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彩―隠し事 306

転生 -11

並んで座っていた二人はいつの間にか寄り添い、つないだ手は汗ばんでいる。
彩も健志もこのビデオの中の行為はあくまでフィクションだと分かっていても二人で見ると互いを意識してドキドキするし、昂ぶる気持ちを抑えきれなくなる。
身体を寄せ合って鼓動も呼吸も重なり合い、手をつないでいても今の二人の思いは重なることがないことに気付かない。
健志は悠士を交えて三人でセックスに興じたことが切っ掛けでこのDVDを選んだのだろうと心を痛め、彩は男たちに凌辱されている女優が学生時代からの親友であり、今も机を並べて共通の仕事をしているし今日もほんの数時間前に別れたばかりだと伝えるべきか否か迷っている。

健志はジットリ汗ばむ彩の手に自らの手をこすり合わせながら何かを言いたげに顔を覗き込む。
何度も口元を動かして何かを言おうとする健志は言いたいことを言葉にすることを諦めて視線を逸らしてしまう。
「ドキドキする。ねぇ、心臓に触ってみて」
健志の右手を左胸に誘導した彩は、
「どう??感じる??すごいでしょう??」
昂奮で掠れた声は上ずり健志の手を包み込む彩の手は震えを帯びる。
「ねぇ、どうなの??何も感じないの??」
「彩のドキドキは伝わるけど、オレの方がもっとドキドキしている」
「ほんと??確かめるね」
健志の左胸に頬を押し当てた彩は、
「クククッ、鼓動は耳だけじゃなく頬でもドクドク感じる……彩が選んだビデオに昂奮したの??それだけじゃないでしょう??悠士さんやカヲルさんとビデオに勝る遊びをしているような気がする。どうなの??」
「その言われ方はチョイト心外だな。ドキドキの元は彩だよ。彩がこのDVDを選んだってことは同じようなことに憧れているのか、経験してみたいと思っているのかと心配なんだよ」
「そうなの??彩がこの女優さんと同じようなことをしたいと言ったら怒る??」
「そうだよ、怒る……怒ると言いたいけど彩を失うことと天秤にかけると、止めろと言えるかどうか自信がないよ」
「見ず知らずの男たちの欲望のはけ口にされて抗うことも出来ずに凌辱される妄想でオナニーしたことはあるけど、現実となると彩には耐えられない。尤も、妄想の世界で恥ずかしい姿を見られるか見られないかのスリルを楽しんでいたけど、エログでその世界にほんの少し入り、例のクラブで見ず知らずの人たちの前でパンツ1枚だけ身に着けてカヲルさんに縛られることもした……そこで会った健志に多摩川や夜の通りで素っ裸にされた……ウフフッ」
「閉店後のお座敷バーで他人に見られながらオレを跨いだり房総の海岸で若いカップルと相手を交換してつながったりもした。その後もイロエロ……」

「このDVDについて隠し事があるの……知りたければ教えてあげるけど、そうね、キスしてくれれば教えてあげる……」
左側に座る彩の背中に左手を回し、右手を両足に添えて抱きかかえた健志が見つめると恥じらいで朱に染めた目を閉じる。
横抱きにした彩の背中に回した手で首を支えて唇を合わせると、態度を豹変して健志の太腿を跨いで両手を頬に添えた彩は貪るように侵入させた舌を躍らせて唾液を啜る。
ジュルジュルッ、チュルチュルッ……「プファッ~、ハァハァ、彩が自分からジュルジュル音を立てて唾液を啜ったのって多分はじめて……DVDを見て昂奮しちゃった」
「オレも驚いたよ。性的好奇心が強いと思っていたけど……クククッ、肉食女子そのもの、本質は淑やかな女性だと思っていたんだけどなぁ。」
「肉食女子は嫌い??」
「好きか嫌いかって聞かれれば、あまり好きじゃないって答えるけど、彩だけは例外だよ」
「ウフフッ、大好き」喜色を浮かべた彩は健志の頬に唇を合わせる。
「こんなに可愛い奥さんとの生活が二晩しかないのが残念だよ……だからこそ、かけがえがない大切な時間だな。で、隠し事って何??この女優さんが彩とも思えないけど……」

「彩が話したことを覚えていると思うけど、不倫相手を含む五人の男性と乱交した女子がいるって……その人なの」
「覚えているよ、海の見えるホテルに向かう途中で教えてもらった。確か、学生時代からの親友だったよな……フェイスマスクを着けているってことは秘密なんだろう、いいのかオレに話しても??」
「いいの、プラチナチェーン下着を彼女に見せて浮気相手に付けられた。離れている時も愛人の心を縛るような愛情と嫉妬心の強い人だって健志のことを言ってあるから信用してくれている」
「そうか、エロイ女優は彩の親友だったのか、フ~ン……そうと聞いたら続きを見たくなった」
立ち上がった健志はスタンドミラーを二人の前に移動し、再びソファに座って彩を抱き寄せて突き出した赤い舌を上下左右に卑猥に蠢かして鏡の中の彩に見せつける。

シャツ1枚だけを着けた彩に命じて目の前に立たせ、
「彩、オンナノコが見えるようにシャツのボタンを外しなさい」
「健志と二人だけど、そんな恥ずかしいことはできない」
「このままの格好で待っていなさい」
立ち上がった健志は冷やしたグラスとボンベイドライジンを冷蔵庫から取り出し、氷を入れたグラスにライムを絞ってジン、トニックウォーターの順に注いでステアし、二杯目のジントニックを作って戻る。
彩の目の前でジントニックを口に含んで口移しで流し込み、彩の白い喉が上下し飲み込むのを確かめると、
「素面じゃできなくても酔った振りをすればオマンコを見せられるだろう」と意地の悪いことを言う。
「ハァハァッ、ビールよりも強いからほんとに酔っちゃう。いじわるな健志に苛められる可哀そうな彩……見てね」
シャツのボタンを外して白い肌を晒すと、股間で綻びを見せる割れ目からはっきり分かるほどの花蜜が内腿にまで滴っている。
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ちっち

Author:ちっち
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