パーソナルスペース
「いらっしゃいませ。雨は降ってる??」
「冷たい雨が降り始めたよ」
「天気予報が当たったんだ……今日は居る??」
「居るよ。来るか??」
「うん、冷たい雨の夜は温もりが欲しい」
「待っているよ。眠っていたら起こしてくれよ」
「そうする。他のお客さまに見えないようにマッサージして欲しい」
水割りを作り終えた女は自然な振る舞いで男の腿に右手を置き、男はその手を優しく包み込む。
手の平に親指を押し当てて残る四本の指で甲を擦り始める。
「気持ちいい。専任のマッサージ師として雇いたいくらい」
「クククッ、それは光栄だね」
「ウソ、あなたのテリトリーには入れないし入れてくれない。共通のパーソナルスペースが欲しい……二人だけのスペースが欲しいのに……」
「いつでも俺の部屋に入れるし、俺も亜紀の部屋で眠り込んでいるベッドに黙って入ったこともある」
「そうね……」
手のマッサージを終えた男は指を一本ずつ包み込んで優しく揉み解し、指先から疲れを抜き取っていく。
「手や指だけじゃなく身体中が温かくなってくる、気持ちいい」
「失礼します。亜紀さんお願いします」
「ごめんね、指名が入ったみたい。待っていてくれる??」
「いや、適当に帰るよ」
「うん、それじゃ後でね」
亜紀が席を立った後、30分ほど絵里奈と会話を楽しんだ男は席を立つ。
背中に亜紀の視線を感じたが振り返る事もなく店を出た男は、暗い空から降ってくる雨を気にする様子もなく歩き始める。
シャワーを浴びて素肌にパジャマを着け、ベッドに入り込むとすぐに睡魔に襲われて亜紀が来るのを気に掛けながらも夢の中の住人になる。
男と同じマンションに住む亜紀は自分のフロアではなく男の部屋があるフロアボタンを押す。
カチャッ……バタンッ……静かにした積りでも深夜のドアの開閉は驚くほどの音を立てる。
ベッドに近付き目を閉じたままの男の額に唇を合わせても目を覚ますことはなく、優しさの中に寂しさを交えた笑みを浮かべてバスルームに向かう。
シャンプーの泡と共に疲れを流し去り、入念に歯磨きをした亜紀はバスローブをまとい、髪にブラシを入れながらベッドに近付き、ナイトテーブルを見て顔を綻ばせる。
「クククッ、気付いてくれないのかと思ってガッカリしたんだよ」
「亜紀の部屋に帰っちゃおうと思ったか??」
「思った、二度とここには来ないようにしようと思ったよ……クククッ、飲ませて、喉が渇いちゃった」
バスローブを剥ぎ取って素っ裸にした亜紀を抱きかかえ、シャワーを浴びている最中に用意したミネラルウォーターを開栓して口移しで流し込む。
ゴクッ、喉を鳴らして飲み込む亜紀を見つめる男の動悸が激しくなり、そのまま侵入させた舌を絡ませて濃厚なキスをする。
亜紀は両手を首と背中に回してきつく抱きしめ、貪るように男の唾液を啜る。
ハァハァッ……いったん離れて見つめ合い、相手の瞳に恋慕の想いを感じ取った二人は突き出した舌をつついたり絡ませたりしながら宙で踊らせ、上下の唇を甘噛みしながら背中を擦り身体を擦りつける。
亜紀の背中を支えて寝かせた男はミネラルウォーターを胸の谷間に垂らして肌に広がる水を吸い取っていく。
「クククッ、くすぐったい」
「動いちゃダメだよ」
膨らみの先端に垂らして直ぐに舐めとり、それを二度三度と繰り返すうちにピンクの乳首は勃起して上気した亜紀は息を荒げる。
「ダメ、舐めさせて、いつもより昂奮しているの、我慢できない」
身体を入れ替えた亜紀は男の両足の間に潜り込んで股間に顔を埋め、ジュルジュル音を立ててフェラチオに耽る。
満足の笑みを浮かべた男は身体の向きを変えるように促して亜紀が上になったシックスナインの恰好になる。
目の前で綻びを見せる割れ目をゾロッと舐めると、男を跨ぐ太腿がフルッと震えて悩ましいことこの上ない。
「イヤンッ、いつものようにビラビラを吸ったり噛んだりしてほしい」
亜紀の声を無視して会陰部にベロリと舌を這わせ、裏門の窄まりを舌先でツンツンとつつく。
「ダメッ、今日は洗っただけで中をきれいにしてないから恥ずかしい」
「好きな女の身体だよ、何もかも俺のモノだろ。亜紀のすべてを欲しい」
「クククッ、好きな女なの??嬉しい、私はあなたのモノが欲しい……入れて、あなたのモノで私を啼かせて」
「ウググッ、クゥ~、くる、くる、あなたのモノがアソコに入ってくる」
互いの身体に馴染んだ二人は激しい刺激がなくとも快感を高めていく。
「ウネウネと俺のモノを奥に吸い込もうとする。気持ちいい」
「あなたのモノが入ってくるとアソコが勝手に蠢いちゃうみたい。動きを止めて……アァッ~、分かる??分かるでしょう??何もしなくてもアソコが勝手にウネウネするの……こんな事って、クゥッ~、あなたが好き」
満足した二人はシャワーを浴びてベッドに入り、腕枕された亜紀は心地好い疲れを感じながら目を閉じる。
「おやすみ……あれっ、亜紀、亜紀……寝ちゃったか……店で二人に共通するパーソナルスペースが欲しいって言っただろ。今はこのマンションが秘密を共有するスペースだけど、もう少し狭くして、どちらかの部屋で一緒に住もうか、どう思う??」
「私が眠ってないって知ってる??」
「分かっているよ、亜紀の事は亜紀本人よりも知っている積りだよ」
「そんな事を言うと泣いちゃうよ……絵里奈ちゃんにね、あなたと付き合っているだろうって言われたの」
「そうか、今度、絵里奈ちゃんを呼んで三人で食事しようか。どう思う??」
「絵里奈ちゃんに、この部屋が私たち二人のパーソナルスペースで秘密の場所、誰にも邪魔されない場所だよって宣言するの??」
「そうだよ。俺のパーソナルスペースには亜紀も入れないって言っただろ??」
「うん、言ったよ。一緒に住んでくれるなら、そんな事は気にならないから忘れてもいいよ」
「俺が亜紀の事を大切な人だと思っていることは知っているだろう??」
「うん、大切にされているし愛されていると思っているよ」
「亜紀もそうだろうけど、大切な人だからこそ言いにくい事もあるだろう??心配させちゃいけないとか、色んなことを考えてさ……出来るだけ、可能な限り話すようにするけど、そんな気持ちが入り込めない秘密の場所って思わせていることも理解して欲しい。亜紀が一番大切な人って事に嘘はないから」
「うん、信じる。ありがとう……必要な荷物を少しずつ運んできてもいい??」
「嬉しいよ……可愛いよ、亜紀。おやすみ」
「おやすみのキスが欲しい」
<< おわり >>
「冷たい雨が降り始めたよ」
「天気予報が当たったんだ……今日は居る??」
「居るよ。来るか??」
「うん、冷たい雨の夜は温もりが欲しい」
「待っているよ。眠っていたら起こしてくれよ」
「そうする。他のお客さまに見えないようにマッサージして欲しい」
水割りを作り終えた女は自然な振る舞いで男の腿に右手を置き、男はその手を優しく包み込む。
手の平に親指を押し当てて残る四本の指で甲を擦り始める。
「気持ちいい。専任のマッサージ師として雇いたいくらい」
「クククッ、それは光栄だね」
「ウソ、あなたのテリトリーには入れないし入れてくれない。共通のパーソナルスペースが欲しい……二人だけのスペースが欲しいのに……」
「いつでも俺の部屋に入れるし、俺も亜紀の部屋で眠り込んでいるベッドに黙って入ったこともある」
「そうね……」
手のマッサージを終えた男は指を一本ずつ包み込んで優しく揉み解し、指先から疲れを抜き取っていく。
「手や指だけじゃなく身体中が温かくなってくる、気持ちいい」
「失礼します。亜紀さんお願いします」
「ごめんね、指名が入ったみたい。待っていてくれる??」
「いや、適当に帰るよ」
「うん、それじゃ後でね」
亜紀が席を立った後、30分ほど絵里奈と会話を楽しんだ男は席を立つ。
背中に亜紀の視線を感じたが振り返る事もなく店を出た男は、暗い空から降ってくる雨を気にする様子もなく歩き始める。
シャワーを浴びて素肌にパジャマを着け、ベッドに入り込むとすぐに睡魔に襲われて亜紀が来るのを気に掛けながらも夢の中の住人になる。
男と同じマンションに住む亜紀は自分のフロアではなく男の部屋があるフロアボタンを押す。
カチャッ……バタンッ……静かにした積りでも深夜のドアの開閉は驚くほどの音を立てる。
ベッドに近付き目を閉じたままの男の額に唇を合わせても目を覚ますことはなく、優しさの中に寂しさを交えた笑みを浮かべてバスルームに向かう。
シャンプーの泡と共に疲れを流し去り、入念に歯磨きをした亜紀はバスローブをまとい、髪にブラシを入れながらベッドに近付き、ナイトテーブルを見て顔を綻ばせる。
「クククッ、気付いてくれないのかと思ってガッカリしたんだよ」
「亜紀の部屋に帰っちゃおうと思ったか??」
「思った、二度とここには来ないようにしようと思ったよ……クククッ、飲ませて、喉が渇いちゃった」
バスローブを剥ぎ取って素っ裸にした亜紀を抱きかかえ、シャワーを浴びている最中に用意したミネラルウォーターを開栓して口移しで流し込む。
ゴクッ、喉を鳴らして飲み込む亜紀を見つめる男の動悸が激しくなり、そのまま侵入させた舌を絡ませて濃厚なキスをする。
亜紀は両手を首と背中に回してきつく抱きしめ、貪るように男の唾液を啜る。
ハァハァッ……いったん離れて見つめ合い、相手の瞳に恋慕の想いを感じ取った二人は突き出した舌をつついたり絡ませたりしながら宙で踊らせ、上下の唇を甘噛みしながら背中を擦り身体を擦りつける。
亜紀の背中を支えて寝かせた男はミネラルウォーターを胸の谷間に垂らして肌に広がる水を吸い取っていく。
「クククッ、くすぐったい」
「動いちゃダメだよ」
膨らみの先端に垂らして直ぐに舐めとり、それを二度三度と繰り返すうちにピンクの乳首は勃起して上気した亜紀は息を荒げる。
「ダメ、舐めさせて、いつもより昂奮しているの、我慢できない」
身体を入れ替えた亜紀は男の両足の間に潜り込んで股間に顔を埋め、ジュルジュル音を立ててフェラチオに耽る。
満足の笑みを浮かべた男は身体の向きを変えるように促して亜紀が上になったシックスナインの恰好になる。
目の前で綻びを見せる割れ目をゾロッと舐めると、男を跨ぐ太腿がフルッと震えて悩ましいことこの上ない。
「イヤンッ、いつものようにビラビラを吸ったり噛んだりしてほしい」
亜紀の声を無視して会陰部にベロリと舌を這わせ、裏門の窄まりを舌先でツンツンとつつく。
「ダメッ、今日は洗っただけで中をきれいにしてないから恥ずかしい」
「好きな女の身体だよ、何もかも俺のモノだろ。亜紀のすべてを欲しい」
「クククッ、好きな女なの??嬉しい、私はあなたのモノが欲しい……入れて、あなたのモノで私を啼かせて」
「ウググッ、クゥ~、くる、くる、あなたのモノがアソコに入ってくる」
互いの身体に馴染んだ二人は激しい刺激がなくとも快感を高めていく。
「ウネウネと俺のモノを奥に吸い込もうとする。気持ちいい」
「あなたのモノが入ってくるとアソコが勝手に蠢いちゃうみたい。動きを止めて……アァッ~、分かる??分かるでしょう??何もしなくてもアソコが勝手にウネウネするの……こんな事って、クゥッ~、あなたが好き」
満足した二人はシャワーを浴びてベッドに入り、腕枕された亜紀は心地好い疲れを感じながら目を閉じる。
「おやすみ……あれっ、亜紀、亜紀……寝ちゃったか……店で二人に共通するパーソナルスペースが欲しいって言っただろ。今はこのマンションが秘密を共有するスペースだけど、もう少し狭くして、どちらかの部屋で一緒に住もうか、どう思う??」
「私が眠ってないって知ってる??」
「分かっているよ、亜紀の事は亜紀本人よりも知っている積りだよ」
「そんな事を言うと泣いちゃうよ……絵里奈ちゃんにね、あなたと付き合っているだろうって言われたの」
「そうか、今度、絵里奈ちゃんを呼んで三人で食事しようか。どう思う??」
「絵里奈ちゃんに、この部屋が私たち二人のパーソナルスペースで秘密の場所、誰にも邪魔されない場所だよって宣言するの??」
「そうだよ。俺のパーソナルスペースには亜紀も入れないって言っただろ??」
「うん、言ったよ。一緒に住んでくれるなら、そんな事は気にならないから忘れてもいいよ」
「俺が亜紀の事を大切な人だと思っていることは知っているだろう??」
「うん、大切にされているし愛されていると思っているよ」
「亜紀もそうだろうけど、大切な人だからこそ言いにくい事もあるだろう??心配させちゃいけないとか、色んなことを考えてさ……出来るだけ、可能な限り話すようにするけど、そんな気持ちが入り込めない秘密の場所って思わせていることも理解して欲しい。亜紀が一番大切な人って事に嘘はないから」
「うん、信じる。ありがとう……必要な荷物を少しずつ運んできてもいい??」
「嬉しいよ……可愛いよ、亜紀。おやすみ」
「おやすみのキスが欲しい」
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