彩―隠し事 88
期待 -1
優子の提案で始まった新規プロジェクトは順調に進み、プロジェクトリーダーとして過分とも思えるほどに評価されて順風満帆に思えるし当初からのメンバーである栞と松本の表情も明るく覇気に満ちているようで、先行きに何の懸念も感じていないことが不安にさせる。
治に居て乱を忘れずという孔子の言葉を自らに言い聞かせる。
夫の浮気は相変わらず続いているようで休日は何かと言い訳して出かけるし、休日を挟んだ出張の際にはこれまでになかったようなお土産を買ってきてくれる。
浮気相手を呼んで出張先でのデートを楽しむ後ろめたさだろうと思うが、以前ほどに気持ちが騒めくことはなく、むしろ次の出張はいつだろうと期待さえしてしまう。
恋愛と言うより性的に奔放な栞に誘われたSMショーパブを通じて知り合った健志の存在のお陰だと思う。
元々、不道徳な事を許せない優子であったが、彩という架空の女性になって健志との逢瀬を楽しんでいる。健志とのセックスでは心の奥の秘密箱に隠していたSM遊びや露出癖が姿を現し、優子から彩に変身して楽しんでいる。
不貞と言う夫に対する隠し事を持つことが夫への怒りを半減して精神的均衡を保つのに役立っていると自分に言い訳をする。
その健志とは仕事が忙しい事もあってしばらく会えずにいたが今日は夫が残業で遅くなり食事も必要ないと連絡があったので、夕食を共にする約束を取り付けた。
「優子、夕食に行かない??忙しかった仕事も一段落したし久しぶりに二人で食事したいと思わない??」
学生時代からの付き合いで甘え上手な栞の言葉に心惹かれながらも、
「今日は用があるからダメなの、ごめんね」
「そうなんだ、でも何か怪しいな……まさか浮気してないよね??優子は私と違うから、そんな事はないか」
「そうだよ、私は栞と違って身持ちが固いの、好いなと思う男性がいても浮気はしません」
栞が退社するのを確かめた優子は化粧室でパンツをスカートに着替えてブラジャーを外し、健志に会うための彩に変身する。
彩の帰宅に便利なように決めた待ち合わせ場所に向かう途中、同僚など見知った顔がない事を確かめて用心し最寄り駅で下車してカフェに向かう。
待ち合わせのカフェで彩を迎える健志は立ちあがり満面の笑みで迎えてくれる。
「久しぶり、忙しそうだね」
「お久しぶりです。健志さんを忘れるくらい忙しかったのは事実」
「えっ、健志さんって言った??忘れられて他人になっちゃったようだね、最後の食事は何にしようか??」
「いじわる、彩の事が嫌いになったの??」
「嫌いになるはずがないけど、別れを告げられるのかと覚悟したよ」
「そんな事を言われたら、これから冗談も言えない」
「ごめん、そんな積りはなかったけど、今日こそ連絡があるかと待つ日が続いたから過敏になっていた。ほんとにゴメン」
「ふ~ん、そうなんだ。それを聞いて少し嬉しいかも……ウフフッ、後でご褒美を上げる。その前に腹減った。肉を食いたい、肉を食わせろ」
わざとらしく蓮っ葉に振舞う彩を愛おしく思う健志は周囲の看板に目をやり、あの店にしようと指差す。
健志の指したスイス料理店が入るビルのエレベーターに乗ると彩は早速、痴情をあからさまにする。
「クククッ、彩に会えなくて寂しかった??ねぇ、寂しかったの??」
「残念だけど、そんな事はないよ。寂しいはずがない……彩に会えない日々は頭ン中で好きに苛めることが出来るし妄想を膨らませて嬲り放題さ。クククッ」
「いやらしい……健志に苛められる彩はノーブラだった??」
仕事帰りの彩はスカートスーツのブラウスのボタンを外して白い胸の膨らみを健志に見せつける」
「えっ、彩はノーブラで仕事をしているの??色恋で仕事をしているんじゃないだろうな??」
「フフフッ、妬ける??しないわよ。久しぶりに健志に会うから外してきたの、仕事中はパンツだったんだけどスカートに着替えてきたんだよ」
「それじゃぁ、下もお土産を用意してくれたかなぁ……おっ、ノーパンだ。パイパンマンコだったのが薄っすらと髭を生やしているね」
「今日は時間がなくて無理だけど、今度会うときは健志にショリショリしてもらおうかなと思って……いや??」
「おい、よせよ。そんな事を聞かされると歩けなくなっちゃう」
「えっ、どうして??……まさか……ウフフッ、セックスを覚えたばかりの少年みたいにチンポをおったてちゃって若いわね。クククッ、おかしい……」
健志の股間に目をやり、手を伸ばして膨らみを確認した彩は満面の笑みで楽しそうに笑う。
ブラウスの胸元とスカートの裾を直し終えたタイミングでエレベーターは目的のフロアーに着く。
チンッ……シャッ~……ドアが開くと食事を終えたらしいカップルがエレベーターを待っていて軽く会釈して降りる彩の顔は上気している。
「フゥッ~、久しぶりだから昂奮する。まだドキドキしてる、確かめてみて」
健志の手を取って胸に押し付け、
「ねっ、ドキドキしているでしょう??」
「ごちそうさま……」
声と共に、店を出てきた客と目が合い羞恥で健志の胸に顔を埋めると抱え込まれ、足音が遠ざかると顎に指をかけて小柄な彩は上向きにされて唇を合わされる。
「ハァハァッ……イヤンッ、アソコが濡れちゃったみたい」
優子から変身した彩は、最近疎遠になったとはいえ夫や学生時代から互いに親友と呼ぶ栞でさえ想像する事もできないほど妖艶で奔放な女性になっている…
「食事する時間しかないのが残念だなぁ。こんなにエッチで可愛い彩が目の前にいるのに」
「少しくらいなら遅くなっても好いよ。今晩、健志が眠れる程度には興奮を冷ましてあげようか、クククッ」
よく分からないけどスイス料理ならこれだろうとチーズフォンデュとオイルフォンデュ、飲み物はどんな料理でも辛口の白ワインと言う健志に合わせてオーダーする。
スイスワインと共に食べるチーズフォンデュのパン、オイルフォンデュの肉で十分に満足した二人は何種類かのチーズでワインのボトルを空けて満足する。
「この後、そうね二時間までならいいよ」
「えっ、ほんとう??もし、彩に予定がなければ、この店を出てエレベーターが一階についてドアが開くまでに考えさせてくれよ」
「健志がどんなことを考えるか楽しみ。期待を裏切らないでね……ウフフッ」
優子の提案で始まった新規プロジェクトは順調に進み、プロジェクトリーダーとして過分とも思えるほどに評価されて順風満帆に思えるし当初からのメンバーである栞と松本の表情も明るく覇気に満ちているようで、先行きに何の懸念も感じていないことが不安にさせる。
治に居て乱を忘れずという孔子の言葉を自らに言い聞かせる。
夫の浮気は相変わらず続いているようで休日は何かと言い訳して出かけるし、休日を挟んだ出張の際にはこれまでになかったようなお土産を買ってきてくれる。
浮気相手を呼んで出張先でのデートを楽しむ後ろめたさだろうと思うが、以前ほどに気持ちが騒めくことはなく、むしろ次の出張はいつだろうと期待さえしてしまう。
恋愛と言うより性的に奔放な栞に誘われたSMショーパブを通じて知り合った健志の存在のお陰だと思う。
元々、不道徳な事を許せない優子であったが、彩という架空の女性になって健志との逢瀬を楽しんでいる。健志とのセックスでは心の奥の秘密箱に隠していたSM遊びや露出癖が姿を現し、優子から彩に変身して楽しんでいる。
不貞と言う夫に対する隠し事を持つことが夫への怒りを半減して精神的均衡を保つのに役立っていると自分に言い訳をする。
その健志とは仕事が忙しい事もあってしばらく会えずにいたが今日は夫が残業で遅くなり食事も必要ないと連絡があったので、夕食を共にする約束を取り付けた。
「優子、夕食に行かない??忙しかった仕事も一段落したし久しぶりに二人で食事したいと思わない??」
学生時代からの付き合いで甘え上手な栞の言葉に心惹かれながらも、
「今日は用があるからダメなの、ごめんね」
「そうなんだ、でも何か怪しいな……まさか浮気してないよね??優子は私と違うから、そんな事はないか」
「そうだよ、私は栞と違って身持ちが固いの、好いなと思う男性がいても浮気はしません」
栞が退社するのを確かめた優子は化粧室でパンツをスカートに着替えてブラジャーを外し、健志に会うための彩に変身する。
彩の帰宅に便利なように決めた待ち合わせ場所に向かう途中、同僚など見知った顔がない事を確かめて用心し最寄り駅で下車してカフェに向かう。
待ち合わせのカフェで彩を迎える健志は立ちあがり満面の笑みで迎えてくれる。
「久しぶり、忙しそうだね」
「お久しぶりです。健志さんを忘れるくらい忙しかったのは事実」
「えっ、健志さんって言った??忘れられて他人になっちゃったようだね、最後の食事は何にしようか??」
「いじわる、彩の事が嫌いになったの??」
「嫌いになるはずがないけど、別れを告げられるのかと覚悟したよ」
「そんな事を言われたら、これから冗談も言えない」
「ごめん、そんな積りはなかったけど、今日こそ連絡があるかと待つ日が続いたから過敏になっていた。ほんとにゴメン」
「ふ~ん、そうなんだ。それを聞いて少し嬉しいかも……ウフフッ、後でご褒美を上げる。その前に腹減った。肉を食いたい、肉を食わせろ」
わざとらしく蓮っ葉に振舞う彩を愛おしく思う健志は周囲の看板に目をやり、あの店にしようと指差す。
健志の指したスイス料理店が入るビルのエレベーターに乗ると彩は早速、痴情をあからさまにする。
「クククッ、彩に会えなくて寂しかった??ねぇ、寂しかったの??」
「残念だけど、そんな事はないよ。寂しいはずがない……彩に会えない日々は頭ン中で好きに苛めることが出来るし妄想を膨らませて嬲り放題さ。クククッ」
「いやらしい……健志に苛められる彩はノーブラだった??」
仕事帰りの彩はスカートスーツのブラウスのボタンを外して白い胸の膨らみを健志に見せつける」
「えっ、彩はノーブラで仕事をしているの??色恋で仕事をしているんじゃないだろうな??」
「フフフッ、妬ける??しないわよ。久しぶりに健志に会うから外してきたの、仕事中はパンツだったんだけどスカートに着替えてきたんだよ」
「それじゃぁ、下もお土産を用意してくれたかなぁ……おっ、ノーパンだ。パイパンマンコだったのが薄っすらと髭を生やしているね」
「今日は時間がなくて無理だけど、今度会うときは健志にショリショリしてもらおうかなと思って……いや??」
「おい、よせよ。そんな事を聞かされると歩けなくなっちゃう」
「えっ、どうして??……まさか……ウフフッ、セックスを覚えたばかりの少年みたいにチンポをおったてちゃって若いわね。クククッ、おかしい……」
健志の股間に目をやり、手を伸ばして膨らみを確認した彩は満面の笑みで楽しそうに笑う。
ブラウスの胸元とスカートの裾を直し終えたタイミングでエレベーターは目的のフロアーに着く。
チンッ……シャッ~……ドアが開くと食事を終えたらしいカップルがエレベーターを待っていて軽く会釈して降りる彩の顔は上気している。
「フゥッ~、久しぶりだから昂奮する。まだドキドキしてる、確かめてみて」
健志の手を取って胸に押し付け、
「ねっ、ドキドキしているでしょう??」
「ごちそうさま……」
声と共に、店を出てきた客と目が合い羞恥で健志の胸に顔を埋めると抱え込まれ、足音が遠ざかると顎に指をかけて小柄な彩は上向きにされて唇を合わされる。
「ハァハァッ……イヤンッ、アソコが濡れちゃったみたい」
優子から変身した彩は、最近疎遠になったとはいえ夫や学生時代から互いに親友と呼ぶ栞でさえ想像する事もできないほど妖艶で奔放な女性になっている…
「食事する時間しかないのが残念だなぁ。こんなにエッチで可愛い彩が目の前にいるのに」
「少しくらいなら遅くなっても好いよ。今晩、健志が眠れる程度には興奮を冷ましてあげようか、クククッ」
よく分からないけどスイス料理ならこれだろうとチーズフォンデュとオイルフォンデュ、飲み物はどんな料理でも辛口の白ワインと言う健志に合わせてオーダーする。
スイスワインと共に食べるチーズフォンデュのパン、オイルフォンデュの肉で十分に満足した二人は何種類かのチーズでワインのボトルを空けて満足する。
「この後、そうね二時間までならいいよ」
「えっ、ほんとう??もし、彩に予定がなければ、この店を出てエレベーターが一階についてドアが開くまでに考えさせてくれよ」
「健志がどんなことを考えるか楽しみ。期待を裏切らないでね……ウフフッ」