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彩―隠し事 97 

期待 -10   

ドアを開けると真正面のXの形をした赤い磔台が目に入り思わずよろめいてしまい英作に身体を支えられる。
「だいじょうぶ??」
「だって、こんな部屋で……怖い」
声が震えるのは不安や恐怖ではなく、結婚後初めての浮気相手とのセックスを思い出したからだ。

それまで会った事のないような遊び人で経験したことのないセックスで翻弄され、初めて見る性的なショーにも連れて行ってくれた。
優子と一緒に行ったSMショークラブもその男に連れられて行き会員になった店だ。
性的好奇心の強かった栞はSM遊びや浣腸からアナルセックス、他人に見られるかもしれないという野外セックスにも快感を得るようになり、次第に性的に操られることに悦びを覚える自分に恐怖を感じて別れを告げた。
その後、愛する夫に愛される幸せに浸りながらも身体に浸み込んだ性的な想い出が浮気に走らせ、何度か不貞を働いた。
夫の目を盗んで何人かの男に抱かれても初めての浮気相手ほど快感の虜になる相手は居なかった。

今、身体を支えてくれる英作は仕事中の紳士的な課長と違って性的欲求をあからさまにして、当たり前のようにSMルームに栞である英子を誘った。
昔の男との想い出が鮮明に甦る。
身体の奥に眠る被虐心を刺激された時、これまでのように夫を愛することが出来るか不安になる。
視線を巡らすと壁に設えられた磔や皮の拘束具が付いた奇妙な椅子、透明の壁しかない丸見えのバスタブが目に入り、ハァ~……思わず漏らした吐息を聞いた英作は、
「英子はこんな道具を見たこともないか、怖がることはないよ。見えるから怖い、目隠しで見えないようにしようか」

目隠しで視覚を奪われた英子はジャケットを脱がされて両手を掴まれたまま押されて数歩進み、天井から下がる鎖に万歳の恰好で拘束される。
「傷つけるようなことはしないし、英子が嫌がることもしない。されたくない事は嫌と言えばしないと約束するから安心していいよ……分かったか??」
「分かりました。すごく怖くて震えているけど信用する」
英子の声と身体の震えは恐怖のせいではなく、昔を想い出した身体が期待に打ち震えていることを英作は知らない。

バッグに入れてある作動中のボイスレコーダーを気付かれることがないだろうかと不安になる。
これから起こることに身体が被虐の悦びを想い出して喘ぎ声を漏らしても、再生した夫が嫉妬心を芽生えさせて責めてくれれば夫を愛していられるし、他の男に惹かれることはない。
それに、この身体が他人の責めを求めることがあっても、それは夫の希望を叶えることで悪い事ではないと自分に言い聞かせる。


優子は栞の言い草に呆れ、課長とのセックスを肯定する身体に罰を与えることにする。
覆い被さるようにして左乳房の先端を摘まんで捻り、右の乳首を甘噛みして徐々に力を込めると、
「いやぁ~ン、痛痒くて気持ちいい。アンッ、濡れちゃう」
と、甘い声を漏らす。
それを聞いた優子が乳首を苛めていた手を下半身に移動して、情け容赦なくズブリと侵入させると指は火傷しそうなほど熱い蜜に包まれる。
「栞はセックスの化身なの??課長に責められたことを想い出していやらしく濡らすなんて」
「しょうがないじゃん、男性が愛おしいんだもん。課長ったら本当の私の淫乱さを知らずにアソコに入って可愛い声を出して逝っちゃう、出ちゃうよ……イヤンッ、思い出すだけでドキドキする」
愛撫に対する反応や栞の話に呆れた優子は課長との話の続きを促す。


視覚を奪われて万歳の恰好に両手を拘束されては、どんな悪戯をされてもハァハァッと息を荒げて堪えるしかない。
「英子、熱くないか??私は昂奮のせいなのか熱いよ……ストッキングや下着を着けたままじゃ蒸れるだろう、脱がせてあげるよ」
英作の手がスカートの裾から忍び込んで太腿をサワサワと撫でる。
「ムッチリとした肌を好ましいという男もいるが、私にはこれくらいスマートな身体が丁度いい。撫でるだけで勃起する」
手の平と言葉の愛撫で英子は身体をくねらせ、アンッと甘い声を漏らしたタイミングで英作の指が下着にかかり、抗議する間もなくストッキングごと一気に足首まで下ろされる。
「下半身だけじゃ不公平か??オッパイも熱いって言ってるだろう」
「いやらしい英作が好き。もっと、もっと私を嬲って、愛する旦那様がいるのに浮気する私を懲らしめて」
ボイスレコーダーを再生する夫の表情を思い浮かべて快感を燃え上がらせる。

ブラウスのボタンを外されてブラジャーのホックを外された無防備な姿で立ち尽くす。
「好い格好だよ、英子。エロっぽい生足、スカートで隠しているけどパンツを脱いだ股間はグジュグジュに濡らしているだろう……ジャケットを脱いでブラウスのボタンを全て外してブラジャーも守る役目を放棄しちゃったからプリプリオッパイがだらしなく見えるし」
「いや、こんな格好のまま我慢するのは恥ずかしい。いつものようにお口でアソコをクチュクチュされたい。オマンコをビロ~ンって開かれて舌でクチュクチュ、お口を開いてオマンコにガバッと吸い付いてズルズルと音を立てて吸われるのも好い、ねぇ早く、おねがい」
「今日の英子はいやらしいな。私に抱かれるのが楽しみになったようだね……可愛い英子がご主人に抱かれる姿を想像すると気が狂いそうだよ」

ボイスレコーダーを再生する夫を意識して卑猥な科白を吐く栞の気持ちを課長は都合よく誤解する。

このまま可愛がりたいけど、仕事着を着けたままじゃ集中できないから素っ裸にしちゃうかと独り言ちてスカートとブラウス、ブラジャーを剥ぎ取り、再び万歳の恰好に拘束する。
素っ裸の英子が身に着けるのは目隠しだけでグジュグジュに濡れそぼつ股間を見つめる英作の視線が熱い。
「こんなに嬉し涙を垂れ流したんじゃ焦らすわけにもいかないな……目隠しを外して拘束椅子で遊ぼうか。オモチャがなきゃ楽しめないだろう。ここはカタログで選ぶと届けてくれるんだな」
「オモチャで私の身体を嬲るの??昂奮するけど、自分で選べない選べない」

英子は目の前に突き出されたカタログから目を逸らし、英作に任せると呟いて目を閉じる。
ミニ電マ、バイブとローションを頼んだ英作は拘束を解いて目隠しも外してくれる。
「素っ裸の英子を目の当たりにすると我慢できないから、ブラウスだけでも羽織ってくれないか」
ブラウスに袖を通してボタンを嵌めようとすると、ボタンまでは必要ないだろうというので、そのまま英作のそばに座る。
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ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

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さむいのも嫌
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