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不倫 ~immorality~

想いを巡らす 4

ベイブリッジの下を通過した船が港の奥を目指して白波を立てている。
「男は船で女は港って言うけど、健にとっての彩は、どこにでもある一つの港??」
「船にもいろんなのがあるよ。取った魚を条件の好い港を探して立ち寄る漁船もあれば、世界中あちこち予定通りに寄港する豪華客船もあるし、二つの場所を行き来する渡し舟のような船もある。オレはあちこちの港に行かないよ、迷っちゃ困るから」
「そう、良かった・・・お腹が空いたから、何か食べに行きたい」
「うん、ちょうど良い時刻だね。少し歩くけど良いかい??」

ホテルを出た二人は左に観覧車、右側にクイーンズスクエアの建物を見ながら桜木町方面を目指して歩く。
日本丸が見えると、
「世界一周じゃなくてもいいから、日本丸で風任せに太平洋へ出てみたいと思わない??」
「たっぷりの食糧と時間を積んでね。他人の目を気にせず彩と二人きりで海の上・・・アッ、忘れちゃだめだ。電池も積まなきゃ」
「クククッ、オモチャ用??」
「そうだよ。四方を海に囲まれて、寝っ転がれば陽の光が降り注ぐ中、彩が我慢できるはずがないだろう。スッポンポンの彩を最初の内はボッキッキ~で相手できても、いつまでもっていう自信はないよ」
「止めて、そんな身振り手振りで話すからすれ違う人が笑ってるよ」

左側に港、右側に横浜の街を見ながら西に進んで川を越え、万国橋を左に見て左右の歩道をつなぐアーチをくぐってレンガ敷きの馬車道通りを歩く。
県立歴史美術館や損保ジャパンの壁面など、この街の歴史を未来に語り伝える威風堂々とした建物を見ると、手をつないで歩く二人の不倫など歴史の中に一行のメモさえ残すはずもないし、そんな事を悩んでもしょうがない、目の前の幸せを精一杯楽しもうという気になる。

関内駅近くのビルにある和風ダイニングに入り、予約してあった旨を伝えるとロフト形式のカップル専用個室に案内される。
しっかりとした壁とドアに囲まれた個室は他人の目を意識することなく二人きりの時間を過ごすことが出来る。
「なんか、いやらしい部屋。照明さえもエッチに感じる・・・知らず知らずのうちに小声になっちゃうね。それよりも予約してたんでしょう??前に来たことがあるの??」
「ベイスターズの応援に来た時にね」
「ふ~ん・・・誰と来たかは聞かないであげる」
過度な装飾が無く向かい合って座る二人を灯りが照らし、テーブルの下では健の足が早くも彩の足に絡みつく。
「いやんっ、そんな事・・・したくなっちゃうよ」
「オレだって・・・ホテルの部屋でソファに座っていたらスカートは穿いてるけど、パンツを穿いてない彩が跨ってウニャウニャしただろ、あの時、先っちょが入ったのに気が付いた??」
「あっ、バカにしてる。例え先っちょだけでもオマンチョにチンチンが入って気付かないと思う??」
「ウフフッ、そうだね」

コンコンッ、ノックと共にオーダーした料理などが運ばれてきた。
魚介類や地鶏のグリルなどを彩はビール、健はジンジャーハイボールと共に腹に収める。
いやらしい部屋だと言ったことも忘れたように、エッチな気持ちを表に出さずに彩は貪りつく。
目の前で気持ち良いほどの健啖ぶりを見せる彩に温かい気持ちが湧いてくる。
「お腹が空いてるんだからしょうがないでしょう・・・品が無くって嫌??」
「お風呂でオレに寄りかかって安心できるって言ってくれたろう。彩ほどの好い女が本気で食べるのも気を許しているからこそだと思って嬉しいよ・・・本当だよ」
馬刺しやカルパッチョ、さつま揚を食べて焼きそばからアイスクリームを食べ終わる頃には、彩は健を、健は彩を早く食べたいという思いが募る。

「カクテルを頼みたいけど、それよりも欲しいものがある」
「オレもだよ。オレは、カクテルよりも観覧車に乗りたいなと思っていたけど、今はベッドに寝っ転がってライトアップされたベイブリッジを見たいな」
「ねぇ、帰ろう。我慢できなくなっちゃった・・・チンチンの先っちょが入った時、やっちゃえば良かったかなぁ・・・これは彩からのプレゼント」
スカートの中に両手をくぐらせてショーツを下ろした彩は、指先で摘まんで健に差し出す。
「えっ、どうしたの??」
「スカートの中はスッポンポン。健と二人だからスリルを味わいたいの」
「スリルとスピードはセックスの前戯になるって人がいるらしいけど彩もそうなの??」
「う~ん、そうかもしれない。運転してる時に前を走る車を追い越した時にドキッとする事がある」

「スカートを脱いじゃいなよ」
「イヤッ、そんな事できない」
「大丈夫だよ。誰も来ないし、外からは見えないよ。ここで、スッポンポンの彩を見たい」
ハァハァッ・・・健にも感じられるほど彩の息が激しくなり、目の縁が朱に染まる。
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ちっち

Author:ちっち
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アッチイのは嫌
さむいのも嫌
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