転生 -2
出演したDVDを受け取る栞の事も気になるし健志と話したいと思う気持ちを心の奥に封じ込めて夕食作りに励み、ほぼ出来上がったと同時に10分ほどで帰宅すると連絡が入る。
帰宅した夫は休日出発の急な出張にもかかわらず愚痴をこぼすことなく用意した料理に舌鼓をうち、何のわだかまりもなく互いを慈しみ合った頃と変わることがない。
そんな夫の様子に工場の不調は解消したのだと思ったがそうではなくトラブルは解消してないらしい。
明日か明後日、2~3日の予定でもう一度出張することになるという。
夫の口からその言葉を聞いたとき、思わず漏れそうになる笑みを押し殺すためにテーブルの陰で自らの太腿を痕が残るほど抓り、渋面を作った。
片付けや翌日の準備を終えてバスタブに浸かると改めて出張だという夫の言葉が蘇る。
明後日、水曜から3日間だと金曜まで、理由を付けて帰宅は日曜の夜ということにして浮気相手と逢瀬を楽しむだろうと想像すると頬が緩むのを堪えることができない。
ガーメントバッグから通勤着を二着取り出して予備に一着置いといた方が便利でしょうと言ったときの健志の笑顔が思い出される。
泊まるよ、いいでしょうと言うとどんな返事が返ってくるのか想像するだけで身体の芯が火照る。
浮気相手が楽しみにしているよ、早く出張した方が好いんじゃないの。遠慮することはないよと独り言を呟く自分を嫌悪するどころか幸せな気持ちになる。
今でも夫のことは嫌いではないし、いつの日か、愛する人に愛される幸せを感じたピロポーズされた頃に戻りたいと思う。
翌日の栞は、おはようの挨拶から終業まで仕事ぶりは普段と変わらないものの、どことなくよそよそしく感じられて昼食も一人で摂りたいと別行動だった。
出演したDVDを見て何かしらのショックを受けたのかもしれず、優子はかける言葉もなく平静を装って見ているしかなかった。
「優子、これは例のモノ。帰ってから開封してね、恥ずかしい」
「えっ、あぁ、分かった。それより、栞、大丈夫なの??」
「来て、今日の私が変に見えたのなら理由を教えてあげる」
女子用トイレの個室に二人で入ると、ブラウスのボタンを外し、スカートを膝まで下ろして素肌を見せる。
「興奮した旦那様にこんなことをされちゃった……優子と同じ。でも昂奮するね」
腰の周囲をロープが飾り、臍の辺りから股間に伸びたロープが痛々しいほど割れ目に食い込み、離れているご主人の責めに悦びを覚えているのかロープはしっとりと湿り気を帯び、先ほどまでと違って優子に向ける瞳は妖しく揺れる。
よそよそしく見えた原因がこれだったのかと思うと腹立たしくなり、割れ目に食い込むロープを荒々しく引っ張る。
「アンッ、痛いっ……痛痒くて気持ちいい。ねぇ、優子、例の下着を着けているんでしょう??見せて、見せっこしようよ」
バタンッ……バシャバシャッ……誰かが手を洗っている気配がする。
シィッ~……周囲を気にしながら声を潜めて卑猥な話しを続けていた二人は口を押えて個室のドアを見つめる。
再び入り口のドアが閉まる音がすると人の気配も無くなり、二人は顔を見合わせて安堵の表情を浮かべる。
「ウフフッ、心臓が破裂しそうなほどドキドキ、バクバクで焦っちゃった。優子、私の鼓動を確かめて……」
優子の手を取り自らの左胸に押し付けた栞は、
「感じる??すごいでしょう??」と言い、優子もまた栞の手を左胸に押し付ける。
「私もバクバク、ドキドキ。アソコも熱くなった」
「ほんとう??……うわっ、すごい。優子は私よりもマゾッケが強いかも、クククッ」
優子に誘導された右手を左胸に押し付けてドクドク早鐘を打つ心臓の動きを感じながら、股間に伸ばした左手で熱い滑りを掬い取る。
「アンッ、気持ちいい。こんな処でオマンチョを濡らすなんて……栞の言う通り、私はM」
「優子はマゾッコ、私もM……私たちが仲好いのはMつながりだからかなぁ……舐めなさい、指に付いた優子のマン汁を舐め取りなさい」
滑りを帯びた指を突き付けられた優子は栞の瞳から視線を外すことなく見つめたまま舌を絡ませ、口に含んで二度三度と顔を前後する。
「気持ちいい。男の人ってズルイよね、こんなに気持ちいいフェラチオを女にさせるんだもん……優子、股を開きなさい」
優子の腰を軽く打ち、両脚を広げさせた栞はしゃがみこんで上目遣いに見上げ、妖気さえ感じさせるほどねっとり笑みを浮かべて股間に吸い付き滑りを舐め取る。
ヌチャヌチャ、ジュルジュルッ……「プファッ、ハァハァッ、これ以上ここにいると私のオンナノコが満足するまで帰れなくなりそう」
「そうだね、今日は栞の股縄と私のプラチナチェーン下着が似たもの同志って確かめたことで満足しようよ」
「うん、旦那様が優子んちにお泊りをすることを許してくれるまで楽しみは取っとく……それまでは腰が抜けるほど旦那様に可愛がってもらっちゃう、ウフフッ」
衣服を整えて周囲の様子を探った二人はトイレを出て駅に向かう。
今日も旦那様に愛されちゃうんだろうなと喜色を浮かべる栞にバッグを叩いてDVDを意識させ、
「私はこれで我慢する」と告げる。
「優子、エロイ私を見て独りエッチしてくれるんだね、クククッ、身体は離れていても気持ちはつながっている、逝くときは一緒だよ」
「えっ、クククッ、スケベ。ほら、電車が来たよ。バイバイ」
「うん、バイバイ、また明日」
転生 -1
「おはよう、優子」
「おはよう。どうしたの、こんなに早く」
「愛美んちの帰りの電話で発売日が決まって出来上がったDVDを今日、受け取る約束をしたでしょう……旦那様も私も昨晩からソワソワ、ビンビン。今朝はどうしてだかわからないけど旦那様も私も照れちゃうし、いたたまれなくなって早く家を出ちゃった」
「ふ~ん、分かるような気がするような、しないような……些細なことだけど、ビンビンってなに??」
「旦那様のオチンポがビンビン、私のオッパイもビンビンでアソコは濡れ濡れでグッチョグチョ、昨晩は久しぶりに可愛がってもらって、今朝も朝食代わりに一発……激しかったなぁ、今日は太陽が眩しい。私の身体に飽きたのかと不安に思うこともあったけど、ウフフッ……」
これから仕事を始めようとする月曜の朝に相応しくなく、あけすけな栞の言葉に目を逸らすとプラチナチェーン下着のカギを入れてあるバッグが視線に入る。
前夜、悠士を交えて三人での卑猥遊戯を思い出し、栞がご主人に責められて善がり啼く姿が脳裏に浮かんで股間が疼く。
「フゥッ~、さぁ、仕事、仕事。新しい一週間が始まるその初日、最初が肝心。栞、頑張ろうね」
「おはようございます。優子さん、私を忘れないでください」
「おはよう、愛美。忘れるわけないよ。分析と検証は愛美にお任せ、頼りにしているよ」
前日、優子の部屋で卑猥遊戯をしたことも、その後、優子は健志と悠士を相手に善がり啼いたことをおくびにも出さず、栞もまた優子に話した夫に責められたことを忘れたかのように仕事に集中する。
優子はそんな二人の仕事ぶりを見て公私の区別と集中力に長けた様子に頬を緩め、自らがリーダーのプロジェクトを成功させなければならないと改めて思う。
仕事の場に於いては努力すれば良いというものではなく、結果を伴ってこそ次が始まるのだと思っているしプロジェクトの成功は優子だけではなく栞や愛美の社内での評価に影響すると思うと気持ちが引き締まる。
「えっ、もうこんな時刻なの??お腹が空くわけだ、お昼ごはんをどうしようか??三人で食べるんだからね」
「本当ですね優子リーダーの下で楽しく仕事させてもらっているから時間の経過が早いです」
「そのようだね、君たちが独立するのも早くなりそうだ」
「えっ、課長、どういうことですか??」
「鍬田さんから聞いてないの??……余計なことを言っちゃったな。松本さんに忘れてくれというのも変だから、鍬田さん、話してもいいかな??」
「はい、私はどのように話せばいいかわからなくて話しあぐねていました。課長から説明して頂ければ幸いです」
「あなたたちのプロジェクトを独立させる話は聞いていますね??担当役員から私が離さずに手元に置いていると嫌みを言われちゃってね、あなた方が独立するときには前任課長と私の評価にもプラス点を与えるから早くしろと尻を叩かれているのです」
「優子リーダーの下で私たちがやっていることは期待されているということですね」
「そうです、具体的な成果だけではなく。鍬田さんは各々のメンバーに得意な仕事を任せて一人一人をサポートしながら全体の成果も出している。うまい言葉が浮かばないけど人を育てながらプロジェクトも育っていると評価されている。予算を付けるからどんどん進めろってことなのです」
「ふ~ん、頑張ります。期待されているんだもんね……課長、優子がグズグズ言わないように、不肖、深沢栞がビシビシ尻を叩きます」
三人で摂る昼食は前日の卑猥な遊びを忘れたかのように仕事の進め方について話が弾み、栞と愛美は実現可能か否かを問わずアイデアを語る。
「優子さん、準備段階では私たちは思ったことを話せば好いんですよね??」
「私は栞や愛美のプランをコーディネートして全体をまとめようと思っている。好きなようにって言うと語弊があるけど仕事をしやすい環境づくりが私の仕事だと思っているから程よく自由にね」
優子の仕事の進め方に加えて課長の言葉も励みになり午後の栞と愛美の張り切りようは他人の目にも明らかで周囲を驚かせる。
「どうする??一緒に行く??できれば優子を連れてきてほしいって言われているんだけど」
「えっ、行くって何処へ??」
「分かっているでしょう、例のAV男からDVDを受け取る約束」
「今日は夫が帰ってくるから帰る」
「出張だったの??」
「昨日夕方、工場に急用ができたらしいの」
「ふ~ん、残念だけど無理だね。ガッカリするかもしれないけど今日は諦めろって言っとく。旦那様に内緒で優子の分もDVDを持ってきてくれる約束だから明日渡すね、二人で鑑賞会はしばらく無理だと思うから……楽しみにしていて」
「うん、それじゃあね。バイバイ」
淫 -22
予備のスーツとシャツや短パン、ジーンズをクローゼットに片付けた彩は翌日の出勤準備も済ませて満面の笑みを浮かべる。
「彩、風呂の用意が出来ているよ」
「うん、抱っこしてくれるでしょう??歩けない、オチリが変なの」
足元にスカートを落としてシャツを脱ぎ捨てた彩はハダカンボになって両手を広げ、抱っこしてバスルームに連れて行けと催促する。
健志も衣服を脱ぎ捨てて素っ裸になり半立ちのペニスをプルンと振って彩を抱き上げる。
「脱ぎ捨てた衣服はこのままでいいよ。明日、彩が出かけてから洗濯しとくから……パンツがないのが残念だけどね」
「ウフフッ、変態。彩のパンツに染みついた匂いが欲しいの??」
「変態かなぁ??嫌いになるか??」
「ウフフッ、分からない。一つ言えることは健志と付き合うようになって笑うことが多くなった……多分、幸せな証拠だよね。だから変態でも許してあげる。嬉しい??」
抱きかかえたままバスタブに浸かり、向かい合った彩を正面から見据えると、
「いやっ、恥ずかしい」
健志の胸に背中を預けるいつもの格好で全身を弛緩させて目を閉じる。
言葉で尽くせぬ思いもあり、無言のうちに身体を接することで気持ちが通じ合うこともある。
健志は左手で彩を抱き、右手は彩の手を求めて腕から先端に向かって擦り手の甲を包み込むように握る。
首筋に息を吹きかけ、乱れ髪を噛んで顔を振ると、
「痛いっ……このまま、ずっとこうしていたい」
「オレもだ。出来る事なら時間泥棒になって彩の時間を盗みたい」
「嬉しい、時間も身体も気持ちも彩のすべてを奪ってほしい」
言い終えた彩は、一瞬我に返る。
彩は健志といる時にだけ存在する。
改めて言わずとも、彩の時間も身体も気持ちも最初から健志だけのモノ。
今、感じているこの幸せを継続するためには彩と優子、二つの人格を混同してはならない。
「ウフフッ、彩は悪い女。悪い女でいる限り健志との幸せが逃げていくことはない……そうでしょう??違う??」
「そうだよ。何だかわからないけど、彩とオレが一緒にいることが幸せなら、彩の言うことはすべて正しい」
右手に力を込めると、
「痛いっ、手を強く握られたり、髪の毛を噛んで引っ張られたりと痛いと感じるたびに胸が熱くなる……やっぱり彩はMかなぁ??」
「ふ~ん、愛し合う二人にはSとMが同居する。嫉妬心はMに通じると思うし、束縛したいという気持ちはSに通じると思うよ」
「うん、そうかもしれない。どちらかが強いということはあっても、SとMのどちらか一方って言う人は少ないかもしれない……そうだよね」
ベッドに戻った彩はバギナとアナルの奥にかすかに残る鈍痛を不快なものと思わず、むしろ心地よく感じながら健志の腕を枕代わりにして直ぐに夢の世界の住人になる。
彩でいる時間を健志と幸せな気持ちで過ごせば優子は幸せになれる、優子が為すべき仕事で成果を上げて身体の関係は無くなったものの浮気をされても嫌いになれなかった夫と付かず離れずの関係でも気持ちさえつながっていれば支障なく彩に変身できる。
彩と優子、どちらかでも幸せを感じなくなればもう片方も不幸になるような気がする。
「おはよう」
「う~ん、おはよう……これじゃあ、起きられない。何か忘れている」
カーテンを開け放った窓は残暑を感じさせる陽光が照らし、目を眇める彩の可憐ともいえる笑顔に健志の股間が反応しそうになる。
改めて、おはようと言いながら彩の額に唇を合わせると、濃厚なキスを要求することもなく健志の首に手を回して上半身を起こす。
「テーブルに行く??それともここに運ぼうか??」
「どっちでもない、ベランダが好いな……タンシチューなの??ほんとに牛タンシチューがなくなるまで続くんだ、クククッ、顔を洗ってくるね」
鼻をクンクンさせた彩はシチューの匂いに呆れたような笑みを浮かべる。
「分かった、運んどくよ。コーヒーはインスタントしかないけど我慢してくれよ」
「彩も紅茶がいい。ミルクティでしょう??」
牛タンシチューとフレンチトースト、アボカドと生野菜にチーズのサラダ、ミルクティの湯気と共にミルクの匂いが食欲をそそる。
「キスで目覚めると朝食の用意が出来ているし脱ぎっぱなしの衣服は洗濯してくれる……ウフフッ、いただきます」
朝から健啖ぶりを発揮する彩を見ているだけで健志は幸せな気持ちになる。
ごちそうさまの後、健志がプラチナチェーン下着を穿かせて鍵を自らのシャツのポケット入れるのを見た彩は一瞬浮かべた淫蕩な笑みを消して出勤の準備をする。
「駅まで送るよ」
「駅まで??その先は??」
「彩からもう一人の女性に入れ替わるのに通勤電車が丁度いいと思うんだけど」
駅近くで車を停めた健志は、
「仕事で時々この街に来るって言っただろう、彩を見知った人に会うかもしれないからここで見送るよ……行ってらっしゃい」
「言葉だけ??……ウフフッ、行ってきます。帰りは何日か後になると思うけど、洗濯しといてよ」
健志が自らの唇に人差し指の腹をつけ、そのまま彩の唇に押し付けると破顔して行ってきますと車を降りる。
「彩、忘れ物だよ」
プラチナチェーン下着の鍵を手渡すと、
「健志が持っていてもいいのに……」
「彩とオレの家に帰ってくる日を待っているよ」
淫 -21
「彩は疲れちゃった……あっ、疲れたのは身体で気持ちじゃないよ。一晩寝れば心地好い朝を迎えられそう」
「そうか、オレもそんな気がする。おいで、彩を抱っこしたい」
「うん……」
健志の膝に横座りした彩は首に両手を回して目を閉じ、無言でキスを催促する。
上唇を挟んで甘噛みし、すぐに下唇を挟んで左右に横滑りさせると閉じていた彩の瞳が開き舌先が健志の口腔に侵入する。
ジュルジュル、チュバチュバッ、卑猥な滑り音が静かな室内を包み、瞳を真っ赤に染めた彩は健志の股間に指を伸ばす。
「つまんない、おっきくなってない。彩の事を好きじゃないの??」
「オレのチンコは機械じゃないんだから彩とキスをするたびに昂奮するわけじゃないよ……可愛いなぁ、大好きだよ」
「ウフフッ、そんなことを言われると照れちゃう……身体は疲れているのに眠れそうにない。明日は起きられるかなぁ……」
「大切な仕事の予定がありそうだね。起こしてあげたいけど困っちゃったな」
「ほんと??起こしてくれる??」
「その気はあるけど方法が思いつかないよ……」
何か言いたげな様子を漂わせながらも口を閉じた健志は彩を見つめる。
「ウフフッ、いいことを思いついた。健志から彩に連絡しないって言葉は尊重する。そのうえで明日、起こしてもらう名案が浮かんだの……聞きたい??」
「勿論だよ、聞かせてほしいし彩の提案に乗るよ」
「簡単なこと、彩は今日お泊りする。明日の朝は起こしてくれるでしょう??」
「えっ、嬉しいけど出勤の準備はどうする??起きてから間に合うように帰るのも大変だよ」
「フフフッ、すぐに出かけるのよ。早く準備して……」
満面の笑みで健志を蕩かす彩は下着も穿かずにジーンズと健志のシャツを着ける。
エレベーターに向かう彩は腰が落ちたガニ股歩きで健志の好きな華麗な後ろ姿とは言い難く、フゥッ~と息を吐いてしまう。
「彩だってこんな無様な後ろ姿を晒したくないの。彩のオチリを犯してこんなにしたのは誰??分かっている??……フフフッ」
後ろを歩く健志を振り返ろうとした彩は両足を掬うようにして抱きかかえられる。
「いやんっ、恥ずかしい」
「日曜の22時、こんな時間にこの廊下で会う人はいないよ」
「そうなの??日曜の夜に歩き回るのは健志と悠士だけなんだ、ウフフッ……抱っこのお礼だよ」
健志の首に両手を回した彩は頬にチュッと音を立てて唇を合わせる。
彩の住む街に向かう車の中で、
「悠士さんとはエロイ遊び仲間なの??」
「答えにくいなぁ、エロイ遊びもするって質問を変更してくれる??」
「クククッ、分かった。エロイ遊びもよくする友達なのね、これまでで一番ひどい遊びは??」
「ウ~ン、それは口にできない。悠士の許可がなきゃ話せないよ。この話は終わり」
何度か彩を送った駅近くに向かおうとすると、今日は時間がもったいないから指示通りに走ってと言い、何棟かのマンション近くにある公園のそばで車を止めさせる。
「前まで行ってもいいけど彩は人妻。ここで待っていて、10分か15分くらいで戻るから、ごめんね」
激しい嵐が過ぎ去った後の凪のような時間をシートに身体を預けて疲れを癒そうとして目を閉じていると、コンコンとノックする音がする。
車を降りた健志はゴメンと一声かけてスカートに着替えた彩の持つガーメントバッグと紙袋を受け取り後部座席に置く。
「大丈夫??彩を起こしてくれるのでしょう??」
「平気だよ。ハダカンボの彩を思い出すために目を瞑っていただけ、フフフッ、実物を見ると元気モリモリだよ」
「ほんとう??……嘘吐き、クククッ」
健志の股間に伸ばした手は元気なムスコに触れることがない。
「オチリの穴は塞がったかなぁ??まだ何かを詰め込まれているような変な感じがする」
モゾモゾと動く彩はシートの背もたれを抱くような格好で健志に尻を向けてスカートを捲り上げる。
「ねぇ、見て。オチリが変じゃない??」
白くて丸みを帯びた尻とムッチリの太腿を突き出された健志の運転は動揺のあまりガードレールにぶつかりそうになり、車を止める。
「えっ、ダメッ、びっくりした。不倫の果ての事故。不倫カップルが深夜、ガードレールに濃厚接触……こんな見出しは勘弁してね」
「ごめん、こんなに魅力的な大好物を見せつけられては平静でいられない。まん丸オチリの真ん中にほんの少しクスミを帯びた窄まりがある。清楚で上品、元通りの佇まいだよ……ベロリッ」
舌を伸ばしてペロリと舐め、指は早くも滑りを帯びる割れ目に向かう。
クチュクチュ、ヌチャヌチャッ、指は滴る花蜜の源泉に忍び込んで膣壁を擦り、奥へ奥へと進んでいく。
「ウッウッ、アウッ、イヤンッ……おしまい。帰ろうよ、明日は仕事。早く寝なきゃ」
腰を振りながらスカートを下ろした彩は正面を向き、
「出勤の用意をしてきたから、腕枕で寝んねして朝になったらキスで起こしてもらうのを待つだけ……そうでしょう??」
ガーメントバッグを開いてスーツを二着取り出すと健志は怪訝な表情をする。
「これは明日の分、こっちは予備でここへ置いとく。また何かあっても用意があれば平気でしょう??」
「キスしてもいいか??」
淫 -20
誰かが堰を切ったわけでもなく時を同じくして三人が満足の瞬間を迎えた。
以前に諦めざるを得なかった彩の秘所に突き入れる悠士とアナルに挿入して禁断の快感に酔う健志、二つの穴を通じて与えられる快感で喘ぎ声を漏らし身悶える彩、三人はそれぞれセックスに熱中して快感を貪り、彩を中心にして昇りつめていき同時に絶頂を迎えた。
ハァハァッ、ハァハァッ……彩と同時に絶頂を迎えて満足した悠士は四肢を伸ばして余韻に酔いたい気持ちを封印し、身体を預けてぐったりと絶頂感の冷めない彩の背中を撫で、腰を撫でて言葉ではなく手の平を通じて労わりの気持ちを伝える。
健志もまたアナルの奥深くに満足の証を吐き出して倒れ込みたいほど気だるく、心地好い疲労感に浸ることなく上半身を起こしたまま膝立ちで身体を支えて彩に負担をかけまいとする。
「ハァハァッ、今は気持ちいい余韻に浸っているけど、二人に責められている時は経験したことのない刺激で身体は熱いのに頭が真っ白になっちゃった」
「クククッ、独りエッチで二つの穴を同時に……」
「いやっ、その先は言わないで、気持ちいいのに恥ずかしくて冷めちゃう……えっ、いつから、ここにあるの……」
言葉を遮り、背後にいる健志にわざとらしい怒りをぶつけようとした彩は三人の下半身をを映す位置にスタンドミラーがあるのを見て絶句する。
「オレが尻の穴に挿入する前からだよ」
「うそっ……じゃあ、二つの穴を責められて身悶えている彩の姿や、三人の下半身が絡み合っているのを見ながらしていたの??」
「俺は鏡のお陰で彩さんの表情と喘ぎ声だけじゃなく、ムッチリとした腰から太腿が妖しく蠢き、わき腹にうっすらと汗が滲むのを見て昂奮を新たにしたよ……彩さんはエロかった」
「嫌な男たち……アンッ、悠士のオチンポが抜けちゃいそう」
「ごめん……」
息の合った動きでティッシュを受け取った悠士は股間に充ててペニスを引き抜き、アナルに挿入したままの健志は体勢を入れ替えて彩を上にする。
健志の身体を台にして仰向けの彩が足元に視線を移すと悠士が抱えるスタンドミラーにツルマンと溢れ出る悠士の吐き出した精液が映っている。
「鏡に映っているのは彩のいやらしい姿。悠士の精液がダラダラ溢れているのがオレにもよく見える」
「自分でもびっくりするよ、すげぇな。彩さんとエッチできると思っていたわけじゃないけど、しばらくしていなかったから溜っていたようだ。濃くて恥ずかしいよ」
ドロドロの白濁液が滴り落ちるのを凝視する彩にはアナルを押し開いて突き入ったペニスもはっきり見える。
「いやっ、見たくない、ハァハァッ……悠士の精液がエロイし……ダメッ、オチリに入っている。可哀そう……アァ~ン、動いちゃダメ、いや、抜けちゃう」
満足した健志のペニスは意志に反して彩がわずかに動いたためにニュルンと押し出されてしまう。
裂けてしまうのではないかと思うほど入り口の皺も消えるほど押し広げられていた窄まりからペニスが抜け出ると同時にニュルッと精液が滴る。
「タケ、飯をちゃんと食っているか??元気がねぇな。俺のを見ろよ、ドロドロだから指で摘まめそうだけどタケのはシャバシャバだぞ。彼女が来る日は連絡するから食いに来いよ」
「さすがに彩の口マンコで満足させてもらった後だから薄くなるよ」
「もう、彩を揶揄ってばかり……悠士さん、おいでよ。きれいにしてあげる」
内臓まで見えてしまうかと思うほどポッカリ開いたままのアナルを男たちの視線から隠すために上半身を起こす。
えっ、と喜びを控えめに表現した悠士はスタンドミラーを置いて彩に近付き、腰を突き出すとパクリと咥えられ、絡ませた舌で滑りを舐めとられて残滓をきれいに拭い取られる。
「ありがとう、感激だな。彩さんにここまでしてもらえるとは思っていなかったよ」
ヨロヨロと上半身を起こした健志の股間に手を伸ばした彩はティッシュで残滓を拭き、澄ました表情で笑いたくなる気持ちを抑えてウェットティッシュで拭うだけの処理で済ます。
「オレはお口できれいにしてくれないのかよ」
「さっき、ナメナメしてお口で受け止めてあげたでしょう」
シードルを開栓して三人のグラスを満たし、手早く交代でシャワー使い十分ほど雑談を交わした悠士は、次回は俺んちに二人を招待するよと言い残して自室に戻る。
二人きりになると気まずいとは思わないけれど何となく、そう、本当に何となく言葉を口にすることが憚られ、顔を見合わせて誤魔化し笑いを浮かべる。
彩も健志も正直な気持ちをうまく言葉にできない。
後悔でもなく怒りでもなく、心から喜んでいるわけでもなく、苦笑いとしか言いようがなく、また一歩気持ちが深い処で通じ合うような気がする。