満足
騎乗位でつながりながら腰を掴まれて突き上げられ、内藤に主導権を奪われて気が遠くなるほどの快感を与えられる佐緒里は満足感に浸る。
セックスに至る内藤の言葉や行動は佐緒里の予想を大きく外れることがなく自分の判断に間違いなかったことも喜ばしい。
始めて店に来た内藤に佐緒里と美香がつき、すぐに他のお客さまとは異質な匂いを感じて場内指名をするというので美香を勧めた。
すでに多くのお客様を持っている自分と比べて入店早々の美香は指名客も少なく、そうせざるを得なかったし、自らの性的欲望を内藤の前で隠し通す自信を持てなかった。
その後、内藤が来店するたびに美香の様子や話で判断が間違えていなかったと思い、自分ではなく美香の客にしたことを正しいと思っていた。
両親が会ったこともない男の写真を携えてくると言うまでは……
「アンッアァァ~ン、イヤッ、すごいの……ずるいっ……」
「ずるい??どうして??」
「いじわる……騎乗位で私があなたを責めるのだと思っていたのに、眠っていた性感を呼び起こされただけ」
「それを望んだのは佐緒里だろう??」
「何もかもお見通しのようね……ウッウッヒィッ~、だめっ、子宮を突き上げられると息をするのも辛い」
きつい言葉で責めることなく、いかにもSM然とした淫猥遊びでもなく、身体も気持ちも追い詰められる佐緒里は昂ぶりを露わにしてバギナの奥深くにペニスを飲み込ンで身体を揺すり、自ら乳房を揉みしだいて陶然とする。
生まれついての容姿などで男から見て近寄りがたい雰囲気があると言われたこともあり、本当は男性に甘えたいのにと悶々とした思いを溜め込んでいた。
甘えたいという思いが高じていつの間にか強い男性を求めるようになり、まだ見ぬ男を待ちわびていた。
「佐緒里のオマンコが丸見えだよ。オレのモノを咥え込んで嬉し涙でビショビショに濡れている……クククッ、想像の中のスケベ女を形にすると佐緒里になる」
「いやっ、私はスケベじゃない……可愛いって言って、お願い」
「あぁ、可愛いよ。剛毛だと思ったマン毛はチョロチョロと中身が見えるほどしか生えてないし、オレのモノを飲み込んだマンコは食べたいモノを精一杯、頬張ったようで張り裂けちゃいそうだし、可愛いなぁ」
「いじわる、揶揄われても嬉しくない。怒るよ……」
「クククッ、怒った顔は般若のようだよ。般若は嫉妬を映す顔じゃなかったっけ??」
「えっ……嫉妬??そうかもしれない。般若は嫌、忘れさせて……あなたの腕の中で菩薩に変身させて」
佐緒里の腰に添えた手を支えに身体を起こして対面座位に変化し、自然な動きで髪を撫でると佐緒里は気持ちよさそうに肩に顎を載せ、
「美香ちゃんに言わないでね。あなたに跨って髪を振り乱した般若のようだったと……私が嫉妬するのは美香ちゃん??そうなの??あなたを美香ちゃんのお客様にするように勧めたのは私よ」
「そうだな、嫉妬していると感じたのはオレの間違いだった……ゴメン」
「あなたには謝ってほしくない。私を抱くときは強い男でいてほしいの」
「クククッ、嫉妬を勘違いしたから謝ったと思っているの??佐緒里の嘘を正す方法をゴメンと言ったんだよ」
「えっ、どういうこと??」
左手で佐緒里の尻を抱えて右手の中指を唇に押し付け、ペロペロと舐めさせて唾液まみれにする。
尻を抱えた左手に力を込めると割れ目がパックリ開き、唾液でぬらつく右手指を窄まりに近付けると佐緒里の身体がピクッと震える。
「そこは嫌……今日は止めて……言います、言うから許して。私は美香ちゃんに嫉妬していました。あなたを美香ちゃんのお客にしたことを後悔しています」
「そうか、可愛いな、佐緒里は……この続きは今度にしよう。今日は急いだ方が好いだろう??」
ベッド脇の時計を見た佐緒里は朱に染めた瞳で内藤を見つめて黙したまま頷く。
対面座位でつながったまま抱きかかえた佐緒里と共にベッドに移り、
「佐緒里を苛めるときは床の方が好いけど背中が痛くてオレにとっても苦行だよ。好い女を抱くのはベッドの方が好いな、無理をするのは疲れる」
「ほんとう??精神的S男ぶりが板についていたよ……キスして」
唇を合わせて濃厚なキスを交わし、ベッドのクッションを利用して突き上げると佐緒里はあっけなく昇りつめる。
精を放った内藤は鳥が餌を啄むようにツンツンと唇を合わせ、背中を擦って髪を撫で、耳のそばで、気持ち良かったよと囁いて佐緒里が羞恥で頬を染めると鼻頭を軽く噛む。
ウフフッ……フフフッ……よかった、ありがとう……オレも気持ち良かったよ。
「両親が来るのは本当だから、お願いね……それと、二人娘を抱くときは、姉の方からせにゃならぬ。妹も抱いてあげてね。美香ちゃんは内藤さんが好きだから」
「そういう雰囲気になったらね。気忙しくて申し訳ないけどオレは帰るよ」
「うん、ごめんなさい。ありがとう……直ぐかどうか分からないけど美香ちゃんが声をかけると思うの。あの子は案外とせっかちだから……」
美香 -1
マンションに向かって軽く頭を下げる内藤を窓際で右手を振って見送る佐緒里はカットソーだけを身に着け、下着やショートパンツを穿かないどころか内腿に滴る精液を左手で受け止める。
角を曲がり内藤の姿が見えなくなるとカーテンの陰に隠れてカフェの入り口を注視する。
出てきた……一瞬、佐緒里の部屋を見上げて直ぐに顔を伏せ、内藤を追うように歩き始める。
手を振って内藤を見送り、カーテンの陰に隠れて美香を確かめた佐緒里は左手を顔に近付けて栗の花のような匂いに酔い、自ら抱かれることを催促した事を思い出して身体の芯を熱くする。
内藤は手を振る佐緒里に軽く会釈し、何気ない振りで正面に見えるカフェに視線を向けても美香の姿が確認できない。
角を曲がりカフェが道路の反対側になる位置になると視線を向けることもなく淡々と歩を進める。
美香は内藤がマンションから出てくると時計を見て滞在時間を確認し、フゥッ~と息を吐いて何もなかったようだと喜色を浮かべ、そんな様子に店員が怪訝な表情を浮かべると羞恥で頬を朱に染める。
ごちそうさまと言いおいて大急ぎでチェックを済ませ、内藤を見送るために窓際に立っていた佐緒里が見えないことを確かめて店を出る。
背後を気にする様子もなく歩く内藤に近付き過ぎないように跡をつけると、悪戯好きだと言われた昔を思い出して心が躍る。
日曜の午後ということで家族連れやカップル、あるいは一人で歩く人など平日に比べて雑多で大股で歩く内藤を見失わないように跡をつけるのは容易ではない。
駅に続く道を歩く後ろ姿を見て、このまま電車に乗ったらどうしようと思っていると地図の前で立ち止まり、あっという間に二人の距離が縮まってしまう。
「あれっ、美香ちゃんも近くに住んでるの??」
「えっ、えぇ、お店に近いから、駅の向こうだけど。内藤さんこそ、どうしたのですか??」
「オレ??オレは近くに住んでいるから……嘘だよ。忘れちゃったの??今日は、さおりさんの部屋を訪ねる約束だったから」
「あっ、そうか、そうだったね。ごめんなさい、忘れていた……それで、さおりさんと二人っきりだったんでしょう??どうだったの??」
「どうだったって、ご両親がお見えになる日の作戦を聞いてきたよ」
「ふ~ん、それだけなんだ。そうか、そうだよね」
「店で見る美香ちゃんも好いけど、お日さまに照らされて眩しそうな表情の美香ちゃんも可愛いな」
「ほんとう??私に惚れちゃいそうになる??……少し早いけど、夕食を二人で食べたいなぁって思った??……うそ、冗談だよ」
「いや、冗談じゃなく、美香ちゃんに予定がなければ一緒に食べてくれないかなぁ??」
「ほんとうなの??ぜひ、お願いします」
「夕食には早すぎるから、このホテルで休憩しようか」
「えっ……はい。いいですよ」
内藤の意図を誤解する美香は小さな声でハイと応え、ドクドクと早鐘を打つ鼓動を誰かに気付かれないかと動揺を隠すために俯いて歩く。
ロビーラウンジでミルクティをオーダーすると、美香は落ち着きを取り戻す。
「少し、ガッカリしたかも……ウフフッ」
「どうして??」
「正直な女と正直じゃない女、どっちが好きですか??」
「そうだなぁ……正直な人が好いよ。特に美香ちゃんは正直な人だと信じてる」
「困ったなぁ、内藤さんに嫌われたくないから正直に言うね……さおりさんの部屋を見張っていたの。だから、内藤さんに会ったのは偶然じゃないの……怒った??ごめんなさい」
「えっ、どうして見張ってたの??さおりさんの秘密を探ろうとして休みの日は見張ってるの??」
「そうじゃない……そうじゃないの……さおりさんは女性として魅力的な人だから内藤さんは二人っきりになれば、フラフラッとなって……それが嫌だったの……」
「フラフラ、クラクラッとなったオレはオオカミに豹変して襲うとでも??」
「内藤さんは襲う必要ないもん……さおりさんは内藤さんの事が好きだもん、きっとそう……私のお客様にするために場内指名を勧めてくれたけど、内藤さんの事をよく聞かれたし、今回だって……」
「ハハハッ、ごめん……ちょっと待ってくれる」
レストルームに行くのかと思って内藤の背中を追うとフロントに立ち寄り話をしている。
期待と羞恥で戻ってくる内藤を見ることもできない美香は俯いたまま膝に置いた手を握ったり伸ばしたりする。
「美香ちゃん。家は近いって言ったよね、一旦帰ってきなよ。オレはこの部屋で待っているから……お泊りするのに準備が必要だろ」
思わぬ成り行きであっけにとられた美香が内藤を見ると、カードキーを見せてニッコリ微笑む。
「今日は休みだろう。一緒にお泊りしてくれるね??」
「えっ、そんな事を急に言われても準備もあるし……そんな、どうしよう」
「準備のために帰ってもいいよ、オレは待っているから。戻ってきたら食事にしようか……いいだろう??」
「ハァハァッ、何だか分からないけど昂奮する。内藤さんがこんなに強引だと思わなかった」
「強引なのを嫌いじゃないだろう??よし、決まりだ。いいね??」
顔を上げることもできず俯いたままコクンと頷いた美香は、意を決したように顔を上げてすっきりした表情でミルクティを飲み干す。
「もし、もしもですよ。私が戻ってこなかったら,どうします??」
「寂しく独り寝をするよ。そして、今度店に行ったときに、美香ちゃんはオレをホテルのダブルベッドに残してドッカに行っちゃったと言いふらしてやる」
「クククッ、理不尽にそんな事を言われると困っちゃう……今の強引さをもってすれば本当に言いそうで怖い、フフフッ」
弾むような足取りで帰宅した美香は逸る気持ちを抑えることが出来ずに早々にシャワーを浴び、この日のために用意した下着を身に着ける。
一泊に必要な準備を整えてバッグを閉じた美香は忘れていたと独り言ち、下着をもう一セット準備する。
あまり早く戻るのは抱いてほしいと催促しているようだしと自らを戒め、ゆっくりとコーヒーを淹れて好きな音楽を聴いていると内藤を焦らしている気持になって平静さを取り戻す。
コンコンッ……「来てくれてありがとう。似合っているよ、すごく可愛い」
喜色を浮かべて美香を迎えた内藤はさりげなく全身を見て笑みを浮かべる。
美香 -2
「来てくれてありがとう。似合っているよ、すごく可愛い。白いシャツワンピースのストライプが美香ちゃんの清潔感とフェミニンな魅力を際立たせている」
「褒められると恥ずかしい。跡をつけたり、さおりさんの部屋を見張ったり、ヤバイ女だって思う??」
「ヤバいな。何が動機か知らないけど、普通そんな事はしないだろう。美香ちゃんの印象が変わっちゃうな」
「イヤンッ、そんな事を言わないで。私は一途なだけ……ヤバイ女じゃない。危ない女じゃないから安心して」
「こんなに可愛い美香ちゃんと二人きりになるとキスしたくなっちゃうよ」
「えっ、いやっ……そんな事を言われても、はい、お願いしますなんて言えない」
「そうだよな、ごめん……美香ちゃんが可愛いから、いつものオレじゃいられないよ」
「アンッ、いやん、内藤さんが…………こんな人だったなんて……強引な内藤さんも素敵、もう一度……」
美香の両手を掴んで壁に押し付け、無防備な顔に近付いて唇を合わせると美香の全身から力が抜けて目を閉じる。
上唇に舌を這わせて下唇を甘噛みしただけで離れると美香は抗議の言葉を口にして真っ赤に燃える瞳を再び閉じる。
壁に押し付けた両手を解放して頬に手を添え、舌先が閉じた唇の境目をつつくとハァハァッと荒い吐息を漏らす唇がしどけなく開く。
内藤の舌は唇をつついたりゾロッと舐めたりを繰り返すだけで侵入するはなく、焦れた美香は舌を伸ばして口の外で絡ませる。
舌を重ねて擦りあったり周囲を踊るようにクルリ一周したりと自由自在に動き回り、最後は絡めたままで内藤の口腔に引きずり込まれる。
ギュッと吸い込まれたり軽く噛まれたりと変幻自在な動きで美香は翻弄され、息をするのも忘れるほど刺激し合った後は股間にジュンと蜜が滴るのを意識する。
「ハァハァッ、ダメ……立っているのが辛い。身体中の力を吸い取られたみたい……」
「オレが美香ちゃんの力を吸い取ったって??それは申し訳ない事をしちゃったね」
美香の顎に指をかけて視線を合わせ、再び唇を合わせようと顔を近付けるとそっと目を閉じる。
「どう??元気を注入したつもりだけど効果は??」
「ウフフッ、大好きなキスで力が戻った。キスで力が抜けて二度目のキスで元気になった……私は内藤さんが思うがままに動く女になる入口に立っている気がする」
「美香ちゃんのように可愛い人を思う通りに操れたら楽しいだろうな……食事に行こうか??」
「戻ったら続きをしてくれる??」
「戻ったらなんて言わないで食事中もエッチな事をしたいって思わないか??」
「ルームサービスって事??それとも……」
「それとも……の方だよ。無理しなくていいよ」
「思う通りに操られるって怖いけど内藤さんのことを、す……信じているから出来る」
好きと言いかけた美香は後に続く言葉を飲み込んで俯き、信じているからと健気に言い直す。
部屋の奥に進む内藤の後に続くとダブルベッドが目に入り、想像できたこととはいえ熱い血潮が全身を駆け巡り窓の外の景色が眩い光で隠されたように見えなくなる。
「おいで……」
窓際に移動して椅子に座った内藤は声をかけて呼び寄せ、目の前に立たせてワンピース越しに値踏みでもするように手を這わせる。
胸の膨らみにも容赦することなく掌を這わせて腰を擦り、尻を撫でるように感触を確かめて太腿から膝まで撫で下りる。
満足そうに笑みを浮かべて美香の手を引いて膝に座らせる。
「怖い……内藤さんって優しい人だと思っていたのに……」
「帰りたくなった??」
「……そんな事は思わない。私はどうすればいいの??」
「そうだな、まず、何を食べたいか決める……出来る??」
「決める必要なんかないもん。ここから、この部屋から一番近いレストランがいい」
館内ガイドを手に取り、中華料理だけど好いのと聞かれてコクンと頷く。
ルームサービスを頼んで二人っきりで食事を摂るのは恥ずかしいし、拍動だけではなく内藤の手や言葉に反応して子宮が疼き始めているのを意識するだけに、性的悪戯を堪えるために歩く時間は短くしたい。
「ちょうど好い時刻だし行こうか??」
「えっ、何か悪戯をされるんでしょう??違うの??」
「クククッ、可愛い美香ちゃんを困らせると思うか??」
「えっ、フゥッ~、なんだ……」
美香の頬にチュッとキスをした内藤は、行くよと声をかけて手を握る。
狭いエレベーター内で二人きりになっても、店で見る美香ちゃんよりも可愛いとは言っても悪戯を仕掛ける様子もなく、すっかり安堵して気持ちの緊張を解く。
中華料理は詳しくないから任せますと言うと、それじゃコース料理の方が好いねと応え、紹興酒と美香はビールをオーダー―する。
中華料理の醍醐味を堪能しながら内藤との会話も楽しく弾み、ビールの酔いも手伝って美香は禁断の言葉を口にする。
「内藤さんのキスでメロメロになった私が、食事を終わって部屋に戻ったら続きをしてくれるって言ったら、食事中もエッチな事をしたいと思わないかって言ったでしょう……どんな事をさせようと思ったの??」
「聞きたい??」
「聞きたい」
「聞いたら、後戻りできなくなるよ……それでも聞きたい??」
箸をおいてビールを飲み、居住まいを正した美香は、聞きたいという。
「美香ちゃん、下着を脱ぎなさい……今、すぐに。テーブルクロスで隠れるから見られることはないよ」
「えっ??どうしても??しなきゃダメなの??」
「二度とは言わないし、可愛い美香ちゃんに嫌われるかもしれないと覚悟しているんだよ」
夕食時のレストランは満席に近く、周りを見渡した美香は一瞬の躊躇の後、両手をテーブルクロスの下に潜らせて下着を脱ぎ、どうするのと言葉にせずに口の動きで内藤に尋ねる。
「丸めてもいいからテーブルの上でオレに渡しなさい」
ピンクのショーツを受け取った内藤はポケットに入れて、頑張ったね、えらいよと美香をねぎらう。
美香 -3
「美香ちゃん、どうした??顔が紅潮しているよ。熱でもあるんじゃないか??」
「いじわる。ワンピースを着ているけどスース―して不安なの……私を苛めて楽しいの??」
「美香ちゃんなら経験あるんじゃないかな。幼稚園や小学校時代に美香ちゃんと友達になりたいのにうまく言葉に出来ず、いたずらで自分を誤魔化す男の子がいただろう??」
「うっ、うん。いたような気がするけど、よく覚えてない」
「オレは美香ちゃんの魅力に抗しきれず悪戯で気持ちを発散する気弱な男だよ」
「ウフフッ、そうなの??下着を脱がされてアソコを見られちゃうんじゃないかとドキドキする私を見たいんでしょう??」
「そうかもしれないな、ドキドキしてる??」
「……正直に言うと、自分でも不思議なほど落ち着いている。内藤さんと一緒にいるからかもしれない」
予想外の言葉に内藤は、
「フカヒレも旨いけど、エビのXO醤炒めも絶品だなぁ」と、この場に似つかわしくない言葉を口にする。
「内藤さんって優しい男性かと思っていたけど、危険なところもあるって知った。でも、嫌いになれない」
「美香ちゃんの人生には、もっと刺激が必要って事なんだろうな」
「まだ何かさせる積りなの??」
「美香ちゃんが刺激を欲するなら」
「いじわる。自分から言わないで、私に恥ずかしい事を言わせようとする……もう少し、少しだけ刺激が欲しい……アンッ、いやっ」
内藤と自らの言葉に刺激された股間に花蜜が滲み、艶めかしい声を漏らすと同時にテーブルクロスに隠れた両足を固く閉じる。
「ボタンはシャツ部分だけでスカートにはなかったっけ??……じゃぁ、ボタンの一番下を外して、指先でクチュクチュしてオマンコがどうなっているか見せてくれるね」
「えっ、できるかなぁ??ここで、そんな変態じみた事をしても嫌いにならない??」
「嫌いになるわけがない。会ったこともない人たちが楽しく食事をしているレストランで、恥ずかしさに堪えてオレのために頑張ってくれるんだろう??」
「うん、内藤さんのために頑張る……」
不自然にならぬように周囲を見回してウェストのベルトを緩め、ボタンを外して右手を股間に伸ばす。
「アンッ……」
「どうした??グジュグジュ、ジュルジュルに濡れているのか??」
「声が大きいよ、聞かれちゃう……恥ずかしいことになってる」
「見せてごらん。見せないと、ジュルジュルに濡れているかって大きな声で聞くよ」
「いじわる……」
口癖かと思うほど何度も繰り返し、声が色っぽく艶を帯びてくる。
右手の中指と薬指は滑りを帯びて妖しく光り、表情は隠しようのない羞恥で朱に染まる。
「濡れたままじゃ周囲の人に気付かれちゃうから拭いてあげるよ。手を伸ばしなさい」
遠慮がちに突き出した右手は内藤に引き寄せられ、ポケットに入れた右手に持つハンカチで拭いてくれる。
「えっ、それは……私の下着……」
止めてと言う間もなく二本の指の滑りは美香のショーツで拭き取られ、そのまま内藤の口に含まれて温かい舌と口腔の感触に包まれる。
「美香ちゃん、ブラジャーも外しちゃいなよ。嫌とは言わないだろう」
「はい……内藤さんと一緒だと自分が分からなくなっちゃう」
周囲に注意を払いながらワンピースの前を開いてブラジャーのホックを外し、右手、左手とストラップから引き抜き、ハァハァッと息を荒げてブラジャーを抜き取り身体の前で抱えるようにして他人の目に触れないようにする。
「預かっておくよ。それとも、美香ちゃんのバッグに入れた方が安心できるかな」
「内藤さんを信じているから預ける……それに、ドキドキするようなスリルが気持ちいいかも」
「クククッ、美香ちゃんは想像以上のエロ女のようだね。満足させてあげられるか不安になるよ」
受け取ったノンワイヤーブラを丸めてポケットに入れながらエロ女と呼んで言葉の刺激を続ける。
自然と股間を濡らす美香は命じられたわけでもないのに胸のボタンを外して乳房を晒し、乳輪をなぞって乳首を摘まんで空気が膨らみに触れる感触に快感を覚える。
意識することなく美香の心の奥に隠れていた性的好奇心が目覚め、それは内藤に対する好意を超える感情と結びついて予想を超える速さで成長を続ける。
炒め物の中から帆立貝を取り出した美香は、食べたいかと声をかけて嫣然と微笑む。
「スケベな美香ちゃんの言葉だから食べたい、すごく食べたい」
すべて元通りに嵌められたボタンを確かめるように上から順に触れる美香は一番下のボタンを指先で弄り、
「ほんとうに食べたい??」と、かける声は震えを帯びて緊張が表情に現れる。
「食べたい」
逃げることは許さないと強い意志を込める言葉は語尾が強く、そんな言葉で緊張していた美香の表情が和らぐ。
「ホタテを食べさせてくれるんだろう??」
周囲に素早く目をやり、ボタンを外した美香は指先に蜜を付けたときのようにホタテを花蜜まみれにしてレンゲに乗せる。
美香の手首を掴んで引き寄せて食べた内藤は目を細めて、
「ホタテの美香花蜜風味を食べたから今日のオレはすごいよ」
「今日が初めてなのに、忘れられない夜になったら責任取ってくれる??……そんなに真面目な顔をしちゃいやだ、また会ってくれる??」
「ごめん、びっくりしちゃったよ。美香ちゃんには驚かされるばかりだ」
デザートを食べ終えた二人は、ごちそうさまの言葉を残して中華レストランを出る。
「どうする、ホテルの周りを少し散歩する??」
「散歩は後でもいいでしょう??……恥ずかしいけど、アソコが濡れているの。昂奮を冷まして欲しい」
「部屋に戻ろう」
ウッ……美香を抱き寄せる内藤の手がさりげなく伸びて乳房に触れ、自然と漏れた、ウッという声と共に内腿にまで花蜜が滴る。
美香 -4
美香を抱き寄せる内藤の手はさり気なく乳房に触れ、偶然を装って膨らみの先端を擦る。
漏れそうになる声は唇を噛んで堪え、股間は自分でも驚くほどの蜜を滴らせる。
お客様との会話で頻繁に話題になるSかMかということが脳裏をよぎる。
お客様はキャバ嬢が「私はMだと思う」と応えることを期待していると思って望む返事をしてきたけれど、内藤との食事や部屋での出来事を思い起こすと自らのM性に気付かされる。
内藤に嫌われまいとして身体と心がそのように反応しているのか、本当にM性を持っているのか、我がことながら今の美香には分からない。
レストランフロア―の廊下で前後に人がいなくなった瞬間を見計らって、胸の膨らみのすぐ下のボタンを外される。
「大丈夫だよ、膨らみの頂点でボタンを外すとオッパイが飛び出しちゃうかもしれないけど、ここなら大丈夫」
美香に反論する暇を与えずに壁に押し付けて唇を合わせ、アッと思う間もなく舌を侵入させて唾液を送り込む。
ゴクッ……ハァハァッ……音を立てて嚥下した美香は二人を横目で見ながらすれ違うカップルに視線を合わせることもできずに俯き、頬を紅潮させる。
エレベーターホールに人影はなく、口元を緩めた内藤は外したボタンの隙間から手を差し入れて乳房を掴む。
優しい愛撫ではなく荒々しく扱われる事に快感を覚え、スカートの裾を捲り上げられて股間が露わにされたことさえ心地好い。
「誰もいないよね??」
「美香ちゃんのオッパイとオマンブーを見るのはオレだけだよ。他の男だけじゃなく女の人にも見せない」
チン……壁に寄りかかってエレベーターのインジケーターを見ていた美香はワンピースの裾を下ろし、顔を伏せるようにして降りるカップルと入れ替わりで乗り込むやいなや、むしゃぶりつくようにキスをねだる。
ハァハァッ……
ようやく落ち着いた美香の頬に両手を添えた内藤は、
「天井を見てごらん……壁に耳はないだろうけど、天井に目はあるよ」
「えっ、監視カメラ??……お客さんがエレベーターの中でエッチしないように見張っているの??」
「美香ちゃんらしいね。普通は密室のエレベーター内で危険な事が起こらないかって考えるだろうに、さすがの美香ちゃんだよ」
防犯カメラで監視されていると思った美香は羞恥と不安で顔を覆い、内藤は無防備になったワンピースのボタンを乳房が丸見えになるまで外して抗議の言葉を塞ぐように唇を重ねる。
アッと言う間もなく濃厚なキスで唇を塞がれた美香の両手は内藤を抱き締め、剥き出しにされた乳房が押しつぶされる感触に酔いワンピースの裾を捲り上げられる羞恥も嫌がる事がない。
「ハァハァッ、見えちゃう。カメラの向こうで私のオッパイを見ている人がいる」
「大丈夫だよ。館内のあちこちにカメラがあるし忙しい時間だろ……美香ちゃんのオッパイやオマンブーは誰も気付かないよ」
チンッ……エレベーターのドアが開いても解放されることはなく、剥き出しの乳房に手を添えたまま部屋に向かう。
廊下に敷かれた絨毯がどこまでも永遠に続くような錯覚に陥り、部屋までどれくらいの時間がかかるのかと思うと心が震え足元も覚束なくなる。
「ダメッ、歩けない。全身の力を内藤さんに吸い取られちゃったみたい」
「そうか、じゃぁ抱っこするしかないな」
お姫さま抱っこされた美香は剥き出しの乳房を隠そうともせずに内藤の首に手を回す。
「内藤さんに影響されて今日の私は変。オッパイ丸出しなのに気にもしないって変だよね??」
「もしかすると、本当の美香ちゃんが姿を現した??……胸ポケットに鍵が入っているからドアを開けてくれる」
抱きかかえたままベッドに下すと、
「キス、ミー……」
ベッドに横たえられた美香は手を伸ばせば届く距離の内藤に視線で絡めとられ、羞恥を誤魔化し儚い抵抗を示すためにキスミ―と照れ隠しのように呟いて目を閉じる。
目を閉じれば見つめられる呪縛から逃れられるけれど、内藤に好意を持つ美香は新たな刺激に苛まれる。
アンッ……乱れ髪を手櫛で整えられる心地良さで思わず吐息を漏らすと、耳を擦って閉じた瞼にキスされて舌先がチロチロと踊る。
内藤の視線を避けて抑えきれない性的興奮を鎮めようとしたけれど、閉じた瞼に与えられる刺激で我慢の堰が崩れ落ちる。
「キスして……もう我慢の限界、焦らしちゃいやっ」
内藤の手が頬を擦り、顔がゆっくり近づくと美香の瞼が再び閉じられる。
チュッチュッ……アウッ、クゥッ~……鳥が餌を啄むように音を立てて唇を合わせると美香の手は内藤を抱き寄せる。
内藤はワンピースを捲り上げて白い太腿の間に右足を入れて付け根を刺激する。
唇を啄み甘噛みして美香を焦らすと赤い舌が這い出て、二人の舌が宙で絡み合う。
美香の舌は甘噛みされたまま引きずり込まれてグイグイと吸われ、舌につながる身体の部分をすべて飲み込まれそうな気になる。
自由を取り戻した舌は美香の口腔に戻り、今度は内藤の舌が侵入する。
上顎を舐めて舌の周囲を一周し、絡ませたり重ねて擦りあったりと美香は翻弄されるたびに股間を濡らす。
「オレの太腿が濡れているような気がするけど、どうしてかな??」
「ハァハァッ……昂奮する。キスだけで逝っちゃいそう。シャツワンピを気に入ってくれたのは嬉しいけど私は脱がされたい」
「そうか……じゃぁ、こんな事をすると嫌いになっちゃうかな??」
ワンピースの裾を整えてボタンを嵌める。