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バレンタインデー 2020

「いらっしゃい。待ちくたびれちゃった」
「10時で遅いと言われると辛いな。色んな事情に目をつぶって、アユの顔を思い浮かべながら急いで来たんだよ」
「そうなの、信じる。ごめんなさい。わがまま言っちゃだめだよね…………それはそうと、昨日は14日。バレンタインデーで何か面白いことがあった??」
「家族以外は明らかにギリチョコとギリとは言えないチョコレートをいくつか貰った」
「えっ、どんなチョコなの??」
「ホワイトデーのお返しが条件のチョコ」
「ウフフッ、キャバ嬢でしょう。あなたはオミズの女性にもてるから……で、どんなお返しなの??」
「同伴付き食事が二口」
「ふ~ん、ディナーはお任せなの??」
「秘密じゃダメか??」
「聞きたい。言いたくないならいいよ、拗ねてイジケルだけだから」
「しょうがねぇな、一人はお任せ。もう一人は、これはゴディバのチョコで5000円位だと値段を教えられたから、倍返し、三倍返し、あるいはそれ以上、食事をどうするか一か月悩むことにする」
「ふ~ん、一か月も悩むことができて幸せだね。可愛い人なんでしょう……それはそうとして、ほかに面白いプレゼントがなかったの??」
「面白いプレゼントか、特になかったな」
「そうなの、ふ~ん……そうか、なかったのか……一日遅れだけど私からのバレンタインチョコを受け取ってくれる??」
「うん??アユからのプレゼントは昨日受け取ったよ。あれはアユじゃなかったのかなぁ……クククッ、可愛かったよ」
「なんだ、私だって分かっちゃったんだ。誰も見ていないところでハダカンボになって撮影するって恥ずかしかったんだから……ほんとに可愛かった??」
「可愛いよ。それより、今、ハダカンボって言ったけどオッパイだけじゃないんだろ??その他は見せてくれないのか??」
「それはいずれ順番にね、楽しみにしていて……それより、抱っこしてくれないの??いつものように、おいでって呼ばれたい」

アユの部屋に入った男はいつもの通り、ソファを背にして寄りかかるように座り、アユはちらちらその姿を見ながら電子レンジにカップを二つ入れて紅茶を淹れている。
「アユを感じたいから、ここにおいで」
「うん、もうすぐ出来るから待っていて。一日遅れのバレンタインデー」
チン……電子レンジから取り出したカップと淹れたての紅茶を載せたトレーを持ったアユは背中を向けて胡坐座りの男に近付き、抱きかかえられるように腰を下ろしテーブルにトレーを置く。
「ア~ンして、食べさせてあげる……熱いから気をつけてね」
「うっ、熱いっ……美味いよ、チョコの甘さがちょうどいいしブランデーも大人のバレンタインデーを感じさせてくれる」
「チョコもブランデーも残っているからあなたが望む方を口移しで食べさせてあげる。でも後でね……胡坐座りで抱っこしているのにキスしたくないの??」

背後から抱きしめるアユを横抱きにするとそっと目を閉じ、目の縁を朱に染める。
フォンダンショコラに混ぜたブランデーのせいではなく、オレのキスを待つ期待と羞恥だと思うとアユの健気さに心が熱くなる。
左手で身体を支えてキスをしながら胸の膨らみに手を伸ばすとアユの手は剥ぎ取るように自らの衣服を脱いで下着姿になり、男の首に手を回して抱き寄せ舌を侵入させて妖しく絡ませ、ズズッと音を立てて唾液を啜る。
「ウフフッ、チョコとブランデーの匂いがする。ねぇ抱いて、ボディーソープの匂いがするでしょう、シャワーは済ませているの。あなたはこのままでいいから……我慢できないの」
週に二回のペースで会いながら今年は一度しかしていなかったなと苦笑いを浮かべた男はブラジャーのホックを外す。
「何がおかしいの??嫌な感じ、今は私のことだけ考えて……」
「そうじゃないよ、今年は最初に会った時以来だなと思って」
「女の30台はさせ頃って言うでしょう、構ってもらえないと嫌いになっちゃうよ」

アユの欲情を受け止めて悦びの絶頂に導いた男は自らも満足しても結合を解こうとせず、全身を弛緩させて目の縁を朱に染めるアユの髪に手櫛を入れて頬を擦り、チュッと音を立てて唇を合わせる。
「アユの口に入ってトロトロに蕩けるモノで、チで始まってコで終わる三文字のモノってなんだ??」
「えっ、オシャブリしなかったから怒っているの??ごめんなさい、舐めてきれいにするから許してくれる??」
「オレの出した問題の答えを聞かせてくれよ。はっきりとアユの言葉でね」
「クククッ、やっぱり怒っているんだ。分かりました、チンコでしょう。私の大切なあなたのオチンポのことだよね。ナメナメするから怒らないで」
「何か勘違いしているようだけど、答えはチョコ。アユの口の中でトロトロに蕩ける甘~いチョコだよ」
「えっ、クククッ、そうだ、チョコだった……欲求不満の女みたいで恥ずかしい」
「アユは可愛いよ。昼はどこかに食べに行こうか??」
「うん、バレンタインプレゼントで今日は私が奢る」
「昨日のオッパイ写真、フォンダンショコラに昼食じゃホワイトデーが怖いよ」
「だって、5000円のゴディバをプレゼントした女がいるんでしょう。負けたくないもん……アンッ、抜けちゃう」
アユとつながったまま抱き上げた男はバスルームに向かい、ドアを開けると湯気が充満している。
「ウフフッ、今日は直ぐに抱いてもらうつもりだったからお風呂の用意もしといたよ」
臆面もなく告げるアユが愛おしい。
今年もバレンタインデーは好いものだと思うことができたが、こんな2月14日をいつまで迎えられるかと思うと自分の年齢に畏怖も感じる。


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ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

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雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

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