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彩―隠し事 369

性的欲望 -4

カランカランッ……ドアベルの軽やかな音と共に入店した紗矢と健志は彩とケンちゃんを探す。
「ここだよ……お帰りなさい。紗矢ちゃん……コーヒーでいい??」
ケンちゃんの隣に座った紗矢の様子に不穏な雰囲気を感じた彩は言いかけた言葉を飲み込み、コーヒーでいいかと尋ねる。
「はい、コーヒーでいいです」
「紗矢、どうした??珍しくジャケットのボタンを全て嵌めているし、変だよ」
「ケンちゃん、分からないの??ほら……」
周囲を見回してケンちゃん以外には見えないように中ほどのボタンを外して、シャツとブラジャーを着けていないことを確認させる。
「どうして??……健志さん、散歩じゃなかったのですか??」
「怒るなよ。全く想像していなかったわけじゃないだろう……これを返しとく」
買い物袋に入れたシャツを見せてポケットにねじ込んだパンツとブラジャーを取り出して袋に入れ、ケンちゃんに手渡す。
シャツや下着に隠れるように入っているオモチャやランジェリーを確かめたケンちゃんは俯いたまま叱責を待つ子犬のような紗矢の手に自らの手を重ね、
「健志さんは紗矢が想像していた通りの人だったね……良かったね」
「ほんとう??怒っていない??」
「怒るはずがないじゃないか。紗矢の望みを聞いたときはびっくりしたけど、それもコレも僕たちの結婚のためだと理解した。何があっても僕は紗矢を愛するし信じている」

「お待ちどおさまでした。ブレンドコーヒーでございます……ごゆっくりどうぞ」
この場に相応しい言葉が見つけられない四人は静かな店内で自分の気持ちを持て余しながら苦いコーヒーを飲む。
「紗矢ちゃんは可愛いよな。ケンちゃん、大切にしなきゃダメだぞ。袋の中身はオレからのプレゼント……幸せになれよ」と、告げてケンちゃんの言葉を待つ。
「僕の気持ちは決まっていますが今の気持ちを抑えきる自信がありません。どうでしょうか、今日は金曜日ですが、明日、紗矢と僕の希望を叶えてもらえませんか??急なお願いで申し訳ないのですが訳の分からない昂奮を何日も抑える自信がないのです」
「オレは構わないけど、何よりも紗矢ちゃんの気持ち次第だろう」
「……ハァハァッ、お願いします。明日と言わずこれからでもいいです」紗矢は顔を伏せたまま、上目遣いで彩を見る。
「紗矢ちゃん。明日にしようよ。せっかくだから泊りでどう??お泊りセットを用意して居酒屋もよかったけど、美味しいお肉を食べたいと思わない??」
紗矢とケンちゃんは顔を見合わせて気持ちを確かめ合い、彩と健志に頷いて見せる。
「決まった。彩とオレから結婚する二人へのプレゼントということで任せてもらうよ。食事付きでホテルを予約しとく」


「……コネクティングルームをお願いします……レストランの予約もできますか………到着は16時過ぎになると思います」
翌日、土曜日の午後三時に公園での待ち合わせを約束して帰ってきた彩と健志はシードルで喉を潤し、ホテルの予約を済ませる。
「なんだか忙しいね。栞のエッチ下着の次は紗矢ちゃんのエロイ経験のお手伝い」
「ほんとだな……彩の仕事の邪魔になっていないか心配だよ。これまでの生活に戻りたいって言うなら反対しないよ」
「彩の身体に飽きたの??それとも嫌いになったの??……彩はね、今仕事が絶好調なの。新規プロジェクトを任されているって言ったでしょう、月曜日に担当役員にこれからの進め方を報告するんだけど、独立した組織になって予算や人員確保の裁量権が大きくなるかもしれないの。すごいでしょう」
「すごいよ。想像していたよりも責任のある地位にいるんだね……好いのか、オレと付き合っていても??」
「健志と付き合うようになって、元々の人見知りで消極的な自分が少し変わったと確信できる。身体と気持ちの奥に棲みついていたエッチでスケベ、マゾッコの彩を少しずつ解放した結果、昼間の自分も好い方向に変わったみたい。だから、健志が彩を嫌いにならない限り離れてあげない」
一気に思いのたけをぶちまけた彩は健志の膝に乗り、頬を擦りつける。
「クククッ、彩にとってオレはアゲチンなんだ。オレの知らない彩が仕事で成功するように精々エッチに励むことにするよ」
「そう、それでいいの、彩は貪欲なメスだよ。夜の欲求不満は昼間にも影響するからね……それはそうと、紗矢ちゃんと一時間ほど何をしたのか、洗いざらい白状しなさい」

路地の奥にある空き地でシャツと下着を脱がせたことや紗矢と行ったこともあるアダルトショップで紗矢が興味を持ったオモチャやコスチュームを買ったこと、紗矢が自らの意志でバイブを見ていた男に胸の膨らみを見せて挑発したことなどを話すと、明日は楽しい夜になりそうと目を輝かせてキスをねだる。
紗矢ちゃんたちの企みにパクリと食いつき、明日は欲情のおもむくまま獣になって性欲の果てるまで身体を貪るのだと思うと興奮を抑えきれなくなるが互いの肌をまさぐることを避ける。
「今日は許してあげる。健志のコレは紗矢ちゃんのアソコやお口で大暴れしたくてウズウズしているでしょう??」
「嫌な言い方だなぁ。御馳走を目の前にしてオアズケが二度目だよ」
「えっ、あぁ、英子が悠士さんの店に行った日の事??あの日はどうして彩を抱かなかったの??」
「翌日が休日なら心置きなく貪るけど仕事だって分かっているのに抱けないよ」
「クククッ、話したばかりでしょう。健志のオチンポは彩に幸運を運んでくれるんだよ、大切な仕事を控えている時ほど抱いてもらうんだから……今日は我慢するから紗矢ちゃんを満足させてあげてね」


土曜日15時、公園の入り口に停めた車から降りた彩が手を振るとベージュのミニワンピを着けた紗矢がすぐに手を振りケンちゃんの手を引いて近付いてくる。
車に乗る彩からチリンチリンと鈴の音が聞こえたけれど、紗矢もケンちゃんも気にする様子がない。

後部席の紗矢をルームミラーの中に見た健志はスタンドカラーが卑猥さを隠しているものの、昨日買った首輪を着けているのを確かめて頬を緩める。
「紗矢ちゃん。ミニワンピが似合って可愛いよ。スタンドカラーが上品で大人の色気を感じる」
健志の言葉で後部席の紗矢を見た彩は、スタンドカラーに隠れるように首を飾るのはチョーカーと呼ぶより首輪と呼ぶにふさわしく、おそらく昨日二人で買ったものに違いないと運転する健志に視線を向ける。
そんな彩の様子に紗矢は、
「この首輪は昨日健志さんに買ってもらったものです。ケンちゃんに言わなかったけど首輪を着けた瞬間、アソコがジュンとなっちゃった」
「紗矢ちゃんは自分で言う通り、立派なMッ子だね。ケンちゃん、席を代ってくれない。女同士で遊びたくなっちゃった」
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ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
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