偽者 ~PRETENDER~ -67
佐緒里と内藤 -39
シャワーで汗と共にセックスの痕跡も洗い流した佐緒里は黒いハーフバックショーツを着けて内藤の白いシャツを取り出す。
「これにする。白は似合うかなぁ……あなたと二人きりの時は好い女でいたいから」
「白いシャツの下で見え隠れする黒い下着、エロいって言うより、かっこいいよ。クールだ」
「クール、そんな言葉を使うって意外……それより、お腹が空いた。待っていて、何か用意してくるね」
背筋が伸びて膝下を伸ばして歩く後ろ姿は颯爽として好ましく、白いシャツを捲り上げて剥き出しになった白い腕が色っぽい。
「後ろ姿を見ているでしょう??刺すような視線を感じる……サービスしてあげようか、昂奮して鼻血を流さないでね」
振り向くことなく内藤が見つめていることを指摘した佐緒里は、艶めかしく腰を振る。
「やっぱり好い女だよ。男を挑発することに長けているし、いざセックスとなれば仁王立ちの前で跪いて吐き出したモノを飲んでくれるし、SM遊びも厭わない。一度でも夜を過ごすと虜になっちゃうだろうな。昼は淑女で夜は娼婦、この言葉は佐緒里を指しての言葉かと思うよ」
「私の事をそんな風に思っているの??冗談だよね……あなたが相手だからフェラチオもしたいし、苛められたいの。誰が相手でもって事じゃないよ、独りエッチで満足していたって言ったでしょう。忘れたの??」
「ごめん、フフフッ……」
音もなく近寄った内藤は背後から抱きしめて髪に顔を埋め、息を吸い込んで佐緒里の匂いで胸を満たす。
「どう??私の匂いがする??」
「佐緒里の好い匂いがするよ……フゥッ~」
「イヤンッ、息を吹き付けられると変に温かくて気持ちワル~イ……あなたが吸い込んだ匂いはシャンプーの香り。私の匂いじゃないよ、気付いてくれなくて残念」
「クククッ、分かっているさ。毎日使っているシャンプーだよ、それにオレはアロマポット、アロマキャンドル、お香などにも興味がある。間違えるわけがないだろ」
「そうね、そうだった……それより私は包丁を持っているの。危ないから離れてくれる??」
「いやだっ、佐緒里から離れたくない」
内藤は抱きしめるだけではなくシャツのボタンを外そうとし、クククッと笑った佐緒里は包丁の峰を手の甲に押し付ける。
「あなたと一緒に暮らせば毎日、こんな風にしていられるんだよね……結論を早まっちゃったかな」
シリアル、焼きバナナ、サーモンとアボカドのサラダを手際よく準備しながら、
「卵は任せてもいいかな??」
「いいよ、チーズオムレツで好いね??」
フワフワのチーズオムレツとリンゴジュースをテーブルに運び、外の景色を見ながら美味そうに頬張る。
後片付けを終えた二人はミルクティを淹れて元の場所に戻り、ソファに寄りかかって床に座る内藤の足の間に入り込んだ佐緒里はティーカップを両手で持って満足そうに眼を閉じる。
「私の両親や美香ちゃんに対して知られちゃいけない秘密を持った二人でしょう??私のせいだと分かっているけどね……美香ちゃんや両親の前ではいつまでも偽者でいなきゃね。本当の姿を晒すのは、あなたと私、二人きりの時」
「クククッ、困った人だなぁ、佐緒里は」
「そう、悪い女なの私は……何度も言うけど、美香ちゃんに優しくしてあげてね、本当に好い子だよ」
内藤の左手は身体を預ける佐緒里を抱きかかえて胸に伸び、その手に重ねた左手は逞しい腕を擦る。
「好い事を思いついた。私の下着を置いて行ってもいいでしょう??美香ちゃんを大切にしてもらいたいけど、この部屋は秘密の場所にしたい。ねぇ、いいでしょう??」
「構わないけど、昨日のレンタルルームを秘密の部屋にした方が良かないか??」
「いじわる、アソコは二人だけの秘密の場所じゃないもん。私の知らない女の人も縛られたり鞭で打たれたりして啼くんだよ……決めた、この部屋は美香ちゃんにも譲らない」
振り向いた佐緒里は笑みを浮かべ、
「この部屋に入る女は私だけ、約束の印を頂戴」と囁いて目を閉じ、顎を突き出す。
内藤は佐緒里の魅力に吸い寄せられるように唇を重ねる。
<< 一旦、終わり >>
シャワーで汗と共にセックスの痕跡も洗い流した佐緒里は黒いハーフバックショーツを着けて内藤の白いシャツを取り出す。
「これにする。白は似合うかなぁ……あなたと二人きりの時は好い女でいたいから」
「白いシャツの下で見え隠れする黒い下着、エロいって言うより、かっこいいよ。クールだ」
「クール、そんな言葉を使うって意外……それより、お腹が空いた。待っていて、何か用意してくるね」
背筋が伸びて膝下を伸ばして歩く後ろ姿は颯爽として好ましく、白いシャツを捲り上げて剥き出しになった白い腕が色っぽい。
「後ろ姿を見ているでしょう??刺すような視線を感じる……サービスしてあげようか、昂奮して鼻血を流さないでね」
振り向くことなく内藤が見つめていることを指摘した佐緒里は、艶めかしく腰を振る。
「やっぱり好い女だよ。男を挑発することに長けているし、いざセックスとなれば仁王立ちの前で跪いて吐き出したモノを飲んでくれるし、SM遊びも厭わない。一度でも夜を過ごすと虜になっちゃうだろうな。昼は淑女で夜は娼婦、この言葉は佐緒里を指しての言葉かと思うよ」
「私の事をそんな風に思っているの??冗談だよね……あなたが相手だからフェラチオもしたいし、苛められたいの。誰が相手でもって事じゃないよ、独りエッチで満足していたって言ったでしょう。忘れたの??」
「ごめん、フフフッ……」
音もなく近寄った内藤は背後から抱きしめて髪に顔を埋め、息を吸い込んで佐緒里の匂いで胸を満たす。
「どう??私の匂いがする??」
「佐緒里の好い匂いがするよ……フゥッ~」
「イヤンッ、息を吹き付けられると変に温かくて気持ちワル~イ……あなたが吸い込んだ匂いはシャンプーの香り。私の匂いじゃないよ、気付いてくれなくて残念」
「クククッ、分かっているさ。毎日使っているシャンプーだよ、それにオレはアロマポット、アロマキャンドル、お香などにも興味がある。間違えるわけがないだろ」
「そうね、そうだった……それより私は包丁を持っているの。危ないから離れてくれる??」
「いやだっ、佐緒里から離れたくない」
内藤は抱きしめるだけではなくシャツのボタンを外そうとし、クククッと笑った佐緒里は包丁の峰を手の甲に押し付ける。
「あなたと一緒に暮らせば毎日、こんな風にしていられるんだよね……結論を早まっちゃったかな」
シリアル、焼きバナナ、サーモンとアボカドのサラダを手際よく準備しながら、
「卵は任せてもいいかな??」
「いいよ、チーズオムレツで好いね??」
フワフワのチーズオムレツとリンゴジュースをテーブルに運び、外の景色を見ながら美味そうに頬張る。
後片付けを終えた二人はミルクティを淹れて元の場所に戻り、ソファに寄りかかって床に座る内藤の足の間に入り込んだ佐緒里はティーカップを両手で持って満足そうに眼を閉じる。
「私の両親や美香ちゃんに対して知られちゃいけない秘密を持った二人でしょう??私のせいだと分かっているけどね……美香ちゃんや両親の前ではいつまでも偽者でいなきゃね。本当の姿を晒すのは、あなたと私、二人きりの時」
「クククッ、困った人だなぁ、佐緒里は」
「そう、悪い女なの私は……何度も言うけど、美香ちゃんに優しくしてあげてね、本当に好い子だよ」
内藤の左手は身体を預ける佐緒里を抱きかかえて胸に伸び、その手に重ねた左手は逞しい腕を擦る。
「好い事を思いついた。私の下着を置いて行ってもいいでしょう??美香ちゃんを大切にしてもらいたいけど、この部屋は秘密の場所にしたい。ねぇ、いいでしょう??」
「構わないけど、昨日のレンタルルームを秘密の部屋にした方が良かないか??」
「いじわる、アソコは二人だけの秘密の場所じゃないもん。私の知らない女の人も縛られたり鞭で打たれたりして啼くんだよ……決めた、この部屋は美香ちゃんにも譲らない」
振り向いた佐緒里は笑みを浮かべ、
「この部屋に入る女は私だけ、約束の印を頂戴」と囁いて目を閉じ、顎を突き出す。
内藤は佐緒里の魅力に吸い寄せられるように唇を重ねる。
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