2ntブログ

彩―隠し事 192

獣欲 -6

タクシーが健志の住むマンションに近付くにつれ、早く会いたいと思う気持ちとこのまま会わずに帰りたいと思う気持ちが交錯して彩の心臓は早鐘を打ち全身の血が逆巻く。
坂道を上りつめてマンションの全景が見えると、外に出て待ってくれている健志の姿が見える。
白いチノパンとピンクのTシャツを着けていかにも夏らしく軽やかに見えるのが腹立たしく、普段と変わらない様子を嬉しいとも思い何もかも相反する気持ちが葛藤の元となる。
足早に運転手側に回って料金を支払い、下車した彩に「おかえり」と囁いて頬に唇を合わせる。
「ただいま……怒ってない??」
「怒るわけがないだろ。寄ってく??それともすぐに家の近くまで送ろうか??」
「泊めてくれないの??」
「えっ、いいの??先週も家を空けただろう」
「夫は実家に急用が出来たからいないの」
「そうか、嬉しいな。二週連続で彩と過ごせるなんて思いもしなかったよ」
健志は何も言わないが彩は内股になり歩幅も狭く、股間に違和感があるような歩き方をする。

窓辺に立つ彩の背後に近付いた健志はTシャツの襟から覗くゴールドチェーンに触れ、全容を確かめるように指を這わせてホルターネック部分から胸の膨らみで戯れ、乳房と股間をつなぐチェーンを一本ずつなぞる。
「オッパイを弄られたりアソコを舐められたりして彩のオンナノコはグジョグジョに濡れたのに、止めてって言っちゃった。健志以外の人に抱かれたいと言ったのに、ごめんなさい。お友達に恥をかかせちゃった……」
「しょうがないよ。アキラ君と経験した彩が、もう一歩踏み出そうとしたんだけど、二度目は逡巡した。勢いですることじゃないからいいんじゃないの。彼から彩がそっちに向かったって連絡がきたけど怒ってなかったよ」
「ほんとう??怒ってないの??よかった……安心したけど、健志に腹が立ってきた。見たくないの??ねぇ、焦らさないで脱げって命令して。早く……」

開封前のシードルとグラスを持ってベランダに出た健志は椅子に座り困惑する彩を手招きする。
夕方とはいえ七月の太陽はまだまだ夏の暑さ残し、誘われるままベランダに出た彩は手をかざして眩しさを避ける。
「彩、脱ぎなさい」
「えっ、ここで??」
「そうだよ、海が好きな彩には眩しい太陽が似合う。此処でゴールドチェーンに飾られた彩を見たい」
「いじわる……いいよ、今日の彩は悪い子だったから……フフフッ、本当は興奮する」
隣との隔壁に目をやり見えるはずのない真下の通りを確かめた彩はTシャツの裾に指をかけ、見えないよねと呟く。
「駅近くのマンションから望遠鏡でも使わない限り見えないよ」
「そうだよね……」

ゴクッ……Tシャツを脱ぐとゴールドチェーンが飾る乳房が姿を現し見つめる健志はその美しさに唾を飲み、自然と伸びそうになる手を握りしめて腿に載せる。
「ウフフッ……興奮する??」
「あぁ、想像以上の美しさ。プラチナもいいけど彩にはゴールドも似合うって言った彼の言葉を信じてよかったよ」
「でも、これは普段使いできない。身体を動かすと微かにだけどカシャカシャ音がするし襟から見えるから特に夏は着けたくない。健志と彩、二人だけの隠し事……」
「分かったよ、彩を苛める趣味はないから着けたいって言うまで待つことにする……ジーンズも脱いでくれるだろう」
慣れた手つきで開栓したシードルをフルートグラスに注ぎ、興奮を隠そうとしてゴクゴクと喉を鳴らして飲み干す。

「シュワシュワが美味しそう、彩も飲みたい。アルコールは強くないよね」
3%の辛口だよと告げてグラスに注いだシードルを手渡すと、白い喉を見せてグラスを空にする。
「美味しい、ビールよりも好きになりそう。青リンゴの香りがする」
「そうだよ、青リンゴのシードルだよ……青くなく成熟した彩を見せてくれるね」
「フフフッ、ジーンズを脱がせたいと思っているでしょう??」
健志の腿を跨いで突き出した胸を顔に近付けた彩は後頭部に手を添えて引き寄せ、ゴールドチェーンに飾られた汗が滲む乳房を押し付ける。
苦しいとも言わず、膨らみの中ほどを口に含んで吸い込むと、
「ダメッ、キスマークをつけてもいいけど後でね、今はジーンズを脱がせてくれるでしょう??」と、囁く。

ジーンズを下ろした健志は怪訝な表情で彩を見る。
「彩、パンツを穿いているのはいいけどウンチを漏らしたんじゃないだろうな??」
「変なことを言わないで。冗談は後にして早くジーンズを脱がせて……」
頬を朱に染めて抗議する彩を愛おしく思いながらも姿を見せたショーツが何かの重みに耐えるように垂れ下がり、タクシーを降りた後の内股で歩幅も狭く歩いた様子を思い出して小首を傾げ、唇を尖らせる。
「早くジーンズを脱がせてパンツを下ろして確かめればいいじゃない。堪えるのは大変なんだから早くして」
彩の剣幕に恐れをなした健志はジーンズを下ろし、垂れたパンツを支えるように手の平を添えて、
「クククッ、そういうことか。へんな歩き方をしていると思ったけど落とさないように頑張っていたんだ……オレ以外のチンポに犯されたい。複数のチンポに襲われたいという妄想を忘れられないようだな」
ショーツを引き下ろすと割れ目からプラチナチェーン製下着が姿を現し、健志が覗き込むとズルッと滑り落ちる。
「彩のが緩いってことじゃないからね。落ちたのはマンちゃんのせいじゃないよ」
「分かっているよ。オレのモノを咥えるとクイクイ蠢いて奥へ奥へと飲み込もうとするのを忘れてないよ」
「そんなことより似合っている??ねぇ、どうなの??」
「うん、似合っているよ。さっきも言ったけど、彼の言うことは間違いなかった。染み一つなく大理石のようにしっとりした白い肌はシンプルなプラチナも好いけど、輝きのあるゴールドがよく似合う……普段使いしたくないと言われたのはショックだけど……」
言葉ほどガッカリした様子も見せず、彩に注ぐ瞳は穏やかで優しさにあふれている。
「ウフフッ、プラチナチェーンを落とさないように頑張っていたから疲れちゃった」
「そうか、そうだね……本当の彩は仕事を頑張っているだろうし、気持ちは二人でも身体は一人、疲れているだろう。マッサージしてもらおうか、オレもコリを解してもらおうかな、二人並んでマッサージしてもらおうか??」
「えっ、うん……いいよ」
「よし決まり。行ってからダメって言われるのはシャクだから予約しとこう」

スマホを手に取り、二人で同室の施術を予約した健志はシードルをシャンパンストッパーで封をして冷蔵庫に戻し、シャワーで汗を流してマーサージの後、食事をすることにして繁華街を目指す。
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード