2ntブログ

偽者 ~PRETENDER~ -56

佐緒里と内藤 -28

帰宅後すぐにシャワーで卑猥な思いを洗い流した二人はソファで寄り添う。
「朝まで休戦にしよう。明日は夜まで一緒にいられるんだろう??」
「当たり前じゃん、夕食を食べてから送ってもらうことにする。クククッ、迷惑??」
「いや、素直に嬉しいよ。ホットチョコを飲もうか??好い子で待ってなよ」
佐緒里の額にチュッと音を立てて唇を合わせた内藤は立ち上がってキッチンに向かい、背中を見つめる佐緒里は頬を緩めて額にキスの跡が残っていないかと確かめるように指を伸ばす。

ココアパウダーと砂糖を混ぜて水を加え、パウダーが溶けたら牛乳を加えてダマになるのを防いで火にかける。
刻んだチョコレートとシナモンパウダーを加えて火を止めて電動ミキサーで十分に混ぜる。
再び火にかけて適温に温めてカップに移し、シナモンスティックを添えてソファに戻る。

「温かくて美味しい……オミズの女は優しくて料理上手な男に気をつけなきゃいけないんだよ、知ってる??」
「初めて聞いた。オレは知らないな」
「好きでもない男に気を遣ったり、たまには触られたりすることもあるでしょう。その後で寒くて静かな部屋に帰るのは寂しいからワンちゃんやニャンコちゃんを飼う人もいる……中には肌の温もりが欲しくて男と暮らす人もいる。この男が優しくて料理上手だと女はコロリ。寒くて静かだった部屋で好きな男が美味しい料理を作って待っていてくれるんだよ。独りの時はダラダラ昼過ぎまで寝ていたのが、おいしそうな食事の匂いで起こされるの……オミズの女に付きまとう悪い男は暴力と優しさで女を操るって聞いたことがあるでしょう??」
「うん、あるよ。上から目線で優位に立って時に優しくする。硬軟取り混ぜてってヤツだね」
「そう、よく言われる典型的なヒモタイプ。もう一つあって、優しくて料理上手な男。内藤さんはその素質がある……素質はあるけど、違うって私の本能が教えてくれた、美香ちゃんを幸せにしてあげてね。そして美香ちゃんに気付かれることなく私も幸せにしてくれなきゃ怒るからね……ウフフッ」

内藤に背中を預けて、シナモンスティックでかき混ぜながらホットチョコを飲む佐緒里は、
「美味しい、シナモンの香りが大人の味。身体が芯から温まって幸せな気分。ねぇ、キスして」
佐緒里を抱きかかえて軽く唇を合わせた内藤は、
「時間はたっぷりあるから今日はセックスを忘れても好いだろう」
「もう私に飽きちゃったの??」と、嫣然と微笑む。
「いやな事を言うな、佐緒里は。この身体に絡めとられて離れられなくなっちゃいそうだよ」

「二回もしちゃったもんね。お口をオマンコ代わりに遠慮なく出しちゃったでしょう、気持ち善かった??」
「金を介在しないで食事を摂ったり愛の言葉を囁いたりする大切な口で受けてくれるって、好意を持ってくれているからだろう??気持ちが盛り上がるよ」
「ウフフッ、それだけなの……本音は??」
「なんだよ、観察されたり心の内を読まれたりってのは好きじゃないよ。そうだなぁ……温かくてウネウネするオマンコでつながるのも気持ちいいけど、美味くもなさそうなオレのモノを受けるだけじゃなく飲んでくれただろう、昂奮しないわけがないよ」
「ふ~ん、それだけ??正直じゃない話を聞くと別れた夫の事を思い出しそう……信じちゃいけない人を好きになっちゃのかなぁ??可哀そうな私」
「分かったよ、分かりました。正直に言うよ、フゥッ~……仁王立ちのオレの足元に跪いてしゃぶってくれただろう、そんな佐緒里を見下ろして満足の証を口に吐き出すとゴックンしてくれた。佐緒里のような好い女に対する征服欲を満足させてくれるし、勘違いじゃないと信じてオレの分身である精液を飲んでくれて好意も感じた」
「勘違いじゃないよ。美香ちゃんには申し訳ないけど、私はあなたが好き。一目惚れってヤツだよ」
「屈折しているなぁ、それにも拘らずオレを美香ちゃんの客に付けたんだろう」
「愛だ恋だって言うのは難しいの。スタンダールも恋愛論を書いているし、偉大な芸術家も男女関係で苦労したって人が多いんだよ」
「疲れたな、寝ようか??」
「うん、あなたに抱っこされて胸に顔を埋めて眠りたい……いいでしょう??」
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード