものなの……イヤンッ、そんな事をされたら……優子もワル、そんな事をして私をオモチャにするなんて、アウアワワッ、ヒィッ~」
優子との淫猥遊びや課長との想い出に昂奮して剥き出しになったクリトリスをダイコンピクルスでつつき、胸の膨らみの先端を摘まむと身体を捩って艶めかしい喘ぎ声を漏らす。
「栞は感度がいいね。羨ましい……続きを話しなさい」
「そんな悪戯をされたら話せない、気持ちいいんだもん……話すから悪戯は止めて、おねがい」
「分かった、お遊びは話し終えた時のご褒美にしようか」
「ホテルの部屋に入ると課長の態度は豹変して、Sの男に変身したの……思い出しただけで濡れちゃいそう」
ベッドに座った課長は、
「栞、跪きなさい。私に抱かれたいから昨日はフィットネスクラブからの帰りを待ち伏せしてたんだろう??」
「そんな、どうして分かるんですか??」
「栞は向かいのカフェで私を待っていただろう。二階のトレーニングジムの窓から丸見えだったよ……私のモノに挨拶しなさい。栞のアソコを犯してくださいと態度で示しなさい」
容赦する積りのない課長はベルトを緩めてズボンを脱ぎ捨て、下着姿になってベッドに座りなおす。
ハァハァッと息を弾ませる栞は逃れようもなく、下着の膨らみに吸い寄せられるように、にじり寄っていき膨らみに手の平を重ねて上下に擦る。
「栞、正直になりなさい。自分に嘘を吐くと苦しさが増す。栞は今、何をしたいのだ……正直になりなさい」
課長の言葉だけではなく吐く息さえも栞の心の奥に染み入り、吸い寄せられように膨らみに唇を合わせて舌を這わせる。
下着がベチョベチョに濡れて変色するまで舐めた栞は、上目遣いで課長を見上げてゴクッと息を呑んで下着を引き下ろす。
「えっ、嘘……課長のモノが……うそっ」
淫水焼けして黒光りする課長のモノは宙を睨んでそそり立ち、浮き出た血管がゴツゴツとおぞましい景色を作る。
「どうした、驚いているのか??これが欲しかったんだろう??浮気妻の栞、オシャブリで気持ち良くしてくれるんだろう??」
声もなく頷いた栞は怒張の根元を摘まんで上下、左右、表裏と視線を巡らしながら滑りを与えるのが目的と思えないほど丁寧に唇に舌を這わせる。
「こんなに大きいチンチンがお口に入るかしら……」
股間を剥き出しでベッドに座る課長の足元に跪いた栞は、怒張を矯めつ眇めつしてゴクッと唾を飲む。
未だ衣服を乱すことなく黒光りするペニスを物欲しげに見つめる色っぽさに課長が嗜虐心を募らせていることを栞は気付かない。
ピシッ……ピシッ……指を添えることなく腰の動きで宙を睨む怒張が栞の頬を打つ。
「アンッ、いやっ……チンチンで頬を打たれるなんて、課長はサディスト」
鈴口から滲み出る先走り汁が頬を汚し、指先で拭い取った栞は灯りを反射して妖しく光るそれを課長の唇に擦りつける。
「クククッ、私は自分の我慢汁を舐めたい男だと思っているのかな??それともお仕置きを催促しているのか??」
「私はお仕置きされちゃうの??課長が優しい紳士だと思っていたのは間違いだったみたい……」
「栞君はマゾなんだろ、気付いていたよ。ご主人がいるのに私に色目を使うマゾ女にはお仕置きするのが当然だろう」
部屋に備え付けのルームガウンからベルトを引き抜いた課長は栞の両手を背中で縛り、自ら下着を脱いで頭からスッポリ被らせて目隠し代わりにする。
「好い匂いがするだろう??マゾの栞君は匂いで逝っちゃうんじゃないか、舐めなさい。オシャブリで気持ち良くしてくれるんだろう??」
「うそ、栞、嘘でしょう??課長が浮気する事さえ信じられないのに、そんな事をするはずない」
「イヤンッ、優子、昂奮しないでよ。そんなに強くクリトリスを擦られたら壊れちゃうよ……本当なの、遊び慣れたワルだって言ったでしょう。嘘じゃないんだから」
「分かった、その先を話しなさい。マゾの栞ちゃん」
「あんっ、優子も課長と同じ、私を苛めて楽しいの……」
ジュルジュルッ、ジュボジュボッ……ウグッ、ゲボッ……ジュボジュボッ……今まで穿いていた下着で目隠しされて両手を縛られたままフェラチオする栞は、年齢を感じさせない課長の怒張が口の中を暴れまわるたびに苦しそうな声を漏らし、目尻に涙を滲ませて口元には唾液と先走り汁の混じった液体を滴らせて一心不乱に顔を上下する。
課長の両手は栞の頭を掴んで固定し、ベッドのクッションを利用して股間を激しく突き上げる。
ウグッ、グゥッ~、ウゲッ……ジュルジュル、ジュボジュボ……「気持ち好い、栞のフェラは最高だよ。逝くぞ、喉の奥に吐き出すから受け止めろ。零すんじゃないぞ……ウグッ、グゥッ~、口に溜めろ……」
栞がお泊り-3
優子の部屋に戻った二人はパジャマ姿で乾杯を済ませ、スパークリングワインを口にしようとした丁度その時、玄関で音がする。
「帰ってきたみたい。ちょっと行ってくるね」
一旦、優子を見送った栞も閉まったドアを開けて後に続く.
「ただいま」
「お帰りなさい……お疲れさま、栞が来てるの」
「お帰りなさい、お邪魔しています。いつも優子にはお世話になっています」
「いつまでも優子の親友でいてください……私はやらなきゃいけない事があるので失礼します。ごゆっくり……」
再び部屋に戻った二人は泡の出尽くしたグラスを見つめて、笑みを浮かべる。
「ご主人への挨拶も終わったし、優子と二人だけの時間だね……」
「絶対に変な事をしちゃ嫌だよ。何かワインのつまみになるものを持ってくるね」
生ハムとカマンベールチーズ、タマネギとダイコン、ニンジンやオリーブなどの自家製ピクルスを持って戻った優子は、ベッドを背にして床に座る栞の隣に腰を下ろしてオリーブを口に放り込む。
「格好いぃ……仕事をしている時は冷静でクールな優子が、摘まんだオリーブをポイと口に放り込む。惚れちゃうな……」
優子を押し倒して唇を重ねた栞は舌を侵入させてオリーブを奪い取る。
「私のオリーブを返して……」
真っ赤に燃える優子の瞳に気圧されたように栞が近付くと両手が伸びて抱き寄せられて唇を奪われる。
再びオリーブを奪い取った優子は代償としてパジャマのボタンを外され、剥き出しになった乳房の谷間にスパークリングワインを垂らされる。
「ウッ、いやんっ、冷たい……私の身体はグラスじゃないのに……ハァハァッ」
息を荒げ頬を紅潮させる優子は栞の唇が肌を這うのを待ちわびて瞳を潤ませる。
ズルズルッ、チュウチュゥ~……ワインを舐め取った栞は上目遣いに優子を見つめてパジャマを脱がせていく。
左肩を滑らせて右肩も抜いて上半身を露わにした優子の乳房を手の平で包み込んだ栞は、
「もう一度、優子グラスでワインを飲んでも好いでしょう??」と、囁く。
「昔から、そうだった。エッチな悪戯をするときの栞は我がままで、私の言うことは聞いてくれなかったでしょう??」
「ふ~ン、優子は私の事をそんな風に思っていたんだ……嫌いになる??」
「もう……そんな風に拗ねた振りをするのもいつもの事。最後は栞の言うことを聞いてしまうんだよね……グラスは私が用意してあげる」
羞恥をかなぐり捨てて嫣然と微笑む優子は、健志との卑猥な遊戯を思い浮かべていた。
「恥ずかしいから目を閉じるか、あっちを向いて……」
わずかに声を上擦らせる優子に無言でゴクッと唾を飲んだ栞は、分かったと応じて背中を向けて目を閉じる。
シュッシュッ……目を閉じて耳をそばだてる栞は背後に聞こえる衣擦れの音に逸る気持ちを抑えるため、唇を噛んで両手を固く握る。
キュキュッ、ポンッ……トクトクッ……ボトルの栓を抜く音に続いてワインを注ぐ音がする。
「もう好いよ、栞。優子グラスで飲ませてあげる。早く飲まないとあったかくなっちゃうよ」
パジャマを脱ぎ捨てて素っ裸になった優子は両足を重ねて固く閉じ、股間に出来た窪みにワインを湛えて頬を朱に染める。
「優子グラスを気に入ってくれた??」
「すごい、週末をはさんだ優子は以前よりもエッチになったよ、やっぱり変」
それ以上に言葉を継がず股間に顔を埋めた栞はチュルチュルと吸い上げ、飲み干した後は割れ目に沿ってベロッと舌を這わせる。
「アンッ、いやっ、そんな事をされたら……」
「ウフフッ、可愛い。優子がエッチでスケベになってくれると嬉しい……ツマミが欲しいな」
タマネギのピクルスを咥えた栞が近付くと優子は噛んで二人は両端から齧っていく。
唇が触れるとどちらともなく舌を伸ばして絡ませ、首や背中に伸ばした手に力を込めて上半身を擦り付け、乳房の圧迫感に息を弾ませて瞳を朱に染める。
「昂奮して喉が渇いたからシュワシュワをもう一度飲ませて、ねっ……」
再び両足を重ねて窪みを作った優子にボトルを手にした栞は、
「ねぇ、こういうのってワカメ酒って言うんでしょう??ワカメが無くてもワカメ酒って言うのかなぁ??」
「以前、聞いたような記憶があるけどアワビ酒って言うらしいよ」
「ふ~ン、そうなんだ。アワビ酒のお代わりをしようっと」
ジョボジョボッ……再び優子のパイパンマンコをスパークワイン漬けにした栞はチュルチュルと音を立てて吸い取り、顔を近付ける。
「口移しでアワビ酒を飲ませてくれるの??嬉しい……」
ゴクゴクッ……白い喉を上下させて口移しのワインを飲み干した優子は態度を豹変させ、栞を組み敷いて馬乗りになり、股間を顔に押し付ける。
「栞、もっと遊びたかったら私のオマンコをきれいにしなさい」
「はい、優子に命令されるとゾクッとして心臓がバクバクして爆発しちゃいそう。舐めてきれいにするね、ワインの香りも全部舐めちゃうね」
ジュルジュルッ、ピチャピチャッ……アウッ、クゥッ~、気持ちいぃ……栞は両手で割れ目を開いてビラビラの作る溝まで舌を這わせ、優子は膝立ちになって股間を舐められる快感に酔い両手で乳房を揉んで陶然とする。
オリーブのピクルスを手にした優子は、
「栞。甘え上手の栞は実はMッコでしょう??苛めてあげる、私に苛めて欲しかったんでしょう??正直に言いなさい」
「うん、いいえ……はい。本当は優子に苛めて欲しかったの。苛めて欲しいから催促するように意地悪をしていたの、優子の好きにして。苛められたい」
「ウフフッ、栞の気持ちは分かっていたけど、私に受け入れる勇気がなかったの。私もMッコだし、今日から二人っきりの時、栞は私のオモチャになるんだよ、分かった??分かったら返事をしなさい」
「はい、栞は優子のオモチャです。オモチャにしてもらったら幸せです」
「オリーブを食べさせてあげる。お口を自分で開きなさい……上の口じゃないでしょう、そんな事も分からないの??」
ピシッ……アンッ、気持ちいい……優子の手が腰を打つと艶めかしい声を漏らす。
割れ目に指を添えて開いた栞に数えさせながら三個挿入した優子は、
「もっと色々してあげるから、課長に抱かれた時の事を教えなさい。話したいんでしょう??不倫したことを私に聞いて欲しいのでしょう??」
「いじわる。意地悪な優子が好き。課長に抱かれた時の事を話すから聞いてね」