愛の交歓
唾液をまぶすことなく耳をしゃぶられ、舌が耳穴に侵入するとザワザワと妖しい音が脳を駆け巡る。
「ザワザワと頭の中を虫が走り回っているような変な感じなのに嫌じゃないの、脳を愛撫されているような気がする。……ハァ~、だめっ、狂っちゃいそう」
指先と舌や唇が産毛を一本一本、起こすような繊細なタッチで背中を這い回り、左手は愛美の手を握ったままで右手がムッチリとした感触を味わうように腰や太腿を擦る。
舌は波模様を描いて背骨に沿って腰まで這い下り、指先が内腿を撫でると愛美の口から、イヤァ~ンと艶めかしい声が漏れる。
尻の割れ目に息を吹きかけると大袈裟なまでに身体を捩って逃げようとするものの男の力に敵うはずもなく、腰を掴まれて動きを封じられ、割れ目に舌が這う。
「お尻がプリンプリンして可愛いよ」
「いやんっ、私のお尻って立派でしょう??バーテンダー衣装って身体のラインを強調するからバックバーに向かうときって緊張するんだよ」
「首や肩から胸を経てウェストの括れからパンと張り出した腰、プリッとした尻、ムッチリとしたラインが続く太腿、目立ち過ぎることなく慎ましい膝小僧に続く伸びやかな脛。尻がプリッとしているし膝が曲がらない後ろ姿は凛として恰好いいよ」
「ウフフッ、ありがとう。でも、褒めすぎじゃない??」
「むやみやたらと褒めたりしないよ。愛美に対する言葉は事実だけ、好きになった女に嫌われたくないから嘘は言わない」
「あぁ~ン、心が震える。指や舌の愛撫で身体が解されて、言葉の愛撫で心も蕩かされちゃう」
「バーテンダー姿の愛美を見れば恋心に火が点き、ハダカンボの愛美を目の前にすれば虜になる……プリケツはオレのモノだろう??」
「お尻だけじゃなく私のすべてをあげる……迷惑??」
「迷惑かってオレに聞くの??雨に濡れたバーテンダー衣装を着替えた後も似合っているかどうか、みたいなことを言ったけど……普通なら嫌味に聞こえてもしょうがないのに、そうは聞こえない。愛美は好い女、素直な好い女の証拠だね」
「フフフッ、ありがとう。私が好い女かどうかは別にして、女はね好きな男の前では素直な乙女時代に戻るんだよ……あなたのお顔を見たい」
俯せから仰向けに体位を変えて素っ裸の身体を晒す愛美の瞳は妖しく濡れて、興奮からくる渇きを癒そうとして舌を這わせた唇はリップグロスを塗ったように艶めかしい。
「どうしてだろう??嬉しいのに涙が出ちゃいそう。恥ずかしいから抱いて、ねっ……」
愛美を胸に強く抱きしめた男は、
「嬉しいのに涙が出たり、悲しいのに笑ったりすることもある。嬉しいときははしゃぎすぎるなと注意してくれているのかもしれないし、悲しいときはいつまでも落ち込んでいるんじゃないと励ましてくれるんだろうな……オレはそんな風に思うよ」
「フフフッ、そうかもしれない。あなたは悪い人だからはしゃぎ過ぎるなと注意されているのかなぁ??」
「オレにとって愛美は悪い女。何もかも忘れて夢中になっちゃいそうだよ」
「イヤンッ、悪い男。そんな事をされたら我慢できなくなっちゃう。私は真面目に話しているのに、あなたは私のオッパイで遊びながらお話しする」
愛美の言葉に笑みを浮かべた男は両足の間に身体を入れて右手で乳房をヤワヤワと揉み、反対側の乳房の先端にチュッと唇を合わせて舌先で乳輪をなぞる。
ハァハァッ、息を弾ませる愛美は両足で男の胴体を挟んで下半身を押し付ける。
「スケベな女は嫌いになる??」
「どんな男にもスケベになるんじゃ困るけど、オレと一緒の時だけなら理想的だな」
アンッ、ウッウッ、クゥッ~……目を閉じてしどけなく開いた唇から甘い吐息を漏らし、堪えきれない快感で眉間に皴を作る愛美を上目遣いに見る男は昂奮を新たにする。
乳房を揉みしだいていた右手が腰を擦り、脇腹を撫で上がって肩から首を経て頬を擦って耳朶で踊るように刺激する。
乳輪をなぞり乳房の先端を吸ったり甘噛みしたりしていた唇が軽く顎を甘噛みしてキスをする。
ジュルジュル……ハァハァッ……気持ちも身体も燃え上がる愛美は、男の頬に両手を添えて卑猥な音と共に息が続く限り唇を貪る。
やっと離れた愛美の瞳は言葉で言い尽くせない想いを込めて真っ赤に染まり、見つめる男も言葉を見つけることが出来ずに唇を合わせて舌を絡ませ、唾液を送り込む。
ゴクッ……白い喉を上下して唾液を飲み込んだ愛美は男にしがみつき、
「入れて、つながりたい。あなたと一緒にいるって実感させて……おねがい」
「愛美とオレの始まりだよ、いいね……」
両足の間で膝立ちの男が掴むペニスは先走り汁を滲ませて太々しく宙を睨み、上半身を起こした愛美は眼を見開いて昂奮を露わにする。
「すごいっ……ハァハァッ、こんなに大きいモノが私の中に入るの??」
男は左手を伸ばして愛美の右手を掴み、ペニスをバギナに擦りつけて十分に馴染ませた処で腰を突き出す。
ペニスが竿の半分ほど姿を隠すと、愛美は男とつなぐ手に力を込めて眉間に皴を作る。
「入ったよ、オレと愛美の身体がつながった。温かくて気持ちがいいよ」
「フゥッ~……あなたのモノが私の中を押し広げて奥へ入ってくるのが分かる」
「突き入れようとしなくても愛美がウネウネとオレのモノを奥へ引き込もうとしているだろう??」
「うそ、そんな事をしていないし、今までも言われたことがない。あっ、ごめんなさい……そんな積りじゃないないのに、どうしよう」
男は愛美の口を封じて唇を合わせ、鳥が餌を啄むように何度も何度もつついて何かを催促する。
催促に応じた愛美が両手を男の首と背中に回して抱きつくと唇を啄むだけだった男が濃厚なキスをする。
ジュルジュル、チュルチュル……上唇を吸い、下唇を甘噛みして右手が頬を擦る。
上顎を舐めて舌先が歯茎を這い、ズズズッと音を立てて愛美の舌を吸い込んでフェラチオを施すように口を丸めて顔を前後する。
「アンッ、気持ちいい……ありがとう……昔を思い出したわけじゃないの、つい……ごめんなさい」
「いいさ、気にすることはない。オレは愛美の過去を欲しいわけじゃない、目の前の愛美に惚れた……目の前の愛美はオレのモノだよ。離さない」
「嬉しい、身体だけじゃなく心も抱いてもらっていると感じる。何度も手をつないでくれると大切にされているんだなって思える……ウフフッ、恥ずかしい」
「可愛いよ……」
乱れ髪に手櫛を入れて整えながら、可愛いと言われる愛美は羞恥で頬を朱に染め、それを見る男の股間は爆ぜそうになるほどピクッと反応する。
「なぁ、オレンチで昼飯を食べないか??オレの得意料理を愛美に食べさせたくなった」
「ほんとう??連れてって、名前も分かるしね」
「あぁ、ダメだ。安心したら我慢できなくなっちゃった、逝っちゃってもいいか??」
「うん、私も逝っちゃう……クゥッ~、好いの、アウッウッ、クゥッ~、逝っちゃう……」
<< おしまい >>
同伴
モノトーンのミニタイトドレス姿でフェミニンにまとめた積りの美香は太腿の露出が気になって裾を引っ張り、髪に手を伸ばそうとして顔を上げると待ち合わせた男が近付いてくるのが見える。
中腰になって軽く会釈する美香を制した男は、
「待たせちゃって、ゴメン」
「いいえ、私こそ、ゴメンナサイ。約束の時刻の5分前だし、誘ったのは私だし……それに、内藤さんとは特別な関係じゃないけど嘘は言いたくないし……」
「うん??ややこしいことは聞きたくないな」
「ごめんなさい。なぞかけみたいで嫌だけど聞いてください……ある人が、内藤さんに、頼み事があるらしいの……」
「いらっしゃいませ」
「アイスコーヒーをください」
「アイスコーヒーですね、少々お待ちください」
「それで……聞くよ」
「いいの??」
オーダーを聞いた店員が去ると内藤が口を開き、美香は気弱そうな雰囲気を漂わせてドレスの胸元や髪を気にしながらも内藤を見つめ返す。
「ある人って、美香ちゃんが世話になっている人なんだろう??それでなきゃ、そんな頼まれ事をするはずがない」
「そうなの……私がこの世界、キャバ嬢になった頃から今まで、すごくお世話になっている人で、内藤さんも顔と名前は知っているはず……本当に、いいの??」
「同じ店の先輩か……好いよ。美香ちゃんの顔を潰せないだろう」
「今日、来てくれるでしょう??お店で紹介するので話は直接聞いてください」
言い終えた美香は一瞬、物憂げな表情を浮かべて通りを歩く人たちに視線を移し、一瞬浮かんだ色っぽさに内藤はドキッとして美香の視線を追う。
一日の仕事を終えて家路に付くべく駅へ向かう人やJRの駅を挟んで南北にある繁華街を目指す人、待ち合わせの時刻が気になるのか時計を見ながら急ぎ足の人などそれぞれの思いを胸に歩いているように見える。
「アイスコーヒーでございます」
「ありがとう」
「ごめんなさい。頼まれたのはね……」
「いいよ、店に行けば分かるんだろう??この後、用がないなら何か食べに行こうか??」
「いいの??怒ってない??」
「気にしなくていいよ。美香ちゃんは頼まれごとをオレに伝えた。要件は後刻、直接聞くってことで美香ちゃんは責任を果たした。それでいいだろう」
「うん……」
「どうした??何か心配があるの??」
「私と内藤さんは特別な関係じゃないけど……その人と内藤さんが仲良くなるのは……ちょっと……」
「たとえ相手が誰でも指名替えしたりしないよ。太客じゃなくて申し訳ないけど、美香ちゃんに恥をかかせないから安心していいよ」
「そんな事じゃないのに……」
「えっ??……食べたいモノがある??何でもいいよ」
屈託なく笑みを浮かべる内藤を癪に思った美香は頬を膨らませて怒った振りをする。
「気に障る事を言ったかなぁ……減量中で食事制限しているとか??」
「もう、本気で怒った……お肉が食べたい。しゃぶしゃぶがいい」
笑みを浮かべたまま、分かったと応えた内藤はスマホを手に取り、しゃぶしゃぶと個室を予約する。
「個室って何か分からないけど、エロイ。内藤さんは同伴の時、こういう店で食事をするの??」
「同伴どころか、そういう店はほとんど行かないよ。美香ちゃんの店くらいだよ」
「ぜったい、嘘。すごく慣れているような気がする……今日、相談事があるって先輩も、そんな雰囲気を感じ取っているような気がする」
「さぁ、食べよう。ここの、しゃぶしゃぶは旨いよ」
「ごちそうさま。美味しかったです……また、誘ってもらえますか??」
「お言葉を返すようですが、今日は私が誘ったのではありません。美香さんのお誘いを受けた私が、しゃぶしゃぶを食べさせろというので、この店にお連れしたのです……クククッ」
「いじわる。そんな事を言うと、もう誘ってあげないから……ウフフッ、アハハッ」
「それは困るな……誘ってもらえないなら、次はオレが誘っちゃおうかな」
「ふ~ん、内藤さんは私を誘いたいんだ……いいよ、誘われてあげる。私は食事をおねだりしたけど、内藤さんなら別のモノを欲しいって言ってもいいよ」
「座ってもいいですか??」
「内藤さん、さおりさんをご存知ですよね??」
「初めての時、さおりさんと美香ちゃんが付いてくれた。実はナンバークラスの売れっ子さん、それくらいは知ってるよ」
「お願いがあるのですが、聞いていただけますか??」
「あの、私は席を外しましょうか??」
立ちかけた美香を手で制したさおりは内藤が頷くのを確認して、
「美香ちゃんも聞いて……実はちょうど1週間先なのですが、両親が私のところに来るんです。実家に帰った時や電話で話す際に再婚を勧められるんです。私はバツイチなんです……ここでの仕事は嫌いじゃないし、結婚も今は考えたくないので婉曲に否定というか、何というか結婚の話を持ち出せない雰囲気を両親に感じてほしいなと思って……」
「それで私に恋人役を演じてほしいと……そういうことですか??」
「いえ、そこまでは考えておりません。ただ、お付き合いしている男性がいれば、それも内藤さんのような男性が……お願いできませんか??身勝手で無理なお願いだと承知で、どうでしょうか??」
「……う~ん、ご両親をだますのは……さおりさんの言うことも分かるし、ウ~ン……」
「そうですよね。直ぐに分かった、好いよって返事を頂ける人は信用できませんものね……お呼び立てしたうえに、急にご無理なお願いをして申し訳ございませんでした。忘れてください……美香ちゃんにも変なお願いをしてごめんなさいね」
「分かった、引き受けますよ。失礼な言い方だけど、面白そうだしね……段取りは決まってるの??」
「ありがとうございます。本当に、ありがとうございます。大体のところは……」
「失礼します。さおりさん、お願いします」
「えっ、はい、すぐ行きます……内藤さん、私の部屋に来ていただけませんか??美香ちゃんと一緒に……その時に作戦をお話しします。これが住所と簡単な地図、それと携帯番号です。すみません、お客様がいらっしゃったようなので失礼します」
「ふぅっ~……ごめんなさい。驚いたでしょう??私はびっくり……で、どうするの??」
「引き受けたんだから、行くしかないだろう??美香ちゃんの都合は??」
「私??私は行かないよ。内藤さん一人で行ってください。さおりさんが困っていても私は役に立てそうにないから……でも、二人っきりになっても変な事をしちゃ嫌だよ」
部屋
約束時刻の5分前にオートロックパネルの前に立った内藤は、さおりに到着したことを告げる。
「いらっしゃい。お呼び立てして申し訳ありません」
エレベーターホールまで出向いて内藤を迎え、挨拶を済ませて先に立つさおりはブルーの花柄ショートパンツにカットソーというカジュアルな衣装で白い足や腕が艶めかしく、音を立てずに唾を飲み天井を睨んで息を吐く。
「どうぞ、お入りください……」
ドアを引いて身体を寄せたさおりは内藤を招き入れる。
部屋に入った内藤は失礼にならない程度に部屋の中を見回して清潔感のある匂いで胸を満たし、シンプルに整った部屋に頬を緩める。
「色気のない部屋でしょう??ごちゃごちゃと飾り立てるのが好きじゃないの……お座りください。コーヒーでよろしいですか??」
「いただきます。女性の部屋は久しぶりなので緊張しています」
「うそ……この仕事を長くやっていると表情や会話でお客様の心理状態がある程度わかるの。声の調子が変わったり早口になったり口数の変化などの話し方、視線の動きや表情、女性をじっと見つめて執着を表す……おそらく、内藤さんは普段と同じでしょう」
「すごいな、客商売で一流になるというのは……容姿端麗だけじゃダメだと思っていたけど、さおりさんの話を聞いて改めて確認できました」
コーヒーを淹れると言いながら窓際でカーテンに隠れるようにして外を見るさおりは振り返り、
「私などはまだまだだけど、もう一つ好い事を教えてあげましょうか??」
「なんですか??」
「美香ちゃん、内藤さんには何といったか分からないけど、私には手助けすることがないから二人で相談してくださいって言ったの……その美香ちゃんは今、どうしているか知っていますか??」
「さぁ、私には分からないなぁ??」
「フフフッ、美香ちゃんが可哀そう、心の内を理解されなくて……この部屋を見張っていますよ、内藤さんの事が好きなんだろうな……内藤さんの後をつけたのか、見張っていたのか分からないけど、今はマンションの向かいにあるカフェに入ったよ」
立ち上がった内藤がさおりの反対側でカーテンに身体を隠してカフェを見ても窓は夕日を反射してキラキラ光るばかりで美香の姿は確かめようもない。
「うっ、こら、やめろよ」
「動いちゃダメ、こっちからは光って見えなくても美香ちゃんには見えているわよ。きっと……」
この部屋の様子を窺っているであろう美香の視線を避けるように遠回りで内藤の背後に位置を変えたさおりは、胸を押し付けて頬を寄せる。
シュッシュッ~……チノパンのファスナーを下ろして下着の中に指を侵入させ、萎れたままのペニスを摘まむ。
「これでも、男たちが列をなしてデートの予約待ちをしているんだけどなぁ……内藤さんの目には私は映ってないの??」
「話は変わるけど、来週の事は嘘じゃないよね??」
「嘘じゃないわよ、内藤さんが頼りなの……協力していただく、これはお礼の一部だと思ってもらってもいい」
「段取りは??」
「両親は私がキャバクラ勤めなのを知ってる。だから心配してくれているの。当日は用があって近くまで来るんだけど、私の出勤前に様子を確かめに来るから長居はしないはず……両親が着いたら内藤さんに知らせるので、ついでに立ち寄ったって雰囲気で顔を見せてもらいたいの……内藤さんを見れば両親は納得するはず……お願いできますか??」
「分かった、さおりさんを信じて自然体で立ち寄るよ」
「ありがとう……それと、さおりは源氏名じゃなく本名で、漢字を平仮名にしただけ。両親は私の事を本名の佐緒里って呼びます」
「名前呼び違えては叱られて、って歌があったけど、間違えなくてよさそうだ」
「ウフフッ、そうですね……打ち合わせは終わり。美香ちゃんを心配させるのは本意じゃないから、そんなに時間がないでしょう??カフェばかり見ちゃダメよ」
さおりの手の中でムクムクと鎌首をもたげ始めたペニスに気を良くして言葉が弾む。
ベルトを外して下着ごとチノパンを脱がせ、抱きすくめるように背後から回した手でペニスを愛撫して陰嚢を擦る。
「美香ちゃんをまだ抱いてあげてないでしょう??味見をして美香ちゃんに教えてあげようかな」
さおりの誘惑をあえて断る理由もない内藤はされるがまま立ち尽くし、カフェばかりを見つめて美香に不信感を与えるのを避けて顔を大袈裟に動かし、通りのあちこちを見る。
股間は男らしく反応しても言葉を漏らすことのない内藤を歯がゆく思うさおりは、胸を押し付けて身体を揺すり、手はペニスを擦ったり内腿を撫でたりと刺激を繰り返す。
カットソーの中にブラジャーを着けていないため、心地好い乳房の感触に股間が反応しそうになるのを、唇を噛んで堪える。
「ねぇ、私って魅力がないの??」
「こんな積りじゃなかったから、どうしていいか戸惑ってる」
「私はバツイチの独り身。嫌いじゃなければ抱いてほしい……独りエッチだけで満足できるほど私は枯れてないの……私が嫌い??」
「佐緒里さんを嫌いって言えるほど自信家じゃないよ」
「そうなの??内藤さんは何があっても自分を見失わない人だと思うの。行きずりの女を抱いても、淡々と自分のペースを守るはず」
嫣然として跪いた佐緒里は内藤の内腿に舌を這わせ、腿の裏側に指先で何やら文字のようなモノを描く。
「いいよ」
「ほんとう??なんて書いたか分かったの??」
「文字は分からないけど、佐緒里さんがチンポに飢えているのは分かる」
「クククッ、ほしいって書いたの。でも、どんなチンチンでもって訳じゃない。目の前のこれが欲しいの」
佐緒里の白くて冷たい指が内腿から鼠径部を撫でるとペニスはピクッと反応し、次の瞬間に温かい口に含まれる。
ジュルジュル、ジュボジュボッ……ウグッグッ、フグッ……佐緒里の顔が前後する度に内藤のオトコは硬度を増して膨れ上がり、表情に喜色が浮かぶものの苦しそうな声が漏れる。
「ハァハァッ……久しぶり、チンチンの感触を忘れるところだった。目の間にこんなに愛おしいチンチンがあるって安心できる」
視線を外すことなく見つめたまま佐緒里を抱き起した内藤は唇を合わせる。
「ハァハァッ……美香ちゃんには内緒にしてね」
「二人とも美香ちゃんに秘密が出来ちゃったね」
「今日、二人で会う事について美香ちゃんは何か言ってた??」
「二人っきりになっても変な事をしちゃ嫌だって言ってたかなぁ……」
「やっぱり、フフフッ……私は悪い女、あなたも悪い男……悪い女は美香ちゃんに何もしていないってアリバイを作らなきゃ」
立ち上がって窓辺に近付いた佐緒里は何気ない様子でカフェに目をやり、髪を搔き上げる。
ストリップ
「アンッ、いやらしい男……見られちゃう」
「大丈夫だよ。美香ちゃんからは見えない……覗き見されるとすれば少し遠いけど、あのビルかな??」
「じゃぁ、大丈夫。こんな時間に双眼鏡で覗く人もいないでしょう」
腰高窓の窓枠に肘をついて腰を突き出し、通りを見ながら時々振り返って打ち合わせをしているように見せればカフェで監視する美香は痴態遊びに気付くことはないだろう。
私の性癖を満足させてくれる男は結婚相手に相応しくないし、旦那様として私を愛してくれる人はセックスですれ違うということをたった一度の結婚で悟った。
私は業の深い女。
私を二度三度と満足させてくれる男に会ったことがない。
フフフッ……カマキリやジョロウグモの雌のように雄を食べてしまうの、内藤さん、あなたはどうかしら??
私を十分に満足させてくれたら生かしといてあげる……大丈夫、満足させてくれなくても命まで頂くことはしない、二度と誘わないだけ。
私を満足させるには、私の性癖を理解しないとだめ、内藤さんに分かるかしら。
ピシッ……イヤンッ、痛い……見えないことをいいことにしてショートパンツ越しに尻を打つと嬌声をあげて尻をくねらせる。
ズルッ……尻を撫で、ショートパンツを下ろすと染み一つない丸い尻と黒いショーツが姿を見せる。
「黒いTバックはお気に召したかしら、真っ赤なほうが良かった??それとも、白やパープルピンクのフルバックショーツで隠した方が好みかしら??」
「悪女には黒いTバックが似合うよ。黒いTバックとプリンとした白い尻でオレのような無垢の男をアリ地獄に引きずり込もうとする」
「フフフッ……私の棲み処がアリ地獄って分かるの??はっきり言われたのは、あなたが初めて、期待しちゃうよ」
ベッドに近付いた内藤はシーツを手に取って佐緒里を見つめ、顔に押し当ててスゥッ~と息を吸い込んで匂いで胸を満たす。
佐緒里は匂いを嗅がれる羞恥で顔を伏せ、イジワルと呟き、それが内藤の嗜虐心を刺激する。
ベッドに座り、虚空を睨むイチモツを握って上下に擦り、
「欲しいか??」
「ゴクッ……オシャブリしたい。どうすれば舐めさせてもらえるの??」
「素っ裸になって犬歩きでここまで来なさい。そうすれば、今日はご褒美として佐緒里のモノだよ」
「ハァハァッ……私のすべてをお見せしますからご覧になってください。満足できればオチンポを舐めさせてください」
ハァハァッと息を荒げる佐緒里の頬は紅潮し、窓際から二歩ほど動くだけでフラフラと足元も覚束なくなるほど昂奮を露わにする。
「見てください。ストリップ嬢のように色っぽくないけれど、あなただけにお見せします」
一瞬、明るい外の様子が気になる素振りを見せたものの欲情に支配された身体に抗しきれるわけもなく、昂奮で乾いた唇に真っ赤な舌を這わせて滑りを与えてカットソーの裾に手を添えて引き上げていく。
カットソーが首にかかって顔が隠れるとブラジャーを着けていない乳房が露わになり、羞恥なのか昂奮のせいなのか白い下腹部が激しく前後して漏れる息も荒くなる。
「ハァハァッ……恥ずかしい。こんなはしたない事をしちゃって嫌いにならないでね」
「嫌いにならないけど、美香ちゃんに秘密にできるかどうか自信がないな」
「えっ、いや、絶対に秘密にしてね。オミズの女の心得として、他人のお客様にちょっかいを出しちゃダメだよって教えてあるんだから」
「秘密にするから、誰にも見せたことのない恥ずかしい姿を見せなさい。口止め料だよ……美香ちゃんだけじゃなく、佐緒里のご両親にも秘密だろう。あなたがたのお嬢さんは、真昼間、自室に男を引っ張り込んでストリップを披露するような女ですよって教えたくなるかもしれないな」
「ハァハァッ、昂奮する……私の想像した通り、あなたはとんでもなくワルイ男。モジャモジャのマン毛を見たいの??そうでしょう??見せてあげない」
「もう、見えてるよ。Tバックショーツで隠せるようなマン毛じゃないだろう、逆巻く炎のように生い茂る剛毛がはみ出ているよ……性欲が強く、強欲な女だってことを見せつけるために小っちゃい下着を穿いているんだろう、そうだろう」
すっかり剃り落として無毛の股間に剛毛が生えているわけもなく、見えるはずのない陰毛をネタに言葉遊びで苛められる佐緒里は滲み出る花蜜が内腿を濡らすのを意識する。
自然な風を装って花蜜の滴る股間を隠し、剥き出しの乳房はそのままにする。
「卑猥なオマンコに比べてオッパイは可愛いな。大きくもなく、小さくもなくオレの手にすっぽり収まりそうで、舐めたり揉んだり自在にできそうだよ。まったくスケベな身体だ」
「恥ずかしい……早く舐めさせてください。恥ずかしいのを忘れさせてください」
「分かった。両手を頭の後ろで組んで、その場で一回りしなさい」
はい……ついに佐緒里は身体だけではなく声まで震わせる。
命じられたとおりに頭の後ろで手を組んでゆっくりと回る。
白い身体は陽光に照らされて明るく輝く部分と薄っすらと影をつくる処に分かれ、見つめる内藤は陰影が作る女性らしいラインの美しさにゴクッと唾を飲む。
一回りする佐緒里は途中でベッド脇に置いた時計を目にして、外で見張る美香を思い出す。
回り終えた佐緒里はTバックショーツに指をかけて尻を中心にツルッと引き下ろし、両足から引き抜き小さくたたんで立ち尽くす。
つながる
折り畳まれて所在なげなショーツは時刻を忘れようとする佐緒里の手で時計に掛けられ、羞恥と好奇をないまぜにして朱に染めた顔を伏せる。
「来るときに気付かなかったけど、佐緒里はカフェで見張っているという美香ちゃんが気になるようだな。跪いてオレのモノに挨拶しろ、時計を隠すくらいだから時間が気になるんだろ??」
「はい……内藤さんは本当の私を見抜いてくれた、嬉しくて心が震えています」
「店でのさおりも本当の佐緒里も好い女。普通の男じゃ気後れしてしまう、それが佐緒里の不幸の元」
「好い女かどうか別にして、言葉をそのまま借りると気後れしないのは内藤さんが自信家だからなの??」
「そうじゃないよ。オレは美香ちゃんの客だから佐緒里を口説こうと思わない、それが平常心で付き合えたんだろうな」
「嘘ばかり……ヨサホイ節って知ってる??」
「佐緒里が言いたいのは替え歌の二番だろ??二人娘とやるときにゃ、姉の方からせにゃならぬ……おまけにもう一つ追加、よっつ……よその二階でやるときにゃ、声を立てずにせにゃならぬ……」
「クククッ、余裕綽々で嫌な男。美香ちゃんは私の妹分、私を抱いた後で美香ちゃんも抱いてあげてね。じゃぁ、音をたてないように静かにオシャブリしようかな」
「佐緒里、犬歩きでここまで来なさい。佐緒里は清潔感のある美人でスタイルが好いし頭もいい。男たちはそんな佐緒里に気に入られようとしてついつい媚びる。ところが本当の佐緒里は強い雄を求めている。決してジョロウグモやカマキリの雌ではない、そうだろう??」
「はい、そうです。あなたのオチンポにご奉仕させていただける悦びで昂奮しています」
四つん這いになった佐緒里は走り回った後の犬のように口を開けてハァハァッと息をしながら近付いていく。
内藤が意地悪く膝を閉じると視線を落として内藤の足を見つめる。
「靴下を脱がせてもいいですか??」
「手を使うんじゃないよ。佐緒里はワンちゃんだろう」
内藤が右足を上げて佐緒里に突き出すと嫌な顔をすることなく靴下を噛み、腰を艶めかしく揺すりながら引っ張って脱がせる。
脱がせた靴下を咥えたまま上目遣いに見上げる佐緒里に、左足を忘れるんじゃないよと命じて突き出す。
素足になった左足を佐緒里の眼前に突き出したままにすると、ハァハァッと息を荒げて親指をパクリと口に含む。
ジュボジュボッ、ジュルジュルッ……一糸も身に着けることなく紅潮した肌を晒した佐緒里が温かい口腔に含んだ足指に舌を絡ませ、一心不乱に顔を前後する様に昂奮を新たにする内藤は脇に手を差し込んで抱き起す。
「どうだ、オレの足指はどんな味がした??」
「美味しかったです。抱かれたいと思っていた内藤さんのオチンポの前に前菜を頂いたのですから……」
「そうか、可愛いことを言ってもらったお礼だ。佐緒里の大好きなモノをオシャブリしてもいいぞ」
リップグロスを塗ったように艶めかしい唇と濡れる瞳を見るとキスしたくなるがその気持ちを抑え、あえて突き放した言い方で佐緒里の被虐心を煽る。
両足を大きく開き、滲み出た先走り汁のせいでベチョベチョになった怒張を見せつけると喜色を浮かべてむしゃぶりつき、ジュルジュルッと卑猥な音を立ててフェラチオに興じる。
上目遣いに見上げて思いを告げ、内藤が頷くと無言の会話で瞳は妖しく煌めいて右手を股間に伸ばす。
ジュルジュル、ジュボジュボッ、宙を睨むほど屹立する竿の根元を左手で摘まんで顔を上下し、右手はグショグショに濡れそぼつ股間を弄る。
右足を大きく開いて恥部を見せつけるようにグチャグチャと湿り音を響かせ、眉間に皴を刻んでペニスを喉の奥深くまで咥えこむ。
ジュボジュボッ、グチャグチャッ……ウッウッ、グゥッ~……グチュグチュ、ヌ、チャヌチャッ……咥えたペニスを激しく出し入れして、わざと喉の奥深くまで咥えて苦しそうな声と音を漏らし、バギナを弄る右手は吸い込まれるように姿を消して膣壁を擦る。
「すごいよ、佐緒里。店で見る佐緒里からはこんな姿を想像できないよ。セックスに飢えた獣のようだ……気持ちいいよ、オレのすべてを吸い取られそうだよ」
「ハァハァッ、私は業の深い女。あなたは気付いていたでしょう??」
「想像以上だよ。ここまで激しい女とは思いもしなかった」
「もう限界。美香ちゃんは、あなたが出ていくまで見張るつもりだろうし……つながってもいいですか??あなたの……内藤さんのオチンポに苛められたい」
床に下りて仰向けに寝転んだ内藤は腰を突き上げ、跨ぎなさいと言葉にせずに命じる。
「嫌な男……優しい男ならベッドで抱いてくれるはずなのに、床でつながれと命令する」
「優しい男が好きなら、ドアを開けて帰れと言えばいい……どうする??」
「あなたは、嫌な男じゃなく、すごく嫌な男。そんな男を待っていた気がする」
「佐緒里は昔からもてたんだろうな。男たちにちやほやされて、自分を見失いかけている……だから、強い男を求めている。佐緒里に媚びることなく叱ってくれる男を待っている」
「あなたの言ってることが正しいかどうか私にも分からないけど、あなたのような男性を待っていたことは間違いない」
内藤を跨いでペニスを掴み、バギナに擦りつけてゆっくりと腰を下ろしていく。
眉間に皴を寄せて唇を噛み、視線は内藤から外れることがない。
ズブズブッ……ウッウッ、きつい……入ったよ……クゥッ~、嬉しい……内藤のモノを根元まで飲み込んだ佐緒里外れる動きを止めて眉間に刻んだ皴を消し、唇を噛みしめることもなく悦びの声を微かに漏らす。
「ごめんね……踏ん張ろうとしても全身の力が抜けて動けない」
「可愛いよ。佐緒里はきつめの好い女だけど、オレの前では可愛い女だよ」
ヌチャヌチャ、クチャクチャッ……ヒィッ~、こんな事って……佐緒里の腰を掴んで突き上げると窓の外を気にすることもなく憚りのない声で悦びを露わにする。