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偽者 ~PRETENDER~ -49

佐緒里と内藤 -21

通路に背を向けた位置から佐緒里の近くににじり寄ると暖簾の下に歩き回る店員の足が見え、不安に思いながらも健気に無毛の股間を晒した佐緒里の心情に頬が緩む。
「早く食べちゃって、足の震えが止まらないの、立っていられるのが不思議なくらい」
声を震わせ、壁に手をついて崩れ落ちそうになる身体を支える佐緒里の太腿を抱えて股間に顔を埋めた内藤は、割れ目にむしゃぶりついてブルブルと顔を震わせる。
「ヒィッ~、だめ、そんなことをされたらオシッコが漏れちゃう。やめて、おねがい」
壁に寄りかかって襲い来る快感を堪える佐緒里は左手で内藤の髪を掴み、右手を噛んで喘ぎ声を漏らすまいとする。

ハァッ~……クゥッ~……割れ目を覆う口を大きく開けて温かい息を吹きかけると足を閉じようとして太腿に力が入り、ジュルジュルッ……クゥッ~……溢れる花蜜を吸い取ると両手で内藤の髪を掴んで唇を噛む。
「だめ、我慢できなくなっちゃう。枝豆を早く食べて、通路を歩く人に気付かれちゃうよ」
「動くから食べにくいんだよ」
「分かった、我慢するから早くして……」
内藤の頭に手を添えたまま、わずかに腰を落として足を踏ん張り無毛の股間を突き出して食べやすくする。
太腿を抱く内藤の手に力がこもり、膣口をベロリと舐めてそのまま舌を挿入する。
舌の侵入に合わせて佐緒里は踏ん張る脚に一層力を込め、違和感の残るアナルをギュッと閉じるとバギナの枝豆が一つ、また一つと内藤に飲み込まれていく。
「美味い、佐緒里風味のマン汁漬け枝豆は塩気もあって美味いよ。もう一粒残っているよな」

再び股間に口を押し付けると佐緒里は足を踏ん張り、宙を睨んで力を込めても最後の枝豆は出てこない。
「うん、う~ん……ハァハァッ、出ない??どうしよう。もう一度……」
「ダメだな……動いちゃダメだよ」
左手を佐緒里の尻に添え、口に含んで湿らせた右手中指を挿入する。
「アンッ、いや。そんな事をされると気持ち善くなっちゃう」
「バカ、可愛い声でオレを挑発するんじゃないよ」
「イヤンッ、ダメ……」
内藤の頭に手を置いて身体を支える佐緒里は場所も目的も忘れて股間を押し付けようとする。
「クククッ……ダメだよ。そんな事をすると取れないだろう。うんっ、動いちゃダメだよ……あった、出てくるよ」
膣壁に擦りつけるようにして取り出した枝豆を摘まんで佐緒里に見せる。
「見てごらん、マン汁に浸かり過ぎで湯気が出ているしマン毛が付いているよ」
「パイパンマンチャンだから毛が付くはずないもん。意地悪……」
膝まで下ろしたジーンズを引き上げながら座り込んだ佐緒里は頬を紅潮させて抗議する。

「キスさせてくれる??」
「いやっ、そんな事は確かめないで、強引に奪って欲しい」
ガチャッ……興奮のあまり注意が散漫になった内藤は佐緒里を抱きかかる際に食器に肘をぶつけて大きな音を立ててしまう。

「失礼します。どうかされましたか??……あっ、ごめんなさい。覗くつもりはなかったのですが、何か音がしたものですから。本当にごめんなさい」
「いえ、私たちこそ、ごめんね。美味しくいただいて、酒に酔っちゃった。お腹が満足すると彼女とキスしたくなっちゃって……恥ずかしいから内緒にしてくれると嬉しい」
「はい、秘密にします。仲の良いお二人に満足していただいて、ありがとうございます。失礼いたします」

ウフフッ……顔を見合わせて楽しそうに含み笑いする。
「アレは、見られなかったよね??」
「アレって??」
「いじわる。佐緒里風味のマン汁漬け枝豆を食べさせてあげようとして、丸見えのマンチャンにあなたがむしゃぶりついていたこと」
「見られてないと思うよ。エッチな場面を見ていたら、もう少し動揺するって言うか、反応が違うだろう」
「そうだね、うん、そうに違いない……ウフフッ、あなたといると私は私じゃなくなっちゃう」
「オレは佐緒里といると、いつものオレを忘れてエロ男になっちゃうよ……お腹が満足したから帰ろうか」

先ほどの痴態遊戯を覗き見されそうになった店員と通路ですれ違い、美味しかったよ、ありがとうと言葉をかけて店を出る。
店を出て空を見上げると、ゆりかごの様な三日月が座り心地が好いよ、ここまでおいでと二人を誘ってくれる。
「座り心地が好さそうだけど、今日はお月様まで行けないよね……疲れちゃった、どこかで休憩したい」

偽者 ~PRETENDER~ -48

佐緒里と内藤 -20

「あんな素敵なご夫婦に温かい声をかけてもらったのに私はノーブラノーパン。失礼じゃなかったかな??」
「失礼なはずがないよ。絵画や彫刻の裸婦像、美しいモノは永遠の芸術だよ。佐緒里は存在が芸術」
「そんな言われ方は褒めてもらった気がしない。度を過ぎる褒め言葉は揶揄われている気がする」
「ごめん、揶揄おうなんて思っちゃいないよ」
「ねぇ、ゆっくり歩いて、おねがい……お尻がなんか変なの、何かが入っているって言うか、ガニ股で歩くと楽かもしれないけど普通に歩こうと意識すると変なの」
「建物の陰に行こうか。ジーンズを下ろして尻の穴がどうなっているか見てあげるよ」
「いやっ、冗談だと分かっていても震えちゃう」
「クククッ、可愛いな。おいで……」

「えっ、ダメ。ここではダメ」
おいでと言いながら肩を抱く内藤の手がブラジャーをしていない乳房に触れた瞬間、佐緒里の身体が硬直して足が止まり、真後ろを歩いていた女性がぶつかりそうになる。
「ごめんなさい。私ったら、ごめんなさい」
「仲の好いカップルを見ると私も幸せな気分になるけど、急に立ち止まらないでね」
決して叱声ではなく、二人ではしゃぎたいのも分かるけど周囲にも気遣いしなさいという注意と分かっていても気恥ずかしい。
「はい、気をつけます。ご注意いただいたことを忘れません。ありがとうございました」
「素直で好いお嬢さんね。私も言い過ぎたけど、ごめんんさいね。気をつけてね、さようなら」
歩道の隅に立って見送った佐緒里は、
「今日は、すれ違う人を見送る日なのかなぁ……あなたのせいだよ」
「佐緒里が目立つんだよ。好い女って証拠、行くよ」

20分ほど歩いて飲食店が多く入っているビルの前で、ここで何か食べようと佐緒里の背中を押してエレベーターに乗る。
ガタン……雑居ビルのエレベーターは広くはない。佐緒里はノーブラノーパンであることを意識してゴクッと唾を飲み、背後から抱きかかえられる瞬間を不安を隠して期待で胸を高まらせる。
チン……何事もなく目的階に着くと、ここだよと落ち着き払った内藤の声で通路に出る。
フゥッ~、宙を睨んで息を吐いた佐緒里を見て楽しそうに微笑む内藤は、
「オッパイを揉んでほしかったって表情をしているよ……クククッ、魚でいいだろう」
「ヤリタガールじゃないもん。ノーブラはあなたに命令されたからで、私の意思じゃない」
「命令したつもりはないけどなぁ。ここだよ、個室居酒屋」
個室と聞いた佐緒里は卑猥な想像が脳裏をよぎり内藤の背後に隠れて店内を覗き込もうとする。

「いらっしゃい。お二人様ですか??……こちらへどうぞ」
完全個室ではないものの全室個室の店内は居酒屋らしい元気のいい店員が動き回り、暖簾で仕切られた部屋に案内された佐緒里は心臓の拍動が昂ぶり足も地に着いた感じが無くなりフワフワする。
枝豆と刺身の盛り合わせ、焼きガニ、景虎の本醸造をオーダーした内藤は、
「佐緒里、熱があるんじゃない??火照っているように見えるよ」
「個室って聞いただけで子宮がキュンとなっちゃった。悪戯するんでしょう??」

「おまちどうさまでした」
悪戯を仕掛けられる時間的余裕もなくオーダーした品物が届く。
「佐緒里のような好い女と酒を飲めることに乾杯」
「あなたのようなスケベな男にアナルバージンを奪われ記念日に乾杯」
辛口の景虎はキリッとして、料理が何であれキンキンに冷えた白ワインを好む内藤は相好を崩す。
「美味いなぁ……佐緒里を鑑賞しながら美味い酒を飲み、刺身を食べる。最高だよ」
遠くに聞こえる元気のいい店員の声と美味い食事で満たされた佐緒里は、不安と期待の入り混じった気持ちで待っていた性的悪戯を忘れて堪能する。

刺身とカニを平らげ、茶漬けを食べ終えたテーブルには少しの枝豆とぐい飲みの底に残る酒しか残っていない。
「つまんない、下着を着けるなって言われて個室だよ……何かあるのかと思ったのに何もナシ。見掛け倒しのへなちょこ男」
「そんな事を言われても困るなぁ、オレは常識のある紳士だからね……でも、せっかくだから味付け枝豆を貰おうか、ノーパンだしな」
「スケベ、いいわよ。それでなきゃ、ノーパンの甲斐がない」

暖簾の向こうを見つめて他人の気配がないのを確かめた佐緒里はすっくと立ち上がり、フゥッ~と息を吐いてジーンズを膝まで下ろしてしまい無毛の股間をあからさまする。
「枝豆を取ってちょうだい、佐緒里風味に味付けしてあげる。早く、見られちゃうよ」
皮をむいた枝豆を手渡すと両足を踏ん張って腰を落とし、親指と中指で摘まんだ枝豆をバギナに擦りつけて下唇を噛み、目を閉じて中指に力を込めると枝豆は姿を隠す。
二つ目、三つ目と繰り返して枝豆を飲み込み、ハァハァッと息を荒げて両足を震わせる。
壁に手をつき、息を荒げたままの佐緒里は羞恥と昂奮で紅潮した顔を内藤に向けて、
「見てた??ハァハァッ、エッチな私を見ていたでしょう??ドキドキした??ねぇ、どうなの??」
「ゴクッ……あぁ、ドキドキしたよ。スケベな佐緒里に昂奮させられた。オレの近くに……そのまま、ここにきて食べさせてくれるね」
「いやっ、暖簾しかないから見られそうで怖い。あなたが場所を移動して……佐緒里風味のマン汁漬け枝豆を食べさせてあげる」

偽者 ~PRETENDER~ -47

佐緒里と内藤 -19

ワイングラスを手にした佐緒里は小首を傾げ、口元を緩めて内藤のグラスにスパークリングワインを注ぎ込む。
内藤の腕の中で顔だけ振り向いた佐緒里は、
「喉が渇いたからシュワシュワを飲みたい」
空になったグラスを振り、口移しで飲ませてくれと催促する。
背中越しに抱きかかえていた佐緒里を横抱きにしてワインを含むと、そっと目を閉じて頬を赤らめる。
そんな佐緒里の顎に指をかけて唇を合わせると、ゴクッと唾を飲む音がして内藤の背中を抱く手に力が入り緊張が伝わってくる。
口の中に満足の証を吐き出しアナルセックスまで済ませて、今更どうして緊張するのだと思いながらも、店では凛とした佇まいで客に接するのを思い出して自然と頬が緩む。

ゴクッ……キスと共にワインを流し込むと白い喉が上下して飲み込み、そっと目を開けて、
「美味しい」と囁く。
再び唇を合わせて舌を絡ませると、ズズズッと音を立てて啜るのでドロッと唾液を流し込むと、それも白い喉を上下して嚥下する。
「ウフフッ、幸せ。あなたと二人きりの時間は何も考えずに自然なままでいられる……迷惑??」
横抱きの姿勢を自ら動いて内藤の太腿を跨ぎ、首に両手を回して覗き込む視線は嘘を許さないよと赤く燃える。
「好い事を教えてあげるよ……この部屋に招いた女性は佐緒里が初めてだよ」
「ほんとう??女の人の気配がないと感じていたけど、ほんとうなの??まさか、昨日引っ越してきたなんて言わないよね??」
「そうだと面白いけど、そんなわけないよ。佐緒里が初めてだよ」
「ウソで固めたあなたの人生にもある真実……嬉しい」
「言っとくけど、オレの嘘はすべて佐緒里が原因。佐緒里と関わりのない処にオレの嘘はほとんどないよ」
「そうだった……フリーで来店したあなたを見た瞬間、子宮がビビッと震えて一目惚れしたのが始まりだった。二度と男を信じないと決めていたから美香ちゃんのお客にしたんだけど、ウフフッ、指やオモチャじゃ私の女の子は満足できないって夜泣きするの」
「それは重症だな。そこに佐緒里のご両親が縁談話を胸に訪れるってことになって、飛んで火にいる夏の虫。オレがちょうどいいカモだった、そう言うことか」
「気付いているくせに、いやな男。カモじゃなく、抱いてもらう切っ掛けになるかもって誘った。美香ちゃんには内緒だよ、ばれないよね??」

「誰でも嘘は一つだけ許される。生きる苦しみを和らげてあげようという神様の優しさでね」
「ほんとう??」
「多分、そうだとオレは思っている。佐緒里とオレの美香ちゃんに対する一つの嘘、神様は許してくれるよ」
「うん、あなたの言葉を私は信じる。神様を信じていいかどうか分からないけどね、愛を誓った男に裏切られちゃったから……」
「オレが佐緒里を裏切ると……怖いな、絶対に裏切らないって約束する」
「そうだよ、二度と男は信じないって決めていたのを、あなたならって信じてエッチな妄想をあなたに教えた。今の私にとってあなたが一番大切な人」
言葉を口にすることなく内藤は背中を撫でて髪に手櫛を入れる。
「気持ち好いけど恥ずかしい……ハダカンボでシャツだけを着けているんだよ。ボタンを外したくないの??」
「素っ裸の佐緒里だけを欲しいわけじゃない。衣装をまとった佐緒里も魅力的だよ」
「えっ、ウフフッ……そんな事を言われると照れちゃうじゃない……お腹が空いた」
「よし、何か作ろうか。待ってなよ」
「そうじゃないの、コンビニでいいからあなたと歩きたい、だめ??」
「分かった、行こうか」
内藤から離れて着替えるためにシャツのボタンを外そうとする佐緒里に、
「そのままでいいよ」
「ブラなしで??……ほんの少し化粧する時間を頂戴」

化粧を施してブラシで髪を整えた佐緒里はショーツを手に取って内藤に向けてヒラヒラする。
内藤が首を振ると妖しい笑みを浮かべてベッドに落とし、ノーブラノーパンの魅力的な身体をジーンズと男物のオフホワイト、ウールシャツで覆う。
「可愛いって言うより、好い女……行こうか」
チノパンにオフホワイトのカットソーを合わせた内藤が手を伸ばすと、指を絡めてドアに向かう。
「女はね惚れた男との思い出は忘れないモノなの。ノーブラノーパンで手をつないで歩いたことを忘れないと思う……気が重い??」
「男は惚れた女の値打ちで器量が分かる。佐緒里と歩くオレを知り合いが見ると、オレの評価が上がるだろう」

「こんばんは、お買い物ですか??」
「そうだよ、私はいつもの通り荷物持ち。夫婦円満が望みなら亭主は妻の言葉に従えばいい……内藤君も覚えておくといいよ」
「ウフフッ、そうね。それが家庭円満の基。女は男次第で変わる、それは妻になっても同じ……あなた、お名前は何ておっしゃるの??」
「佐緒里と申します」
「佐緒里さん、好いお名前ね。内藤さんは好い男よ、私が保証する。仲良くね」
「はい、内藤さんといつまでも仲良くしていたいです」
「佐緒里さんの笑顔が素敵。隠し事もなく心から笑っている、幸せな証拠ね……ごめんなさい、余計な事を言ってお出かけの邪魔をしちゃって。気をつけてね」
「いつも気にかけていただいてありがとうございます。失礼します」
「失礼します」

老夫婦に向かって頭を下げる内藤にならって佐緒里も頭を下げる。
歩き始めた夫婦が角を曲がって見えなくなる見送った二人が歩き始めると、
「なんか、幸せな気分……あんなご夫婦と仲の良さそうなあなたが悪い人のはずがない」

偽者 ~PRETENDER~ -46

佐緒里と内藤 -18

風呂から出た佐緒里は素っ裸のままクローゼットを開けて品定めし、これにすると呟いて内藤を振り返る。
「これをパジャマ代わりにしていいでしょう??」
肩からウェストの括れを経て尻や腰のムッチリ感、柔らかな肉付きの太腿からキュッと引き締まった足首に続くのびやかなラインに目を細めていた内藤は佐緒里の言葉で我に返る。
指差すのはミラショーンのオフホワイト、ウールシャツでお気に入りだが緩んだ頬を引き締めて表情を変えることなく、
「ウール製で肌触りがいいと思うよ」
元々スリムフィットではなくゆったりサイズのシャツを着けて袖を捲り上げ、姿見に映してクルリと一回りした佐緒里は、
「ねぇ、可愛いと思うでしょう??男物のシャツをフワッと着ることにあこがれていたの……似合っている、ねぇ、どう思う??」
「似合うよ、佐緒里のために用意してあったようだよ。ウール生地のフワッとした柔らかさが優しくて上品な雰囲気を強調している」
「ウフフッ、ありがとう。風呂上がりで喉が渇く、何か飲みたい……シュワシュワが好いな」

冷蔵庫から取り出した鯛を薄く切って白い皿に並べ、薄切りにした紫玉ねぎを載せてたっぷりのオリーブオイルを振りかけてレモンを絞る。
よく冷えたスパークリングワインとグラスを用意して佐緒里の元に戻ると、
「美味しそう、カルパッチョとよく冷えたスパークリングワイン。辛口だよね、そうでしょう??」
「そうだよ、オーストラリアワインの辛口。美味いよ……処女喪失記念に乾杯」
「恥ずかしい……乾杯……へぇ~、オーストラリア産って話は聞いたことがあったけど飲むのは初めて。でも、美味しい」
「カリフォルニア、チリ、オーストラリア……口に合うのを探すのもいいよな」
「クククッ、抱き心地の好い女も探している??本命は美香ちゃんでないと困るけど、浮気相手としちゃ私は最高だと思うよ」
「そうだな、一緒に歩くと自慢できる容姿だし、セックスの好奇心を満たしてくれる、本命って言うより秘密を持った関係には最高だな」
「ひどい言われ方、褒めてもらっている気がしない」
言い終えた佐緒里は内藤を見つめたままで、そっと目を閉じる。

ワインを口に含んで佐緒里を抱き寄せると性的昂奮で乾いた唇に舌を這わせて、ハァハァッと息を荒げる。
しどけなく開いた唇の隙間からワインを注ぎ込むとゴクッと音を立てて飲み込み、佐緒里の両手が背中と頬に伸びて濃厚なキスを催促する。
上唇、下唇と甘噛みすると舌も構って欲しいと催促するように這い出てくる。
舌先でつつきあって上下に重ねて擦りあうと、内藤の頬を擦る佐緒里の手に力がこもり、閉じていた瞳が開いて言葉にできない思いを伝えようとする。
「可愛いよ、佐緒里」
「ありがとう。あなたとの時間は本当の私でいられる」

内藤との関係が密になりすぎると本当の自分でいることに慣れてしまい、店で育ててきた偽者の魅力を損なうことになるかもしれないので今の関係が丁度いい。
店ではお客様に、冷たく感じる高めの好い女と言われることが多い。それは別れた亭主の事がトラウマとなって男性を信じることが不安で自然とバリアーを張っているに過ぎない。
店での源氏名さおりと違って本当の佐緒里は強い男に支配されたいと思い、それが別れた亭主を結果として増長させることにつながった。
本当の自分を見せると同じ過ちを繰り返しそうで自然と構えていたが、一目見た内藤の振る舞いに、あるがままの自分を受け入れてくれそうな雰囲気を感じ取り、両親が訪ねてくると言ってきたので無理を承知で難題を聞き届けてもらった。内藤は予想以上の対応で佐緒里の思う通りに両親の気持ちを操ってくれた.
自分の客にすることも出来たが妹分の美香の客にして、今の関係を続けるのが男性不信を払しょくするのにちょうどいいと自分に言い聞かせる。

この瞬間の幸せに酔いしれる佐緒里の気持ちを知るはずもない内藤が抱き寄せて唇を合わせる。
佐緒里の口腔に侵入した舌が歯茎をなぞり、上顎を撫でる。
絡ませたり擦ったり内藤の舌が自在に振舞うと期待していたアナルセックスで満足したはずの身体が火照り、脳天から火花が散るような新たな快感に襲われる。
「ねぇ、このまま続けてもいいの??我慢できなくなっちゃうよ??」
「佐緒里の可愛い口に放出して、アナル処女を頂いた。肝心のアソコはまだだけど、明日の朝まで楽しみは取っておこうか」
「ウフフッ、いいよ。私もその方が良い……今はスパークリングワインとカルパッチョを心置きなく味わいたい」

ボトルの半分ほどを残してシャンパンストッパーで栓をする。
鯛の切り身一切れが残った皿を見つめた佐緒里は、食べてもいいかと内藤に声をかける。
「佐緒里のために作ったカルパッチョだよ、最後の一切れを食べてくれれば嬉しい」
美味そうに食べ終えた佐緒里は満足そうな笑みを浮かべて内藤ににじり寄り、
「性欲も食欲も今日の処は満足した。抱っこして……」
ソファの肘掛けを背にした内藤は背中を預ける佐緒里を背後から抱きしめ、成熟した女とウールシャツの感触に酔いしれる。

偽者 ~PRETENDER~ -45

佐緒里と内藤 -17

湧き上がる性的昂奮を抑えることが出来なくなった二人は本能に導かれるように快感を貪り、騎乗位でつながったまま内藤は満足の証をアナルに吐き出し、佐緒里は熱い迸りを身体の奥深くで受け止めて内藤の胸に上半身を突っ伏してハァハァッと荒い息を漏らす。
何を語るでもなく内藤の右手は髪を撫で、大切にされていると感じる佐緒里はうっとり目を閉じて体重を預ける。
「重くない??こうしていると私のすべてをあなたが受け止めてくれたようで安心できる。もう少し、このままで……女はね好きな人に髪を撫でられると心地好くて嬉しいの」
「好きな人……反対もあるって言い方だね」
ゆっくり髪を撫でながら囁く内藤の声が心にしみる。
「別れた亭主がそうだった。この人のほかに好きになる人はいないだろうと思っていた頃は、髪を撫でられると私ほど幸せな女はいないと思ったけど、色んな積み重ねで嫌いになると、どうして大切な髪を触られなきゃいけないんだと思い始めた」
「分かるような気がする、髪は女の命って言うもんな。化粧の仕上げに髪を整えるほど大切な場所。すべすべして気持ちいい、すべてとは言わないけど佐緒里の隠れた魅力を指先が感じる」

アナルに違和感を残したまま髪を撫でられて羽化登仙の境地で目を細める佐緒里は身体も心も内藤に預けて心地良い時間を過ごす。
一度は惚れた元亭主の面影を忘れることが出来ずにいたが、記憶の片隅に片付けることが出来そうな気がする。
愛し愛されていると信じていたあの頃の記憶を葬るために、強く逞しい男の肌を求めていたような気がする。
そんな気持ちと二度と男に裏切られたくないという思いが交錯して強い男に支配されたいと思うようになっていた。
男を信じられないという思いと共に、何もかも包み込んで強く抱きしめてくれる男を待っていた。
内藤がそんな男かもしれないと思うと全身の毛穴が開いて、嫌な想い出が汗と共に流れ出ていく。

「アンッ……だめっ」
内藤の胸に上半身を預けるとアナルに飲み込んだままのペニスは自然と挿入が浅くなり、満足の証を吐き出した後とあっては時間の経過とともに漲っていた力が抜けて萎れてくる。
ペニスが抜け落ちる寸前で佐緒里は手を添えて引き抜き、鈴口から滴る男汁の残滓を舐めとり、キャッと悲鳴にも似た声を漏らして尻に手を伸ばす。
内藤がティシュを取り尻にあてると、
「恥ずかしいから先にバスルームに行って、お尻からあなたのモノが流れ出るところを見せたくない」

バスタブに湯を張りながら汗を流していると、入るねと声を掛けた佐緒里がドアを開ける。
俯いたままで視線を合わせようとしない佐緒里を抱きしめ、チュッと音を立てて額に唇を合わせると、
「子供じゃない、こんなのは嫌」
二人の身体の間で乳房が歪になるほどギュッと抱きしめて唇を合わせ、舌を絡ませる濃厚なキスをすると控えめに振舞っていた佐緒里の舌や唇が性的興奮を隠そうともせずに大胆に蠢き始める。

「ハァハァッ、やっと落ち着いた。アナルセックスをおねだりしたのは、はしたない事かなと思っていたけど、今のキスであなたは非難してないって思えた。そうだよね??」
「あぁ、セックスは食事と同じくらい大切な事。食に十人十色の嗜好があるけどセックスでも同じだと思うよ。それぞれに好悪の感情はあるだろうけど、食事でもそれは同じだろ??」
「ウフフッ、あなたはどんなセックスでも認めるの??」
「大抵のことは認めるよ。しちゃいけない事はダメだけどね。それと、オレがするかしないかは別問題」

「クククッ、くすぐったい。気持ちいいけど……イヤンッ、お尻は満足したけどアソコがしてほしいって言うかもしれないよ」
密着した二人の胸の隙間にボディソープを垂らして身体を擦り、背中から腰を手が這い回ると佐緒里の表情が緩み、身体を捩らせながら逃げようとする。
「こんな風に洗いっこするのは嫌い??」
「嫌いなわけないよ、急だったから身体がびっくりしちゃったの」
相手の身体に悪戯をしながら身体を擦り合って汗を流し、泡まみれの身体を流すこともせずにバスタブに浸かる。
内藤の胸に背中を預けて寄りかかる佐緒里は胸と腹部に添えられた手に自分の手を重ねて目を閉じる。
「泡まみれのまま湯に浸かるって気持ちいい。湯に浸かる前には汚れを落とす、当たり前のことだけど、たまには違うこともしてみたい……些細なことだけど、こんな時間を過ごしたかったのかもしれない」
「そうか??どうせ風呂を出る前にシャワーをぶっかけるんだろ??二度も流す必要はないだろ」
「えっ……言われてみれば、そうだよね。なんか新鮮、あなたといると何か面白いことがありそう」
プロフィール

ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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