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転身 

―11

「ウゥゥ~ン……イヤンッ、くすぐったい……ねぇ、もう朝なの??」
「どうかな、カーテンを開けるよ」
「ウッ、眩しい……目を開けられない」
「クククッ、桜子が大好きな目隠しをしようか??」
「イヤンッ……昨夜、目隠しされて散々遊ばれて恥ずかしい思いをしたことが蘇る」
「オレのことが嫌いになったか??」
「もぉ~、何度も言わせないでよ。嫌いになってあげないって言ったでしょう??」
「クククッ、可愛いなぁ。お腹が空いてない??」
「ウ~ン、ウフフッ、その前に、もう一度、ダメ??時間がない??」
「10時の約束でここからなら30分くらいだから時間はあるよ」
「ふ~ん、時間はあるんだ……なんか、この部屋は暑い。脱いじゃおうかな」

これまで感じたことのない艶めいた表情で見つめられた男はゴクッと唾を飲み、身じろぎも出来ずにナイトウェアを脱ごうとする桜子に手を重ねる。
「ゴクッ、脱いじゃダメなの??」
「当たり前だろ、桜子のナイトウェアを脱がせて少しずつ露わになる肌に触れる楽しみを奪わないでくれよ」
「ふ~ん、私は自分の欲望に忠実な女。あなたは私の欲望を満足させてくれる稀有な男性に見えるけど……私は間違えている??」
「間違えちゃいない……眩しい陽光に照らされた桜子の肌を見たり触れたりするのはオレだけだよ……」
「うん……他の男に見せたり触らせたりしちゃダメだと言って。目隠しで視覚を奪われ、後ろ手に縛られて身体の自由を奪われるとゾクゾクするほど気持ち善かったの……身体だけではなく、心も縛られたい」
「桜子の身体と心を同時に縛っちゃおうか……」

男が桜子の2ウェイバッグに視線を向けると、
「えっ、なに??変なモノは入ってないよ。何か気になるの??」
「バッグの中じゃなく、ベルトを借りるよ」
外したショルダーベルトと桜子を見比べた男は、
「オレを信用してくれるだろう」と言いながら、ベルトを桜子の首に巻いてナスカンで留める。
「桜子、これは首輪とリード。ワンコは首輪とリードで動きを制約されるけど、飼い主に安全を与えてもらえる……元はショルダーベルトだけど、桜子の首に巻くと首輪とリードになって身体と気持ちを拘束する。分かるだろう??」
「ハァハァッ、イヤンッ……首輪を付けられただけで興奮する」
男から離れようとするとリードを引かれて許されず、それを気にする様子もなく嬉しそうに笑みを浮かべる桜子は自ら上半身を揺すって首輪に与えられる刺激を楽しむ。
「苦しい。リードを引っ張らないで……でも、首輪につながるリードで動きを制約されるのって嬉しいかも、ウフフッ」
「ごめん……」
オレはリードを引っ張っていないから桜子が動かなければ首が締まることはないよ、という言葉を飲み込んだ男は言葉を続けて、
「桜子の身体や気持ちに関係なく首輪とリードでオレは自在に操れる。オレだけの女だよ、いいね:
「うん……好きな男に束縛されるのって嫌じゃない。離れていても信じているとか、気持ちがつながっていると言われるのも嬉しいけど、首輪とリードで操られるのってゾクゾクするほど気持ちいい」
「可愛いよ。好い子にはご褒美を上げなきゃいけないな」

引き寄せた椅子の肘掛けにリードに見立てたショルダーベルトを縛り、桜子の両肩に手を置いて瞼に唇を合わせると目を閉じる。
「身体の緊張を解いて、オレのことを信じるんだよ」
「アンッ、そんなことを言われると自然と身体が震える」
身体は緊張し、笑みを浮かべようとしても自然と表情が強張る桜子を抱きしめて額に唇を合わせ、そのままそっと寝かせる。
「ハァハァッ、縛られたり目隠しされたり、あなたの意外な一面を見せられた。最後はいつものように優しいのがいい、このままだと家に帰っても興奮が冷めない」

仰向けに横たわる桜子に覆いかぶさった男は頬を擦り、髪を撫でる。
「アァァ~ン、知ってる??女は髪の手入れに時間をかけるでしょう。その髪を好きでもない男に触られると不快になるの……」
「そうなんだ、ふ~ん」
笑みを浮かべた男は桜子の言葉を意に介することもなく髪を撫で、きれいに整える。
「オレに触れられるのも嫌だし、不快になるか??」
「知っているくせに、イヤな男。あなたが私の身体に触れる場所が性感帯になるし、それは言葉でも同じ。あなたの言葉が私の耳を通じて脳を蕩かし気持ち善くしてくれる……知っているでしょう??」
「クククッ、可愛いな……」
再び左右の頬に手を添えた男は覆いかぶさるようにして覗き込み、間近で見つめられる桜子は圧迫感で目を閉じる。
「恥ずかしい……」
「見つめられると思うから恥ずかしいんだろう。閉じたままでいればいい」
閉じた両瞼に唇を合わせて舌先を這わせた男は目を閉じたままの桜子に向けて微笑む。

身体のラインを確かめるかのように男の手はナイトウェア越しに脇腹から腰を経て膝までなぞり、反転すると内腿を付け根まで撫で上がり、鼠径部から下腹部に至るとサワサワと撫でまわる。
「服を着ている時はスタイルの良さを強調するけど、こうして触れると腰回りや太腿、下腹部は成熟した女性らしい柔らかみを感じる。見かけよりもエロイ身体だよ」
「クククッ、褒められていると思ってもいいの??」
「勿論だよ。神様は人間にセックスを楽しむことを許してくれたけど、本能の欠片みたいなものも残っていると思う。男たちは自らの子供を残すために競争するし時には暴力的になる奴もいる。女は男を誘うために実利的な意味を持って艶めかしい身体を誇る。桜子は男を誘う魅力に長けているよ」
「クククッ、普通にエロイ身体って言えばいいのに……優しく、暴力的に私の身体を召し上がれ……」

捲りあげたナイトウェアを顔と両手に引っ掛けた状態で露わになった腋下に舌を這わす。
「イヤンッ、そんな処を舐めちゃイヤッ。起きたばかりだから脇の下は臭わない??」
「ウ~ン、好い匂いがする。桜子の好ましい匂いで嫌な臭いじゃないよ」
チュッ、チュッ~……腋下に吸い付いた男はわざとらしく音を立てて吸い上げる。
「くすぐったい。クククッ、変態っぽくて好き、もっともっと、いろんなところを舐めて……次に会う時まで忘れられない記憶を刻んで」
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ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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