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彩―隠し事 301

転生 -6 

悪友の悠士との遊び方を問われた健志は旗色が悪くなったのを隠すために、可愛い彩とキスしたいと呟き頬に手を添える。
それまで瞳の奥に隠れた真実を見逃すまいとして覗き込んでいた彩は目を閉じて顎を引く。
彩の可愛い仕草に頬を緩めた健志が額にチュッと唇を合わせると、目を閉じたまま
唇を尖らせて濃厚なキスをせがむ。
ツンツンと唇をつつき、湿らせた舌が閉じたままの彩の唇を右から左に刷き、上唇を挟んでチュッと吸うと、アンッと可愛い声が漏れる。
閉じていた目が開いて潤んだ瞳で見つめられるだけでドクドクと鼓動が激しくなり彩にも伝わる。
「ウフフッ、すごい。ドクドクと全身に血液を送り出す音が聞こえる。興奮しているの??ココはどうかな??……すごいっ、どうして??」
健志の太腿を跨ぐ彩が腰を浮かせると押さえつけられていたペニスがピョンと飛び出して宙を睨み、首に回していた右手を添えると熱くて岩のように硬い。
「彩の瞳でオレの心臓が撃ち抜かれたからだろうな」
「クククッ、彩は瞳で健志を犯して、健志は言葉の愛撫で彩のアソコを濡らす。似た者同士だね……好き者」
「やっぱり可愛い、キスさせてくれるね」

カチッと歯がぶつかるようなキスをする。
キスとセックスを覚えたばかりの頃のように相手に対する思いやりに欠け、只々、愛おしい相手に対する思いをぶつけ合うように唇を合わせる。
ハァハァッ……息をするのも忘れて貪り、苦しくなった二人は顔を離して笑みを浮かべる。
「彩と離れている時は今度会う時はこんなことを言おう、こんな事をしようと色々思い浮かべるけど、こうして目の前にすると本能のまま身体が動いてしまう」
「彩も同じ。まだまだ、どれほど健志のことが好きなのか自分でも分からないの」
「彩もそうか、オレも同じだ。会うたびに好きだと思う気持ちが強くなって、こんなことを言おうと思っていたことが言葉足らずに思えてしまう」

「いつまでも、こうしていたい」
健志の首に両手を回して身体を寄せ、頬と頬を合わせた彩は耳元で囁く。
「以前、健志は言ったよね。彩と離れている時、身体は寂しいけど頭の中で時間も他人の目も気にすることなく二人でしたいことをできるから堪えられるって……」
「あぁ、本当だ。世の中の人すべてに当てはまると思うけど片想いの特権だよ。オレが独りでいる時に見る夢の中の彩は誰を気にすることもなくオレだけの女だよ」
「ウフフッ、片想いだと言われると異論もあるけど、嬉しい。健志の夢の中の彩はどんなことをしているの??」
「いつも一緒にいると思うだろうけど違うよ。二人の関係はみんなから認められているし仲を裂こうとする人もいない。彩とオレは互いを尊重して時間や身体を必要以上に束縛しない、心でつながっているからね」
「楽しそう……もしかするとみんなが認める恋人同士、それとも結婚しているの??」
「それは……秘密。夢の中のことは夢の中に隠しとく、たとえ彩にでも話しちゃうとシャボン玉のように儚く消えちゃうような気がする」
「そうだね、その方がいいね。夢の中ではだれでも自由、彩も健志と同じ夢を見たい。現実の健志と彩は夢の中のようにはなれない、だからプラチナチェーン下着で彩は心を縛られている、そうだよね??」
健志の頬から離れた彩は潤んだ瞳でまっ直ぐ見つめて静かに目を閉じる。

頬を撫で、指先で唇の周囲をなぞり改めて彩への気持ちの昂りを待った健志は唇を重ねて舌を侵入させる。
二人の舌は擦り、擦られて絡み合い互いの口腔を出入りしながら歯茎を舐めて上顎をゾロリと舐める。
出入りを繰り返す舌は二人の間の宙で絡み合って華麗なダンスを踊る。
ウグウグッ、ニュルニュルッ……ハァハァッ……唇を合わせて甘噛みし、舌を絡ませて唾液を啜り合ってキスに酔いしれる二人の両手は肌を擦り、満足することなくまさぐり合う。
二人の欲求は唾液を啜り、愛する人の肌を撫でれば撫でるほど、もっともっと相手を知りたいと貪欲になる。
唇を離しては顔を見つめ合い、尽きせぬ思いに突き動かされように再び唇を重ねる。
いつ果てるとも知れないキスで口は乾き、バスルームの熱気に堪えられなくなった二人はボディシャンプーを振りかけて身体を擦り合い、汗と共に俗世の垢を洗い流し二人だけの世界に踏み入る。

クローゼットの健志のシャツの中で一番お気に入りの青いシャツを着けた彩は、
「どう、似合う??」
「白い肌にブルーがよく似合う。爽やかな清潔さや知的な感じと艶めかしい肌の妖艶さが同居している。彩は……」
「待って、健志が言う前に彩が自分で、ねっ……昼は淑女、夜は娼婦。だけど勘違いしないでね、娼婦になるのは健志といる時だけ……信じるでしょう??」
「信じる。彩を疑うのはオレの気持ちを疑うことになる」

健志はジントニック、彩はビールを持ってベランダに出た二人は椅子を並べて遠くに見える煌びやかな夜景を見ながら喉を潤す。
「ねぇ、彩を抱っこしてクチュクチュしないの??」
「言っただろう。夢の中でオレと彩は身体を求めるだけではなく気持ちがつながっているって。今は手を伸ばせば届く距離に彩がいるから心は満足している」
「クククッ、じゃあ、クチュクチュしなくてもいいから抱っこして」
言い終わる前に立ち上がった彩は健志の太腿を跨いで首に手を回し、唇を尖らせる。
そんな彩に、
「オレの顔と夜景とどっちを見たいんだ??」
「今はこのお顔を見たいの、文句ある??」
「オレも彩を正面からこんなに近くで見ることができて嬉しいよ」
「えっ、恥ずかしい……間違えた、恥ずかしくなんかない。意地悪な健志が彩を見て嬉しいって言うなら、彩も意地悪になって見せてあげない」
一旦、立ち上がって背中を向けて腿を跨ぎなおした彩は、
「きれい、ここから見る景色が大好き」
彩の言葉を聞いているのかいないのか、健志は髪に顔を埋めて息を吸い込むと、見ている月が恥ずかしそうに雲に隠れる。
「彩の好い匂いがする。大好きなムッチリの彩を抱きしめているのを嫉妬した月が隠れちゃったよ」

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ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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