お見合い -2
バスタブに浸かった男は目を閉じ、アユが真夏にサンタコスで迎えてくれた意味を考える。
絵画を中心に芸術を愛するアユは穏やかな中に芯の強さを感じさせる女性で遊び友達に紹介されて彼女の店に行った時に一目惚れした。
いつもの例にもれず、遊ぼうかと声をかけることは出来ても具体的に誘うことは出来なかった。
自分の不甲斐なさに苦笑いするしかない時、アユから遠回しの誘いを受けたが一度目のデートは美術館を歩いただけの清らかさだった。
後日、勝負パンツを穿いていたのに脱がされることもなく寂しい思いをしたと告げられ、二度目のデートでやっと、何も身に着けず隠すことのない彼女の本当の姿を見せてもらった。
アユとの付き合いは五年近くなる。歳を取って執着心が強くなったのかこれほど長い付き合いになるとは思っていなかった。
浮気は嫌い、常に本気。
目の前にいる女性との時間を大切にして浮ついた気持ちで付き合わない……大切な女性が二人いても自分の中では矛盾なく付き合っている積りだ。
我がまま、傲慢と言われれば甘んじて受ける。但し、それは当事者の女性とその関係者に限る……例えば、オレの一番大切な人の息子。オレの息子でもあるわけだが……
彼とは仲が悪いわけではない。父親として相談もしてくれるし、彼の誘いで二人だけで飲みに行くこともある。私の一部分を認めたくないだけのようだ。
理由は分からないがアユから別れを告げられるような予感がする。
それは構わない。アユに別れる理由があるなら黙ってそれに従う。
その理由がアユに幸せをもたらしてくれるものであってほしい。
「入ってもいい??」
「遅いから待ちくたびれたよ、早くおいで」
胸と股間を手で覆ったアユは季節外れのサンタコスと真っ赤なガーターベルトとストッキングの妖艶な姿で迎えてくれたことなど忘れたかのように羞恥で頬を染めて男を見つめる。
両手を広げて待つ男の太腿を跨ぎ、背中を預けてゆったり湯に浸かると羞恥で緊張していた気持ちが解れるだけではなく、全身の毛穴が開いて温かさが身体の芯にまで届くような気がする。
アユも男も気持ちのどこかに棘が刺さったようなぎこちなさを感じているものの、それを言葉にすると何もかも壊れそうな気がして二人の間に微妙な空気が漂い始める。
アユよりも二十年ほど長く生きてい入る男は知っている。
こんな時、男と女の間に吹く隙間風を防ぐには肌と肌を密着して愛の交歓をするのがいい事を。
アユを背中越しに抱きしめ、髪に顔を埋めてお息を吸い込んで香りを満喫する。
「イヤンッ、力いっぱい抱きしめられるのは嬉しいけど壊れちゃう。あなたが好き……大好き」
「オレもアユが好きだ……こうすると匂いでアユを感じる」
再び息を吸い込み、鼻からゆっくりと息を吐き出しながら首筋を唇と鼻頭でくすぐる。
「アンッ、鳥肌が立っちゃう。変な感じだけど気持ちいい。あなたと会ってからすごくエッチな女になった……ねぇ、我慢できない」
身体を入れ替えて正対したアユの表情から羞恥が姿を消し、隠しきれない欲望で瞳が妖しく揺れる。
「今日のアユはすごいな。アユに初めて会った時、清潔な色気を湛えた穏やかな美人だと思ったけど、今は成熟した女性らしい妖しい魅力に溢れている」
「ウフフッ、一年、もう少し前かな、女性のお客様に言われたことがある。付き合っている男で女は変わる。ママは好い恋をしているようだねって」
「もしかして、オレのことか??もちろん、そのお客さまは知らないだろうけど」
「クククッ、ばか。分かっているくせに……ねぇ、私を一言で表現してみて」
「一言か……難しいな。艶やか……上品な美しさの中にしっとりと色気もある」
「つややかではなく、あでやか……キスして……」
アユは目を閉じて全身の緊張を解き、男が触れるのを待っている。
乱れ髪に手櫛を入れようとするとビクッと反応し、頬に手を添えると全身の緊張が蘇る。
静かに唇を合わせると再びアユの全身が弛緩し、しかし情熱のこもった両手が男の上半身を抱きしめる。
ウッウグッ……ヌチャヌチャ、ニュルニュルッ……ウッ、ハァハァッ……舌を重ねたり絡ませたりと息をする事も忘れて互いを貪り、舌が歯茎の裏を舐め上顎を擦る。
真っ赤に燃える瞳が男を見据え、
「舐めさせて……」
「ここで??」
「そう……今すぐ、あなたが欲しいの」
口元を緩めた男は静かに立ち上がり、バスタブの縁に腰を下ろす。
「ウフフッ、大きくなっている……こんなのが私の中に入ってくると気持ち善くなるのだから不思議」
如何にも不思議そうに男の股間で屹立するペニスに指を伸ばして長さを確かめるように竿を上から下に、下から上へと擦り、太さを確かめるためにペニスを握ったまま、
「聞いてもいい??」
「いいよ、どうした??」
「あなたは私を、あでやかって言ったでしょう。奥様を一言で表すとどうなるの??……答えられない??」
「いや、妻は空気だよ……無くちゃ生きていけない。いつも一番大切なモノだと自分に言い聞かせている」
「フンッ、愛人の前でぬけぬけと……噛み切っちゃおうかな」
「クククッ、アユに噛み切られるなら本望だよ。それにしても愛人っていい響きだよな」
「そうなの??あなたにとって私は浮気相手じゃない、浮ついた気持ちで付き合うんじゃなくて本気だって言ったでしょう。それなら、愛人でしょう??」
亀頭に滲む先走り汁を塗り広げながら話し終えたアユは竿をパクリと口に含み、ジュルジュルと音を立てながら顔を上下する。
絵画を中心に芸術を愛するアユは穏やかな中に芯の強さを感じさせる女性で遊び友達に紹介されて彼女の店に行った時に一目惚れした。
いつもの例にもれず、遊ぼうかと声をかけることは出来ても具体的に誘うことは出来なかった。
自分の不甲斐なさに苦笑いするしかない時、アユから遠回しの誘いを受けたが一度目のデートは美術館を歩いただけの清らかさだった。
後日、勝負パンツを穿いていたのに脱がされることもなく寂しい思いをしたと告げられ、二度目のデートでやっと、何も身に着けず隠すことのない彼女の本当の姿を見せてもらった。
アユとの付き合いは五年近くなる。歳を取って執着心が強くなったのかこれほど長い付き合いになるとは思っていなかった。
浮気は嫌い、常に本気。
目の前にいる女性との時間を大切にして浮ついた気持ちで付き合わない……大切な女性が二人いても自分の中では矛盾なく付き合っている積りだ。
我がまま、傲慢と言われれば甘んじて受ける。但し、それは当事者の女性とその関係者に限る……例えば、オレの一番大切な人の息子。オレの息子でもあるわけだが……
彼とは仲が悪いわけではない。父親として相談もしてくれるし、彼の誘いで二人だけで飲みに行くこともある。私の一部分を認めたくないだけのようだ。
理由は分からないがアユから別れを告げられるような予感がする。
それは構わない。アユに別れる理由があるなら黙ってそれに従う。
その理由がアユに幸せをもたらしてくれるものであってほしい。
「入ってもいい??」
「遅いから待ちくたびれたよ、早くおいで」
胸と股間を手で覆ったアユは季節外れのサンタコスと真っ赤なガーターベルトとストッキングの妖艶な姿で迎えてくれたことなど忘れたかのように羞恥で頬を染めて男を見つめる。
両手を広げて待つ男の太腿を跨ぎ、背中を預けてゆったり湯に浸かると羞恥で緊張していた気持ちが解れるだけではなく、全身の毛穴が開いて温かさが身体の芯にまで届くような気がする。
アユも男も気持ちのどこかに棘が刺さったようなぎこちなさを感じているものの、それを言葉にすると何もかも壊れそうな気がして二人の間に微妙な空気が漂い始める。
アユよりも二十年ほど長く生きてい入る男は知っている。
こんな時、男と女の間に吹く隙間風を防ぐには肌と肌を密着して愛の交歓をするのがいい事を。
アユを背中越しに抱きしめ、髪に顔を埋めてお息を吸い込んで香りを満喫する。
「イヤンッ、力いっぱい抱きしめられるのは嬉しいけど壊れちゃう。あなたが好き……大好き」
「オレもアユが好きだ……こうすると匂いでアユを感じる」
再び息を吸い込み、鼻からゆっくりと息を吐き出しながら首筋を唇と鼻頭でくすぐる。
「アンッ、鳥肌が立っちゃう。変な感じだけど気持ちいい。あなたと会ってからすごくエッチな女になった……ねぇ、我慢できない」
身体を入れ替えて正対したアユの表情から羞恥が姿を消し、隠しきれない欲望で瞳が妖しく揺れる。
「今日のアユはすごいな。アユに初めて会った時、清潔な色気を湛えた穏やかな美人だと思ったけど、今は成熟した女性らしい妖しい魅力に溢れている」
「ウフフッ、一年、もう少し前かな、女性のお客様に言われたことがある。付き合っている男で女は変わる。ママは好い恋をしているようだねって」
「もしかして、オレのことか??もちろん、そのお客さまは知らないだろうけど」
「クククッ、ばか。分かっているくせに……ねぇ、私を一言で表現してみて」
「一言か……難しいな。艶やか……上品な美しさの中にしっとりと色気もある」
「つややかではなく、あでやか……キスして……」
アユは目を閉じて全身の緊張を解き、男が触れるのを待っている。
乱れ髪に手櫛を入れようとするとビクッと反応し、頬に手を添えると全身の緊張が蘇る。
静かに唇を合わせると再びアユの全身が弛緩し、しかし情熱のこもった両手が男の上半身を抱きしめる。
ウッウグッ……ヌチャヌチャ、ニュルニュルッ……ウッ、ハァハァッ……舌を重ねたり絡ませたりと息をする事も忘れて互いを貪り、舌が歯茎の裏を舐め上顎を擦る。
真っ赤に燃える瞳が男を見据え、
「舐めさせて……」
「ここで??」
「そう……今すぐ、あなたが欲しいの」
口元を緩めた男は静かに立ち上がり、バスタブの縁に腰を下ろす。
「ウフフッ、大きくなっている……こんなのが私の中に入ってくると気持ち善くなるのだから不思議」
如何にも不思議そうに男の股間で屹立するペニスに指を伸ばして長さを確かめるように竿を上から下に、下から上へと擦り、太さを確かめるためにペニスを握ったまま、
「聞いてもいい??」
「いいよ、どうした??」
「あなたは私を、あでやかって言ったでしょう。奥様を一言で表すとどうなるの??……答えられない??」
「いや、妻は空気だよ……無くちゃ生きていけない。いつも一番大切なモノだと自分に言い聞かせている」
「フンッ、愛人の前でぬけぬけと……噛み切っちゃおうかな」
「クククッ、アユに噛み切られるなら本望だよ。それにしても愛人っていい響きだよな」
「そうなの??あなたにとって私は浮気相手じゃない、浮ついた気持ちで付き合うんじゃなくて本気だって言ったでしょう。それなら、愛人でしょう??」
亀頭に滲む先走り汁を塗り広げながら話し終えたアユは竿をパクリと口に含み、ジュルジュルと音を立てながら顔を上下する。