たくらみ
その1
「お代わりを作る??」
「それじゃ最後の一杯はグリーンティフィズを・・・」
「ガムシロ抜きのクラッシュアイスでね・・・そうでしょ??」
「うん、悪いね、めんどうで・・・」
「だいじょうぶだよ・・・あきちゃん、もう上がっていいわよ。掃除はしとくから」
「はい、お先に失礼します。柏木さん、ママをよろしくね・・・」
「よろしくったって・・・この一杯でオレも帰るよ」
「看板を片付けちゃうね」
「手伝おうか」
「大丈夫、待ってて・・・」
外へ出るママを追う男の視線は優しく欲望の欠片も見せる事はない。
看板の灯りを落としてシャッターを下ろしたママは疲れた表情で男の隣に座る。
「私も何か飲みたいな、ノンアルコールで、今日は飲みすぎちゃった」
男は上着を脱いでカウンターに入って腕まくりする。
オレンジジュース、レモンジュース、グレナディンシロップ、卵黄をシェーカーに入れて卵黄を混ぜるために強めにシェークしてサワーグラスに移す。
カクテルはグレナディンシロップの赤が落ち着いた色になり、見つめるママは気持ちが穏やかになってくるのを意識する。
「美味いと思うよ、ママ」
「どうかな・・・うん、美味しい、ありがとう。それより店を閉めたからママは止めてくれる」
「いいけど、何て呼べばいい??」
「美沙。美しい沙と書いてミサ。スナはサンズイに少ないって書く方」
「美沙・・・いい響きだね、ママに似合うよ。アッ、ごめん」
「許してあげる・・・ウフフッ、キスしてくれたらね」
美沙は右腿を男の腿に押し付けるようにして困ったような表情を覗き込み、押し付けられた男はムチッとした感触と体温に股間が反応しそうになりグラスを口に運んでごまかそうとする。
気を静めた男が美沙に視線を向けると恥ずかしそうに笑みを浮かべて目を閉じる。
背中に手を回して身体を支えると美沙は首を傾げ、男は静かに唇を合わせて舌先で上唇をなぞる。
唇を離すと美沙は目を開け、瞳が嬉しいと囁き再び目を閉じる。
鳥が餌をついばむように唇を合わせて上下の唇を挟んで舌先がツンツンとつつく。
男の舌の動きに誘われるように美沙の舌が這い出て擦り合ったりつつき合ったりしながら互いの口腔を出入りする。
舌が唇に触れて擦れる感触がペニスの出入りを想像させて欲望を募らせる。
「ウフフッ、思った通りキスが上手・・・このノンアルコールカクテルはプッシーフットって言ったっけ??」
「そうだよ・・子猫の足・・しゃれた名前だよね」
「私のアンヨを撫でてみたい??」
「・・・撫でたいけど止めとく」
「どうして??」
「ミサの店に通うようになって半年。週に1度、来るけど今の関係を壊したくない」
「私に触れたら壊れる??」
「たぶん・・・我慢できなくなると思う」
「我慢しなくてもいいじゃない・・・」
「我慢したくなるほどの好い女・・・大切にしたい」
「本当にそう思っているならズルイ言い方ね。私は壊れてもいいと言ってるのに・・・」
「・・・・・」
「あっ、組み立て式の本棚を買ったのが昼間届いたの。これから家へ来て組み立てを手伝ってくれる??まさか、嫌とは言わないよね」
「・・・分かった。もう一杯、ダブルで水割りを飲もうかな・・・」
「ダメッ、酔ったってゴマカシは通じないよ」
ミサがドアを開けると女性の部屋らしく甘い香りが漂い、一瞬とはいえ入るのを躊躇する。
「どうしたの??女の部屋に入るのが初めてとは言わないでしょう??」
「久しぶりだからミサの香りに満ちた部屋にドキドキするよ」
「そうなの??変に意識しなくてもいいよ。本棚の組み立てを手伝ってもらうだけだから・・・」
「そうだったね、夜も遅いし・・・いや、早い朝かな??どっちでもいいや、早く片付けちゃおう。オレも男だから変な気持ちになるとマズイしね」
「いいよ、変な気を起こしても。組み立てのお礼代わりに・・・ウフフッ、冗談だよ。本気にしないでよ」
男はがっかりしたような安心したような、なんとも表現のしようのない苦笑いを浮かべて組み立てに取り掛かる。
「2人ですると簡単だね、組み立ても・・・」
「そうだね・・・今、何時??」
「女の部屋で時刻を気にするのは失礼だよ。待ってる人がいるの??」
「いや、いないよ」
「よかった・・・水割りを飲みたいと言ったよね??用意するから待ってて」
「このウィスキーだけど知ってる??」
「ラガヴーリン、名前だけは聞いたことがあるよ。個性的なウィスキーだって聞いてる」
「私も飲んだことがないけど、あなた好みのウィスキーかなと思って用意しといたの。グラスと氷、ミネラルウォーターは直ぐに持ってくるから」
「ありがとう・・・」
「ゆっくり飲んでて・・・・ちょっと、失礼するね・・・」
わざわざラガヴ―リンを用意してくれたと聞いた男は、美沙の真意を測りかねて期待と共に困惑でアルコールの回りが早くなる。
入浴の準備をする音が聞こえてくると水割りを飲むピッチが速くなり宙を睨んで息を吐く。
「お代わりを作る??」
「それじゃ最後の一杯はグリーンティフィズを・・・」
「ガムシロ抜きのクラッシュアイスでね・・・そうでしょ??」
「うん、悪いね、めんどうで・・・」
「だいじょうぶだよ・・・あきちゃん、もう上がっていいわよ。掃除はしとくから」
「はい、お先に失礼します。柏木さん、ママをよろしくね・・・」
「よろしくったって・・・この一杯でオレも帰るよ」
「看板を片付けちゃうね」
「手伝おうか」
「大丈夫、待ってて・・・」
外へ出るママを追う男の視線は優しく欲望の欠片も見せる事はない。
看板の灯りを落としてシャッターを下ろしたママは疲れた表情で男の隣に座る。
「私も何か飲みたいな、ノンアルコールで、今日は飲みすぎちゃった」
男は上着を脱いでカウンターに入って腕まくりする。
オレンジジュース、レモンジュース、グレナディンシロップ、卵黄をシェーカーに入れて卵黄を混ぜるために強めにシェークしてサワーグラスに移す。
カクテルはグレナディンシロップの赤が落ち着いた色になり、見つめるママは気持ちが穏やかになってくるのを意識する。
「美味いと思うよ、ママ」
「どうかな・・・うん、美味しい、ありがとう。それより店を閉めたからママは止めてくれる」
「いいけど、何て呼べばいい??」
「美沙。美しい沙と書いてミサ。スナはサンズイに少ないって書く方」
「美沙・・・いい響きだね、ママに似合うよ。アッ、ごめん」
「許してあげる・・・ウフフッ、キスしてくれたらね」
美沙は右腿を男の腿に押し付けるようにして困ったような表情を覗き込み、押し付けられた男はムチッとした感触と体温に股間が反応しそうになりグラスを口に運んでごまかそうとする。
気を静めた男が美沙に視線を向けると恥ずかしそうに笑みを浮かべて目を閉じる。
背中に手を回して身体を支えると美沙は首を傾げ、男は静かに唇を合わせて舌先で上唇をなぞる。
唇を離すと美沙は目を開け、瞳が嬉しいと囁き再び目を閉じる。
鳥が餌をついばむように唇を合わせて上下の唇を挟んで舌先がツンツンとつつく。
男の舌の動きに誘われるように美沙の舌が這い出て擦り合ったりつつき合ったりしながら互いの口腔を出入りする。
舌が唇に触れて擦れる感触がペニスの出入りを想像させて欲望を募らせる。
「ウフフッ、思った通りキスが上手・・・このノンアルコールカクテルはプッシーフットって言ったっけ??」
「そうだよ・・子猫の足・・しゃれた名前だよね」
「私のアンヨを撫でてみたい??」
「・・・撫でたいけど止めとく」
「どうして??」
「ミサの店に通うようになって半年。週に1度、来るけど今の関係を壊したくない」
「私に触れたら壊れる??」
「たぶん・・・我慢できなくなると思う」
「我慢しなくてもいいじゃない・・・」
「我慢したくなるほどの好い女・・・大切にしたい」
「本当にそう思っているならズルイ言い方ね。私は壊れてもいいと言ってるのに・・・」
「・・・・・」
「あっ、組み立て式の本棚を買ったのが昼間届いたの。これから家へ来て組み立てを手伝ってくれる??まさか、嫌とは言わないよね」
「・・・分かった。もう一杯、ダブルで水割りを飲もうかな・・・」
「ダメッ、酔ったってゴマカシは通じないよ」
ミサがドアを開けると女性の部屋らしく甘い香りが漂い、一瞬とはいえ入るのを躊躇する。
「どうしたの??女の部屋に入るのが初めてとは言わないでしょう??」
「久しぶりだからミサの香りに満ちた部屋にドキドキするよ」
「そうなの??変に意識しなくてもいいよ。本棚の組み立てを手伝ってもらうだけだから・・・」
「そうだったね、夜も遅いし・・・いや、早い朝かな??どっちでもいいや、早く片付けちゃおう。オレも男だから変な気持ちになるとマズイしね」
「いいよ、変な気を起こしても。組み立てのお礼代わりに・・・ウフフッ、冗談だよ。本気にしないでよ」
男はがっかりしたような安心したような、なんとも表現のしようのない苦笑いを浮かべて組み立てに取り掛かる。
「2人ですると簡単だね、組み立ても・・・」
「そうだね・・・今、何時??」
「女の部屋で時刻を気にするのは失礼だよ。待ってる人がいるの??」
「いや、いないよ」
「よかった・・・水割りを飲みたいと言ったよね??用意するから待ってて」
「このウィスキーだけど知ってる??」
「ラガヴーリン、名前だけは聞いたことがあるよ。個性的なウィスキーだって聞いてる」
「私も飲んだことがないけど、あなた好みのウィスキーかなと思って用意しといたの。グラスと氷、ミネラルウォーターは直ぐに持ってくるから」
「ありがとう・・・」
「ゆっくり飲んでて・・・・ちょっと、失礼するね・・・」
わざわざラガヴ―リンを用意してくれたと聞いた男は、美沙の真意を測りかねて期待と共に困惑でアルコールの回りが早くなる。
入浴の準備をする音が聞こえてくると水割りを飲むピッチが速くなり宙を睨んで息を吐く。