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彩―隠し事 83

栞がお泊り-2      

新たなボディシャンプーを垂らして手の平で塗り広げると花の香りが浴室を満たし、透明感のある優子の肌を愛おしむように撫で続けると香りはトップノートのブーケからミドルノートやアンダーノートのバラの香りに変化する。
エレガントな香りは優子の雰囲気に違和感なく馴染み、乳房を揉む栞の気持ちを華やいだものにする。

「イヤンッ、洗い終わったでしょう??オッパイをクチュクチュして欲しいって言ってないよ」
「そうだっけ。じゃぁ、オッパイは止めてここをイジイジしちゃおうかな」
優子の背中に被さるようにして腰から回した両手が下腹部を這い回り、その手は徐々に下りて飾り毛を摘み取られた恥丘を撫でる。
「ウフフッ、可愛い。ポッテリといやらしい土手がツルツルして気持ちいい」
「アンッ、いやっ……」
指先が割れ目の縁を擦り、鼠径部を行き来すると切な気な吐息を漏らして上半身をウネウネと蠢かす。
優子の柔らかな肌が乳房や、その先端をくすぐると悪戯を仕掛けた栞も息を荒くして手の動きが激しさを増す。
アッアゥッ、クゥッ~……いやっ、そんな事を、ずるい……ヌチャヌチャッ、クチュクチュッ……優子は下半身を襲う快感に背中を預けてうっとりと身体を震わせ、栞は優子の身体が震えると背中が乳首を擦って予期せぬ快感に奥歯を噛み締める。

栞の指がボディシャンプーをローション代わりにして内腿を這い、鼠径部から割れ目の縁を撫でると優子の両足はしどけなく開く。
妖しい期待で子宮が疼き、心臓がドクドクと早鐘を打ち始めるのを意識する。
「優子、どうして欲しいの??言わなきゃ分かんないよ」
「いじわる。知ってるくせに……学生時代からずっと、二人だけでいる時は私の事をこんな風に苛めてきたでしょう??」
「苛めたりしたことはないよ。優子の事が好きなんだもん、しょうがないでしょう??……ねぇ、これはどうしたの??」
栞の指が消えたと思っていた縄模様を擦る。
「分かんないよ、どこかにぶつけたんだと思う……」
「ふ~ん、そうなんだ」

縄の痕を栞の舌がなぞる。
「ウッ、いやっ、やめて……」
「えっ、ゴメン。痛いの??」
「そうじゃないけど、変な感じ」
舌が離れて再び指がなぞり、背中に新たなボディシャンプーを振りかけられる。
優子の背中に覆いかぶさるようにして乳房を覆い、身体を接して擦り合わせる。
ヌチャヌチャッ、クチュクチュッ……ハァハァッ……ウッウッ、いやぁ~ン……シャンプーが粘性を帯びた卑猥な摩擦音を立て、二人が漏らす甘い吐息や切ない喘ぎ声がバスルームを卑猥な雰囲気にする。

「あんっ、気持ちいぃ……」
「私も気持ちいぃ。ヌルヌルが好いの。優子のムッチリとした肌が吸い付くようで気持ちいい」
中腰になった栞は優子を抱きかかえるようにして身体を上下左右に動かし、泡まみれの陰毛で背中を刺激する。
「優子、分かる??」
「うんっ、気持ちいい……何かで見たけど、タワシ洗いって言うんだよね??」
「そうらしいね……ツルマンの優子でもできる壺洗いって知ってる??」
えっ、一言漏らして首を傾げ、記憶を辿る優子の右手を手に取った栞は、
「こうするんだって……」
優子の中指を摘まんで口に含み、二度三度と出し入れして滑りを与え、中腰になってバギナに飲み込み腰を上下する。
「アンッ、いやっ、私が気持ちよくなっちゃう……ソープ嬢がお客様の身体をマン毛で洗うのがタワシ洗いなら、アソコに指やチンチンを挿入して洗うのを壺洗いって言うんだって……だめっ、洗うはずの私が我慢できなくなっちゃう」

その後も向かい合って身体を擦り合って、そのままキスしたりとシャンプーの発散するバラの香りがバスルームに充満するにつれて淫猥遊びは濃密さを増していく。
股間に腕を差し入れて擦ったり、会陰部から尻の割れ目に指を這わせて窄まりの中心で指先に力を込めてアナルを意識させたりと栞の好奇心は留まる事を知らず、優子の身体は水面に浮かぶ木の葉の様に翻弄されるままで奥歯を噛んで必死に堪えると快感は身体の奥深くまで忍び入り、狂おしいほどの昂ぶりに気が狂いそうになる。
「優子、我慢しちゃだめよ。自分に正直になるの……わかるわね」

学生時代からの長い付き合いで優子の身体の隅々まで知り、性感の源泉を熟知する栞の悪戯はツボを外すことがない。
その上、セックスにどん欲な栞は愛する人と結婚した今でも好奇心は留まる事を知らず、新たな知識を求めて行動しているようだ。
そんな栞に責められる優子は、清楚な人妻と言われることをかなぐり捨てて、知り合った健志と淫蕩な遊びに興じ始めた処でもありこれまでの反応とは何かが違う。

「この何かの痕と言い、今日の優子は何かが違う。自分に正直になりなさいって言ったけど、優子の身体は自然と開いてくるもん。自分から新たな刺激を求めているような気がする……本当に何もしてない??浮気とか??」
「そんな事……アゥッ、ウッ、クゥゥ~……あ、私に出来るわけないよ」
思わず、彩と言いかけた優子は頬を真っ赤に染める。
「うん、分かった。優子は、そんなことが出来ないよね……」

身体を拭き終えた優子は脱衣所をそっと開いて夫の帰宅していない事を確かめ、「栞、部屋に戻るよ。急いで……」
スッポンポンのママ、両手で胸と股間を押さえた二人は優子の部屋を目指して速足で歩く。
「ウフフッ、何か楽しいね。自分の家で誰もないと思ってもドキドキ昂奮した」
「本当だね、前を歩く優子のプリケツがプリンプリンして美味しそうだった……クククッ、乾杯しようよ」

「栞といつまでも親友でいられますようにと願って、乾杯」
「優子の大切な仕事のお手伝いができる幸せに、乾杯」

彩―隠し事 82

栞がお泊り-1     

火曜日の午前中は通常業務をこなし、午後は栞と松本に声を掛けて会議室にこもって新規プロジェクトの方向と目的を伝えて議論を深めていく。
特に重要な事として二人に話したのは、当分の間、小さな成功を積み上げて三人の信頼感を増して大きな土台を構築することに尽力しようということ。
信頼感が増せば相談や議論もスムーズに進むだろうし状況判断も正確になるはず。
松本が最後に、
「これまでも鍬田さんの仕事ぶりを参考にしてきましたが、これからはロールモデルとしてキャリアアップのお手本にさせていただきます」
と、話した時は、
「あらっ、松本さんも好きな男とエッチな事をすれば感性が磨かれるし積極的な生き方が出来るようになるよ」と、言いそうになるのを笑って誤魔化した。

栞の告白や前日退社前に課長に栞との関係を告げられた事もあって、二人の様子を何気ない振りで注視していたが不倫の気配はみじんも感じさせず、性的な場面での栞の抜け目なさに舌を巻く。

栞と並んで駅へ向かう途中、
「優子、今日はお泊りさせてくれるでしょう??約束だからね……」
今朝、改めて確かめた限りでは乳房に残った縄の痕はほとんど気付く事はないと思ったものの、そういう事に関しては勘のいい栞だけに一瞬、返事を躊躇してしまう。
「夫には優子んチでお泊りするって言って出たから帰るわけにはいかないし、断られたら課長を誘っちゃおうかな……それしかないよな、可哀そうな栞ちゃん」
胸の前で指先を弄りながら上目遣いに優子を見る栞の甘え上手に、彩もこれを健志に試してみようと不埒な事を考える。

「ねぇ、どうなの??今日の私を家なき子にしないでしょう??」
「分かった、好いよ。条件は……変な事をしないでね。ご主人のチンチンならしょうがないけど、他人棒を舐めたりしゃぶったりしたお口で私を嬲ったりしないでね」
「えっ、優子……金曜から日曜にかけて何かあった??以前の優子は絶対にそんな事は言わなかったよ……ねぇ、誰に抱いてもらったの??ご主人??それとも……浮気しちゃったの??」
「そんな事をするわけないよ。私にできるはずないでしょう??」
「そうだね。勿体ないなぁ、優子なら大抵の男が並んで順番を待つのに、クククッ、課長は並ばせないけどね」
すれ違う人や追い越す人に気付かれないように小声で話すものの、楽しげに話す優子と栞は他人の目を引かないわけもなく、会話の内容に顔を顰める人やクスッと笑みを漏らす人など反応も様々で、それに気づいた優子は栞をつついて注意を促す。
「クククッ、私たちは注目を浴びているの??それは、ちょっと……優子、駅まで走るよ」
「待ってよ」……突然、走り始めた栞を追う優子は、マリンスポーツやヨガに興じている事もあり難なく追いついて余裕綽々で並んで走る。
「ハァハァッ……優子と私の差は少しずつ開いていく。何か始めようかなぁ……」
息を荒げる栞は難なく走り切った優子を眩しそうに見て表情を緩める。
「私の通っているプールに行く??泳ぐのって気持ち好いよ、水に抱かれて束縛するものを何も感じないの。自由を満喫できるよ」
「水に抱かれるよりも男の人に抱かれる方が好きだけど、考えとく。その気になったら、お願いするね」

話しに夢中になっていても車窓の景色が最寄り駅の見慣れたものになると、
「着いたみたい、下りるよ」
「えっ??あっ、本当だ。やっぱり優子はしっかりしている」

改札口を出るのを待っていたかのようなタイミングで夫から、残業になっちゃったから夕食は必要ない、連絡が遅くなってゴメンと連絡があり、優子は、栞が泊まるんだけど、駅に着いたところだし何か食べて帰るから気にしないでと返信する。
スマホを覗き込んだ栞は、「浮気……なの??」と、優子の顔を覗き込み、

「言い訳じみた処がないから、本当に仕事みたい」と、答える。
「フフフッ……浮気は悪い事だと思っているんだ。可愛い処があるじゃない……私なんか、課長に抱かれながら、こんなに気持ちいいんだから帰ったら旦那に優しくしてあげよう。気持ち良さのお裾分けって思ったもん」
「えっ、罪の意識ナシで居直っているの??最悪、ご主人が可哀そう」

駅前で食事を済ませた二人はスパークリングワインを買って家路につく。
帰宅した優子はすぐに風呂の準備を始め、栞は用意してきた化粧品や下着、翌日の衣服をバッグから出して、勝手知ったる家、ワインクーラーに氷と水を張ってスパークリングワインを冷やす。
「どうする、一人ずつ??それとも一緒に入る??」
「クククッ、一分一秒を争うようにお風呂の準備をしたのは、ご主人の帰宅前にお風呂で遊びたいって言う意思表示でしょう??好いよ、優子んちに留めてもらうのだから従うよ。さぁ、入ろう、優子の背中もアソコもお尻も洗ってあげる」
「もう、変な事を考えるだけで栞の事を出禁にしちゃうからね」

栞が静かにバスタイムを済ませるわけもなく、優子の背中を洗ってあげると言って最初は大人しく言葉通りにしていたものの、徐々に手は脇腹から胸の膨らみに伸びてヤワヤワと揉み始める。
「ねぇ、何処を洗って欲しいか言って、優子の事が大好きなんだもん」
学生時代からこんな事を繰り返して優子の性感帯を知る栞に耳元で囁かれては堪える術もなく、アンッと艶めかしい吐息を漏らして乳房に伸びた手に自らの手を重ねてしまう。
「ダ~メ、そんな事をしたら洗えないでしょう……それより、一つ聞いてもいい??」
「なに??どうしたの??」
「この何か擦ったような痕、これはどうしたの??優子らしくないよ」
「えっ、そうなの??気付かなかったけど、どんな痕??私らしくないって、どういう事??」
「ごめん、気に障る言い方だったら謝る。ごめんなさい……ずっと前、学生時代にアルバイト先で火傷をしたことがあったでしょう??火傷痕が残ったらどうしようって心配したのを覚えてる??……この白い肌に擦れたような痕、あの時の優子を思い出すと、ウフフッ……でも、色っぽいよ。」

栞の手が乳房を揉み先端を摘まんで唇が首筋を這っても優子は抗うことはせずに背中を預けて快感に酔っているように見える。
「優子も、こんな風にしたかったの??久しぶりに楽しもうね」
優子の肌を知る栞の与えてくれる快感に酔う気持ちもあるが、変に抗って脇腹に残る縄の痕を詮索されたくないという気持ちもある。

彩―隠し事 81

月曜日        

人見知りをするし慎重派と自己診断する優子は自分でも気付かぬうちにスイッチが入ると、どうしてと思うほど大胆な行動をすることがある。
学生時代から仲の好い栞は性も含めて何事にも大胆かつ奔放で、お互いに自分にないものを持つことを認め合い尊敬もしてきた。
そんな栞に連れられてSMショークラブやAV撮影を見学するうちに健志と知り合い、清楚で上品と知る人が表現する優子は彩という別人格に変身して密かに憧れていた淫らな享楽に耽る女に変身する。
夫の浮気を原因としてセックスから遠ざかり、女盛りの身体の疼きをオナニーで満足させていた優子は、彩との棲み分けも出来て昼も夜も満足できる生活を送っている。
夫とは愛し合っていると信じていた時間を取り戻すまでに至っていないものの、イライラすることもなくなり共同生活者としての関係は特に差し障りもない。
性生活は彩に変身して健志と満足しているし、そうなると優子でいる時間も積極的になり、課長を相手に挑戦してみたい仕事があると話すと、分かった、新規プロジェクトとして立ち上げることが可能かどうか部長に相談してみると言ってくれた。
話しはトントン拍子で進み、常務・部長・課長を相手に優子の考える新規事業の説明を行い、立ち上げを認められた。

いつの間にかリーダー格に押し上げられていたことはあるものの、自らが先頭に立って事を行う経験はなかったので、事業だけではなく自らの足元を固めつつ慎重に進めたいということも了承していただいた。
変な失敗をすると今後の女性社員のやりがいに水を差す事にもなりかねないので、やるからには成功したいと強く思い、握り締めた手を胸に手を伸ばすと乳房に残る縄模様を想い出して苦笑いを浮かべる。

栞と松本と三人で昼食を摂りながら優子の思いを伝え、ここに至る経緯と必要な資料収集に協力してもらったお礼と、これからも一緒にやって欲しいと改めてお願いして結束を固くした。
当分の間は通常業務と並行して周囲に負担をかけることなく進めることが、このプロジェクトの早期成功に結び付くということも確認し合った。
「学生時代から優子は私とドッカ違うと思っていたけど、やっぱりね。芯の強さはここ一番に発揮してこそ効果的……優子、私に夢を見させてね」
「あっ、私も鍬田さんと栞さんについていきますから、これからも宜しくお願いします」
ウフフッ……アハハッ……頑張ろうね。仕事は与えられるものじゃなく、自ら切り開いていくものって心意気でやろうね。

落ち着いてと高揚しそうになる自らの気持ちを鎮めるために胸に手をやる度、乳房を絞り上げた縄の感触を思い出して密かに苦笑いを浮かべる。
性生活の満足が仕事にも好影響を与えてくれると思うし、そのためにはオナニーだけではなく元気な男根を目の前にして擦ったり舐めたりして、欲情が頂点近くに達して腿にまで達する蜜を潤滑油にして膣壁を抉られると、めくるめく悦びに包まれて女に生まれた幸せを感じることが出来る。
セックスへの妄想が心地好い刺激となって気分転換を図ることが出来て予定通りに月曜の終業時刻を迎えることが出来た。

「優子、今日はどうするの??」
「まっすぐ帰るよ。今日は勘弁して……」
「分かった。独りで考える邪魔はしない、気分転換のエッチな話は今度ね」
「クククッ、好い加減にしなさいよ。不倫相手が社内に居るリスクは相当だよ」
「は~い、気を付けます……優子が怖いから今日は真っすぐ帰ろう。明日は泊めてよ、約束だからね」
「うっ、うん、たぶん大丈夫だと思う」

他人は優子の事を貞淑な人妻と呼ぶが栞は成熟した女性らしい性的好奇心を持っていることを知っている。
そんな栞にも乳房に残る縄の痕を見られたくないし、彩が突然に姿を現すかもしれないと思うと縄模様が消えるまで家に迎えるわけにはいかない。

栞と松本を見送り、ガランとした室内で黙々と為すべきことを済ませた優子が両手を頭上に伸ばして、フゥッ~、終わったと独り言ちるタイミングを待っていたかのように課長が姿を現す。
「おっ、頑張っているね……仕事と関係なく2分ほど時間をもらえるかな??」
「どんな事でしょうか??」、まさかと思いながら緊張を湛えた声を返すと、
「ざっくばらんに質問するよ。栞君が何か言ってなかった??」
「えっ、どういう事でしょうか??」
「そう言われると困るんだけど、私から言いだした事だし……困ったな??」
「課長と栞のプライベートな関係でしょうか??」
「やっぱり、鍬田君には話しちゃったか……恥ずかしながら、そういう事だ。誤魔化す積りはないけど……困ったな。時々、自分でもどうにも出来ないくらいムラムラしちゃうんだよ。自慢出来ることじゃないけどな」
やはりと思った優子は、
「大丈夫です、秘密は守ります。信じてください……上司としての課長は信頼できるし、栞は学生時代からの親友です。親や夫にも言えないことを相談し合う仲です」
「ありがとう……私は仕事に区切りをつけるため一頑張りするよ。鍬田君は終わったんだろう??……お疲れさま」
「お先に失礼します」
「うん、さようなら……鍬田君だから大丈夫だと思うけど、頑張りすぎないようにな……」

精一杯の気持ちを込めて用意した夕食を、ぎこちない雰囲気の中で済ませた夫は言い訳と共に自室に入って姿を見せる事はなく、優子は後片付けや翌日の準備を終えてバスルームに向かう。
乳房に残る縄模様を温めたり優しく擦ったり血行を促すと痕は薄くなり、翌日、栞を迎えても密かな遊びを気付かれる事はないだろうと安堵する。

脱衣室の姿見にハダカンボの全身を映すと自然と笑みが浮かぶ。
モデル体型好きの男はともかく、ムッチリ好みの男にとっては魅力的な身体だろうと思う。
小柄ながら白い身体は染みもなく、胸の膨らみは男の手の平が揉みしだくのに丁度いい大きさだと思うし先端や乳輪は清楚な雰囲気を宿していると思う。
ウェストの括れを経て腰から太腿に至るラインは自分の身体だと思ってもエロっぽく、つい手が伸びてしまう。
手の平で太腿から腰へ撫で上がって尻を撫で、内腿を擦って鼠径部から大陰唇へと指を這わすと鏡の中には自分とは思えないほど色っぽい女がいる。
アンッ……割れ目の縁を上下する指は泥濘に吸いこまれるように姿を隠し、壁に寄り掛かって目を閉じ、オナニーに没頭すると健志が瞼の裏に浮かぶ

彩―隠し事 80

彩から優子に戻る     

帰宅した彩はシャワーを浴びて気分を一新して優子に戻り、翌日の仕事の準備をしながら夫の帰りを待つ。
健志が口にした夜の繁華街の光と影が、優子の提案するプロジェクトのプレゼンテーションのヒントになりそうだと明日の出席者を念頭に考えを巡らす。

光は流行で、それを物足りなく思うのを影と表現し、光が濃くなればなるほど影も濃くなる。
影は二ッチ市場、優子はそこでオンリーワンを目指す。
成功すれば真似をしたり、同じ市場で切り口を変えてアプローチしたりする者も出てくるだろう。真似をされるようなプロジェクトでなければ成功とはいえないだろうし、元々の人見知りする優子に戻ってしまうかもしれない。
陰の部分では健志に巡り合ったこともあって彩に変身できているので、陽の部分でも成功したいと思う。
一時の成功に満足すれば直ぐに時代遅れとなるだろう、変化を恐れず歩みを止めることなく挑戦を続けると決意する。

プレゼン資料を作成してプリントアウトは課長に確認してもらってからでも間に合うだろうと緊張を解き、安堵と共にフゥッ~と息を吐くと健志との痴態が思い出されて自然と手が乳房に伸びる。
ブラジャー越しにヤワヤワ揉むと両足から力が抜けてしどけなく開き、昂奮で乾いた唇に自然と舌を這わす。
「ウッウッ、ウゥッ~……いやっ……」
ブラジャーをずらして乳房を揉むと自然と吐息が漏れ、指は甘い記憶と共に胸の膨らみに残した縄の痕に触れる。
縄模様を愛おしむかのようになぞり、眼を閉じて乳房を揉み、片手を股間に伸ばしてショーツ越しに割れ目を撫でると早くもジュンと蜜が滲み出る。
ショーツの脇から指を侵入させた丁度その時、ガチャガチャと玄関で音がして、
「ただいま……今、帰ってきたよ」と、夫の声がする。
「お帰りなさい。お疲れさま……疲れたでしょう??お風呂の用意が出来ているよ。食事は入浴後で好いでしょう??」
「ありがとう。これは、お土産……風呂に入るよ。食事の前に明日の準備をしたいから先に寝てもいいよ。後片付けは出来るから心配しなくても好いからね」
「そう??お土産をありがとう。じゃぁ、先に休ませてもらうね」
お互いに心底嫌っているわけじゃないものの、夫の浮気を原因としてぎくしゃくした関係は当分続きそうだ。
何が切っ掛けだったのか忘れるほど前から寝室も別になりセックスもなくなった。
イライラする気持ちを仕事にぶつけて自分を誤魔化してきたが、健志と知り合った今は気持ちも身体も満足して夫は夫、私は私と無関心ということでもなく穏やかに過ごすことが出来ている。

自室に戻ってお土産の封を解いた優子は声を出して笑ってしまう。
フフフッ……優子の好きな駅前の店のアイスタルトが入っている。
お土産が駅前の店というのは気に入らないが優子の好きなモノを忘れていないことを素直に喜ぶ気持ちの余裕はある。
今はあの人としか呼べない夫と仲良く手をつないで出かけた頃が懐かしい。

夫が帰宅した今となっては乳房に残した縄の痕を愛おしむ気分にもならず、ベッドに入って部屋の灯りを消す。
明日は大事な仕事があるから眠ろうと思えば思うほど目が冴える。
燃え盛り始めていた性的な欲求は帰宅した夫を穏やかに迎えたことで姿を消したはずなのに、身体の芯に残る火照りは冷めることなく身体と気持ちを苛む。
フゥッ~・・・暗い天井を睨んで息を吐いた優子は乳房を揉んで股間に指を伸ばす。
眼を閉じると瞼の裏に浮かぶのは健志の姿。優子に戻った今、それはまずいと思い天井を睨んだまま独りエッチに励む。


「おはようございます……課長、今日は早いですね」
「鍬田君の大切な日だからね、一応、打ち合わせをした方が良いかなと思ってね。私が心配する必要はないと思うけど、お節介を許してくれよ」
「とんでもございません。お心遣いありがとうございます……レジュメとこれが説明させていただく内容です。ご覧になってください」
眉間に皺を寄せて真剣に目を通した課長は表情を緩めて、
「好いだろう。光と影の説明、いつもながら鍬田君のアイデアに敬服するよ。これなら常務も納得して下さるだろう」


「優子、どうだった??」
「やるだけの事はやったけど、結果は分からない。課長が常務や部長と最終の打ち合わせをしているから課長がお帰りになれば分かると思う」
「そうなんだ……プロジェクトの開始って許可が出れば私を呼んでね、約束だよ。課長の許可はもらっているんだから……ウフフッ」
「えっ、栞、まさか……なの??」
「そうなの、やっちゃった。紳士のようでベッドでは見事な狼に変身、啼かされちゃった。今日、優子んちに行ってもいい??詳しく教えてあげる」
思わず胸に手を伸ばした優子は、乳房に残る縄模様を想い出して、今日はダメなの、明日ならと答える。
「そうか、そうだよね。プロジェクトの詰めが必要だよね……明日ならいいんだね??」
「えっ、うん……いいよ」


「鍬田君、ちょっといいかな??」
優子を会議室に招き入れた課長は、
「常務から許可が出たよ。鍬田君の説明に沿って概ね認められたので、当初は鍬田君を含めて女性三人で始める。報告は私に、私から部長に、必要があれば部長から常務に説明するということで、予算については当分の間、部長決済どする……大体こんな事だけど、質問は??」
「いいえ、ございません。ありがとうございました」
「あと二人だけど、一人は栞君だろ??もう一人は??」
「松本さんに頼もうかなと思っています。今回の資料集めを手伝ってもらって要領を心得ていてくれると思うので……どうでしょうか??」
「松本さんか、好いと思うよ。鍬田君の二期下だね……仕事は、これまでと並行してということでいいんだね??それと、机は配置換えして三人で島を作っても好いよ」
「当分は、これまで通りでお願いします」
「分かった。必要があれば何でも相談してくれよ」

「栞、松本さん、昼食の予定がある??」
「えっ、鍬田さん。プロジェクトを進行できるんですか??」
「そうなの、栞と松本さんのお陰。これからも宜しくね」

彩―隠し事 79

日曜日 貞淑な妻に戻る        

健志の胸に顔を埋めて抱きかかえられるようにして眠っていた彩は食欲を刺激する匂いで目を覚ます。
そばにいたはずの健志は手に触れることがなく、視線を巡らしても姿はない。勝手知ったる部屋とばかりに健志の白いシャツを取り出して下着を着けずに素肌に羽織って、匂いの元を探してベッドルームを出る。
前夜、彩と健志の卑猥な遊びの舞台となったソファは何事もなかったかのようにいつもの場所にある。
陽光が差し込む部屋の眩しさを避けて手をかざし、ベランダを見ると昨日とは別のチノパンにシャツを着た健志が朝食を用意したテーブルを前にして椅子に座り、
「おはよう。今日の彩は昨夜とは別人のようだよ、清楚で上品。パイパンマンコの持ち主でセックスに貪欲なスケベ、そんな雰囲気は微塵も感じさせない……オレが知っている彩が本物なのか、今、目の前にいる名前も知らない清楚な女性が本物なのか、知れば知るほど魅力的な女性だよ」
「クククッ……褒め言葉として受け取っとくね。でも、今の言葉は正確じゃない、昼間の清楚で上品な時は健志には会わないの……だから、ほら……」
白いシャツの裾を引き上げると、守るモノが何もなく、くすみの少ない股間が姿を表す。
「ねっ、健志の知っている彩のママでしょう……おはようのキスをしてくれないの??」

彩を見つめる健志の眩しそうな顔に自然と笑みが浮かび、そんな健志を見つめる彩の表情も屈託なく緩む。
「白いシャツがお日さまを反射して眩しいの??」
「嫌な女だな。キラキラした彩が眩しいんだよ。夜の灯りに慣れ過ぎたようだよ」
大きく開いた両手を彩に向けて伸ばすと、その間に入り込んで腿を跨いで首に両手を回し、
「昨日は気持ち良かったよ。知らない人に見られるかもしれないというドキドキ感も味わえたし、健志の吐き出した火傷するほど熱い満足の証も受けたし……今日は、お日さまが眩しい」
空を見上げる彩は目を眇め、いかにも眩しそうな表情になる。
「可愛いな。昼間の彩も魅力的な女性だろうと思うと残念だよ」
「うちの旦那をぶっちめて昼も夜も健志のモノにしたい??」
「そうだな、できる事ならそうしたいと思うよ」
「嬉しい、そう言ってくれるだけで彩は幸せ。本当にそんな事をするには全てを捨てる覚悟をしなきゃいけないけど……彩には無理」
「仕事??それとも、ご主人??」
「両方。今はピンチだけど好きで一緒になった人だし、健志も言ったでしょう。彩も主人以外の人とエッチすれば気持ちが分かるだろうし優しくなれるって。あれは彩を抱くための方便だったの??」
「そんな積りはなかったけど……改めて考えると何とも言えないな」
「そうなんだ……お腹が空いた。食べてもいい??」

牛乳だけのシンプルなオートミール、ベーコンと玉ねぎとキャベツのスープ、プレーンオムレツとソーセージ、ブロッコリーなどの温野菜がテーブルいっぱいに並んでいる。
どれもこれも湯気と匂いが食欲をそそり、たっぷりの牛乳を入れたミルクティが身体を芯から温めてくれる。

駅周辺の煌びやかな灯りは消えたものの健康的な賑わいは日曜の朝も絶えることがない。
「ねぇ、聞いてもいい??……夜の繁華街に人が集まれば集まるほど明るさが増し、それに伴って陰も濃くなるって言ったよね。影は悪なの??」
「どうしてそんな事を聞くのか分からないけどオレが思うのは、人間の欲望を満足させるのは困難だと思う。意識しないけど、何か満たされない思いが影となるんだと思うよ」
「うん、大体わかった。実はね明日、担当役員に新規プロジェクトの説明をしなければいけないんだけど、なんかヒントをもらったような気がする。それと、風俗って新しい業態って言うか次から次に法の網をくぐるような店が出来るでしょう、それはどう思うの??」
「欲望に限りがないってのが一番の理由で需要と供給って事だと思うけど、新規業態の店が出来て、その店が人気になれば、どうするか??」
「競合店や新規加入業者はどうするの??」
「これまで通りの店も当然あるだろうね。真似をする、その店を上回るサービスを考える……一番新しいって言うのは常に目標になるから、近い将来、一番じゃなくなる可能性が大きいだろうね。常に先を見て歩き続けることが必要だと思うよ」

食べる手を止めて健志の話を聞く彩は、何かが閃き頭の中が自分の意思を超えて駆け回るのを意識する。
「何か考えているようだけど、夜の街の妖しい蠢きが昼間の彩の仕事のヒントになるの??」
「まだ、はっきりと、まとまらないけど、イメージが掴めそうな気がする。昼も夜も対象は人間、ヒントはあると思うの」

すべての皿を空にしてミルクティを飲み干した二人は後片付けを終えて再びベランダに戻る。
椅子に座る健志の腿に座った彩はシャツのボタンを外して乳房に残る縄模様を愛おし気になぞる。
「誰かに見せてあげたい……夜の私は彩という女に変身して、こんな事をして楽しんいるんだよって」
「この白いムチムチとした身体はオレの許可なしで他人に見せちゃだめだよ。分かった??」
「彩は健志のモノなの??健志の女なの??……そんな事を言われて悦ぶ女だったんだ、彩は……ウフフッ、キスして」

唇を合わせて互いの身体を擦りながらも、彩が清楚な人妻に戻る時間が近付いているという現実がそれ以上の事を躊躇わせる。
「どうする、途中まで送ろうか??」
「駅まで歩いて電車に乗るから健志はここから見ていて……それより、縄やオモチャを他の人に使っちゃ嫌だよ」
「そんな事をするわけないよ。大きい紙袋に入れて彩が封印のサインをしとけばいいよ。オレが信用できないならね」
「クククッ、信用するけど、秘密めいていて楽しそう。それを採用」

坂道を駅に向かう彩を見送る健志は、
「あや~、浮気しちゃだめだぞ」と、他人を気にする様子もなく大声で叫んで手を振る。
彩は、笑みを浮かべる人や驚いた表情で彩と健志を見比べる人たちに軽く会釈し健志に手を振り足早に歩き始める。
駅に向かう時間と電車の時間、最寄り駅から自宅までの時間に彩から普段の自分に戻り、健志との記憶を封印して貞淑な妻に変身し、出張だと言って浮気する亭主を笑顔で迎えることが出来そうだと思う自分に恐れを抱く。

プロフィール

ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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