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不倫 ~immorality~

想いを巡らす 2

「えっ・・・すごい、この部屋で間違いないの??彩のためなの??・・・ウフフッ、無理しちゃって、ありがとう」
昂奮で声を上擦らせる彩は振り向いて健の頬に唇を合わせる。
部屋に入ると右側にベッドルーム、左側にリビングルームがあるスイートタイプで大きな窓に広がる眺望は夜が待ち遠しくなる。
ライトアップされた景色や走る車のヘッドライトが作る光の帯を想像すると、自然と顔が火照り動悸が激しくなる。
ベッドルームの正面に観覧車が見えて赤レンガの倉庫群が続く。海を挟んで、その向こうにはビルの立ち並ぶ街並みが続き、青い空がそれらを優しく包み込んでいる。
「ライトアップされた観覧車やビルの窓に点く灯りを想像してごらん・・・興奮するだろう」
「うん、興奮する。夜景を見ながらこのベッドで健に愛されるんだよね・・・あぁっ~、ダメ、濡れちゃう」
倒れ込むようにベッドに寝た彩は、目の縁を朱に染めて妖しげな視線を健に送り、魅入られたように覆い被さる健は唇を合わせてスカート越しに腰を撫で回す。
「間違いなく彩だ。このムッチリ感は忘れることなく手の平が記憶している」
「アンッ、彩も健に抱かれるこの感触を忘れた事はなかったよ。枕を抱いて気を紛らしていたんだから・・・もっと強く、ぎゅっと抱いて・・・いぃの、嬉しい」
再会を待ちわびていた時間を抱きあう事で取り戻した二人は、軽く唇を合わせて気持ちの火照りを冷まし、身体の疼きを我慢してリビングルームに場所を移る。
目の前には港の景色が広がり正面には左右の埠頭を繋ぐベイブリッジが見え、その下をタグボートが走り岸壁には大きな客船が係留されている。

海が好きな彩は大きな窓ガラスに手を突いて目の前の景色に見入り、健はほんの少し開く窓を開けて海の匂いを招き入れる。
景色に魅入られる彩を残してエスプレッソマシンで抽出したコーヒーを持ってソファに座ると、香りに誘われて振り向き鼻をヒクヒクさせる。
健の腿に向かい合って座った彩は、
「好い匂い・・・二杯も必要ないのに、飲ませて」
さすがに淹れたてのエスプレッソを口移しでと言うわけにはいかず、カップを支えて彩が飲むのを静かに見つめる。
海を背にして座る健の腿に座る彩の目の前には横浜港が広がり、陽の光を反射してキラキラ光る海面を見つめて眩しそうに目を細める。

左手を彩の背中に回して身体を支え、髪を撫でていた右手が背中を撫で下りて腰から尻の感触を味わう。
「それで好いの??我慢できちゃうんだ」
海に視線を向けたままの彩はからかうような言葉を掛けて下半身を蠢かす。
「クククッ、車に乗る時、お姫様になりたいって言ったろ。お姫様に失礼な態度を取っちゃいけないかなと思って我慢してるよ」
「ウフフッ・・・許してあげる。やりたい事をしても良いよ」
そうか、ありがとう、と言った健は尻を撫でていた手をスカートの中にくぐらせ、下着を着けていない肌の感触を確かめるように手の平を押し付ける。
「あぁ~、いいな・・・彩だ、間違いなく彩だ」
「クククッ、ムッチリ尻の感触は変わってない??彩の自慢なんだからね」
「見なくても触ると分かるよ。目を閉じると・・・手の平に吸い付くような白い肌、手の平と肌が混じり合って一つになってしまいそうだよ」
「ウソ・・・目を閉じて、白い肌って分るの??」
「うん??・・・目を閉じると染み一つない彩の白い肌が瞼の裏に浮かぶんだからしょうがないよ」

「奥さんと同じベッドで寝るほど仲がいいんでしょう??奥さんを抱きながら彩の事を思い出した事はある??」
海を見ていた彩の瞳は、悪戯心を滲ませて健の瞳を覗き込む。
「正直に言うと、それは無い。目の前にいる大切な人以外を思い出したりしないよ。それは今も同じ、目の前にいる大切な彩以外の人を思い出したりしない」
「そうなの、良かった。奥さんを抱きながら彩の事を思い出したりしたら奥さんは気付くはず。それは、彩にとっても好ましい事じゃないもん。健といる時間は楽しいけど主人と別れるつもりはないし、それは健も同じでしょう??」
「そう、その通りだよ。彩と一緒になっていたら、どんな生活をしているのかなぁって想像した事はあるけどね・・・想像だけならいいだろう??」
「うん、そんな想像してくれるのは嬉しいし、彩も考えた事はあるよ。大切な人が一人じゃなく二人いるって楽しいね。もっとも、健の大切な人が、奥さんと彩以外にいないとは言い切れないけどね」
「おいおい、オレはそんなに信用できないか??」
「浮気はしたことがない。浮気をするのは妻にも相手にも失礼、オレはいつも目の前の相手に本気だ・・・が主義なんでしょう??ウフフッ」
時間の経過と共に自分に正直になり、いつものようにあるがまま受け入れて今を楽しむ事だけに集中する。

唇を合わせて彩の肌を撫で回すうちに健の股間に力が漲り、それを感じた彩が中腰になって下半身を蠢かすと、
「あっ、入って来ちゃう、エッチ」
「彩が変に動くからだろ、オレのせいじゃないよ」
「ウフフッ・・・入らせてあげない。久しぶりだから一回目は、ゆっくり可愛がってもらうんだからね。手抜きしちゃダメだよ」
「今日は寝かせないよ・・・なんかさ、暑くなってきた。汗を流したいからシャワーを浴びてくるよ。彩も一緒にどう??」
「うん、先に行ってて、後で行くから」
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ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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