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ホテル -13

ベッド -1

対面座位でつながる男と一緒にこの街の夜の煌めきをこんな時間に見ることが出来ると想像したこともない。
それを思うだけでもアユは昂奮し、息が荒くなるのを抑えられない。
「こうして身体を寄せ合うとアユの鼓動と温もりを感じられる」
「痛いよ、強く抱きしめられると……嬉しい、こんな夜景を見ながらエッチできるなんて思ってなかったもん」

妻を持つ男との秘めた付き合いを知る者は少ない。
店を一緒にやってくれる女性は知っているし彼女の言葉で壊れかけた男との関係を修復できた。
男を紹介してくれた常連客も気付いているかもしれない。たとえ冗談でも、以前のように私をデートに誘う事がなくなったのが、その証拠だけど一度も確かめようとしない。
秘密を守ろうと思えば思うほど切なくなり、相手かまわず大声で関係を叫びたくなる衝動に駆られるのを必死の思いで堪えている。
寂寥感や不安感は愛しい男と過ごす時間に解消され、セックスすることで忘れることが出来る。
対面座位や正常位で肌と肌を密着させて瞳を見つめ、自然と鼓動と呼吸が同調する頃には女に生まれた悦びに浸り、この一瞬が永遠に続くことを期待して身体の芯が熱くなる。

「私の中であなたのモノがピクピクしている。熱くて太いモノが私の中で……ウフフッ、大好き」
「華やかな夜景とアユを見比べるオレは幸せだよ。ベッドに行こうか」
アユとつながったまま抱きかかえてベッドに移動しようとすると、
「アンッ、ウグッ、グゥッ~、いやんっ、子宮が……」
つながったまま抱きかかえられたアユは男の首に手を回してしがみつき、突き上げるペニスと自分の体重で子宮口を突かれる刺激に嬌声を上げる。
そっとベッドに下したアユを見つめて髪に手櫛を入れ、開いた口から一筋の唾液を垂らす。
アユは口を開けてそれを受けると二人を一筋の糸がつなぎ、それを追うようにして男が近付き唇を合わせる。
ウグッ、グゥッ、ジュルジュルッ……男は左手をアユの首に巻いて右手は尻を抱きかかえ、男の背中に回したアユの手は満足の証を伝えようとして這い回り、両足を絡めて離れまいとする。
つながったまま唇を重ねて身体を入れ替え、アユが上になると男の顔や首をくすぐる黒髪の刺激に股間が反応する。
「あなたのモノがビクビクッて跳ねたようだけど、騎乗位で私に責めてほしいの??……いいよ、腕枕で寝かせてもらうお礼を先にしとくね」

男の好みはあえて思い出そうとしなくても分かっているアユは上体を起こして黒髪を掻き揚げ、何も隠すことなく顔も身体もすべてを男に晒して胸の膨らみに手をやる。
「きれい??ねぇ、私はきれい??」
「あぁ、きれいだよ。アユはきれいなだけじゃない。きれいな人や可愛い人はいっぱいいるけど、アユは美しさを保つ努力をしている、オレはちゃんと見ているよ。後ろ姿が颯爽としているし、歩くときも膝下が伸びて格好いい……その中でも特に好きなのは、オレのモノを咥えて嬉しそうにする時だな」
「フン、どうせ、エッチでスケベな私が好きなんでしょう??きれい、可愛いって言えば私が喜ぶと思っているんでしょう」
「クククッ……好い女は拗ねた振りをすると可愛さが際立つな」
羞恥で頬を朱に染め、視線を男から窓の外の景色に移す。
煌びやかな夜景はぼやけて見えて自らの昂ぶりを感じ、昂奮を新たにする。

痴話言で戯れていても男のモノは力を漲らせたままアユの女を貫き、窓の外に視線を移すような僅かな動きでも心地良い刺激を与えてくれる。
男の手はアユの腰を掴んで動きを封じ、ベッドのクッションを利用して突き上げる。
「ウッ、ウググッ……私が責めようと思っていたのに、こんな、アウッ、クゥッ~、気持ちいい」
突っ伏しそうになったアユは男に手をついて身体を支え、腰を前後に揺すって責めに転じる。
「どう??気持ち良くなった??」
「気持ちいいよ。アユのスケベ顔が丸見えだし、身体が朱を帯びて艶めかしい。こんなアユを見て昂奮しない男がいるなら会ってみたいよ」
「あなた以外の男とこんな事をしないのを知ってるのに、やっぱり嫌な男」

ウッウッ、クゥッ~……倒れそうになる身体を踏ん張った足で支え、腰で円を描くように妖しく動かして乳房を揉みしだくアユは眉間に皺を寄せて唇を噛む。

ホテル -12

窓 -6

ソファに座った男と対面座位でつながったアユは顔を顰め、キツイと呟いて目を閉じ、窄めた唇を突き出す。
「今日のアユは我が侭だな。好い女の我が侭は魅力を際立たせるから嫌いじゃないよ」
左手をアユの腰に添えて身体を支え、右手で髪を擦って耳朶を弄り、流れるような動きで頬を擦って唇の周囲をなぞる。
「アンッ、焦らしちゃいや。早く……私はキスが好きなの」
艶めかしいアユの声にも唇を合わせることはなく、唇の周囲で戯れる指がしどけなく開いた口に侵入していく。
「クククッ……キスしたくなるほど、オレを興奮させてくれよ」

瞳に妖しい光を宿したアユは視線を外すことなく男を見つめ、口腔に侵入した指に温かい舌を絡ませる。
顔を動かすことなく舌だけを蠢かし、バギナに飲み込んだ怒張がピクピク反応すると、
「ウフフッ、ピクピクする……チンチンを飲み込んだマンコが好きなの??それとも、口マンコの指が気持ち好いの??」
「指に絡ませた舌が動くたびに、オマンコがウネウネと蠢動するようにオレのモノを奥に引き込もうとする。分かってやっているんだろう??」
「そうなの??自分の身体が分からない。あなたと過ごす時間が増えるほど私はエッチになる……おしゃべりはオシマイにして、もう少し指を舐めさせてくれる??……私を気持ち良くしてくれる指にお礼をしたいの……」

再び口に含んだ指に温かい舌を絡ませたり、フェラチオのように顔を前後したりと気持ちいい刺激は止むことがない。
「アユ、キスさせてくれよ。指をしゃぶられて昇り詰めるなんて、みっともないし我慢の限界だよ」
「クククッ……キスしたくなるほど昂奮させろって言ったのは誰??キスさせてくださいってお願いしなきゃ許さない」
水商売を長く続けた今でも清楚な雰囲気を無くすことのないアユは、セックスの快感に身体も心も蕩けると妖気が立ち上るように淫蕩な姿を見せ始める。

我慢できるのかなと言葉にせずに口元を緩めた男は太腿を蠢かし、脇腹を爪先が撫でて首に息を吹きかける。
「アンッ、いやんッ、いじわる……気持ちいいけど、そんな事をされてもキスさせてあげない」
「可愛いな、アユは……こうすると、どうだ??」
脇腹を撫でていた指先が耳の裏側で蠢き、偶然を装って耳朶や耳の穴を刺激する。
「ウフフッ、くすぐったい。耳を弄られると、その音が頭の中でザワザワって響く。何度も言うけど、あなたの触れる場所が私の性感帯」
「アユが悦んでくれると嬉しいよ。オレは欲張りだからいつでも満足していたい……一日の内で、ほんの少しだけ満たされないと思う時間もアユといることで満足できる。ありがとう」
「えっ、ありがとうなんて……そんな事を言われると……奥様に申し訳ないとしか……」
「初めての時に言っただろう。オレはいつでも本気、浮ついた気持ちで女性と付き合ったりしない」
「こんな時に笑わせないでよ。オレは浮気をしない、アユの事を本気で好きだよ。でも、一番好きなのは奥様って言うんでしょう??ずいぶん都合の好い言葉、それで奥様も私も納得させるんだから悪い男」
「そうか、オレは悪い男か……オレと付き合う女性がそれに気付くと捨てられちゃうな……アユもそうか??」
「あなたと会ってセックスの歓びを覚えたの。最近は一緒にいるだけで楽しいって付き合い始めた頃ほど抱いてくれないでしょう。満足させてくれる男についてっちゃうかもしれないよ……気持ちいぃ」

穏やかに首や頬を擦る手の平に顔を押し付けるアユは静かに目を閉じ、手の平から感じる男の体温で騒めく気持ちが鎮まっていくのを意識する。
「ねぇ、どうして??抱いてほしくてたまらなかったのに、つながったままで髪や頬を撫でられると、それだけで落ち着いちゃうの……ねぇ、どうして??」
「こうしても、同じことを繰り返す??」
頬に添えられていた男の右手が胸の膨らみに意味不明の絵を描くように這い回り左手で尻を抱えて太腿を突き上げる。
「クゥッ~、いやっ……これが好い、あなたの体温を感じるなら手の平よりもチンチンがいぃ……もっと」
男の背中に両手を回し、肩に顔を埋めてしがみつく。

「可愛いなアユは、オレの体温で気持ち良くなってくれるんだな」
「気持ちも身体もつながらないとあなたの体温を感じられないもん。幸せ……」
肩に埋めた顔を上げて窓の外を見ると未だ煌めきは褪せることなく煌々と街を照らし、アユの昂ぶりは頂点に向かって昇っていく。

ホテル -11

窓 -5

窓に手をついて背面立位で突かれて快感に酔うアユが目を閉じると、これまで付き合った男たちが走馬灯のように頭を巡る。
顔は思い出すけど、名前が出てこない。
楽しいことも悲しいことも色々あっただろうに、今では思い出すのも容易ではない。
今の私には、この人がすべて。
私の誤解で一時とはいえ離れる時間があったので、そのことがよく分かる。

背後から貫く男は背中に覆いかぶさって首筋から耳まで髪の毛の生え際に沿って舌を這わせ、
「好い匂いがする」と囁いて髪に顔を埋める。
「いやぁ~ン、あなたの声が頭の中で響く。ゾクゾクするほど気持ちいい……もっと、聞かせて。声で愛撫されるのも気持ちいぃ」
全身の産毛が逆立つような得も言われぬ会館でアユの声は震えを帯びる。
「可愛いよ、アユ……眼を閉じて想像してごらん。誰もいなくなった街の中心にオレたちはいる。煌めく灯りの焦点が重なる所でアユとオレはつながるんだよ……どうだ??」
「見える……交差点の信号機に手をついた私をあなたが貫いてる……ハァハァッ、今と同じ、立ちバックで犯されているの」
「閉じた目を開けなさい……周りに何が見えるか教えてくれるね」
「いやぁ~、知らない人が私たちを見ている。なぜ??どうして??」

煌めく灯りがセックスの気持ち良さで身悶える私を見る人達のギラギラした瞳に見える。
交差点の真ん中にいる私は、いつの間にか現実の自分に戻り、ホテルの窓際に立ち背面立位でつながる姿に羞恥を覚える。
「ねぇ、見えないよね。部屋の灯りは消しているし、大丈夫だよね??」
「あぁ、外から見えるはずがないよ。オレにはよく見えるけどね。可愛いアユの白い背中。背骨に沿って息を吹きかけて爪先でゆっくりなぞると、ハァッ~ンって全身の力が抜ける……いつもと同じか試してみようか」

フゥッ~……ウッウッ、クゥッ~ン……ヌチャヌチャッ……背中の中央を上から下へ息を吹きかけると甘い声を漏らして身悶え、それにつれてペニスを飲み込んだバギナが卑猥な音を立てる。
左右のビーナスの笑窪を爪先が無限記号を描くようになぞると、
「いつも言うけど、あなたの触れるところが私の性感帯。幸せ……アンッ、チンチンが変なところを擦るから気持ちいいの、ダメッ、クゥッ~」
「アユが動くからだろう、オレは指先で背中に絵を描いているだけだよ。美術が好きなアユに感化されちゃったからなぁ」
話し終えた男はビーナスの笑窪の周辺で戯れていた指先で背中をゆっくり撫で上がる。
寝ていた産毛を起こすようにゆっくり指先は撫で、首の付け根で髪の生え際を左右に刷く。
「アウッ、イヤッ、クゥッ~、気持ち良くて全身の力が抜けちゃう……ハァ~ン、立っているのが辛い」

「分かった、抜くよ」
窓に手をついたまま振り返ったアユが見たのは花蜜と我慢汁でヌラヌラに濡れ、偉そうに宙をにらむ男の分身。
「すごいっ……これが、こんなにブットイのがアソコに入っていたの??スゴイ」
アユの言葉を無視して男はソファに座り、
「アユ……オレをまたいで好きに動きなさい」
「うん……」
男の前で跪いたアユは宙を睨んでぬらつく亀頭に指を伸ばし、滑りを掬い取って口に入れる。
「美味しい、あなたと私が交じり合った匂いと味。あなたも欲しい??」
苦笑いを浮かべて首を振る男を見上げて笑みを返し、パクッと口に含む。
「ジュルジュル、ジュボジュボッ……ウッウグッ、今日のあなたはいつもより大きい、苦しいけど嬉しい」
「気持ちいいよ、アユに舐めてもらっているんだよな」
髪を撫でながら囁く男を見つめて目元を朱に染めたアユは、再び喉の奥まで怒張を飲み込んで上目遣いに男を見上げながら顔を上下する。
プファッ~とペニスを吐き出したアユは立ち上がり、
「入るかなぁ、今日のあなたはいつもと違う」
ソファに座る男の肩に左手を置いて右手でペニスを摘まんでバギナに擦りつけ、十分に馴染ませて腰を下ろしていく。
「ウグッ、グゥッ~、大きい……アウ、アワワッ、奥まで……きつい」

Goodbye my love

「ごめんなさい、呼び出すようなことをして……」
「ごめん、メールを気付かなかったよ。昨夜も見ないで寝ちゃったから」
「いまどき、ケータイは電話だけ、SNSって何って言うのはあなたくらいだよ。今回みたいに急用でも連絡の取りようがないんだから……奥様の事を思うと電話はしづらいし……」
「ほんとにごめん。それより、何かあったの??」
「用がなきゃ連絡しちゃダメなの??」
「そんな事はないし、嬉しいけど、お別れを言われたのは、ついこの前だろ」
「フフフッ、ヨリを戻して欲しいって言ったらどうする??……ウソウソッ、そんな困ったような顔をしないでよ」
「もしかしたらって、嬉しくって……」
「うそ、本当に困ったような顔をした。それでなきゃ私も困るけど……お店の大家さんと女の子に挨拶をしようと思っているの。大家さんには5年位お世話になったし、一緒に頑張ってくれた女の子も心配だしね、このご時勢だから」
「そうだね、あの子はどうしたの??昼の勤めだけで夜のアルバイトは止めようかなって、言っていたように思うんだけど」
「午後、会うんだけど、アルバイトでキャバクラに勤めるって言っていたよ。多分、お店には、もう出ていると思う。お客になってあげて、今は大変だもん」
「いいよ。お店と名前を連絡してもらってよ、太客にはなれないけどね」
「エッチはしちゃだめだよ」
「えっ??」
「嫌じゃない。昔の男が知り合いとエッチしていると思うのは……私は奥様のように寛大じゃないから」
「クククッ、昔の女が他人の妻になって、毎晩ヒィヒィ啼かされているのかと思うと気が狂いそうになるよ」
「バカッ、止めてよ。ホテルのロビーで待っているって、今朝メールが届いた時はドキッとしたんだから」
「もう10時だよ、12時までしか時間がないって言ってたろ、早く部屋へ行こうよ」
「それくらい強引なら、サヨナラは言わなかったかもね……」

男から視線を外すことなくローズレモネードを口に運び、男はシナモンココアをシナモンスティックでかき回し、視線の先にはホットレモネードを両手で持ち、いかにも美味そうに飲む女がいる。
苦笑いと共に一ヶ月ほど前のことを思い出していた。
「何を考えているの??想い出し笑いなんかして……」
「ほんとうに好い女だなって……もう会えないのかと思うと残念だよ」
「奥様に、これまでご迷惑をおかけしました。お店を止めて結婚しますって、連絡したの……ちょっと、化粧室に行ってくるね」
驚いた表情の男を残して席を離れていく。


いつもの土曜日のように女のスナックへ行き、帰ろうとした時のこと。
「ねぇ、私の希望を叶えてくれる??」
「いいよ。何をすればいい??」
「一度でいいから、二人でお泊りしたいの……お願い。今回だけでいいから」
「冗談はよしなよ。彼女がびっくりしてるよ」
オレは返す言葉も思い浮かばず驚きと共にもう一人の女を視線で示す。
「冗談じゃないの。一度だけ……二度とは言わないから」
あまりに必死な様子に頭に浮かんだ妻の顔を追い払い、
「判った。来週か再来週の週末でいいかな??……何処がいいの、行きたい所があるんだろ??」
「何処でもいい、ここから歩いて数分のホテルでいいの。一度でいいから朝日をあなたの腕の中で見たいだけ」


そして翌々週の週末、実家へ二泊の予定で出かけた妻の留守に10kmほど離れた街のホテルに一泊した。
何度かディユースで使ったことのあるホテルなので景色を見ることもなく、すぐに男をベッドに押し倒してベルトを外し、下着もろとも脱がせてむしゃぶりつく。
いつもと違う女の様子に好奇を宿した男は抗う事も異を唱えることもせずに顔を上下する様子を見つめる。
ヌチャヌチャ、グチャグチャッ……プファ~、ハァハァッ……頬張ったペニスに思いを伝えようとするかのように息の続く限りフェラチオした女は、上気した顔を上げて男を見つめ、荒い息が落ち着く間もなく、
「このまま欲しい。今すぐ……入れてもいいでしょう??」
男の返事を待つことなく引きちぎるようにして自らの衣服を脱ぎ捨てた女は騎乗位でつながり、そのまま身体を倒して唇を合わせる。

グロスを引いたように滑りと妖しい艶を湛える唇を合わせ、性的興奮を高揚させた女は真っ赤な瞳で男を見つめる。
「何があったかは聞かないけど、すごいな今日は……」
「嫌いになる??」
「なるわけがない、前にも言ったろ。オレは何があっても味方だよ」
激しい欲望の塊のようだった女は姿を消し、いつもの穏やかな表情に戻る。
「ごめんなさい……今日は私のしたいようにさせて、お願い」


別れを告げるのが目的だと分かったのはセックスを終えた後の事だった。
生まれ故郷に帰って市役所に勤める男と結婚すると聞かされた。
そう聞かされた時、別れを思う切ない気持ちと同時に安堵する自分もいた。
愛する妻がいる身で他の女性と親しく付き合う事も何度かあった。
自己保身……それを否定する積りはないが、修羅場を迎えないためには振られて付き合いを清算するのが一番だ。
それも可能なら女性に幸せな将来が待っていることが望ましい。

席に着く女のはにかんだ表情が眩しく、記憶の隅に隠した宝箱の中に入れたのは早すぎたかと悔やむ気持ちが一瞬脳裏をよぎる。
「ウフフッ、私と別れたのを寂しいと思ったでしょう??」
「そう言われると返事に困るな……、合っているとも間違えているとも言わないけど、どうしてそう思ったか聞きたいな」
「私がどれほど、あなたの事を好きだったか気付かなかったの??奥様がいるから我慢したけど、ワンちゃんが大好きな飼い主さんの気持ちを探ろうと必死で見つめることがあるでしょう??私も、あなたの一挙手一投足を見つめていたんだよ。目の前にいなくても誰と何をしているんだろうって考えていたから、ほんの少しの変化でも気付くの……分かった??って、これは奥様が言ってたよ」
「えっ??」

「その先を知りたかったら奥様に聞いてみれば……今日、会ってもらったのはね……あなたと別れても奥様が私との付き合いを続けてくれるって言ってくれたの、それを教えといてあげようと思って」
「妻の事を思うと電話しづらいって言わなかった??」
「あなたを呼び出してくださいって奥様に言える??」
「言われてみれば、そうだね」
「あなたと付き合っていると気付いたからだと思うけど、私の店に一人で来た時からのお付き合い。水商売の先輩としても色々教わったし大切にしたい関係だから知っておいてほしいの。途中で気付いたらいろいろ勘繰るでしょう??」
「……うん、ありがとう」
どう言葉を返したらいいのか分からず、困っているオレに、
「奥様もあなたも、小布施の栗製品が好きらしいよね。近いうちに奥様あてに送るけど、びっくりしないで済むでしょう??」

「それじゃぁ、私は行くね。あなたが大好きだったし楽しい思い出がいっぱいあるけど、これからは亭主になる人の事を大好きになるの……」
立ち上がってオレに近付いた女は、チュッと頬に唇を合わせ、
「これが最後の想い出」と、囁いて颯爽と立ち去る。
独り残されて後姿を見つめるオレは、好い女だなぁ、口説きたくなるよと言葉にはせず見送る。
オレは記憶の宝箱に隠した想い出を折に触れて見るのだろうが、彼女はサッサと忘れてご主人と新しい恋をするのだろうなと思うと苦笑いが浮かぶ。
カップの底に残る冷えたシナモンココアを飲み干すと、こんなにも不味い飲み物だったかと慌てて水を飲む。

ホテル -10

窓 -4

摘まんだ花弁を擦ったり引っ張ったりするとアユの表情が歓喜で歪み、指は膣口に姿を隠す。
「クゥッ~、だめっ……そんな事をされたら、立っていられない」
両手を背後で縛られたアユは崩れ落ちそうになる身体を窓に寄りかかって耐え、男を見つめる視線は何かを訴えるようにうっとりする

花蜜を湧き出す源泉に忍び込んだ指が蠢くと眉間に刻んだ皴が深くなり、男を見つめる視線が妖しく揺れる。
「あなたと過ごす時間と共に私の身体はエッチになってくる……なのに、あなたは抱いてくれない。私に飽きちゃったの??」
「そんな事はないって知っているだろう。アユの身体を貪って満足するのと同じくらい、時間と空間を共有する事が楽しい」
「ウフフッ、思った通りで安心した。私に飽きていたら今日は呼んでくれないよね……そうでしょう??疑うようなことを言った私は罰を受けるの??」
「あぁ、オレの事は決して疑わないって言ったのは、いつの事だったっけ??罰を与えるのは当たり前だろう」
「ウフフッ、怖い……今日のあなたは意地悪だもん」
怖いというアユの声は弾んで聞こえ、瞳は朱に染まって妖しく揺れる。

窓ガラスに寄りかかって顔を顰めるアユの眼前で右手人差し指を左右に振り、
「アユに与える罰は……、そうだなぁ、楽しませてもらうよ」
「あなたなら意地悪で嫌な奴でも……大好き……」
クククッ……その場にしゃがみ込んだ男はアユを見上げ、
「気持ち好いからって、この間みたいに漏らすなよ。オレに掛かっちゃうからね」
「ほんとうに嫌な男。あの時はチンチンに掻きまわされる気持ち良さで訳も分からず、あんな事に……言わないでよ」

男の指は膝の周囲をなぞり、腿の付け根に向かって撫で上がる。
「ヒィッ~……立っているのが辛い。だめっ、我慢できない」
「ダメだよ、アユ。わかるね」
男の指は動きを止めることなく腿の付け根から鼠径部を行き来してアユの反応を確かめる。
「ウッ、クゥッ~……だめっ、私だけ善くなるのは恥ずかしい」
薄明りの中でも滴る蜜がはっきり見えるようになると鼠径部を撫でていた指は恥毛の林で遊び、指先に絡めたり顔を近付けて噛んで引っ張ったりと愛撫は止まることがない。
膝がフルフル震えて自然と前屈みになって男の頭に腹部を押し付け、崩れ落ちそうになる身体を支える。
そんな様子を気にすることもなく割れ目の縁を両手の人差し指と中指が擦り、綻びから覗く真っ赤な花弁に息を吹きかける。
淡い茂みの奥で赤くただれた花弁は妖艶な匂いを漂わせ、割れ目の周囲で戯れる指の侵入を待ちわびる。

指の挿入を催促するアユの下半身は妖しく蠢き、
「入れて、我慢できないの……」
侵入した指は泥濘を掻きまわしてヌチャヌチャと卑猥な音を響かせ、膣壁を擦りながら立ち上がった男は閉じた目をじっと見つめる。
閉じた瞼の奥で男の視線を感じるアユは瞳を開き、「いやっ、そんな見つめられるのは……」と、呟いて下半身を揺らし、指が与えてくれる刺激に酔いしれる。

男が愛する肌理の細かい白い肌は眼下で煌めく街の灯りを背にして一層、艶めかしく映える。
「きれいだよ。宝石箱をひっくり返したように煌めく夜景よりきれいだ」
「ほんとう??」
「オレの言葉を信じるんだろう??オレの目を見てごらん。景色じゃなくアユしか見てないだろう」
「ウフフッ、ありがとう。褒めてくれたんだから満足させて……何百キロも離れた所まで会いに来たんだよ、これで終わりじゃないでしょう?? 」
出会った頃の美術を愛する清楚な女性というイメージをかなぐり捨て、セックスで気持ちを満たそうとする。

挿入したままの指で膣壁を擦り、しどけなく開いたアユの唇を舌先がつつくと舌が這い出てくる。
舌は何度も伸びたり縮んだりして絡みあい、唾液を啜って身体を擦りつけると息が弾み、それが二人の昂奮をますます高揚させる。
膣壁を擦る中指に加えて薬指も挿入しようとすると気配を察したアユはわずかに腰を落として腿を開く。
ヌチャヌチャ、グチュグチュ……アウッ、クゥッ~、たまんない……ガラス窓に寄りかかったまま二本の指で膣口を抉られると、灯りを落とした部屋に甲高い喘ぎ声が響く。

「私は可哀そうな女。好きな男に会いに来たのに両手を縛られて窓に押し付けられて弄ばれている。見知らぬ人に見られるかもしれないのに……やっぱり嫌な男……ンッ、クゥッ~」
「それは困ったな。アユに嫌われたくないからな」
言葉を封じるように言葉を重ね、唇を合わせてドロッと唾液を送り込み、嚥下する暇も与えずにバギナに挿入した二本の指が動きを速め、親指がクリトリスを刺激する。
「ンッンッ、ングッ、クゥッ~、気持ちいぃの……立っているのが辛い、ねぇ、入れて。このまま後ろから……ネッ、おねがい」

膣壁を掻きまわす指を抜き取り、両手の拘束を解いて窓ガラスにつかせた男はパンッと音を立てて尻を打ち、自然と腰を突き出す格好になったアユのバギナに先走り汁を滴らす分身を擦りつける。
十分に馴染んだところでグイッと腰を突き出すと、あっけなく分身は姿を消し、
「アゥ、ウゥゥ~、これが欲しかったの……もっと奥まで、そう、気持ちいぃ」
と、憚りのない声を漏らす。

プロフィール

ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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