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お見合い -4

「こんな事を言うのは卑怯だと重々承知しているけど泊りは出来ない。22時になれば家に帰る。マイルールでこの二つを曲げることは出来ないので承知してくれ」
こんな条件で付き合うことを承知してもらった。
悪い男は暴力など分かり易いワルサをする。狡い男は言葉で女性を傷つける。
「アユが別れたいと言えば、何も要求せずに承知する」とも言った。
オレは狡い男だろうと思う。
アユに対してだけではなく妻に対してもそうだ。
相手の女性の立場や考えを尊重すると言いながら、実は保身のための逃げ口上ではないかと自問することがある。

付き合いが5年に近くなったある日、アユの部屋でのんびりしていると、
「あなたとお泊りしたいな」と、冗談めかして話すアユに、
「そうだな、近いうちにホテルを予約するよ。場所は教えないけど楽しみに待ってくれ」
そんなオレに対して、
「そんな嘘を平気で言うあなたは信用できない、直ぐに出て行って……」
普段は22時になるとサヨナラを言い、アユの希望で名古屋や新潟に行った時もルールを守って宿泊することはなかった。
オレが一人で実家に帰った時、大阪駅近くのホテルを予約してアユを泊らせ、宿泊はせずに夕食と朝食を一緒に摂ったことがある。
そんなオレが一泊すると言ったのをぬか喜びさせるような冗談は好きじゃないと激怒して別れを告げられた。
後日、アユから言い過ぎた事を許しほしいと言われて関係を修復し、その時、
「幼馴染のお子さんが結婚するので実家経由で大阪へ行くんだけど、ホテルを予約するから来ないか??当日は店も休みだろう??」
「その積りで楽しみにしていろと言ったの??」と、確かめるアユにオレの言葉が嘘ではなかったことを証明できた。

以前、ラブホでコトに及ぶ前に何かの拍子でシーツを捲ると防水シートが敷いてあり、如何にもといった準備に、する事はしたが気持ちが萎えた事があった。
それ以来、可能であればホテルのデイユースを使うことにしている。
アユとも何度かデイユースを使ったし、名古屋に行きたいと言うアユが謀り、見たかった美術館が開いてないからデイユースを予約しておいたと可愛い笑みを浮かべたこともあった。
そんなアユとのホテル泊は今となっては懐かしい想い出だ。

大切な妻といる時は本気で好き。アユといる時も好きという気持ちに偽りはない。
好きな食べ物を二つ目の前に置かれて、どっちが好きかと問われれば両方好きと答えざるを得ない。
但し、どちらか一つしか食べられないとなれば選ばなければならない。
妻が一番大切な人。
アユとの円満な別れを望むなら振られるのが最良の方法だと思う。
嫌われようとするわけではなく、オレより好きな人が出来たと言われるのがいい。
とは言え気持ち良く受け入れるのは難しく、気持ちは抑えている積りでもイライラは募る。

そんな身勝手ともいえる気持ちがアユにシャワーを浴びせる衝動につながる。
シャァッ~シャァッ~……最大の湯量で降り注ぐシャワーから逃れようとするアユを突き入れたペニスと左手で動きを封じ、激しく出し入れを繰り返す。
シャワーを止めてハンガーに戻し、立ちバックで責める男は背中に覆いかぶさり左手で胸の膨らみを揉みしだき、右手でクリトリスを刺激する。
シャワーハンガーに戻されたヘッドから降り続ける湯は言葉にできない思いを抱える二人を濡らし、それはあたかも罰を与えられているかのように感じられて嫌なことではない。

腰に手を添えて股間を突き出す男がアユの背中に見入るとヴィーナスのえくぼが微笑んでいるように見えて、ささくれ立つ男の気持ちに優しさが戻る。
シャワーを止めて恥骨が圧迫されるほど股間を押し付け、再び覆い被さり首筋に唇を這わせて耳に息を吹きかける。
「イヤァ~ン、鳥肌が立っちゃう。気持ちいい……今日のあなたは乱暴で怖いけど、今はいつものあなた。乱暴なのも嫌じゃない、忘れられない記憶を身体に刻んで……」
パンパンッ……ウグッ、クゥッ~……「激しいあなたも好き、もっと突いて、無茶苦茶にして……」
耳を塞ぎたくなるのを耐える男は荒々しく腰を打ち付けてあっけなく果ててしまう。
「ハァハァッ、ゴメン……我慢できなかった」
「いいの、私も満足した……今日のあなたは激しいんだもん……ごめんなさい」
「謝らなくていいよ、ゴメンなんて言われると辛くなる……先に出るよ」
アユは内腿に滴る精液を気にすることもなく壁に手をついたまま振り返らず、男もまたいつもようにキスすることもなく背中に声にかけてバスルームを出る。

遅れて部屋に戻ったアユは、
「食事の用意をするから少し待っていて」
白い短パンから伸びる脚が艶めかしくて股間がピクンと反応し、この景色を見るのも今日が最後になるのかと思うと苦笑いが浮かぶ。
満足したとは言えないけれどアユのオンナに男の証を吐き出して冷静さが蘇る。

「お待ちどうさま。あなたの好きな魚料理はやっぱり苦手、ごめんね」
テーブルに並んだのはタンシチュー、茶わん蒸し、タコマリネ、アボカドサラダと男の好きなモノが並ぶ。
用意してくれた料理を口にすると自然と笑みが浮かび、いつもと同じ男の笑顔にアユの表情も和らぐ。

食事を終えるとぎこちなさが戻り、時刻を確かめたアユは、
「実家に帰るのはいつ??」
「今晩出発で帰りは一週間後の19日の予定」
「そうなんだ、私も実家へ帰るんだけど……あのね、お見合いというか男の人に会うことになったの。私よりも7歳上で39らしいの……怒る??」
「怒るわけがないだろう。アユを幸せにしてくれる人ならいいね」
「本当にそう思うの??……そうか、そうだよね。それでいつ会ってくれるの??」
「水曜日、ホテルのラウンジにしようか」
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ちっち

Author:ちっち
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さむいのも嫌
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夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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