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彩―隠し事 165

海の見えるホテル -3

テラスでイスに座る彩は闇に溶けた海を照らす灯台の回転灯が心の奥に潜む性的好奇心も白日の下にさらすような気がして身体が火照る。
今日からこのホテルで三泊する。
健志とのデートは不倫であることと会社勤めと私生活の生活圏で会うことが多く、知り合いに会わないかと不安に思うこともあったが此処ではそんな心配をする必要がない。
私たちを知る人に会うはずがないし、ホテルのフロントや従業員は奥様と呼んでくれた。夫は不倫相手といるはずなので私に連絡するはずもないし、健志と二人なんの憂いもなく二人の時間を過ごすことが出来る。

股間に食い込むプラチナチェーンを左右に分けて花蜜カクテルが滲みだす源泉に息を吹きかける。
「イヤンッ、遊んじゃ嫌。お風呂に入ってなくてもいいんでしょう??舐めて……ハァハァッ、昂奮する」
「相変わらずスケベだな。ホテルに着いて食事を終わったばかりだよ、部屋を確かめたり景色を見たり、色々することがあるだろうに……」
「アンッ、日曜に健志と別れた後は抱かれることだけを想像して仕事を頑張ったんだよ。それなのに、通勤着のスーツからワンピースに着替えてもエッチな事をしてくれないから気が狂いそうだった」
「それでオレのチンチンを剥き出しにしといたのか。ムラムラしているって言ってくれれば希望通り、山ん中に入って車から引きずり出した彩を後ろから犯してやったのに」
「ざんねん。早く、舐めて……ハァハァッ、焦らさないで。早くって叫んじゃいそう」
「前は海、隣の部屋のテラスからは見えないけど叫ばれると聞こえちゃうな。分かったよ」

腰を一回りするプラチナチェーンを指でなぞり、下腹部から股間を経て腰につながるチェーンに指を這わせる。
「彩、この下着を着けて一週間過ごすのはどうだった??」
「離れていても健志に束縛されているようで嬉しかった」
「クククッ、ご主人には申し訳ないけど彩はオレの女だ。不安に思うことはなかった??」
「例の親友が時々泊りに来るんだけど、その時は一緒に風呂に入るから、ちょっと心配していた……でもね、今週は乱交パーティの録音を再生したご主人が毎晩責めてくれるからってイソイソ帰るの、ウフフッ、男と女って色々だよね」

割れ目は綻びを見せて濡れそぼつ花弁をあからさまに晒し、芳しい匂いを撒き散らす。
「スゥッ~……やっぱり好い匂いだ。何処から匂ってくるのかな??」
鼻頭が花弁に接するほど近付き舌を伸ばしてベロリと舐め上げる。
「ヒィッ~……イヤァ~ン、気持ちいい。オシッコが漏れそうなほど気持ちいい」
声を震わせて気持ちいいという彩は上半身を揺すり、両足を健志に絡ませて両手は髪を掴んで襲い来る快感を堪える。

気持ち善さに震える彩が余韻に浸る間もなくクンニリングスは続き、両手で太腿を抱え込んで逃げることを許さずに溢れる蜜の源泉に舌を潜らせる。
芳香を放つ花蜜は粘度を帯びてハッとするほど熱く、欲情の濃厚さを思い知らされる。
溢れる花蜜の源泉に舌を出し入れすると鼻頭は自然とクリトリスを刺激する。
「ウッウッ、クゥッ~、たまんない、こんな風にしてほしくて一週間頑張って仕事をしたの……もっと、もっと気持ち善くなりたい」
ジュルジュル、ズズズッ、ズゥッツ~……ベロッ……ヒィッ~、すごい……舌を出し入れして溢れる花蜜をズズズッと音を立てて啜り、膣口で出入りしていた舌がズズッとクリトリスに向かって舐め上がる。
「ウッウッ……イヤッ、イィッ、クゥッ~……」
彩の手は健志の髪を掴み秘めやかに漏らす甘い声は闇に吸い込まれていく。

ズズズッ、ジュルジュルッ……彩の両脚は健志の頭を挟んだ格好で腰を掴まれているため花蜜を吸われる羞恥から逃げることもできず、小陰唇が作る溝を舐められてクリトリスを甘噛みされると鈍痛で顰めた顔は目くるめく快感で抱え込まれた両脚から力が抜け、子宮が疼き狂おしい昂ぶりで髪を掴む手の力が抜ける。
「アウッ、イヤァ~ン、入れて、我慢できない……これ以上は我慢できない、狂っちゃう」

抱き起した彩の両手をルーフテラスのフェンスに手をつかせて尻を打つ。
「イヤンッ、尻を打たれると痛いっ」
「尻を突き出さないと入らないだろう。突き出さないと指の痕がつくほど叩くよ」
「ハァハァッ、乱暴な健志も好きだけど……これでいいの??」
身に着けているモノをすべて脱ぎ捨てて素っ裸になる気配で振り返った彩はしゃがみ込み、宙を睨むペニスの先端に滲む先走り汁を指で塗り広げて口に含む。
「ジュルジュル、ジュボジュボッ……フグフグッ、ハァハァッ、すごい、熱くて硬い……早く入れて」
再びフェンスに手をついて突き出した尻を艶めかしく揺すり挿入を催促する彩のオンナノコは、芳しい匂いに誘われた虫を絡めとろうとする食虫植物のような妖しい魅力を撒き散らす。
一週間ぶりにつながる悦びで息を弾ませる健志は左手を彩の腰に添えて右手で摘まんだペニスを花唇に押し付け、十分に馴染ませて腰を突き出すと熱い花蜜の源泉に姿を没していく。
ニュルニュルッ……膣口の縁を巻き込み、水を吸ったスポンジを掴んだ時のように花蜜がジュルッと溢れ出る。
「ヒィッ~……熱くて硬い健志のモノが入ってくる。ウッウッ、クゥッ~、気持ちいい」
「温かい彩に包まれて気持ちいいよ。ウグッ、ウッ、ヤワヤワと奥へ引き込もうとしている、意識しているの??」
「アァ~、変なの、ウネウネしているのは感じるけど彩は何もしてない」

温かい襞が優しく健志のモノを包み込み、奥へ奥へと引き込もうとする。
言葉にせずとも二人の身体はもっと深いつながりを求めようとする。
「ついて、もっと激しく……健志が欲しい、彩はオレの女だと言って。早く、我慢できないの」
「彩はオレだけの女だ。他の男に色目を使うんじゃない」
パンパンッ……彩の腰を掴んで恥骨をぶつけるように激しく股間を打ち付けて肉体的に満足させた健志は背中に覆いかぶさるようにして自らの体温を感じさせ、両手で上半身を包み込むようにして抱きしめる。
漏れそうになる喘ぎ声を耐える彩は、身体の疼きは激しいピストン運動で満足し、今は上半身を包み込まれて気持ちの疼きが治まろうとする。

背後から見つめる彩の髪は羽を開いたクジャクのように雅やかに背中に広がり、マリンスポーツを愛する上半身は健康美と共に大理石のように滑りを帯びた艶っぽさを感じさせる。
健康的な肩からウェストの括れを経てパンと張り出した腰から尻に続くラインとミッチリとした太腿は健志好みで新たな力が股間に漲る。

股間を押し付けたまま掬い上げた乳房に指の痕が残るほど揉み込み、首筋に舌を這わせて耳の裏に息を吹きかけ耳朶を甘噛みする。
「クゥッ~、こんな風にしてほしかったの……ねぇ、逝かせて、お願い」
「オレもだ、我慢の限界。彩のオマンコが良すぎる」
左手を乳房に残し、右手を股間に伸ばして結合部を擦りクリトリスを刺激する。
身体だけではなく気持ちも通じ合う二人に激しい動きは必要なく、肌を接しているだけで昂ぶり頂上目指して昇り詰めていく。

ニュルニュル、ジュルジュルッ……愛液にまみれて濡れそぼつペニスがゆっくりと出入りを繰り返し、根元まで突き入れると亀頭が子宮口をつつくコリッとした感触が伝わり、足先から脳天目掛けて快感が駆け上がる。
ゾクッとするほど柔らかな肌の感触に酔い、温かくてウネウネと蠢くバギナの感触で与えられる快感に健志の我慢は限界に達する。
ウッウッ、クゥッ~……彩は漏らしそうになる喘ぎ声を耐えるために口を手に押し付ける。
「彩、逝くよ、我慢できない」
「彩も、気持ちいいの、出して……彩の子宮めがけて吐き出して、ヒィッ~、気持ちいぃ」

ハァハァッ……崩れ落ちそうになる彩を支える健志の膝は震え、背中に覆いかぶさってフェンスに手をついてやっとの思いで堪える。
灯台の回転灯は二人の様子に興味もなさげに暗い海を照らし続け、雲に隠れていた月が優しい光で二人を包んでくれる。

彩―隠し事 164

海の見えるホテル -2

横芝光インターを降りた車は幾つかの街を通り過ぎて薄暗い中に畑が広がると、
「この街は来たことがある??」
「房総半島の南の方はあるけど此処は初めて」
「この右手はキャベツやメロン栽培の畑で暗いから見えないけど風力発電の設備があるんだよ」
「ふ~ん、よく来るんだ」
「15年くらい前まではよく来たよ、友人がいたからね。今は世田谷に引っ越したから来なくなったけど……チョイと失礼」
路肩に車を止めてスマホを取り出した健志はホテルを呼び出して、
「予定通りの時刻に着くので夕食の用意をしといてもらえますか??……ビールと冷酒をお願いします」

目的のホテルが間近と知った彩は、
「もうすぐ着くんでしょう??」と、問いかける彩の瞳が好色さを帯びる。
チノパンから引きずり出した時は半立ちだったペニスがだらしなく萎れて横たわり、フフフッと意味ありげな笑みを浮かべた彩はピンと指で弾く。
「高速を降りた後、山の中に連れ込まれて犯されるのかと思ったけど無事に着いちゃった。オオカミさんじゃなく羊さんだったようね……ザンネン」
ペニスを下着の中に収めてファスナーを上げる。

「着いたよ。ここが目的のホテル……どう??第一印象は??」
空には星が輝き、瀟洒なホテルを目の前にして満面に笑みを浮かべる彩は潮の香に誘われて振り返る。
「暗いし木々に遮られているけど波の音で海の近くだと分かるし大満足、ありがとう……あの光は何??灯台なの??」
「これ以上は何も言わない。部屋に入ってからのお楽しみってことにしようよ」

天井が高く開放感のあるロビーに入りチェックインを済ませ、女性客用に用意された浴衣に見入る彩はどれにしようかと迷い健志に目で訴える。
「これはどうかな??シックな色遣いとデザインで似合うと思う。湯上りにこの浴衣を着けた彩を見てみたい」
「ウフフッ、実はこれにしようか、こっちのピンクの花柄にしようか迷っていたけど決まり、これにする」
淡いブルーの浴衣を手に取り青紫の帯を合わせた彩に微笑んだ健志は時刻を確かめ、
「彩、急がせて悪いけど食事にしよう……ギリギリで間に合いますよね??」
「はい……奥様、急がせて申し訳ございませんがレストランにご案内させていただきます。お電話を頂いたのでご用意できていると思います」
先に立ってレストランに向かいながら、
「食事が終わったらお声をかけてください。お部屋にご案内いたします」
「分かりました、遅い到着で申し訳ございません」

彩はビール、健志は冷酒で乾杯して目移りするほどの海の幸を前にして舌なめずりする。
食事を終えデザートを食べる頃には彩の瞳に淫蕩な光が宿り、周囲を見回して誰も見ていないことを確かめるとブドウを摘まんで股間に手を伸ばす。
「ウッ、イヤンッ……美味しい。ブドウと栗は季節が同じだから相性がいいんだね」
「えっ??……彩に似合わず下品な例えだなぁ、クククッ。ブドウもいいけど栗を舐めてピンクのサクランボを食べちゃいたい」
「イヤンッ、アソコがグショグショになっちゃう」
「この冷酒よりも彩特製の花蜜カクテルの方が美味そうだ、直接口をつけてピチャピチャ音を立てて啜るよ」
「好い事教えてあげようか……カクテルはブドウ付きだよ、オリーブの方がいい??ねぇ、もう我慢の限界。早く部屋へ行きたい」

フロントに戻り、先ほどの女性に案内されて部屋に向かう彩は両足を擦り合わせる不自然な歩き方になる。
「彩、大丈夫??」
「えっ、少し疲れちゃったみたい」
「奥様、あとでお薬をお持ちいたしましょうか??」
「お気遣いいただきありがとうございます。妻も言う通り疲れただけだと思います長時間同じ姿勢で座っていたからね」
「そうですか、ご要望あればいつでも仰ってください……こちらの部屋でございます」

案内された部屋に入った彩は目を見張り、ベッドルームに続くリビングとその向こうにあるテラスと露天風呂、闇に溶けようとする海、白い灯台が海を照らす光、空に散りばめた星たちを見て頬を紅潮させて笑みを浮かべる。
「それでは、ごゆっくりお過ごしください。キーはテーブルに置いていきます」
「ありがとうございました……お世話になります」と、お礼を述べた健志は紙包みを手渡す。

二人きりになった彩は健志に抱きつき、目を閉じて唇を突き出す。
健志は直ぐに唇を合わせようとせずに抱き上げ、テラスの椅子まで進んで抱いたままで腰を下ろす。
目が慣れると暗いながらも海が目の前に広がり、左側の岬の先端近くにある白い灯台がはっきりと見えて夜間に航行する船たちの道標となる光がゆっくりと回転する。
「ありがとう、こんな素晴らしい景色を見られると思わなかった。ウフフッ」
両手に力を込めて抱擁し、唇を合わせて濃厚なキスをする。
健志の手が彩の腰を撫で、背中を擦って自然な動きでワンピースのホックを外してファスナーを下ろすと彩は密着した身体に隙間を作り、腰を上げて協力する。
ワンピースを脱がせてブラジャーを外し、プラチナチェーン製の下着だけを残した姿にした彩を座らせたまま健志はしゃがみ込む。
「イヤッ、汗を掻いたしお風呂に入ってから……そんなに見つめられると恥ずかしい」
「花蜜カクテルの水割りなんかほしくないし、オリーブ代わりのブドウがグラスの底に沈んでいるんだろう??……足を開きなさい、これじゃあ飲めないよ」

ハァハァッ……息を弾ませて顔を背けながらも健志の助けもなく両足を開いていく。
「う~ん、カクテルの芳しい匂いがする」
股間に顔を近付けて目を閉じ、スゥッ~と息を吸い込んだ健志は満足気に呟き、それが彩の羞恥を煽る。
「イヤンッ、いじわる……」
目を開けた健志はプラチナチェーンに指を這わせ、
「これだけじゃ可哀そうだから今度、オッパイ飾りも作ってもらおうか??」
「ハァハァッ、エッチ……そんな事を聞かれても答えられない。嫌だって言っても許してくれないんでしょう。会えない時間も彩を拘束するためにオッパイもオマンコも健志に支配されるんだね。アァ~、昂奮する。舐めて、ジュルジュルっていやらしい音を立ててカクテルを啜ってほしい」

彩―隠し事 163

海の見えるホテル -1

後部席に移動した彩がスカートスーツをワンピースに着替えようとすると健志はさりげなくルームミラーの角度を調節して覗き見ようとし、ミラーの中で視線が絡んだ彩は気付かない振りをする。
上着に続いてスカートも脱いで丁寧に畳み、健志を挑発するようにシャツを脱いでブラジャーの中に手を差し入れて形を整え、キャミソールに着替えてプラチナチェーン製下着に指を這わせる。
ミラーの角度から彩の股間は見えないはずなのに手の動きで妄想を膨らませて昂奮で乾いた唇に舌を這わせる健志が色っぽい。
「昂奮する??男性が湧き上がる性欲を抑えて我慢する姿って色っぽい……」
「今日の彩は大人だな、楽しい三泊になりそうだ」
「あなたが知らない隠し事があるの。それが何か確かめたいなら彩の身体に聞いてくれる??フフフッ」

シートの背後から手を伸ばした彩がカットソーの裾から手を入れて下腹部を擦ると、車は小さく蛇行する。
「怖い、ちゃんと前を見て運転してよね」
「ごめん、下腹部にゾクッとするような風が吹いた」
「風??……こんな風に??」
背後から顔を近付けた彩は、フゥッ~と耳に向けて息を吹く。
フフフッ……新たな悪戯を予期していた健志は肩をすぼめて刺激を耐え、運転を誤ることなく真っすぐ走らせて笑みを漏らす。
「クククッ……もし事故ったら新聞やテレビに載っちゃうね。独身男性と結婚している女性の不倫カップルが高速道路で事故、車中でよからぬ行為に耽っていた模様って」

後部席から戻った彩は裾をヒラヒラさせて、
「すっきりした、これで仕事から解放された気分。ねぇ、気になる??ルームミラーじゃ見えなかったでしょう……彩の下着を見たい??」
「見たいけど事故は避けたいからホテルに着くまで我慢する」
「ふ~ん、つまんない……今週は今日のこの日のこの時間を楽しみに仕事を頑張ったのに楽しみにしていたのは彩だけ、つまんないなぁ。健志がつまんない男だったなんて期待外れもいいとこ」
「クククッ、拗ねた振りする彩も可愛いな……会えない時間の彩が何をしているのか気になってしょうがないんだよ、話を聞かせてくれないか」
「好いけど、仕事の話はつまんないでしょう??」
「そんなことはないけど職務上のことをペラコするのは良くないだろう……それに本当の彩、オレの知らない彩のことは話さなくていいよ」
「どうして、本当の私を知りたくないの??彩だけでいいの??」
「あぁ、その方がいい」
「……私は健志のことを好きなのに、健志は彩の身体だけがあればいいって言うの??そうなの??」
「そうじゃない。オレは彩が好きだよ。彩にはご主人がいる、本当の姿を知ればもっと知りたい、すべてをオレのモノにしたいと思うかもしれない。それはすべてを無くすことになるかもしれない……だから、今の彩だけを知っていればいい」

東京郊外で高速に乗った車は都心を通過して首都高から京葉道路を東に向かう。
目的地は房総半島だと確信できたが何処に行くのかとはあえて聞かないし、健志も教えようとしない。
走り去る景色をボンヤリ見つめる彩は健志の言葉を思い出す。
「本当の姿を知ればもっと知りたい、すべてをオレのモノにしたいと思うかもしれない。それはすべてを無くすことになるかもしれない……だから、今の彩だけを知っていればいい」
物足りなく思う自分と、身体を接することが絶えて久しいとは言え夫のいる立場で健志との付き合いを継続するにはそれがいいと思う自分、二人の自分の想いがせめぎ合う。

健志の横顔を盗み見る。
夫よりも早く出会っていたら夫婦となっていただろうか……不倫相手としては満足できるけど夫としてはどうだろう……
「オレの顔に何かついているか??」
陳腐な問いかけに脳裏をよぎる妄想を捨て去り、
「どんな場所とホテルを用意してくれたのかなぁって想像していた」
「彩は海が好きって言っていただろう??海の見えるホテルで、夜の海を見ながら風呂に入り、朝は陽光が目覚まし代わりになると思うよ。それに食事も満足できると思う……彩の満足度がオレの彩に対する思いと同じだと評価してもらっていいよ」
「えっ、そうなの??彩は健志に好かれていたいから、百点満点を付けるホテルだって期待する。赤点だと彩と健志の相性は良くないってことだね、ウフフッ」

海は一向に見える気配もなく街の灯りも少なくなって車内を静寂が覆う。
不安を感じることなく三連休を二人で過ごす期待で身体が火照る。
「ねぇ、憶えているでしょう。健志といた先週、学生時代からの親友が不倫相手に誘われて男五人を相手の乱交パーティに行くって連絡があったことを……」
「憶えているよ……」
「びっくりするほど大きいモノや大蛇のように太くて恐ろしく見えるモノを経験したり、前と後ろの穴に同時に入れられたりエッチは知らない事がまだまだあるって人ごとのように言っていた……名前などは省いて聞いた話を教えてあげる」

公園のベンチで栞と昼食を摂りながら聞いた乱交パーティの話しを栞の口調を真似て繰り返す。
カヲルの部屋でM字に開いた両足を椅子に縛られて初対面の男女の前で飾り毛を剃り落とされてバイブオナニーさせられて昇り詰めた……そんな記憶で股間を濡らしながらも冷静さを意識して栞の経験を話し終える。

健志は途中で相槌を入れるわけでもなく運転を続け、興味がないのかと思ってガッカリしたが股間の膨らみを見て自然と頬が緩む。
「オレの事を見て笑うなよ……大好きな彩と月曜までいられるから喜んでいるのに」
「クククッ、車の中に充満する彩の匂いに昂奮してモッコリしているの??」
「今なら誰もいないから彩に襲いかかっても止める人はいない。その彩はエッチな親友の話しでオレを挑発するワルイコ、ムスコが昂奮してもしょうがない」
「今日の彩はオオカミが好きかも。オオカミさんの此処はどうなっているのかな??」
「お嬢さん、高速を降りるまで我慢してくれないかな。何度も言うけど事故は嫌だろう」
「あらっ、オオカミさんは昂奮しやすい質なの??じゃぁ、これで我慢する。このままにしといてね」
彩の指がチノパンのファスナーを下ろし、下着の中から半立ちのペニスを摘まみだす。
車は横芝光インターを降りて北東に向かう。

彩―隠し事 162

隠し事 -14

学生時代から親友の栞は愛する夫に浮気がばれて将来を悲観しているとご主人が命じたのは、秘かに隠し持ったボイスレコーダーで浮気現場を録音する事だった。
浮気相手の課長にSMルームで責められる様子を再生したご主人は愛する栞が他人に責苛まれる場面を音声だけで想像して昂奮し、瞳を真っ赤にして栞を愛したのだという。
寝取られ願望のあるご主人は不貞を詰りつつ責めることだけで満足することはなく、複数の男たちに嬲られてこいと命じたらしい。
栄転でダブル不倫解消することになった課長は栞との想い出に最後は乱交パーティをしたいと告げ、聞かされた栞はまさかそんな事はあるまい、冗談だろうと思っていたところ、夫の希望もありそれを承諾した。
課長との最後のデートは男性五人を相手に乱交パーティをしたという。
男たち十本の手と五十本の指で全身をまさぐられ、形や大きさが異なる五本のペニスの精液が涸れ果てるまで嬲られて獣欲が満足するまで責められた。

そこまでを聞かされた優子は帰宅しても昂奮が冷めることはなく、浮気相手の健志を想い出しながらオモチャをオンナノコとアナルに捻じ込んで性的昂奮を満足させてようやく眠りにつくことが出来た。

栄転する課長は仕事に支障が出るのは本意でないと送別会を断り、木曜日の終業時にオレンジジュースで乾杯するにとどめた。
但し当日の昼食は栞と共に優子も加わって三人で名残を惜しみ、課長は優子を前にしても栞との関係を気取らせることもなく公私を区別する見事さに舌を巻き、栞もまた優子には隠し事なく二人の関係を話したことなど素知らぬ風で課長とは仕事や今後のことしか話題にしない。
「鍬田君が提案した新規プロジェクトが予定通り粛々と進んでいるので安心して離れることが出来る。栞くん、これからもリーダーの鍬田君と共に頑張ってくれよ。遠くからだけど応援するからな」と、課長が口にした時は二人の関係をほのめかすような言葉に聞こえて優子は不自然に目を伏せてしまった。

毎日必ずと言っていいほど終業後はカフェや買い物などで栞と話していたが、課長たちとの乱交パーティの様子を録音したボイスレコーダーを再生したご主人が責めることに飽きないということで、
「ごめんね、優子。可愛い旦那様が愛してくれるから早く帰らなきゃいけないの」
笑顔と共に電車に乗り込む栞を見ると夫婦の絆は他人には窺い知れない謎があると思わずにいられない。
栞をそばで見ていると自分に正直に生きている。単純に過ぎるかもしれないが生き方の岐路に立った時、栞は好き嫌いで判断しているように思う。

就職活動を始めた頃の科白を思い出すと自然と頬が綻ぶ。
「私の就職は親友である優子次第。好きだし尊敬もしている優子に付いて行く。優子が採用で私を不採用にする会社なんてあるはずがない。金魚のウンチのように何処にでも付いて行く」
その栞は性に関しても好きか嫌いかの判断を優先するため、時として奔放に見えるため一緒に行動するのを躊躇することもあった。
それでも付き合いが長くなると栞の考え方を理解できるようになり、優子の気持ちの奥で秘かに隠れ棲んでいた性的欲求が姿を現して今では躊躇うことなく同行するようになった。
SMショークラブやAV撮影の見学など栞の誘いに付き合うにつれ、ニーチェの言葉を思い出す。
深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いている……栞に誘われるまま底知れない性の深淵を垣間見ようとすると、いつの間にか深淵に引き込まれそうになり怪しい魅力の虜になるような気がしてくる。

転勤になる課長と残る課員すべての将来に幸多からんことを祈念してオレンジジュースで乾杯して見送り、金曜の仕事も終えた優子は三連休を楽しもうと言葉を交わした栞と別れて健志に連絡する。

「迎えに行くから待っていてくれよ」
スマホから聞こえる健志の声は耳を通じて子宮に響き、着けっぱなしのプラチナチェーン製下着が熱を持ったように存在を意識させる。
三泊に必要な旅行セットは着替えも含めて先週末に健志の家を訪れた時にバッグに詰めてあるので大きな荷物もなく、栞に気取られることもなく待ち合わせ場所に行ける。

栞は隠し事なくあけすけとも思えるほどご主人とのことや浮気についても話してくれるのに私は健志との付きあいなど幾つかの隠し事がある。
夫とのセックスがなくなっている私が浮気もせずにオナニーで満足しているのは不思議だと言い、浮気相手が必要なら信用できる男性を紹介するという。
近いうちに健志の承諾を得ることが出来れば栞に紹介しようと思っている。今回の旅行がそのきっかけになればとも思っている。

目の前に停車した車に素早く乗り込むと満面の笑みで健志は迎えてくれる。
「挨拶のキスはこの場所をもう少し離れるまで我慢してくれよ」
「どうして??」
「知り合いに見つかるのは本意じゃないからね」
「あらっ、そんな事を気にしているの??私と付き合っていることを秘密にしたいんだ……ふ~ん」
「そんなことを言うと駅前に行って車から引きずり出し、他人の目を気にせずにキスしながらムッチリの太腿や桃尻を揉み揉みしちゃうぞ、好いのか??」
「嬉しいかも……えっ、冗談よ、冗談。そんな顔をしないでよ。でもね、この前も少し話した学生時代からの親友は自分の浮気や乱交パーティのような事も話してくれるのに、彩はあなたの付き合いを秘密にしているの……いつか、あなた次第だけど紹介したいなと思っている……」

運転する健志の横顔を見つめる視線に見つめ返すこともできずにいる健志は正面を見つめたまま走らせる。
「クククッ、何か話してよ。怒っているの??」
「怒るはずがないだろう。紹介するって話にどう反応していいか分かんねぇんだよ」
「なんだ、そうか……着替えたいから後部席に移りたい」

お見合い -11

自らの股間に伸ばした指でオンナノコを左右に開いてスタンドミラーを凝視するアユは怒張が出入りする様子を他人事のように見つめて竿に手を添える。
ヌチャヌチャ、クチャクチャッ……足を踏ん張り、両手は後ろ手に男の腿に添えて身体を支え、鏡を見ないように目を閉じる。

お見合いをしたことでぎこちなさが募り二人とも正直な気持ちを吐露できなくなったが男の妻の助言に従ったアユが連絡したことで今こうしている。
以前、男の言葉の真意を誤解してもう会いたくないと言った時は許しを請うて関係を修復した。
男の言葉によればあと一年半で実家へ帰るので関係は終わる。
私が男の後を追ったり、男が私に未練を残したりすれば泥沼状態で続くかもしれないがそれはないだろう。

「ねぇ、身体の向きを変えたい。あなたのお顔を見たいの」
「オレもだ、アユの頬に触れてキスしたい……」
「ウフフッ、そうなの??私とキスしたいの??この恰好じゃできないよね」
背面座位から対面座位に変化するとアユは満面の笑みで男を蕩かす。
「召し上がれ……私はあなただけの女。あなたのキスで幸せになるの」
クククッ……褒められると照れたように笑う男が好き。
ハハハッ……楽しい事、面白いことがあると屈託なく笑う男も好き。
水商売を長く続けると嘘や見栄は飽きるほど経験する。
この人は小さな約束を守ってくれる。出来ないことはダメだとはっきり言ってくれる。
言われた私さえもが忘れてしまいそうな小さな約束を守ってくれると大切に思ってくれていると信じられる。
男は焦らすようにチュッチュと音を立てて唇を合わせ、下唇を甘噛みされて子宮が熱くなり舌を侵入させようとすると男の唇離れていき、指先がまだダメだよと言わんばかりにスゥッ~と刷いていく。
焦らされるこんな時間も好き。意地悪されると気持ちが昂り、今にも破裂するほど欲望が膨らんでくる……ハァハァッ、クゥッ~、いやっ。

背面座位から対面座位に変化して背中と首に回した手で支えられるだけで身体が芯から火照り、指先で頬を撫でられて乱れ髪に手櫛を入れられながら見つめられると胸が熱くなる。
「ねぇ、私がもっと早く生まれていたら二人はどうなっていた??」
「そうだなぁ……アユと妻の立場が変わっていたかもしれないね」
「そうなの……ざんねん、でも今のままでいい。奥様が好きだし、立場が入れ替わっていたら今あなたが抱いているのは奥様でしょう??こんなに気持ち善いから今のままがいい……」
ふっと笑みを浮かべたアユは静かに目を閉じ、男は頬に手を添えて唇を重ねる。

目を閉じるのは羞恥から逃れるため。
目は口ほどにものを言う、あるいは目は心の窓とも言われる。
酔客を相手にすることの多い仕事柄、意識して伏し目がちになったり視線を外したり、じっと見つめたりと男性客の気持ちを翻弄する術も心得ている積りだけど好きな男を前にしては自己アピールもままならず、欲望を膨らませた時ほど見つめられて心の内を覗き込まれる羞恥に堪えることが出来ず目を閉じてしまう。
そんな私の気持ちを知ってか知らずにか絶妙なタイミングで唇が重ねられ濃厚なキスをしてくれる。
アウッ、クゥッ~……動悸が激しくなり自分でもおかしくなるほど下腹部が激しく蠕動を繰り返す。
男の舌が口腔で踊る。上顎を舐めて歯茎を刷き、舌を重ねて擦り私の舌をダンスに誘う。
ウッ、ウフンッ……対面座位でつながる男の右手が私の左手を握り左手が後頭部に添えられてキスを甘美なものにしてくれる。
女はどんな時でも手をつないでもらうと嬉しいもの。二人きりの時も街中でたくさんの人たちに紛れて歩いている時もすれ違う女たちに目もくれずに手をつないでいてほしい。
セックスの最中でもそれは同じ、手をつないでくれると二人だけの時を過ごしていると実感できる。

舌を絡めて唾液を交換しながらアユの手が男の頬を擦るとそんな事が気持ちいいのか挿入したペニスがピクンと反応する。
「アユ、動かないでくれるか……爆ぜちゃいそうだよ」
「だめっ、まだダメ。こうしてつながっているのがいいの、もう少しこのままでいて、おねがい」
「あぁ、アユがたまんないって身悶えるとオレにも伝わって逝っちゃいそうだけど、つながっているだけで幸せだと思ってくれると幸せな気持ちになる」
つないだままの手を口元に引き寄せてチュッと唇を合わせる。
「ウフフッ、幸せ……こうしていると嫌な男の記憶が薄れていく」
「うん??見合い相手のことか??ほんとに嫌な男だったようだけど、紹介してくれた叔母さんを恨んじゃダメだよ」
「私のことを考えてくれたってことは分かっているけど……ほんとに嫌な男だった」

「お見合いは二人の相性重視で紹介してくれるんだろう??年齢や趣味、性格、もしかすると見た目の好みも考えてくれているかもしれない。まぁ、時には眼鏡違いってこともあるかもしれないけど……」
「じゃぁ、私は例外に当たっちゃったの??ひどい話……ウフフッ、あなたの奥様が言っていたよ、子供が宿んなきゃ結婚することはなかっただろうって」
「クククッ、もしも妻のお腹に子供が出来なきゃ別の人と結婚して全く別の人生を歩んでいたかもしれない。住む場所も違っていたかもしれない……そうすると、アユと会うこともなかっただろうな」
「えっ、そうなの??奥様に感謝する前に息子さんにお礼を言わなきゃいけないね。あなたが二人の間に生まれたからご両親は結婚することになった。そして時を経て私はあなたのお父さんに抱かれて幸せになれたって……それで、あなたはいつも全力なの??」
「考えたこともないけどそうかもしれない。どんなことでも自分の将来に影響するって思うとね……鏡を見てごらん」
右を見てスタンドミラーに映るアユに笑みを浮かべる。
促されたアユは左を向いて鏡の中の男と視線が合うと頬を赤らめる。
「いじわる、真面目に人生を語り合っていたのに……ウフフッ、気持ち善くなりたい」

対面座位でつながる二人は頬を寄せてスタンドミラーを見つめる。
アユは男の首と背中に手を回して身体を支え、男はアユの尻に手を添えてベッドのクッションを利用して突き上げる。
「温かくて気持ちいいよ」
「クゥッ~、すごい、子宮を刺激される」
体温を感じ、鼓動が同調して愛しい人とつながっていると実感する。
アユを抱きしめたまま対面座位から正常位に変化した男は額にかかる髪を整えて瞳の奥を覗き込む。
「ウッ、いやっ、そんなに見つめられたら恥ずかしい。秘密のない女ってつまらないでしょう??何もかも見られているような気がする……アァッ~、気持ちいい、我慢できない」
「オレもだ、身体の昂奮を騙すことが出来そうもない」
「私も、逝くときは一緒に、ねっ……キスしてお願い」

濃厚なキスをして唾液を流し込んだ男が瞳を朱く染めて頭を持ち上げると、二人の唇を唾液がつなぎ離れがたい思いと愛おしく思う気持ちが交差する。
「逝くよ、出ちゃうよ、我慢できない」
「私も、気持ちいい、中に頂戴、あなたを感じたいの……」
ウッ……男はアユの尻に手を添えて引き付け、恥骨をぶつけるようにして満足の証を奥深くに吐き出す。
「ヒィッ~、熱い、あなたを感じる、幸せ……」
男の背中に回した両手に力がこもり、爪が食い込んで微かな傷を付けた事をアユは気付かない。
アユの見合いを切っ掛けにして一寸先も見えないほどの深い霧に覆われていたのが気持ちの善いセックスで霧散する。


                   << おしまい >>


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ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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