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行きずりの男と女 

3の3

ベッドのシーツを捲って横抱きの女を下ろすと目を閉じたまま身じろぎもせずに男の愛撫を待っている。
肘と膝で身体を支えて体重を掛けることなく覆いかぶさる男は髪に手櫛を入れて乱れを直し、
「触れると壊れてしまいそうなほど可愛い」と呟いて額に唇を合わせ、適度に乾いた舌を閉じた瞼に這わせ、チュッと音を立ててキスをする。
「アンッ、瞼にキスされるのって気持ちいい」
身体を起こした男は女の頬を擦り、鼻梁に指を這わせて上下の唇を刷き、目を閉じたままの女が口に含もうとすると指は逃げるように首を撫で下りて肩を擦る。
「あちこち調べられているようで……ウフフッ、もっと確かめてほしいけど恥ずかしい」
目の縁を朱に染めた女は仰向けからうつ伏せになってベッドに顔を埋め、
「酔った女をホテルに連れ込んで、ハダカンボにしてエッチするのが好きなんでしょう」
「何でもお見通しで嫌な女だなぁ」
「そうよ、お気に入りの男のことは何でも分かるの」
自分がホテルに誘ったとは言わず、連れ込まれたと言われては苦笑いするしかなく、その可愛さに自然と笑みが浮かぶ。

肩から手首まで指を這わせて重ねた手を固く握り、首筋に舌を這わせて息を吹きかける。
「アンッ、くすぐったいけど気持ちいい。身体中ゾクゾクする」
握った手を離して肩を撫で、わき腹を腰まで撫で下りる。
所在無げに指先を腰で円を描くように蠢かすと焦れた女は下半身を揺すって新たな愛撫を催促する。
うつ伏せのために見えない男の指の動きが与えるくすぐったさを気持ち善さが勝り、アンッと艶めかしい吐息を漏らすと身体が自然と蠢く。
「クククッ、可愛いなぁ……」
「イヤンッ、揶揄われているようで楽しくない……もっと、気持ち善くなりたい」
「揶揄ってなんかいないよ。身体を動かすとヴィーナスのエクボが笑ったように見えて可愛いんだよ」
「ほんとう??私にヴィーナスのエクボがあるの??ウフフッ、私は見たことがなかった……ねぇ、笑った??」
腰を浮かせて艶めかしく揺すると再びエクボが笑い、男は舌を伸ばして周囲をなぞる。
アンッ、女は甘い吐息を漏らして下半身を揺らし、男は腰を掴んでヴィーナスのエクボの周囲をなぞっていた舌を背骨に沿ってゆっくり首に向かわせる。
産毛を逆立てるような、触れるか触れないかの繊細な舌の動きで全身が熱くなり、洩れそうになる喘ぎ声を堪えるためにベッドに顔を押し付けて両手はシーツを掴む。
背中を這う舌に加えて指や爪の先、爪の背が自在に背中を這い回り、ついにこらえ切れなくなった女の口から甘く切ない声が漏れ始める。
「ウッウッ、クゥッ~……イヤンッ、たまんない、いぃの、クゥッ~……」

尻を鷲掴みして痕が残らないよう気遣いながら甘噛みを繰り返し、尻の割れ目に沿って窄まりに届かない程度に舌を這わせると、
「気持ちいいけど、やめて。恥ずかしい……」
喘ぎ声を漏らしていた女は羞恥心と共に我に返り、俯せから仰向けになる。
「久しぶりだから狂っちゃいそう……私はどうすればいいの??あまり経験がないから教えて……」
「何も考えなくていい、何かしようなんて思わなくていい。身体が感じるままでいいよ」
胸の膨らみに手を添えてヤワヤワと揉みしだき、女の顔に喜悦が浮かび片足を立てて足指に力が入って曲げるのを視線の端に捉えると膨らみの先端の突起を指で弾き、顔を近付けると目を閉じて唇が重なるのを待ちわびている。

チュッ……アンッ、キスも久しぶり……気持ち善くなるんだよ……うん、もっと……二人の舌先が唇から這い出て宙でつつき合い、絡み合う。
ジュルジュルッ……絡み合わせるだけでは満足できず、相手の唇を吸い、舌や唇を甘噛みしてペニスがバギナに出入りするように出し入れを繰り返すと舌先に神経が集中して自然と感度が上がる。
伸ばした女の手が男の首を巻いて抱き寄せる。
「ちゃんとしたキスをして……久しぶりだから忘れちゃった。男性は私を誘ってくれないんだもん」
「こんな好い女を誘う勇気を持つ男に会わなかっただけだよ」
「じゃあ、あなたはマスターに私を押し付けられたからしょうがなくなの??」
またしても女は巧妙に男を誘ったことを忘れたような言葉を口にする。
「そうじゃない。切っ掛けはマスターだけど、一目惚れした好い女をものにしたかった」
「ウフフッ、私を欲しいってはっきり言われるのって気持ち善くてゾクゾクする……私を食べちゃってもいいよ。好きにして」

目を閉じて横たわる女はまとっていた緊張感を解いて全身を弛緩させ、男は最後にオレのモノを食べちゃうのはいつも女だよと言う言葉を飲み込む。
再び女に覆いかぶさり両頬に手を添えた男は鳥が餌を啄ばむようにツンツンと唇を合わせ、焦れた女が目を見開いて唇を突き出すと舌を侵入させて上顎や歯茎を舐め回す。
アンッ、ウグッ……意味不明の声を漏らした女はされるがままキスを受け入れて男の背中に回した手に自然と力がこもる。
女の口腔を貪り唾液を啜ると呼吸が乱れて鼻腔がヒクヒクし、背中に女の爪が食い込み我慢できなくなった男は抗議に代えて身体を下半身方向に移動して乳房を揉み、乳輪を舌でなぞって先端の突起を口に含む。
「オッパイが大きくなくてもガッカリしない??ウッウックゥ~、気持ちいい。男の人に愛されるのがこんなに気持ちいいなんて忘れていた、イヤァ~ン」

脇腹や下腹部を指先で刷き、唇と舌がその後を追う。
「アソコを舐めて、私のオンナノコがあなたを欲しいって言ってる……イヤァ~ン、気持ちいい」
綻びを見せる割れ目は滲み出た愛液がじっとりと泥濘を作り、舌先が滑りを舐め取ると長く尾を引く甘い声を漏らす。


「抱いた女の名前を聞かないのがあなたの主義でしょう」
「オレはそんなことを言った覚えはないけど、もしもそんな風に思わせたならゴメン」
目の前の女性はあの日、クンニリングスで身悶えながら挿入を望み、男も膨れ上がった欲望を抑えきれなくなったところでもあり濡れそぼつバギナにオトコを挿入して二人同時に羽化登仙の境地で満足した。
翌朝は股間に感じる心地好い違和感で目覚め、シーツを捲ると女が萎れたままのペニスを咥えていた。
目元を朱に染めて羞恥を露わにする女を見ると愛おしさが募り、股間も疲れ知らずに女を満足させることができた。
「久しぶりのセックスで男性がこんなに愛おしい存在だと改めて思い知ったけど、恥ずかしいから今日はこのまま名前も告げずにサヨナラしたい。私はあなたとまた会える気がする。あなたも私に会いたいと思えば会えるはず……」
「そうだな、名前は今度会った時に教えてもらうことにする。サヨナラのキスはしてもいいだろう??この日の想い出を忘れないために……」
二週間前のあの日の事を忘れたことはない。
あのバーに行ってもマスターに女性のことを聞くのはなぜか憚れて話題になってもはぐらかすようなことをした。

「これから私たちはどうするの??……サヨナラする??」
「あの日、約束しただろう。今度会った時に名前を教えてもらうって。あの日と同じ今日も金曜日。これから食事をしてお泊りセットを買ってオレンチで朝を迎える」
「うん、約束したからしょうがないね。あなたの言う通りにする」
日曜の夜まで時間はたっぷりある。
月曜の太陽は黄色くてさぞや眩しいことだろう……


                                         << おしまい >>
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ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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