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彩―隠し事 124

萌芽 -20

「アウッ、ウゥッ~、おねがい、やめてください。ヒィッ~……そんな事をされたら、ウグッ、クゥッ~、気持ち善くなっちゃう……あなた、助けて、狂っちゃう」
希美の言葉は猿轡のために意味不明の声となって漏れるだけで、群がる女性たちを悦ばせて揶揄いの対象にしかならない。
「クククッ、ザンネンね、何を言っているのか分からない」
「もっと、苛めてほしいの??バイブが欲しいの??それともナメナメしてほしいの??ウ~ウ~、ウグッ、ウグッばかりじゃ分からない。はっきり言わないとバイブもナメナメもしてあげないよ」
「違うよね、私は分かったよ。希美さんはパートナーの事が気になるんだろうけど、美樹さんを可愛がるのに忙しくて希美さんを構う暇はないんだって……見てごらん」
素っ裸の希美は猿轡と目隠しを外されることなく両手を天井につながる縄に止められ、いつ終わるともなく続く女性たちの責めに喘ぎ声を漏らして身悶え、助けを求めたパートナーがどうしているか確かめなさいという意地の悪い声と共に目隠しと猿轡を外される。

「イヤァ~ン、ダメッ、私と美樹さんと大切なのはどっちなの??」
希美のパートナーは甘い責めを受けて身悶える希美を気にする様子もなく、美樹の両足の間に陣取って下着越しに割れ目の縁を撫でて満足気に頬を緩めている。
希美の声で振り返ったパー^トナーは、頬を緩めて頷いて見せるだけで直ぐに美樹に視線を戻す。
二人の様子を見た彩は健志にもカヲルにも話さず、二人が言葉を交わさずとも伝わる意思疎通にセックスの奥深さを気付かされる。
男は希美のM性を理解してあえて無関心を装うことで被虐心を募らせる手助けをし、希美は慰み者にされることに歓喜の表情を浮かべてパートナーの嗜虐心をくすぐろうとする。
二人に言葉は必要なく、身体の接触を断っても心で性的刺激を伝えあっているように思える。

希美の腰を抱いて股間を舐めようとした女が、
「希美が足を閉じるからできない。気持ち善くしてあげようとしているのに、これじゃぁダメだよ」
「そうなの??片足を吊上げて閉じられないようにしちゃおうか……マンチャンだけじゃなくお尻の穴も弄りやすくなると思うよ」
「そうだね、片足を縛っちゃおう」
右足の膝上に縄をかけられて吊上げられて左足だけで立つことを余儀なくされると股間を閉じることもできず、早くもマン汁を溢れさせるバギナを思うさま嬲られ、アナルを弄ろうとする手を防ごうとして尻を締めても子宮に届く快感が希美の意思を崩してしまう。
「ヒィッ~、いやっ、たまんない……そんな、ウグッグゥッ~、両方の穴を、そんな、壁が破れてつながっちゃう。クゥッ~……」
ギシギシッ……身体をくねらせ縄が軋み音を立てても女たちの責めは止むことを知らず、膣口深く侵入した指とアナルを犯す二人の指が薄い壁を通じて擦り合い希美を羽化登仙の境地に導いていく。
「気持ち良さそうね、希美。私はオッパイを苛めてあげる」
クチュクチュ、ジュルジュルッ、変形するほど膨らみを揉みしだき、表情が苦痛で歪むと先端の突起を温かい口に含んで舌が戯れ、残る乳首は指でつまんでコロコロ転がされる。
「ヒィッ~、ウググッ……ダメ、許して、狂っちゃう、ダメッ」
「私だけが見ているのは失礼ね。希美さん、クリちゃんを弄ってあげようか……カヲルさん、オモチャを貸してもらえますか??」

バーカウンターの裏からアタッシュケースを取り出したカヲルは、クリトリスを可愛がると言った女性に向けてカチッと音を立ててパッチン錠を開ける。
「傷つけるようなオモチャはないはず。希美さんが心も身体も捧げる覚悟の男性に代わって苛めてあげなさい。でも、傷つけちゃダメよ。それがこの部屋のルール、分かっているわよね……それと、念のために言っとくね。浣腸は済ませてあるから中は綺麗だよ」
「ウフフッ、希美さんの大切な人に代わって苛めてあげる。希美さん、このオモチャたちを見なさい……オモチャに嬲られるのが好きでしょう??どのオモチャと仲良くしたいか言いなさい」
希美の瞳はU字型の二か所責めバイブを見つめ、舌が昂奮で乾く唇に滑りを与え膣口から奥深くに侵入した指をクイクイ締め付ける。
「クククッ、指よりもバイブが欲しいらしいね。いいわよ、バイブさんと代わってあげる」

U字というよりもJの字に近い奇妙な品物は全体が柔らかな曲線で出来ており、二つの先端部分ははっきりとわかる膨らみを持ち、長い方が膨らみも大きい。
「希美さん、この子に会いたかったでしょう。希美さんの恋人だものね」
「ハァハァッ、いやっ、許して。恥をかきたくない……ゆるして、ねっ、おねがい」
許しを請う希美の声は甘く尾を引いて瞳は妖しく光り、バギナとアナルに挿入された指をクイクイ締め付けて腰を蠢かす。
戒めを解かれた右足は吊上げられた格好から下され、改めて長い棒に両足首を拘束されて自由を奪われる。
両手を吊上げられて両足を開いた格好の希美に群がる四人の女は、鈴の付いたニップルクリップを装着して乳房を飾り、おまちどうさまと揶揄する声をかけてU字型バイブの長い方を膣口に押し当てて馴染ませ、グイッと付け根まで押し込んでしまう。
「アウッ、いやんっ、恥を掻きたくないからスイッチは入れないでください」

U字型バイブを付け根まで押し込まれると膣壁の奥にある快感の頂上へ導くスイッチを押し、しかも短い方の膨らみはクリトリスを圧迫する。
先端が膨らんでいることと柔軟性のある絶妙なカーブのせいで挟まれることもあり手を離されても抜け落ちることがない。
「希美さんはスイッチを入れないでと言ったから、このままにしといてあげる……ここをツンツンすると気持ちいい??」
バイブの根元を押し、クリトリスの接着部分を指で弾く。
「イヤンッ、いじわる。スイッチを入れてブルブルしてください。私が快感地獄で身悶える姿を見て笑いたいんでしょう、さぁ早く、苛めてよ」
「クククッ、私たちは優しいからスイッチを入れてあげるけど、希美さんを待っているのは快感地獄じゃなく天国でしょう??」

ヴィ~ンヴィ~ン……ヒィッ~、イヤンッ、たまんない……決して大きくはない振動音が漏れ始めるとそれを待っていた希美は嬌声を響かせ、美樹に群がって全身を撫でまわしていた男たちが希美の痴態に見入る。
「美樹さんに寂しい思いをさせちゃまずいな……気持ち善くなってくれよ」
希美のパートナーが剥ぎ取るようにショーツを脱がせると別の男がブラジャーを外し、恐る恐ると言った感じで美樹に触れていた男たちが餓えたオスに変身する。

彩―隠し事 123

萌芽 -19

「私は一人、そんなに焦らなくても逃げないわよ……明日は土曜日だから私の身体を満足するまで味わい尽くしなさい」
ゴクッ……我先にと美樹に群がった男たちは冷静さを取り戻すことを余儀なくされて責めを躊躇する。
夫を除いた六人の男たちを前にしても怯むことなく胸を突き出して強調し、腰から太腿に至るムッチリとしたラインを見せつけて情欲を刺激することを忘れることがない。

そんな美樹と男たちの駆け引きを見る彩はハァハァッと息を荒げ、目隠しされて身体を隠すものが何もない状態で四肢を広げて拘束された女の哀願を聞いて視線を移す。
「ねぇ、こんな格好のままで無視されるのは惨めすぎる。誰でもいいから嬲って。私の身体で遊んでください、おねがいします」
「彩さん、彼女が可哀そうだと思ったら相手してあげて」
「えっ、彩が……あの人を満足させることなんて彩にはムリ、できない」
「そう、しょうがないわね……希美さん、パートナーはどうしたの??」
「こんな恥ずかしい格好でカヲルさんに縛られた後で彼に目隠しされちゃったから何処にいるか分からないの。一人で帰ったりしてないよね??」
「探してあげる……いた、下着姿の美樹さんに群がっている男六人の先頭に立ってパンツを脱がそうとしている……チンポがスゴイ、ベチョベチョに濡らして腹を打っているよ」
「ウソ、嘘でしょう??私をこんな格好のままにして他の女性となんて嘘でしょう??」
「嘘じゃないよ。希美さんの目で確かめなさい」
カヲルは希美の目隠しを外してパートナーの姿を指差す。
「ねっ、すごいでしょう。あのチンポで美樹さんを昇天させるつもりなんだよ……羨ましいでしょう、目の毒だから目隠ししようね。ついでだから猿轡もしちゃおう」

「ウッ、いやっ、猿轡は止めて……ウッ、ウググッ、グゥッ~……」
ギシギシッ……ウグッ、ウググッ、グゥッ~……椅子を軋ませて目隠しされた表情を歪めながらも艶めかしい呻き声を漏らす希美とパートナーの性癖を理解するカヲルは、美樹を責めながらもこちらの様子を窺い見る視線を意識して希美を羞恥責めする。
パートナーに見せつけるようにして希美の内腿を擦って恥毛を撫で、指先に絡ませて引っ張り顔を近付けて咥える。
剃刀を遣う真似をパートナーに伝えると、喉が上下してコクンと頷き希美から視線を外して美樹の身体に手を伸ばす。

「旦那さん、離れた所で見ていてくれますか。美樹さんのご主人がすぐそばにいると、どうしても遠慮してしまう」
「そうだな、分かった。バーカウンターで水割りでも飲んでいるよ……美樹、可愛がってもらいなさい」
夫が離れるのを待っていたかのように六人の男たちの手が伸びて美樹の肌をまさぐり、覗き込んでいる四人の女性の内、ある者は指が白くなるほど固く握り、またある者は周囲を気にする様子もなく自らの乳房を揉み、顔を背けようとしても気になるのか横を向いたまま覗き込もうとする女もいる。

「イヤッ、優しくして。乱暴なのはいやっ……オシャブリしろと言われればフェラチオします。オマンコもアナルも見せろと言われれば見せます。優しくしてください」
「分かった。ブラジャーとパンツを脱いでもらおうか、ストリップ嬢のように艶めかしくだぞ……立ちなさい」
二人の男に両手を支えられた美樹はヨロヨロと立ち上がり、恥ずかしいと消え入るような声を漏らす。
ショーツの股間は水をかけたように濡れて変色し、男たちの視線に美樹は顔を上げることもできずに表情を強張らせる。
「美樹さん、ストリップ嬢のようでなくてもいいからパンツを下ろしなさい……まずは膝まで下ろしてもらおうか」
「イヤッ、そんな恥ずかしいことをできない。脱がされるなら我慢します、許してください」
「そうか、しょうがないな。美樹さんはこのままにして、希美さんと遊ぼうか」
「えっ、嫌、脱ぎます。脱ぐから遊んで、オマンコもアナルもお口も私の穴はすべてあなたたちのオモチャにしていいから、脱ぎます」
目隠しで視覚を、猿轡で言葉を封じられた希美は耳をそばだてて様子を窺い、男たちの矛先が自分に向くかもしれないという期待で股間を濡らしたものの、美樹の言葉で望みが断たれたことを知り落胆の息を吐く。

取り囲む六人の男たちの十二の瞳だけではなく、夫や見守る四人の女、彩と健志、カヲルたちを順にみて、最後にウゥ~ウゥッ~と呻き声を漏らす希美に視線を巡らし、両足を震わせながらも健気にショーツに指をかける。
「グショグショに濡れていると思うけど笑わないでください……ハァハァッ、脱ぎます」
膝上までショーツを下ろして羞恥と快感の狭間で身体を火照らす美樹の股間は溢れ出た愛液が内腿にまで滴り落ち、恥毛もぐっしょり濡れて張り付いている。
「奥さん、ブラジャーを外してオッパイを見せてもらおうか」
美樹さんと呼んでいたのが奥さんと呼び方が変わり、夫の存在を思い出した美樹はバーカウンターを背にして水割りを飲む夫を見つめる。
そっと頷いた夫に微笑んで見せた美樹は乳房を掬うようにして揉みしだき、先端をクチュクチュ摘まんで、アウッ、クゥッ~と艶めかしい喘ぎ声を漏らす。
それを合図にして男たちの手が伸び、あっという間に寝かされて胸も股間も男たちの頭で隠れてしまう。
「ヒィッ~、そんな急に、イヤッ、ダメ……気持ちいい、もっと……もっと気持ち善くして、ハァハァッ、クゥッ~……ヒィッ~」
男たちの背中と足は見えるものの美樹の身体は覆い被さる男たちに隠されて見えず、手と足がわずかに見えるだけになっている。
ハァハァッ~、ウグッ、ピチャピチャッ、ウグウグッ……喘ぎ声も責める声も誰が漏らしているのか分からず、卑猥な湿り音は何処から聞こえてくるのかも分からない。
覗き込む四人の女は手を握り締めたり、荒い息を漏らすだけでは昂奮を鎮めることも出来なくなって自ら衣服を脱ぎ、女同士でキスをして乳房を揉んだり、押し付け合ったりと愛撫に励む。

彩はそばにいる健志やカヲルの存在を忘れたかのように股間に指を伸ばしてクチュクチュ、ジュルジュルッと卑猥な音を立てる。
そんな彩のそばを離れたカヲルは希美の拘束を解いて目隠しと猿轡を残して手首を縛り、天井から延びる縄につなぎとめる。
四人の女たちは希美に近付いて四肢に残る縄模様に指を這わせたり舌でなぞったりと集団レズビアンに興じ始める。
彩のそばに戻ったカヲルは、
「彩、見てなさい。始まるわよ、男も女も許してくれって言っても許されなくなる……男たちは精液を最後の一滴まで吐き出さないと女が許さない、ウフフッ、すごいよ。彩は女の業を知ることになるよ」
彩さんと呼んでいたのが呼び捨てになり、支配しようとしていることに彩は気付かない。

彩―隠し事 122

萌芽 -18

「ゴクッ……二人に弄ばれて気持ちいいのかなぁ……ハァハァッ……苦しそう、見ている彩も苦しい」
二人の男性に責められる女性は顔を歪めて苦しそうな表情を浮かべながらも悦びの涙を流さんばかりに身悶えて身体を男たちに押し付ける。
ブラジャーとショーツ越しにいつ果てるとも知れない愛撫を受けても下着を脱がされることはなく、もどかしい思いで口腔を犯す怒張に施すフェラチオに熱がこもる。

そんな女性を見つめる彩の脳裏に複数の男たちに犯される栞の姿が浮かぶ。
今頃は栞もあの女性と同じように課長の用意した男たちに責められているのだろうか……堪えがたいほどの肉体的苦痛が悦びとなって身悶えても、心は愛するご主人とつながり快感と共に愛情に包まれているのだろうか。

窓に顔を押し付けんばかりにして隣室の痴態を凝視する彩に背後から近づいたカヲルは腰を撫でて紐パンを穿いていることを知り、ワンピースを擦りながら紐の位置を探り結び目を解いてしまう。
残る結び目も解かれると紐パンはハラリと足元に落ち、拾い上げたカヲルは愛液で濡れる下着を彩の目の前でヒラヒラさせる。
「こんなにパンツを濡らしちゃって……言葉は嘘を吐いても彩の身体は正直。エッチな血と思いがドロドロ身体中を流れているんでしょう、違う??」
「違う、そんなことはない。彩はエッチでスケベな女じゃない」
「そうかな……」
カヲルの指がワンピースのボタンを外して侵入し、愛液を溢れさせる股間に伸びると彩の抵抗は止む。
右肩からブラジャーのストラップを抜き取り、左肩も抜きながら外しとってしまう。
「これで彩さんの身体を守るのはワンピースだけ」
ボタンを全て外したワンピースを両肩から抜くと腰まで滑り落ちてパンと張り出した腰で止まる。
「相変わらずいやらしい身体。タケが夢中になるのが分かる……可愛がってもらっているんでしょう」
ワンピースを戻してボタンを嵌められ、頬に手を添えられて唇が重なりドロリと唾液を流し込まれる。
ゴクッと音を立てて嚥下した彩は二人だけの秘密を作った羞恥で頬を染める。

カヲルが指差すマジックミラーの向こうを見ると、横たわっていた女性が抱き起されている。
脱がされることのなかったショーツの股間は水をかけられたかのように濡れて変色し、彩なら着けている方が恥ずかしいと思ってしまう。
満足させてもらえなかった女性は上目遣いで恨めしそうに二人の男性を見つめ、背中を押されるようにして元の部屋に戻っていく。
「彩さん、私たちも戻るわよ。あの人はこれから男たちに可愛がってもらうの、ご主人の目の前でね……大股開きで椅子に縛られていた女性がいたでしょう??あの人は可哀そうだよ、どの男性にも構ってもらえなくなっちゃうんだよ。彩さん、何とかしてあげてね」
「えっ、うん……」
意味も分からず、深く考えることもせずに可哀そうだ、何とかしてあげてねと言う言葉に反応してウンと応じてしまう。
マジックミラーの向こうの女性は二人の男に支えられるようにして元いた部屋に戻り、彩もまたカヲルに背中に押されて健志のそばに戻される。

「タケ、返しとく。私が持つべきモノじゃないからね」
健志に向けて突き出したカヲルの手はショーツとブラジャーを掴んでいる。
「カヲル、もう一度、彩を責めたい……いや、素っ裸にして縛りたいと思っているんだね。今日はダメだよ」
「そんな、二人で勝手な事を言わないでください。彩にも意思はあります」
カヲルが持つ下着を取ろうとして彩が手を伸ばすと健志が横取りしてしまう。
「あれっ、気が付いていた??」
「彩さんがパンツを濡らす原因を作ったのは私じゃないからね、誤解しないでよ」
二人はわざとらしい会話で彩を言葉責めして、それを聞く彩の子宮がキュンとなる。

二人の男に責められていた女がカヲルの言っていた夫らしい男の胸に顔を埋めて髪を撫でられている。
「美樹、二人に可愛がってもらって気持ち善かったか??」
「良くない。最後までしてくれないし、下着も脱がせてくれなかったんだよ」
「そうか、可哀そうに……僕の可愛い子猫ちゃんを満足させてやれないって最低の二人だな。見てごらん、椅子に縛られた生贄の前に男たちがいるだろう。二人にあの男たちも加われば美樹を満足させてくれると思わないか??」
「いいの、貴男??私のアソコも口もお尻の穴も他人に蹂躙されるんだよ……私の身体が汚されてドロドロになることを望むの??」
「僕は世界の誰よりも美樹を愛している。僕は美樹を汚したいわけじゃない、美樹が望むことを叶えてやりたい。美樹の悦びが僕の悦び、知っているだろ……僕は、僕は美樹に逆らうことが出来ないんだよ」
「ウフフッ、ありがとう。私の可愛い旦那様。大好き、愛してる……行くね」
「うん、分かった。愛しているよ……」

美樹の夫は腕を掴み、背中を押して部屋の中央に押し出し、
「私の愛する妻を満足させる自信のある男はいるか??自信がなければ二人でも三人でもいいぞ……さぁ、可愛がってやってくれ」
下着姿の妻に男たちが群がるのを見つめる夫の瞳はギラギラ燃える。

彩―隠し事 121

萌芽 -17

部屋にいる男女は新たに入ってきた彩と健志を一瞥しただけで直ぐに椅子に縛られた哀れな生贄に興味を戻す。
カップルの女性は同伴の男性の腕を掴んで湧き出る性的好奇心から縛られた女性の股間を凝視する人や、自らが拘束されることも想像してなのか俯いてじっと堪えている人もいる。

部屋の様子に圧倒される彩はすがるように健志の腕を掴み、その手は無意識のうちに力がこもる。
好奇の目で覗き込むカヲルに向ける視線は焦点が合わなくなり、頬が紅潮して動悸が激しくなり足が震えて立っているのが辛くなる。
「ハァハァッ、ねぇ、これからどうするの??怖い」
「大丈夫よ、彩さん。ここでは嫌がる女性を襲うようなことはないし、タケはそんな事をさせないはず……そうでしょう??」
「えっ、あぁ、そうだよ。彩が買い物だけじゃつまんないって言うから来たけど刺激が強すぎたか??」
「タケ、彩さんを少しの間お借りしてもいい??」
カヲルの視線は、あのドアの向こうで男性二人が一人の女性を悦ばせようとしていると言った隣の部屋に向き、二人で見に行っても好いだろうと健志に無言で同意を求める。
「彩、少し刺激が強すぎたようだからカヲルさんと休憩してきなよ。オレは水割りを飲んで待っているよ」

今頃は課長と見ず知らずの男たちに抱かれているはずの栞に連れられてSMショークラブやAVの撮影見学に行った時も衝撃を受けたが、事前にこんな処だと教えられていた。
栞とは異質の信用をしていた健志に連れられて来られたこの場所を彩は消化しきれずにいる。
ヒィッ~、イヤァ~ン……カヲルに誘導された部屋に入ろうとしたタイミングに合わせたように素っ裸の女性の悲鳴がとどろき、振り返ろうとした彩に、
「始まったばかり、本番はこれからだから楽しみは取っとこうね、さぁ、入って」
背中を押されるようにして足を踏み入れたのは小さな部屋で灯りはなく壁はカーテンで覆われている。
隠しきれない動揺で天井や閉めたばかりのドアまで確かめる彩を背後から抱きしめたカヲルは胸の膨らみに手を添えて、耳に息を吹きかけるようにして囁く。
「この部屋はね、私が認めた人しか入れないの。彩さん、カーテンを開けるわよ」
カヲルの操作でカーテンが開くと隣室の様子がハッキリと見えるため、驚いた彩は両手で顔を覆う。
「可愛いわね、彩さん。大丈夫よ、マジックミラーで仕切ってあるから向こうからこちらは見えない。だからこの部屋は暗くしてるの」

敷き詰められたマットの中央に下着姿の女性が横たわり、全裸の男性二人が上半身と下半身に陣取って愛撫を施している。
髪を撫で耳の周囲で戯れる指はガラス越しに見ても繊細な動きでしどけなく開いた口からは甘い吐息が漏れているように見える。
下半身に陣取る男は左足を持ち、足指を口に含んでフェラチオを施すように顔を前後し、堪えきれない快感に女は白い喉を見せて顔を仰け反らせ、ブラジャー越しに自らの胸の膨らみを揉み始める。

昂奮からくる喉の渇きを癒すたびに唾を飲んで唇に舌を這わせ、マジックミラーだと聞いても部屋の隅に隠れようとする。
「大丈夫だよ。向こうからは窓に顔を寄せない限り見えることはないし、声も聞こえないよ」
話し終えたカヲルは離れようとする彩を背後から抱く手に力を込めて、ゾロリと耳の裏を舐めて耳朶を甘噛みする。
「アンッ、いやっ……やめて、おねがい」
「どうして??彩は女が嫌いなの??下着一枚になった彩を縛ってあげた仲でしょう、気持ち善くなかったの??」
「だって、気持ち善くなりそうで恥ずかしい……」
「クククッ、可愛い。タケの事はしばらく忘れちゃいなさい……忘れさせてあげる」
彩の背後に立っていたカヲルはマジックミラーを横に見る位置で唇を重ね、ニュルッと舌を侵入させて重ねたり絡ませたりと妖しく戯れる。
艶めかしいキスに抗う事も出来ず、乳房を揉まれて小柄な彩の両足の間に入り込んだカヲルの腿が股間を刺激する。
「クゥッ~、いやんっ、今日はそんな積りじゃなかったのに……ハァハァッ」
「そうなの??買い物だけじゃつまらないからエッチな処に行きたいっておねだりしたんでしょう。違うの??」
「そうだけど……イヤァ~ン、そんなこと……」
彩を抱き寄せていた手が器用に動いてワンピース越しにブラジャーのホックを外してしまう。
ブラジャーをずらされて乳房を鷲掴みされると彩の身体が揺れて窓に視線が向き、忘れていた三人の痴態を目の当たりにする。

仰向けに寝かせたまま足指を口に含んでしゃぶりつき尻を鷲掴みして揉みしだく。
足指を温かい口に含まれて舌を絡めたまま出し入れされると股間が熱くなりじっとり濡れてくるのを感じる女は下半身を揺すり、上半身を捩って逃れようとしても許されることがない。
上半身に覆いかぶさる全裸の男が両手を掴んで動きを封じ、自らの腹を打つほど屹立して先走り汁を滴らせるオトコを女の顔に押し付ける。
女は顔を蠢かして怒張を咥えこみ、男は喉の奥深くまで容赦なく突き入れる。
マジックミラー越しに見る女の表情は嫌がる風もなく苦しさを受け入れて悦びに打ち震えているように見える。
下半身に陣取って足指をしゃぶっていた男は股間にせり上がって下着越しに息を吹きかけて内腿に舌を這わせる。

彩―隠し事 120

萌芽 -16

週末の夜とあってすれ違うのは二人を気にする様子もなく家路を急ぐ人たちだけで他人を気にせずに寄り添って歩くことが出来る。
「駅の近くだともしかすると知り合いに会うかもしれないと気になるけど、彩に縁のないこの街の住宅街は安心して健志に寄り添える……幸せ」
「二人の関係を知っているのはお月さまだけだし優しく見守ってくれてオレたちの味方のようだね」
「ウフフッ、ほんとう……来週が待ち遠しい、遠くの街で何も気にせず笑ったり甘えたりできるんだよね」

人通りが途絶えると健志の右手が彩の胸に伸びて、
「これは誰のオッパイか教えてくれる??」
「知らないの??オッパイだけじゃなく、この身体はすべて健志のモノ、嬉しい??」
「あぁ、嬉しいよ」
身体だけではなく心もあげると言いたくなるのをあえて口にはしない。
互いの身体だけを貪るだけではなく気持ちも自分に向けさせようとか、もっと時間を共有したいと思うことが間違いの元だと知る分別は残っている。
「ねぇ、健志のことは信じているけど今から何処へ行くの??」
「買い物だよ、朝食のパンがなかったのを思い出した」
「えっ、本当なの??それだけ??」
「彩は他に何か欲しいモノがあるの??」
「そうじゃないけど……前開きのワンピがいいって言うから期待したのに買い物だけなの??」

彩の肩に手を置いて正対した健志は
「分かった……パンとチーズを買う積りだったけどエロイ店に行こう、彩が満足してくれるどうか分からないけど」
手にしたスマホで何処かに連絡し、二人だけど大丈夫かと確かめて見るだけだと伝えた健志はニコリと微笑む。
「朝食のパンはナシ、何かあるだろう。行こうか」
「この街の陰の部分に連れて行ってくれるの??」
「そうだよ、ダークシャドー、暗い影にして深い闇。危険な事はないけど、これまで心と身体の奥に棲みついていた妖しい自分の本質が姿を見せるかもしれない」
「健志と一緒なら平気。昼間の私じゃなく彩に変身した時は性的な欲望が強くなるから守ってね」

目が眩むばかりに毒々しい灯りで欲望に満ちた人たちを誘う一角に入り込む。
風営法や迷惑防止条例によって客引きは規制されたが猥雑な雰囲気は残り、善悪を超えた欲望を貪欲に飲み込んでしまう妖しい雰囲気に満ちている。
健志の腕にすがるように歩いている彩に、
「良い店があるよ。お姉さんならいくらでも稼げるし今の2倍は保証するけど、どう??話だけでも聞いてよ」
そんなスカウトを無視して健志は深い闇を目指して歩いていく。
禍々しいばかりの灯りがなくなり淫猥な雰囲気が支配する場所は、この街の欲望の最深部と思えて彩の昂奮と不安は頂点に達して唾を飲み、早口になって声は上ずり早鐘を打つ心臓が口から飛び出さんばかりになり健志の腕を掴む手に力がこもる。
「ゴクッ……ねぇ、着いたの??何処なの?? 」
「ここじゃないよ。こんなヤバイ雰囲気のする場所じゃない。もう少し先だよ」
「えっ、そうなの……」
闇を通り過ぎると明るさが増し、振り返った彩はフゥッ~と安堵の息を吐く。

「着いたよ、このマンションがそうだよ」
目の前の建物は卑猥な雰囲気を醸すこともなく何の変哲もないマンションに見える。
「ここなの??そうなの??普通のマンションのようだけど……」
マンション住人とは別の入り口から専用の鍵で建物に入ると赤いライトが作動していることを示す監視カメラに迎えられる。
1階と最上階の表示しかないエレベーターに同じ鍵を使って乗り込む。
チン……エレベーターが開くとそこは玄関ホールになっている。
直ぐにドアの一つが開いてゆったりとしたワンピース姿の女性が姿を現す。
「いらっしゃいませ、彩さん。彩さんでしたよね、同伴者がタケとは意外でした」
「カヲルさん??そうですよね??」
「そうです、見知らぬ人たちの前でオッパイ丸出しの彩さんを縛って差し上げたカヲルです」
「どうだろう、挨拶はそこまでにして入れてくれないかな」
「ごめんなさい。彩さんとお会いしたいなと思っていたので昂奮しています……今日は見学だけと聞いて残念です……どうぞ、もう始まっています」
出てきたドアとは別のドアを開けて、カヲル、彩、健志の順で入室する。

「いやぁ~ン、こんな蛇の生殺しのような格好のまま放置しないで、誰でもいいから遊んで、私をオモチャにして、早く」
ギシギシッ……黒い布で目隠しされた素っ裸の女性が大股開きで股間を突き出すようにして椅子に縛られ、悪戯されたいと軋み音を立てるほど身体を揺すり立てている。
「ゴクッ、なに??何をしているの??」
自分でも間の抜けた質問だと思うものの目の前の出来事は全く予期していないことなので、こんな言葉しか発することが出来ない。
「彩、見てごらん」
背後に立った健志が肩を抱くようにして部屋の全容を見るように促し、彩は視線を巡らす。
カップルに交じって一人で来たらしい男性もいるようだが椅子に縛られた一人と彩を含めて女性は四人、男性が五人、それとカヲルを含めて十人の男女が性的嗜好を満足させようとしている。
「彩さん、あのドアの向こうに一人の女性を悦ばせようとしている男性二人がいるわよ」
彩を見つめていたカヲルは巡らす視線で人数を数えていることを知り、悪戯っぽく話しかける。
プロフィール

ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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