2ntブログ

彩―隠し事 143

覚醒 -19

「イヤンッ、悪戯はしないと言ったのに、うそつき……オッパイが痛痒い。アソコがズキズキして変な感じ」
「彩は感度が好いんだね。洗ってあげただけなのに変な声を出して……ねぇ、キスしようか」
霞が掛かったような瞳でカヲルを見つめる彩は拒否する言葉を忘れたかのように無言のままコクンと頷き目を閉じる。
「ウフフッ、可愛い」
カヲルの右手が伸びて乱れ髪を整え、顔の輪郭に沿って指が這い唇をなぞると赤い舌がヌルッと出て指を搦め取ろうとする。
這い出た舌もろとも彩の唇を覆うように重ねたカヲルは自らの優位を意識させるために舌を侵入させて歯茎をなぞり、舌を重ねて擦り唾液をゾロリと流し込む。
ゴクッと白い喉を見せて嚥下する彩に笑みを浮かべ、
「女の私でも乳白色に輝く肌はゾクッとするほど艶めかしい、彩オネエサン」と、意地の悪い言葉をかけながら腰に添えた手の平で撫でまわす

プラチナチェーンの下着を着けたまま全身を洗われ、足指にいたっては口に含まれて舌で清められた。
こんな事までしてもらって申し訳ないと思いつつ性的刺激も意識し、顔にカヲルが放つ迸りを掛けられて混乱すると、それを舐めとってくれたせいもあって身体も気持ちも意識しないうちに支配された。
とどめは、彩オネエサンと呼ばれても不快に思うことはなく、カヲルが精神的にも優位に立つことを認めてしまった。

立ちなさいと言うカヲルに従うと全身にシャワーをかけられる。
「彩はオンナの私が見ても好い女。肌を水玉になった湯が流れ落ちていく。べっとりと肌に絡むような不快感は全くなく健康そのものって言う感じがする」
尻の割れ目を目がけてシャワーを浴びせられ、割れ目を開きなさいと言われると易々と従ってしまう。
夫との仲が睦まじくセックスの相性もいいと感じていた頃にアナル性感を開発されていた身体は、窄まりの中心に向けて湯が浴びせられると自然と下半身が妖しく蠢き、自ら尻を突き出して責めを請う格好になる。
浴びせられるシャワーが浣腸液にも思えて子宮が疼き、奥歯を噛みしめて快感に酔いこれから先の悪戯を我慢できるか不安になる。
シャワーが止まって安心した瞬間に指がニュルッと窄まりの中心をこじ開けてアナル壁を擦りながら奥深くにまで侵入する。
「感度が好い身体だと思っていたけど予想以上に敏感。どんな責めでも貪欲に楽しんじゃう身体ね、彩。そうでしょう??」
「そんな言われ方はいやっ。彩はセックスにしか興味のない人間じゃない……イヤッ、そんな事をされたら……クゥッ~、足が震えて立っていられない」
カヲルの指はアナルを広げるように入り口付近では円を描き、奥深くに侵入すると曲げた指先が壁を刺激する。
「シャワーヘッドを外して浣腸液代わりにお湯を注入したいけど止めとくね、そんな事をするといやらしい彩の身体は我慢できないでしょう??……タケが待っているから出ようか」

カヲルの手で彩の身体は磨かれて水滴一滴残さずに拭き取られ、バスルームを出ると健志のブルーのシャツが用意されている。
健志が彩のお気に入りのシャツを用意してくれたのだろうと手に取ると、シャツに隠れていた首輪が姿を現す。
多摩川の緑地公園で人目を憚るようにして遠い昔の卑猥な想い出を脳裏に描きながら素っ裸になる解放感で股間を濡らし、大人のオモチャ屋さんで買い物をしたあの日、ペットショップで際どい会話を交わしながらこの赤い首輪とリードを買ったのだった。
ガラスドア―の向こうで鼻歌を歌いながらシャワーを浴びるカヲルが憎い。
性的な悪戯をしないと言いながら洗ってあげると優しい言葉で騙して悦びの声を漏らし、顔に尿を掛けられる歪な興奮で股間を濡らしてしまった。
健志までもが犬の首輪を付けろと言わんばかりに用意してあるのを見ると、最初から二人で仕組んでいたのではないかと疑い首輪を持つ手が昂奮で震える。

誰にも気付かれず、ハァハァと息を荒げながら首輪を巻いてⅮカンにベルトを通して留めようとすると手が震えてしまう。
フゥッ~、宙を睨んで息を吐き、やっとの思いで首輪を装着してシャツを着けると身体の震えが止まり期待と昂奮で身体が火照る。
紅潮した頬を隠す術もなく昂奮を露わにして健志が待つ部屋に戻ると、
「可愛いよ、よく似合っている」と、両手を広げて迎えた彩を太腿に座らせて頬にチュッとキスをする。
「恥ずかしい……何を飲んでいるの??」
健志の持つグラスはリンゴやパイナップル、キウイなどにミントの葉が浮かび、いかにも爽やかな飲み物のようで火照りを冷ますには良さそうに思える・
ピッチャーを傾けてグラスを満たし、ミントを添えて彩に手渡す。
一口飲んだ彩は、
「サングリアだ……白ワインだからサングリアブランカだっけ??」
「そう、赤ワインがサングリア。白ワインは彩の言う通りサングリアブランカ。ブランカは白って意味らしいよ……カヲルに悪戯されただろう??どんなことをされた??」
「お尻の穴を弄られたり、顔に……顔にオシッコをかけられたり色々」
「嫌いになったか??」
「意地悪、こたえたくない」
「そうか……いやなことは嫌だって言うんだよ」

彩と同じように健志のシャツを着けたカヲルも交えてサングリアで乾杯する。

彩―隠し事 142

覚醒 -18

決して大きくはないバスタブを跨いだ彩は背後からカヲルに抱きかかえられ、予期していたこととはいえ心臓が早鐘を打つ。
「フゥッ~、ドキドキする……健志に抱かれているような気がする」
「フフフッ、そうなの??ここで何度もこんな格好で背後から抱かれたんだ……こんな事もされた??」
身体を密着したまま左乳房をヤワヤワと揉みしだかれて右手で下腹部をサワサワと擦られ、首筋から耳の裏に温かい息を吹きかけられ耳朶をベロリと舐められて耳穴に乾いた舌を捻じ込まれる。
耳で戯れる舌の音は耳ではなく脳で感じる。
ゾワゾワ、ザワザワと虫が這いまわるような音が脳に響き、そっと目を閉じて気持ち善さに浸ると健志に抱かれているような気持ちになる。

「彩、何かを思い出しているでしょう。ここでタケに同じようにされたでしょう。それを思い出したんじゃない、違う??」
「アンッ、どうして知っているの??……ねぇ、一つ質問してもいい??」
「いいわよ、なにを聞きたいか想像できるけど答えてあげる」

「健志はバイブレーターのような存在だったって言ったでしょう。どういう意味なの??……ゴメン、もう一つ、健志はカヲルのことをもう抱いてやれないって言ったんでしょう。その後は、本当に……??」
「彩と付き合っているから抱いてやれないって言われた日から一度もない。顔を合わせることは何度かあったけどね……タケは本当に彩のことを大切に思っている。最初の質問、バイブレーター代わり、どうしても聞きたい??」
「うん、言いたくなければいいけど、確かめたい」
「聞きたいじゃなく、確かめたいか……彩も好きだし、タケも好き、二人の邪魔をしたくないから答える。仕事で女性を縛るでしょう、中には……そうね、彩のように縄に抱かれて股間を濡らす人もいるの、分かるでしょう??」
「うん、SMショークラブでパンツだけ着けて見知らぬ人に見られながらカヲルに縛られた時、これまで経験したエッチな事が走馬灯のように脳裏を駆け巡りアソコを濡らしたのは事実。彩だけじゃないってことなの??」
「もちろん、あの店に来る大抵の人はSMに興味がある。特に縄による縛りに興味のある人が多い、あるいはそういう性癖の持ち主に連れてこられた人とかね」
「そう彩もそうだった」
「そんな事はともかく、仕事とはいえ何人もの女性を縛って股間を濡らすのを見ると私の性的欲求不満が溜まってくる。そんな私の溜まり切った欲求を発散してくれるのがタケだった。後腐れなくセックスに集中してくれる人ってなかなかいないモノよ。タケは信用できるしいつでも満足させてくれた。そういう関係」
「ごめんなさい。納得出来ました」
「だから彩が望まない限り私が悪戯することはない。彩がどうしてもって言えば断らないけどね、ウフフッ」

「タケはこのプラチナ製の下着で彩の心を縛ったんだね……彩は縛られて嬉しい??」
「うん、身体が離れている時も気持ちが通じるような気がする」
「そうか……彩はご主人がいるんでしょう??ご主人とタケのどちらかを選ばなければいけないって立場になったらどうするの??」
「どういう場面か具体的に想像できないけど多分、主人を選ぶと思う。一旦主人の元に帰って離婚することもあるかもしれない」
「予想通り激しい女性だね、彩は。でもそれくらいの覚悟がなければ不倫なんかしちゃダメだと思う。表面を取り繕ってもスッキリしなければ綻びは大きくなるかもしれないモノね」
「彩が激しい女だって思う??人見知りするし、目立つよりも裏方に向いていると思っているのに」
「彩、洗ってあげる……立ちなさい」

有無を言わせぬ声でバスタブに立たせた彩の顎を指先が撫でる。
「しっかりした顎のラインは自分を見失わない意志の強さを感じさせる。上半身は水泳などを好んだ体形だと思う……肩からウェストの括れを経て腰が張り出し尻や太腿のムッチリ感。これはタケが好きなデザイン、コカコーラのコンツァーボトルをイメージできる。この柔らかい曲線は脂肪が乗りやすい身体のはず、体形維持の努力を欠かさない。彩はそんな女性だと思う」
「カヲルの言う通り、油断すると……だから、ヨガは欠かさないようにしている……アンッ、そんな事をされたら立っていられなくなる」
ボディシャンプーを肩に垂らし、流れ落ちるままにカヲルの手の平が彩の肌を這い敏感な胸の突起を優しく刺激する。
「苦しくなれば壁に手をついて身体を支えなさい。いいわね……ヨガを欠かさない、そんな女性をタケは好きだよ。天才やスゴイ秀才じゃないオレたち普通の人同士なら努力する才能が勝ち負けを決めると思っているって聞いたことがある」
「カヲルと健志は色々な事を話して互いを理解し合っているんだ……」
「私たちはセックスをしても色恋が介在しないから冷静でいられただけ、彩と私は違う……彩の白い肌は滑りを帯びて大理石のような妖艶な魅力に溢れているから手の平を滑らせると気持ちいい」

首から足首までボディシャンプーを塗り広げて洗い終えたカヲルはバスチェアに彩を座らせる。
改めて太腿から足指まで塗り広げてシャワーで流し、左足の親指を口に含んで二度三度とファラチオを施すように顔を前後する。
「やめて、恥ずかしい。お願い……」
「洗ってあげるって言ったでしょう、くすぐったくて我慢できないのなら止めるけど、どうなの??」
「くすぐったいわけじゃないけど、そんな事をされると恥ずかしい」
「お風呂じゃなく、ベッドでタケはしてくれなかった??……タケに足指を舐められてオマンコを濡らしたのを思い出しちゃったの??クククッ、可愛い」
十本の指すべてに繰り返されるときれいに洗ってもらったはずの内腿に新たな花蜜が滲み出て、彩の頬は羞恥で朱に染まる。
「立ち上がって壁に背中を付けて身体を支えなさい」

言われた通りの姿勢で両足を開くとカヲルは腰を落として目の前で股間を見る体勢になり、プラチナチェーンの下着を邪魔に思うこともなく滲み出る花蜜の源泉に舌を伸ばしてズルズルッと音を立てて舐めとってしまう。
「ウッ、いやっ、ダメ……気持ち善くなっちゃう」
「彩、ダメでしょう。気持ち善くなりなさいなんて言ってないよ。ここはきれいになったから、今度は壁に手をついて尻を突き出しなさい。尻もきれいにしないとね」
壁に手をついて尻を突き出すとピシッと小気味いい音を立てて打たれる。
ハァハァッと息を荒げて閉じた足を開くと泡にまみれた指でアナルの奥深くまで洗われて、仕上げは丁寧にしなきゃねと独り言ちたカヲルは窄まりの中心に舌を捻じ込む。

「彩、今度は私のアソコをきれいにしてくれる??」
言い終えたカヲルは立ち上がって壁を背にし、しゃがみ込んだ彩の顔に股間を押し付ける。
シャッ、シャァ~……何の予告もなく迸りを顔に掛けられ、ウッと呻き声を漏らして戸惑っているとしゃがみ込んだカヲルが唇を合わせてニュルッと舌を侵入させて唾液を啜る。
あっと言う間の出来事で抵抗することもキスに応えることもできずにいる彩を座り込んだまま壁に押し付けて唇を貪り、顔に付いたままの尿を舐めとり乳房を揉みしだく。

彩―隠し事 141

覚醒 -17

カヲルの視線は彩の下半身から離れることはなく、刺すような視線に犯される股間は花蜜を滲ませる。
「タケ、これは貞操帯じゃないの??」
股間を見つめている視線を動かすことなく健志に問いかけるカヲルの声は上ずり、それがまた彩の羞恥を煽る。
「オレはアクセサリーをプレゼントしただけ。彩にはご主人がいるから見える場所に付けるモノは贈れないだろう、それでこれにしたけど、どんな気持ちになるかは彩に聞いてくれよ」

「オマンコも尻の穴も見せてもらった仲だから、彩って呼ぶね。私のことはカヲルって呼んで、そうしようよ、ねっ……彩に質問だけどタケはアクセサリーをプレゼントしたって言うけど、そうなの??」
「普通のアクセサリーじゃないけど、彩の知っている貞操帯でもない。だけど……」
「だけど……どうしたの??その先を教えてくれる??私は女の子を性的に苛めるのが好きだけど大好きな彩には嫌われたくないから嫌がることはしない。教えて……」
「貞操帯は身体を束縛すると思うけど健志がプレゼントしてくれたアクセサリーは彩の気持ちを束縛する。今日プレゼントされたばかりだけど。気持ちを縛られる悦びが身体の芯を熱くする」
「分かるよ、彩。私は何人もの女性を縛ってきたけど、縛られる女性の立場で考えるの……信頼できない人に縛られるって不安だよね、何をされても逆らえなくなっちゃうんだから。だから私は信頼してもらうことから始めるの、それでないとSM遊びって成立しないと思っているから……身体を縛る前に気持ちを縛る。その関係が大切だと思っている、だから彩の言うことがよく分かる」
「よかった、カヲルにそう言ってもらうと安心できる……健志、お風呂に入るときもこの恰好のままなの??」
「そうだよ、オレと離れて仕事をする時や自宅で独り寝る時、こんなのを付けるのは嫌だって言うなら外すけど、どうする??」
「健志には嫌じゃどころか嬉しいって言ったでしょう。カヲルにまで見られることになって戸惑っているだけ、恥ずかしいけど悦んでいる証拠も見せているでしょう」
彩の言葉を待つまでもなく内腿にまで滴る花蜜は性的昂奮を露わにし、健志とカヲルの刺すような視線に足が震えて立っていることさえ辛くなる。
「彩、シャワーで汗を流そうよ。先に行くよ、待っているからね」

「ねぇ、どうすればいいの??カヲルが何もしないとは思えない、悪戯されてもいいの??彩がカヲルのオモチャになってもいいの??」
「股間にイチモツをぶら下げている相手に彩を触らせるのは嫌だけどカヲルならオレは我慢できる。彩の本当の気持ちは……」
「いや、その先は言わないで……ねぇ、キスして」
プラチナ製の下着だけを付けた彩を抱きしめて剥き出しの尻に左手を添え、右手で脇腹から首へと撫で上がり頬に手を添えて唇を重ねる。
唇をつつき合い優しく擦るように左右に這った舌を絡ませる
ヌチャヌチャ、クチャクチャッ……絡み合った舌が蛇の交尾のように妖しく踊り、重ねて擦り、上唇を刷いてズズズッと音を立てて唾液を啜る。
「ハァハァッ、健志のキスで落ち着いた。触ってみて……スゴイことになっているでしょう」
彩の頬を撫でていた右手が脇腹を撫で下りてムッチリとした腰を擦り、豊満な尻の肉付きを楽しむ左手に込められていた力が緩んで右手が密着した二人の下半身の間に入り込んで泥濘で戯れる。
ヌチャヌチャ、クチュクチュッ……カヲルがバスルームで焦れていることが分かっていても二人の時間を優先する。
「スゴイことになっているでしょう??身体が熱くてゾクゾクする」
「カヲルに悪戯されたいのだろう。行っといで」
「彩は健志だけの女。カヲルに遊ばれても嫌いにならないよね……」
「下着姿の彩がカヲルに縛られただろう。きれいだったよ、清潔感があった。オレはあの時、一目惚れしたんだよ……嫌いになるわけがない」
彩の頬を両手で挟みチュッと音を立てて唇を合わせ、股間に垂らしたままの鈴を外して、
「待たせすぎるとイライラして悪戯の度が過ぎるかもしれないよ」

肩を押されてバスルームに向かう彩の後ろ姿は白い肌に染み一つなく、マリンスポーツに興じて発達した上半身は清潔さを漂わせ、ウェストの括れから腰や尻を経て太腿に続くラインは成熟した女性らしく丸みを帯びて妖艶な魅力を撒き散らす。
腰の周囲と腰から尻の割れ目を挟んで会陰部に伸びるプラチナチェーンがわずかに揺れて艶めかしく、見つめる健志は反応しそうになる股間に手を伸ばす。
彩の姿が見えなくなると、そっとバスルームに近付き二人の話し声を盗み聞こうとする。

「のぼせちゃいそう……その下着はよく似合っている」
「そんなに見ないで恥ずかしい」
「他人に見られたいとは思わないんだ」
「うん、今日付けたばかりでよく分からないけど、健志と離れていても常に抱きしめられているような気持ちになれると思う……悩んだり迷ったりしても下腹部に手を伸ばせば落ち着けるような気がするの」
「そうなんだ。そこまではっきりと惚気られると清々しい気持ちになる。一緒に入ろう、おいで」

不倫 誕生日

「誕生日おめでとう。誰よりも早くお祝いの言葉を聞いてもらえて嬉しい」
「ありがとう。あなたから最初に聞きたかったから嬉しい」
「日が変わったからホテルに戻ろうか」
「いいけど、本当に帰らなくって良いの??」
「あぁ、急に一泊で出張が入ったからって連絡してあるから……君のほうこそ大丈夫なの??」
「うちは平気。彼は私に興味もなくなっているし、今頃は私の誕生日だということも忘れて女のところに行っていると思う」
「そうか……マスター、ここに置くね。ごちそうさま」

「えっ、どうしたの??……これはバースデーケーキ??」
「そう、日が変わったらケーキとワインをルームサービスで届くように頼んどいた。もう一度、おめでとうって言わせてくれる??」
「何度でも聞きたい」
「よかった。ワインで乾杯しよう」
「うん……手が震える。あなたがこんなことをするから」
「誕生日おめでとう。二人の特別の日のために乾杯」
「ありがとう……」
「泣くなよ。おいで」

「何度目かな??頬を伝う涙を唇で拭い取ってもらうのは??」
「忘れたよ。君に涙は似合わない、笑ってなきゃ」
「三度目だよ。最初は彼の浮気を確信して自棄酒を飲んでいたら慰めてくれたとき」
「あれは、今思い出しても、やり過ぎだって冷や汗が出る。初対面の女性の涙を人目のあるところであんな事をしないよな、普通は」
「私がそれほど普通じゃなかったってことかな??」
「二度目は、その日ホテルのベッドでオレの胸で……だったかな??」
「そう、終わった後で私の涙を見たあなたはオロオロして、ごめん、君があまりに可愛かったから、本当にごめんなさいって平謝りだった」
「誘ったのはオレだけど、事が終わってから涙を見ると、どうして良いか分からなくて焦っちゃった」
「ウフフッ、主人の気持ちが不倫相手に向いていたのを分かっていたから、久しぶりに女として私を見てもらった嬉し涙だったのに勘違いしたあなたが面白かった。そして今が三回目。瞼にキスされて涙を唇で拭い取ってもらうのがこんなに気持ちいぃとは思わなかった。もっとも、今までの私は辛い事があっても我慢して涙なんか見せなかったけどね」
「辛いって幸せの手前だと思うよ。悲しいことがあるから楽しいことが一層嬉しくなるし、夜明け前が一番暗いともいうしね」
「うん、あなたが私に夜明けを運んできてくれた。長くて暗い夜が終わって朝になった……でも、夜は必ず来るでしょう。堪えられるかな」
「次に来る夜は静養の時間、楽しさに慣れ過ぎて、楽しい事も楽しいと思えなくならないように休養する時間だよ、きっと」
「そうか、そうだね。ゆっくり休んで朝を迎えればあなたが、おはようって言ってくれる、ウフフッ……このワインは冷たくて美味しい」
「こんなに冷えたワインを飲んで、心があったかくなるんだから不思議だよな……お風呂、どうする??」
「可愛がってくれるんでしょう??お風呂に入ってきれいになりたい」

「洗ってあげる、背中を向けて……背中から伸ばした指でチンコを洗うのが好きなんでしょう??奥さまが羨ましい。ごめん、二度と言わないから……」
「ごめんね。妻はオレを支えてくれる大切な人だから、それに決して君のことを好い加減に思っているわけじゃないことも信じて欲しい」
「うん、判っている。お互いの名前を呼ばないことも、長続きする条件だと今では理解できているから」
「オレは多分ズルイ男なんだろうな??」
「どうして??私はあなたに会えて幸せだと思っているよ」
「例えて言えば、悪い男は暴力で女を不幸にする、ズルイ男は言葉で女を不幸にする」
「そんなことはない。あなたの言葉で私は幸せを感じているよ。騙されたと思ったことはないし、もしも嘘だったら最後まで騙し続けて欲しい。夢のままでいさせて、おねがい」
「嘘を混じえていないさ。ごめん、君に対してはいつも本気だよ」
「うん、疑ったことなんて一度もないから安心して……あれっ、この子はちっちゃくなっちゃった」

「もう一度乾杯してくれる??」
「乾杯。ベッドに仰向けに寝てくれる??」
「これでいいの??私の身体で遊ぶの??」
「そうだよ。オッパイの谷間にワインを垂らして……滴るワインを舐め取る」
「クククッ、くすぐったい……止めないで、続けて……冷たくて気持ちいぃ。そうだ。腿を閉じるからアソコにワインを流して飲んでみて」

「うん……マン毛がユラユラ揺れて可愛いな。飲むのが勿体ないけど……チュウチュウ、ジュルジュル……うまい」
「白ワインと愛液のカクテルか、私も飲みたい……口移しで飲ませて」

「……ングッングッ……美味しい、白ワインと愛液のカクテル、ウフフッ」
「自分に対する誕生日プレゼントだね??」
「そうかも……そうだ、今度は貴方がそこに寝てみて」
「何をするんだよ??」
「黙って寝ればいいの……フルーツタルトのクリームをチンコに塗って、イチゴを臍に埋めて……それから、キウイを乳首にのっけて……面倒だからここも、ここにも……このリンゴを咥えて、落としちゃだめだよ」
「うん……」

「脇腹のクリームを舐めて……気持ちいいの??動いちゃだめだよ……お腹のフルーツを味わって……乳首にのっけたキウイと……周りのクリームを……気持ちいいの??乳首が硬くなってきたよ」
「クククッ……くすぐったいけど気持ちいぃ」
「リンゴを落としちゃだめだよ……つぎはチンコのクリームを舐めようかな……どうしたの??舐めようかなって言っただけでピクピクしているよ。お父さんと同じで我慢の出来ない子ですね」

「ウッ、ウッ……」
「だめ、私に触れちゃだめ。我慢しなさい……こんなに大きくなって、我慢汁をダラダラ垂らして……ウフフッ、ここを触ったらどうなるの??……アラアラ、あなたは、お尻も感じるの……ここは今度ね。リンゴを食べようかな」
「フゥフゥ、ハァハァ、気持ち良かったよ。今度はオレが……」
「我慢できない。今日の私は変なの、このままでいいからすぐに入れて……お願い」
「入れるよ。足を立てて……うっ、あったかくて気持ちいいよ」
「突いて……変なの。今日はすぐに逝っちゃいそう」
「いっぱい感じるんだよ……可愛いよ」
「ウッウッ、イィィ~……・可愛いって言って、好きって言って……イヤァ~、どうして??ほんとに逝っちゃう、気持ちいい」
「可愛い、本当に可愛い……大好きだよ……ウッ、オレも逝くよ、出ちゃう」

「ごめんね。気持ち良くなかったでしょう??変なの、今日は……あなたが入ってきたら、すぐに気持ち善くなっちゃった」
「オレも良かったよ。今日は特別な日だからだよ」
「ほんと??本当に良かった??嬉しい。強く抱いて、折れちゃうくらい強く抱いて」
「可愛いよ……痛くない??」
「大丈夫、あなたとの今日を忘れたくないの。ワインもタルト遊びも、こんな気持ちいいセックスもすべて忘れたくない。身体が痛くなるほどの記憶と共に忘れないでおく」
「これからもずっと、誕生日を二人だけでお祝いさせて欲しい」
「うん、そのためには我慢も必要だよね。名前を呼ぶのも我慢するし、今の幸せを誰にも話さず秘密にする」
「初めてだね、君と朝日を一緒に見るのは」
「ほんとの事を言うと、この日が待ち遠しかった。勿体ないから寝ないでおこうかな、あなたは寝てもいいよ。寝顔をじっと見ていたいから」
「じゃぁ、オレも寝ないでおこうかな。おいで、抱っこしたい」
「うん、抱っこされるのが大好き……あれっ、大きくなってきた。舐めさせて……」
「朝日が昇るまで寝る暇はなさそうだね・・・」


                                    << おわり >>

彩―隠し事 140

覚醒 -16

高台にあるマンションに向かう上り坂に差し掛かると冷酒で火照った身体に薄っすらと汗が滲む。
「見て、あの三日月。ロッキングチェアに似ていると思わない、座ると気持ち良さそう、宙に浮いてゆらゆら揺れながら足元の世界中が見える。健志が月に座って彩は膝に座る、最高だと思わない??」
「思わない」
「どうして??」
「高い処が嫌いだから」
「つまんない。夢がない男って好きじゃない、彩を夢見心地にしてくれる男性がいないかなぁ」
悪戯っぽく健志を覗き込む彩の表情にドクンッと心臓が反応する。
「ときに何もかも忘れて夢を見ることは子供よりも大人に必要だって言った人がいるけど、彩の話しで突然思い出した。オレの夢は来週、あるホテルの部屋でカーテンを開け放った窓から見える景色を見ながら彩を抱くことだな」
「ふ~ん、小っちゃい夢だけど。彩がヒロインだから嬉しいかも。楽しみだなぁ……月曜からは仕事を頑張んなきゃ」

一週間後に思いを馳せ、改めて三日月を見上げでフゥッ~と息を吐くと、前日に自宅前に着いたという電話以降連絡がない栞のことが脳裏をよぎる。
便りがないのは良い頼りと言うから、ボイスレコーダーを再生しながら妄想を膨らませるご主人が、寝取られ癖と嫉妬の狭間で愛する栞を責めたてて今日は仲良く過ごしているのだろうと想像する。
そんな事を思うと、遠い昔のあの日の事が蘇る。
高校生だった暑い夏の日、隣家の一歳年下の男子がカーテンに隠れて覗き見をしているのを気付いていながら着替えを続け、あろうことか下着まですべて脱ぎ捨てて見せつけるようにした事を……全身の血が逆流しゾクゾクするような気持ち善さが身体中を駆け巡り、その日の夜のオナニーはいつも以上に気持ち善く股間の滑りは異常でないかと思うほどだった。
その後は、恥ずかしい姿を他人に見られたい、見られるか見られないかのスリルを味わいたいと思いながらも実行することなく勉強やスポーツに熱中することで性的な思いを発散した。
憧れていた先輩に誘われて初体験を済ませた後は記憶の隅に隠れていたが、性に奔放な処がある親友の栞に誘われてアダルトビデオの撮影現場を見学させてもらったりSMショークラブに行ったりした。
そんな事をするうちに、恥ずかしい姿を他人に見られたい、見られるか見られないかのスリルを味わいたいという思いから逃れることが出来なくなり、後日一人でクラブに行って見ず知らずの客の前で下着一枚になって縄で縛られた。
その日が縁で付き合い始めたのが健志である。
本名はおろか、住所も仕事もすべて秘密にして彩と名乗って付き合いを続けている。
健志は本名を知らなくていいと言う。
会うたびに彩に惹かれ始めている自分を意識するので本名を知ればアレも知りたいこれも知りたい、もっと会う回数を増やしたいと思うようになって二人の関係が壊れてしまうような気がすると言う。

頬が紅潮しているのを知られたくないので健志に気付かれないように横目で見ると、不意に顔を彩に向け、
「カヲルさんの方が先に着いたようだね」
マンションの前で手を振る人がいる。
「カヲルさんとの付き合いは長いの??……そんな顔をしなくてもいいよ。電話中に一度だけどカヲルって呼んだよ。抱いたでしょう??」
過去の卑猥な想い出に浸っていたのを知る由もない健志に照れ隠しで絡むような言い方をする。
「忘れたよ、本人に聞いてみればいいだろう」
確かめるはずもないと思った言葉に、
「うん、そうする。カヲルさんの事は嫌いじゃないからモヤモヤした思いのままでいるのは嫌」

「彩さん、今晩は……ごめんね、お邪魔だろうけど許して。彩さんともう少し話したいなと思って」
「健志の家だけど、いいでしょう。三人で飲もうよ」
「彩、どうなっても知らないよ。カヲルの酒癖の悪さを知らないだろう??」
「酒癖が悪いなんて変な事を言わないでよ。私だってレディのたしなみは身に着けている積りだよ」
「カヲルさん、酒癖の悪いのは我慢するけど健志と最後に寝たのはいつか教えてください」
「はっきり覚えてないけど、タケの言葉は憶えている。カヲルも知っているはずの彩って人と付き合うようになったから、もう抱いてやれないって言われたの。私にとってタケはお気に入りのバイブレーターのような存在だったけど、彩さんに取られちゃった」
「提案だけど、ここでの話しは一旦オワにして中に入らないか??」
健志の言葉で彩とカヲルは肩を寄せ合い互いの腰に手を回してエントランス
に入りエレベーターに向かう。

健志の部屋に入るとマンション前で微妙な話しも快活にしていた彩とカヲルの間は薄いカーテンで遮られたような雰囲気になる。
「乾杯しようか」そんな二人の様子を解そうと健志は声をかける。
「客であり、みそっかすの私が言うのもなんだけど汗を流してさっぱりした方が、お酒が美味しくなると思うの……悪戯しないって約束するから彩さん一緒にシャワーを浴びようよ」
困惑の表情で健志に視線を向ける彩に気付いたカヲルは、
「ごめんなさい。少し強引と言うか厚かましい言葉だった取り消します」
「いえ、そうじゃないの。いいわ、一緒に汗を流します……カヲルさん、絶対に笑わないって約束してね」
健志に頷いて見せた彩は躊躇することなくデニムシャツのボタンを外していく。
ゴクッ……何が起こるのか予想も出来ないけれど彩の様子に普通じゃないモノを感じたカヲルは唾を飲み、彩を見て健志に視線を移し、再び彩を見つめて手を握る。
肩を滑らせてシャツを脱ぐとブラジャーだけを着けた上半身が露わになる。
健志とカヲルの視線が舐めるように上半身を這うのを感じると羞恥で足が震え、それを吹っ切ろうとして白い短パンを脱ぎ捨てる。
「えっ、可愛い、似合っている。彩の白くて艶めかしい肌にその下着がよく似合っている」
プロフィール

ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード