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彩―隠し事 239

余韻 -7

18時前のホテルラウンジは待ち合わせの人たちが多く、健志を探す彩にも多くの視線が注がれる。
壁際の席でグラスを掲げて合図する健志に微笑みと共に手を振り、笑みを絶やさずに近付いていく。

「遅れてごめんなさい」
「しょうがないよ、オレの方が近いんだから。そばに座って太腿の感触を思い出させてくれよ」
「クククッ、もっと小さい声で……聞かれちゃうでしょう。それはジントニック??」
「違うよ、食事前だから炭酸水。彩との食事は大切にしないとね」
「食事だけ付き合ってほしいなんて、わがまま言ってゴメンね」
「誘ってくれて嬉しかった。オレが白くてムッチムチの身体だけが目当てだなんて思ってないだろう??」
「あらっ、そうじゃないの??下着とも言えないエッチなモノを着けさせて健志以外の男に抱かれないようにするなんて……私の恋の邪魔をしているんだよ。それとも、彩のすべてを好きだと言ってくれるの??」
「何度も言っただろう、オレは彩のすべてが好き。彩の本当の姿を知ろうとすると全てを失うような気がするから知りたくない……プラチナチェーン下着で彩の気持ちを縛っているけど鍵を渡しているだろう??彩の自由を縛るつもりはないよ」
「鍵を持たせても外すはずがないと思っているでしょう??そう、仕事中も家にいるときも外そうと思ったことはない……彩は健志に惚れちゃったかもしれない」
「そんな言葉を聞かされると照れちゃうな……オレは彩に惚れている。改めて口にしなくても気付いているだろうけどな」
「ウフフッ、お腹が空いた、何を食べさせてくれるの??……静かな雰囲気で気軽に味わいたい。誤解しないでね、エッチな気持ちじゃないよ」

「二人だけど部屋はある??……ありがとう、10分ほどで着くと思います……行こうか」
彩を促して目的の店に向かう健志は、
「気軽にって言うから居酒屋にしたけど好いよね??」
「うん、いいよ。個室らしいからリラックスできそう。今日はほんの少し気疲れしたから嬉しい」
遠慮がちに手をつなぐ健志を見上げて笑みを浮かべた彩は、指を絡ませて肩を寄せる。
「クククッ、可愛いな。彩といると初めてデートした頃を思い出すよ」
「今と同じでスケベでエッチだった??ねぇ、初デートはいつ??」
「高校2年のクリスマス前」
「うそ、本当はいつなの??」
「ほんとうだよ。男のダチと遊んでいるが楽しかったし、女子と付き合うのは面倒なモンだと思っていた……着いたよ、このビルの5階」

木をふんだんに使った個室は間接照明が優しく照らして落ち着きがあり、大人のカップルが食事を楽しみ、愛を語る雰囲気に満ちている。
店自慢の地鶏料理をいくつかとローストビーフ、刺身の盛り合わせなどとスパークリングワインの白をオーダーする。

夕食を一緒にしようと誘った彩の健啖ぶりに頬を緩める健志に、
「大食い女は嫌いになる??今よりももっとプクになるかなぁ、クククッ」
「反感を持たれるかもしれないけどオレは見た目というか直感を大切にする。彩は食事中も姿勢がいいし箸やナイフ、フォークの使い方がきれいで両親に愛されて育ったんだなぁと思う……モデル体型の女子は昼間のデート相手にいいけどディナーが終われば解散。彩は昼夜問わずいつも一緒にいたい」
「ムッチリ好きは分かったけど、おチビちゃんでもいいの??」
「ここへ来てごらん」
立ち上がった健志は両手を広げて彩を胸に迎えて抱きかかえる。
「こんな風にすると彩の身体も心も全て抱きかかえたような気がして落ち着く」
「ふ~ん……落ち着いちゃうの??彩は興奮してほしいな、確かめてみよう……なんだ、チンチンは小っちゃいまま。久しぶりに会ったのに、ガッカリだよ」
「久しぶりに彩と食事をできる、それだけで満足だよ。オレはそんなに強欲じゃない」
「久しぶり??ウフフッ、健志に抱かれたのは前の前の日曜日だから9日前だよ。彩がどれほど会いたかったか証拠を見せてあげる」
健志の両手の間からすり抜けた彩はその場で横たわり、スカートを捲り上げて目を閉じる。
「確かめろってこと??……クククッ、彩のことをウサギのようだって言ったけど間違いないな。何もしてないのにヌレヌレのグッチャグチャ」
「そうだよ、彩はウサギと同じでいつでも発情期……健志のそばにいる時や健志のことを考えている時も彩はウサチャン」

健志の指は無毛の恥丘を撫でて割れ目の縁をなぞる。
「アンッ、こんなところでいつまでこんな恥ずかしい格好をさせとくの??……お腹がペコペコなのに」
「ゴメン、喉が渇いたから白ワインを飲ませてもらうよ……ズズズズッ……さすが彩、温かい白ワインも旨いな」
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ちっち

Author:ちっち
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