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彩―隠し事 162

隠し事 -14

学生時代から親友の栞は愛する夫に浮気がばれて将来を悲観しているとご主人が命じたのは、秘かに隠し持ったボイスレコーダーで浮気現場を録音する事だった。
浮気相手の課長にSMルームで責められる様子を再生したご主人は愛する栞が他人に責苛まれる場面を音声だけで想像して昂奮し、瞳を真っ赤にして栞を愛したのだという。
寝取られ願望のあるご主人は不貞を詰りつつ責めることだけで満足することはなく、複数の男たちに嬲られてこいと命じたらしい。
栄転でダブル不倫解消することになった課長は栞との想い出に最後は乱交パーティをしたいと告げ、聞かされた栞はまさかそんな事はあるまい、冗談だろうと思っていたところ、夫の希望もありそれを承諾した。
課長との最後のデートは男性五人を相手に乱交パーティをしたという。
男たち十本の手と五十本の指で全身をまさぐられ、形や大きさが異なる五本のペニスの精液が涸れ果てるまで嬲られて獣欲が満足するまで責められた。

そこまでを聞かされた優子は帰宅しても昂奮が冷めることはなく、浮気相手の健志を想い出しながらオモチャをオンナノコとアナルに捻じ込んで性的昂奮を満足させてようやく眠りにつくことが出来た。

栄転する課長は仕事に支障が出るのは本意でないと送別会を断り、木曜日の終業時にオレンジジュースで乾杯するにとどめた。
但し当日の昼食は栞と共に優子も加わって三人で名残を惜しみ、課長は優子を前にしても栞との関係を気取らせることもなく公私を区別する見事さに舌を巻き、栞もまた優子には隠し事なく二人の関係を話したことなど素知らぬ風で課長とは仕事や今後のことしか話題にしない。
「鍬田君が提案した新規プロジェクトが予定通り粛々と進んでいるので安心して離れることが出来る。栞くん、これからもリーダーの鍬田君と共に頑張ってくれよ。遠くからだけど応援するからな」と、課長が口にした時は二人の関係をほのめかすような言葉に聞こえて優子は不自然に目を伏せてしまった。

毎日必ずと言っていいほど終業後はカフェや買い物などで栞と話していたが、課長たちとの乱交パーティの様子を録音したボイスレコーダーを再生したご主人が責めることに飽きないということで、
「ごめんね、優子。可愛い旦那様が愛してくれるから早く帰らなきゃいけないの」
笑顔と共に電車に乗り込む栞を見ると夫婦の絆は他人には窺い知れない謎があると思わずにいられない。
栞をそばで見ていると自分に正直に生きている。単純に過ぎるかもしれないが生き方の岐路に立った時、栞は好き嫌いで判断しているように思う。

就職活動を始めた頃の科白を思い出すと自然と頬が綻ぶ。
「私の就職は親友である優子次第。好きだし尊敬もしている優子に付いて行く。優子が採用で私を不採用にする会社なんてあるはずがない。金魚のウンチのように何処にでも付いて行く」
その栞は性に関しても好きか嫌いかの判断を優先するため、時として奔放に見えるため一緒に行動するのを躊躇することもあった。
それでも付き合いが長くなると栞の考え方を理解できるようになり、優子の気持ちの奥で秘かに隠れ棲んでいた性的欲求が姿を現して今では躊躇うことなく同行するようになった。
SMショークラブやAV撮影の見学など栞の誘いに付き合うにつれ、ニーチェの言葉を思い出す。
深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いている……栞に誘われるまま底知れない性の深淵を垣間見ようとすると、いつの間にか深淵に引き込まれそうになり怪しい魅力の虜になるような気がしてくる。

転勤になる課長と残る課員すべての将来に幸多からんことを祈念してオレンジジュースで乾杯して見送り、金曜の仕事も終えた優子は三連休を楽しもうと言葉を交わした栞と別れて健志に連絡する。

「迎えに行くから待っていてくれよ」
スマホから聞こえる健志の声は耳を通じて子宮に響き、着けっぱなしのプラチナチェーン製下着が熱を持ったように存在を意識させる。
三泊に必要な旅行セットは着替えも含めて先週末に健志の家を訪れた時にバッグに詰めてあるので大きな荷物もなく、栞に気取られることもなく待ち合わせ場所に行ける。

栞は隠し事なくあけすけとも思えるほどご主人とのことや浮気についても話してくれるのに私は健志との付きあいなど幾つかの隠し事がある。
夫とのセックスがなくなっている私が浮気もせずにオナニーで満足しているのは不思議だと言い、浮気相手が必要なら信用できる男性を紹介するという。
近いうちに健志の承諾を得ることが出来れば栞に紹介しようと思っている。今回の旅行がそのきっかけになればとも思っている。

目の前に停車した車に素早く乗り込むと満面の笑みで健志は迎えてくれる。
「挨拶のキスはこの場所をもう少し離れるまで我慢してくれよ」
「どうして??」
「知り合いに見つかるのは本意じゃないからね」
「あらっ、そんな事を気にしているの??私と付き合っていることを秘密にしたいんだ……ふ~ん」
「そんなことを言うと駅前に行って車から引きずり出し、他人の目を気にせずにキスしながらムッチリの太腿や桃尻を揉み揉みしちゃうぞ、好いのか??」
「嬉しいかも……えっ、冗談よ、冗談。そんな顔をしないでよ。でもね、この前も少し話した学生時代からの親友は自分の浮気や乱交パーティのような事も話してくれるのに、彩はあなたの付き合いを秘密にしているの……いつか、あなた次第だけど紹介したいなと思っている……」

運転する健志の横顔を見つめる視線に見つめ返すこともできずにいる健志は正面を見つめたまま走らせる。
「クククッ、何か話してよ。怒っているの??」
「怒るはずがないだろう。紹介するって話にどう反応していいか分かんねぇんだよ」
「なんだ、そうか……着替えたいから後部席に移りたい」

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ちっち

Author:ちっち
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