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彩―隠し事 168

海の見えるホテル -6

金目鯛の煮付けや新鮮な魚の刺身などを彩はビール、健志は冷酒と共に口に運ぶと自然と表情は綻び話が弾む。
「どうしたの??前にも言ったけど見つめられるのは慣れてないし恥ずかしい」
「ご両親や家族に愛されて育ったんだなぁって思いながら見ていた」
「どうして、顔のどこかに書いてある??彩は家族に愛されて育ちましたって」
「箸を上手に使うし食べる所作に無駄がなくてきれい。エレガントって言うのかな……食事を餌としてではなく文化として育てられた気がする」
「ウフフッ、ありがとう。名前も知らない両親でも褒められると嬉しい」

空になった皿が増えるにつれて会話が途切れがちになり、彩の気持ちはレストランからベッドに移っていく。
「彩、モゾモゾすると周りの人が変に思うよ」
「ウソ、そんなことしてないもん。早く戻ろう??疲れちゃった」
「えっ、エステは効かなかった??それともエステのお陰で元気になった処があるのかな……クククッ」
「ベッドメイキングは終わっていたけど誰かが部屋に入るかもしれないでしょう。アレを出しっぱなしだよ」
「分かった、一人で部屋に帰ってくれる??ルームサービスがないから何か買ってくるよ。冷蔵庫には酒のツマミ程度だし……欲しいモノがあれば買ってくるよ」
「スイーツが欲しいけど任せる。彩はイロエロ準備するね」
「クククッ、イロエロか……彩がどうしたいのか準備の内容で分かるね」

部屋に戻った彩は素っ裸になり携帯用ビデに湯を入れて自ら浣腸を施す。
施す、施し、お布施……ある種の事を揶揄して、ほどを超すから施しという、お布施とはそう言うものだと言った人がいるとかいないとか……
ほどを超えるほど丁寧に汚れを洗い流し、シャワーブースでボディシャンプーを使っていると買い物を終えた健志が帰ってくる。
「ただいま、オレも汗を流すよ」
入れ替わりでシャワーブースに入り全身を泡だけにした健志が背中を向けたのを確かめて用意したショーツとブラジャーを素早く着け、浴衣で隠して鏡の前に立つ彩は薄化粧をする。
ベッドに並べたままのオモチャに視線を向けることなく寝室を抜けてリビングルームから海を眺める。
9月半ばの日の入りは18時頃で20時に近い今の海は夕闇が広がり灯台の灯りがひときわ輝いて見える。

今朝、見ることのできなかった日の出を見たいと思う。関東地方最東端の場所で見る海から昇る太陽を見ないことには帰れない。
「ウフフッ、何があっても明日は見る」
「何を見るんだ……これか??」
誰に言うともなく呟いた彩の独り言を聞いた健志がベッドから持ってきたオモチャをテーブルに並べ、引き返して切子グラスとシードルを手にして戻る。
「可愛い奥さんに飲んでもらうのにいいお酒って言ったらコレを勧められた。ポルフェノールやビタミン、ミネラルが豊富で美容効果があるんだって……」
「奥さんかぁ、昨日ホテルに着いて奥様って呼ばれた時はドキッとした。新たな隠し事が出来たみたいで面白かった、ウフフッ……美味しい、シードルは飲みやすいから好き」
ビールを好むアユはアルコール度数が同じくらいのシードルを口に含んで頬を緩め、テーブルに並んだオモチャを見つめる瞳に妖しい光を宿す。

向かい合って椅子に座り、グラスを傾ける彩は健志の視線に羞恥を覚えて暗い海を照らす灯台の灯りを追う。
冷えたシードルの喉越しが心地好くて程よく身体が火照り、視線を逸らしても健志に見つめられているのを意識して金縛りにあったように身体が動かない。
ゴクッ……コトッ……シードルを飲み干して赤い切子グラスをテーブルに置いた彩は、
「何も命じてくれないなら目隠しをして、このままじゃ恥ずかしい」
いつの間に用意したのかテーブルのオモチャに紛れて黒い布があり、それを手にした健志は席を立ち彩の背後に回る。
「好い匂いがする」
目隠しで視界を奪った彩の髪に顔を埋めた健志は息を吸い込み、耳の裏から始めて
頬を擦り首筋に舌を這わせる。

耳朶を噛み耳穴に息を吹きかけながら、「可愛いよ。彩はオレの女だ」と囁く。
「ハァハァッ、嬉しい。彩は健志の女、このホテルの人は彩のことを奥さんと呼んでくれた」
「そうだった、オレも嬉しかったよ。彩でいる内は誰にも二人の邪魔をさせない」
首筋にチュッと音を立てて唇を合わせて向かい合う席に戻る。
「前にも言ったけど彩が何をしてもオレは味方だよ、分かるね」
「うん、分かっている……笑っちゃ嫌だよ」

目隠しの中で一層強く目を瞑り健志を意識から追い出し、浴衣の合わせから忍び込ませた右手で左乳房を擦り先端を摘まむ。
「ウッ、気持ち善くなっちゃう……ハァッ~、健志がいない夜は一人でこんな事をしているの。こんな事をする彩はおかしい??」
「ゴクッ、ハァハァッ、おかしくないさ。オレを思い出してくれるならこんなに嬉しいことはないよ」
唾を飲み、息を弾ませる健志は食い入るように彩の右手の動きを見つめる。
健志の妄想を掻き立てる右手の動きは止まる事を知らず、左手も浴衣越しに右乳房を揉みしだく。
赤い舌先が這い出て昂奮で乾いた唇に滑りを与え、下腹部を上下させて荒い息をするのが浴衣越しに分かる。
「ハァハァッ、見ている??彩を見ている??オッパイを弄ると気持ちいいの……イヤッ、先端を摘まむともっと気持ち善くなっちゃう、クゥッ~……」
ゴクゴクッ……トクトクッ……青い切子グラスを傾けてシードルを飲み干して二杯目を注ぐ。
「気持ち善いの、喉が渇く……飲ませて、おねがい」
シードルを口移しで流し込むと白い喉を上下して嚥下する姿に股間が反応する。

再び椅子に戻った健志は、
「それだけじゃ満足できないだろう」と、彩の性感を煽る。
「イヤンッ、アソコも弄っていいの??彩のオナオナを見たい??ねぇ、見たいの??」
「あぁ、見たい。昼間の清楚で上品な女性が夜の闇が広がるとともにスケベで淫靡な女に変身する。オレの目でそれを確かめたい」
「ハァハァッ、そうなの、彩は月明りが地上を覆うと娼婦に変身する」
浴衣の裾を割ると姿を見せた白い脚の艶かしさに健志はドキッとして冷静さを保つためにシードルを飲み興奮を冷まそうとする。
視覚を遮られた彩は快感に酔いながらも鋭敏になった聴覚が見えない健志の昂奮を感じて自然と性的な焦らし行為を行う。
浴衣の裾を少しずつ開いて膝下だけではなく太腿まで見せつける。
腿の付け根付近から膝に向けて手の平で撫で、指先が内腿を撫で上がる。
目隠しをした彩の表情が変化して口がしどけなく開き、舌が唇を刷き両脚が少しずつ開いていく。

健志が好ましく思う成熟した女性の色気を撒き散らす艶めかしくムッチリとした太腿の奥を守るピンクの下着が姿を現し、見つめる健志はゴクッと唾を飲む。
彩の股間を飾るショーツは守ることを捨てて健志を誘うために存在するとしか思えない。
適度な丸みを帯びる白い肌を守る最後の砦は最初から無防備でクロッチ部分が割れたピンクの紐パンで見つめる健志の視線を掴んで離さない。
「見つめられるのは慣れていないって言ったでしょう。目隠しをされても健志が彩を見つめているのが分かる」
胸で戯れていた両手が股間に下りてくる。
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ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
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夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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