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彩―隠し事 367

性的欲望 -2

週末を過ごす積りの部屋で、
「着替えが少ないなぁ、もう少し持ってくればよかった……今日はジーンズでいい??」
「好いんじゃないの、オレもこのままチノパンにジャケットを着るだけだから」
彩はジーンズにスタンドカラーの白シャツで清潔感と女性らしさを醸し、健志はオフホワイトチノパンに白シャツ、ジャケットを合わせて待ち合わせ場所に向かう。

待ち合わせの公園でベンチに座ることなく入り口を見たり、顔を見合わせたりと落ち着きのない様子で歩き回る二人は彩と健志を見ると顔を綻ばせ、紗矢は大きく手を振り、ケンちゃんは軽く会釈をする。
手を振りながら二人に近付いた彩は、
「ごめんね、待たせちゃって」と、言葉をかける。
「いいえ、紗矢が早く行こうと言うので、待ち合わせ時刻には早いのを承知でした」
「ごめんなさい。今日は朝からお姉さんと食事をするのが楽しみで我慢できなくて……家に帰らず、私はアルバイト帰り、ケンちゃんも仕事帰りなんです」
ケンちゃんはグレーのスーツ姿で紗矢はデニムミニスカに柄シャツを着けてデニムジャケットを羽織っている。
「クククッ、ケンちゃんは変。お姉さんと私はデニム、お兄さんはチノパンなのにケンちゃんは一人だけかたっ苦しい」
「しょうがないだろ。紗矢が着替えなくていいからすぐに行こうって連絡してきたんだろ」
「相変わらず二人は仲が良くていいね……紗矢ちゃんはデニムオンデニムが似合って可愛い。スタイルが好いから羨ましい」
「紗矢はまだまだですよ。お姉さんの清潔な色気が僕には眩しいです」
「ここで褒め合うのも好いけど空腹は言葉じゃ満たされないよ。近くの居酒屋を予約した時刻も近付いてきたし場所を変えようか」

「いらっしゃいませ。御四名様の予約を承っております。ご案内いたします」
石畳を模したような通路は居酒屋とは思えない静謐な雰囲気でビルの中の店だということを忘れてしまう。
案内された個室は寒くなれば堀こたつで供される作りになっているので席に着いた四人は、両手を背後について上半身を反らしたりテーブルを撫でたりとリラックスできる。
改めて再会を祝してビールで乾杯した後は冷酒やワインで喉を潤しながら料理に舌鼓をうち、アルコールが気持ちを隅々まで解してくれる頃には話題が性的なモノになってくる。

「僕たちは一緒に住んでいるのですが、実は僕の転勤が決まっているのです。で、紗矢にプロポーズしたのですが、転勤をきっかけということが気に入らないらしく、セックスの相性を確かめたいと言い出したんです。元々、僕も紗矢も嫌いな方じゃないし、毎日でもしたいと思っているのですがマンネリ気味というか、紗矢は不満に思うこともあるらしいのです」
分かるよう分からないような、話しの進む方向が見えないので彩も健志も相槌の打ちようもなく黙ってケンちゃんの話しを聞いている。
「ごめんなさい、聞いていただきたいことを上手く言葉にできなくて……結論を言います。聞いていただけますか??」
「例の公園であんなことをした仲だからね、どんなことでも聞くよ。なぁ、彩」
「うん、何でも言って。私たちも決して嫌いな方じゃないしね、大丈夫だよ」
「私が言います。ケンちゃんに我がままを言ったのは私ですから」
グラスのワインを飲み干した紗矢は思いのたけを彩と健志に告げようとして居住まいを正して口を開く。

「結婚した後はケンちゃん以外の男性とセックスしちゃいけないでしょう。だから、ケンちゃんのことは大好きだけどプロポーズを受け止めて承諾する前に一度でいいから、ふぅっ~……変態っぽいセックスと言うか苛められてみたいなぁって。私は変ですか??」
「私も変態っぽいエッチに興味があるから変とは思わないけど……う~ん、紗矢ちゃんはエライな。ケンちゃんと結婚したら浮氣はしないって決めているんでしょう」
「一つ聞いてもいいですか??」
一瞬、健志に答えてもいいかと確かめた彩が視線を戻して頷くと、
「お姉さんとお兄さんは夫婦じゃないんですか??」
「私は夫がいるけど、この人は独身。浮気の理由は……聞かないでくれる」
「余計なことを聞いてごめんなさい……エロビデオを見るたびに羞恥責めって言うのかな、恥ずかしい姿を見られたいとか、SMチックに苛められたいと思うようになったんです。そんなことを考えれば考えるほど妄想は膨れ上がって、ついに先日、あの公園で……お姉さんたちに会って、この人たちなら信用できるし私のエッチな欲望を満足させてもらえるかなって……」
言葉を選びながら思いを告げた紗矢は、恥ずかしそうに視線を落として空になってグラスを弄る。
「そうなんです。嘘じゃありません。信用できそうな人がいればエッチなことをして誘ってみようって……それで、お二人にお願いしたんです。それに、紗矢のマゾッ気を一度でいいから満足させてもらわないと、プロポーズは承諾できないって言うんです。僕はそっち方面の経験がないので相手できないのです。お願いします、私たちの希望を叶えてください……だめですか??」

一瞬の間をおいて頭の中を整理した彩は健志を見つめて、
「私は構わないけど、どうする??」
「彩が好いならオレも構わないよ」
「紗矢ちゃん、ケンちゃん、私たちはいいわよ。私は彩、この人は健志って言うんだけど……もう一度確かめるわよ。いくつか質問するから答えてね」
紗矢とケンちゃんの希望や泊りでもいいのかどうかなど幾つか確かめた彩は、
「確認するね、紗矢ちゃんの望みはケンちゃんとの結婚前に膨らみ続ける性的な妄想に歯止めをかけたい。M気質だと自覚しているけど痛いことは嫌。他人に見られるか見られないかのスリルを味わい、羞恥責めをされたい……そんなことを経験してみたい。それでいいのね??」
「はい。彩さんの言う通りです。ケンちゃんのお嫁さんになって貞淑な妻になる前に私に染みついた垢を彩さんと健志さんに洗い流してもらいたいの」
「健志、引き受けるでしょう??」
「可愛い紗矢ちゃんが彩に悪戯されたりオレの腕の中で善がり啼くのを見たりして嫉妬に狂っても知らいないよ。その覚悟はあるんだね??」
健志に見つめられて返事を求められたケンちゃんは、ゴクッと唾を飲み、テーブルに置いた両手を固く握りしめて歯を食いしばりコクンと頷く。
「分かった、時間や場所を決める前に紗矢ちゃんと二人きりで一時間ばかりデートしてもいいかな??」
「えっ……」彩は驚いて健志の顔を見つめ、紗矢は驚くと共に怯んだような表情を浮かべてケンちゃんを見る。
「……分かりました……紗矢、健志さんとデートしてきなよ」ケンちゃんは、一瞬の緊張を解いて、無理やり笑みを浮かべて紗矢に話しかける。
「決まった。彩、ケンちゃんとこのビルの前にある喫茶店で待っていてくれるね」
「分かった、待っているけど可愛い紗矢ちゃんを泣かせるようなことをしちゃダメだよ」
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ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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