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彩―隠し事 353

余波 -10

いつもは二人になると話題が途切れることなく話し続ける優子と栞も健志を交えて彩と英子と名乗り、卑猥な時間を過ごした後とあって無口になる。
タクシーの運転手はルームミラーに何度も視線を送り、後部席で左右のドアに寄り添うように離れて座り、言葉を交わすこともなく流れる景色を見つめる二人の女性客を気にする。

漂う空気は仲が悪い風でもなく、今はただ互いの想いに耽りそばにいるだけで安心しているのだと結論付けてルームミラーに向けた視線を外す。
タイプの違う二人だが好い女だな。おそらく二人とも結婚しているのだろう。こんな奥さんと長い夜を過ごす果報者の旦那はどんな野郎かなぁ、好い女の旦那はやっぱり好い男なのだろう。
それにしても、この二人を見送った男は何者だろう??どちらかの旦那のようにも見えないし、上司とも思えない。
チェッ、バカバカしい。俺は何を考えているんだ。
信号が黄色から赤になる寸前にアクセルを踏み込み交差点を突っ切る。
二人の客はそんな乱暴な運転を気にする様子もなく姿勢を変えることなく、俺の背中を睨むこともない。
フゥッ~、俺はなにをやっているのだと自責の念に駆られた運転手は首を振り、息を吐いて平静に戻る。
「こちらでよろしいですか??……ドアが開きますから気をつけてください……ありがとうございました」
見送った男と言葉を交わしてあとから乗り込んだ女が料金を支払い、二人とも丁寧に礼の言葉を述べて降車した。
交差点で乱暴な運転をしたことが悔やまれる。
バックミラーに映る二人は遠ざかり、車内では見せなかった風で楽しそうに話している。
二人の美女を乗せたのが俺の夜の始まり、今日は良いことがありそうだ。あの二人を拾った場所に戻る前に運試しで駅の周囲を流してみよう。

「驚いちゃったよね。タクシーがあんな風に交差点に突っ込むなんて思わないから
ドキッとしちゃった」
「私もびっくりして一瞬、運転手さんの背中を睨んだけど直ぐに逸らしちゃった。好い女が二人、変ないちゃもん付けられると嫌だもん……それにしても、突っ込むなんて彩は飢えているの??」
「そう見えたのなら間違えていないのかもしれない。アソコがウズウズ火照っちゃう……栞に見せたけど一昨日の日曜までアソコもオチリも裂けるほど可愛がってもらったのに、今日健志の顔を見たら止まんなくなっちゃった」
「好いんじゃないの、彩」

エレベーターに乗るとタクシーの中と同じような息苦しさが二人を包み、再び無言になる。

「ただいま……あなた、帰っていたんだ。遅くなってごめんなさい。残業で遅くなると言っていたから栞と食事を済ませてきちゃった。すぐに用意するね」
「ごめんなさい。ご主人のお帰りが遅くなるって聞いた私が引き留めてしまいました」
「二人とも気にしなくていいですよ。残業は事実だけど、資料の一部を家に残したままだったので今から仕事です。食事は済ませてきたし、気分転換で風呂も先に済ませたので仕事が片付き次第、そのまま寝ちゃうから気にしなくていいですよ」
「仕事じゃビールってわけにもいかないから、何もしなくていいの??……何か用が出来たら声をかけてね」
「挨拶を忘れていたけど、今日泊めていただきます」
「どうぞ、いつまでも彩と仲良くしてください。それでは、おやすみ」
「おやすみなさい」

彩の部屋に入った二人は一瞬の静寂の後、顔を見合わせてフゥッ~と息を吐き、
「さすがに今日は、ほんの少しだけど心が痛む」
「ご自分の素行が原因で優子が浮気を始めたとは思ってもいないだろうからね」
「うん、そうだけど健志と付き合うようになって浮気をしている主人に寛大になれたし、夫婦関係が旧に戻ったとは言えないけど修復への一歩を踏み出せたような気がする」
「健志さんに内腿を舐められてオマンチョから溢れる蜜を啜られて、気持ちいぃ~って言ったもんね。何も感じなきゃ大した悪女だけど優子は清楚な人妻、始まりはご主人の浮気だから神様は許してくれる」
「ほんの少し悪女だと認めるから栞が先に風呂に入って。タオルはいつものところ、下着は自分で洗ってね、これはパジャマ……私は朝食の準備などをするから」
洗濯済みのパジャマを手渡した優子はスーツを脱ぎ、短パンとシャツに着替えてキッチンに向かい、栞もスーツを脱いで下着姿になり、リビングにご主人がいないことを確かめてバスルームに向かう。
朝食や出勤の準備を終えた優子は栞と入れ替わりでバスルームに入り、いつもと違って手早く入浴を済ませる。

「優子、健志さんのことでムリ言ってゴメンね。私は旦那様の悦ぶ顔しか思い描いてないから心配しないでね」
「信じているって。疲れたから寝ようか??」
「もう少し、いいでしょう??アレを見ようよ、私と一緒じゃ嫌??優子が望むならオマンチョと尻の穴を苛めてあげてもいいよ、ウフフッ」
「どうしても見たいって言うなら嫌だとは言わないけど……」
「私はエッチが好きだし旦那様は私にエッチなことをさせて喜ぶ変な人。旦那様に付き合うのは嫌じゃないけど、行き過ぎちゃうかもしれない。そんなとき優子を想い出せばブレーキになるかなと思って……だから隠し事をしたくないの。私の都合だから優子は重荷に感じることはないし、隠し事があっても怒らないからね」
「うん、分かった」
栞に微笑んで見せた優子は机の引き出しからDVDを取り出す。

モニターの中の英子と名乗る女の痴態を見ても栞は羞恥に苛まれるどころか、瞳を爛々と輝かせて左手で胸を揉み、右手をパジャマに忍ばせて妖しく蠢かす。
優子はモニターの中の英子と目の前の栞を見比べて言葉もなく、得体のしれない昂奮で乾いた唇に舌を這わせて滑りを与える。
「ねぇ、スゴイと思わない??さすがプロだよね、私のオマンチョやアナルばかりかお口まで性器扱いして男汁を吐き出しても、休ませてくれないし責め続けるんだよ……途中から気持ちいいのか痛いのか自分でも分からなくなっちゃうの。ただ、男たちの荒い息遣いが私を責めながら昂奮しているって実感できた」
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ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
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夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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