彩―隠し事 144
覚醒 -20
気まずいと言うよりも話をどう切り出していいものか思案する三人の口火を切ってカヲルが口を開く。
「このサングリアは美味しい。昔のことだけどタケは学生時代、酒屋でアルバイトをしたらしいの、それでカクテルにも興味を持ち続けている様よ、彩は知っていた??」
無言の彩が否定の意味で首を振ると喜ぶわけでもなく言葉を続ける。
「昨晩、彩が遊びに来たマンションは私のモノなの。そしてSMショークラブの共同経営者でもある……タケは関係ないよ、お客様の一人。私とは特殊な関係ではあったけど、彩のせいで関係は風前の灯火。私はタケが好き……あっ、誤解しないで、性的な関係がなくなっても友人としてって意味だからね」
彩を見て邪気のない笑顔を作り、もちろん、彩のことも好きだよと言う。
質問したげな態度をとりつつ口を開かずサングリアを飲む彩の様子を見た健志が話の口火を切る。
「性的な事にこだわらないけどカヲルから見て彩はどう映る??」
「そうね、バスルームで彩に言ったことと被るけど縄が似合う人。私は女性を縛ることを仕事にしているようなものだけど縄が似合う人っている。彩の肌って全体に柔らかみがあるから縄を受け入れる。硬い肌ってイメージ的に縄を弾こうとするけど、しっとりと滑らかな肌は縄を受け入れてすんなり馴染む。彩ってなめらかで艶やかな肌をしている」
「そうなんだ……表情や普段の様子から意志が強くて信念を曲げないって感じるけど、そこはどう??」
「性的な意味では何も問題はない。SM嗜好についてだけど、支配、被支配って単純化するのは間違いだと思うの。例えば好きな異性に好かれようとして一歩引いて卑屈って程じゃないけど気に入られようとすることってあるでしょう??多少媚びるようなことがあっても支配されたいとかMとかって言わないでしょう」
「そりゃ、そうだ、それをマゾって呼ぶと、たいていの鳥類のオスはマゾってことになる。鳥のオスはメスの気を惹こうとして綺麗に着飾り、ある種では子育て用の立派な家を用意してアピ-ルすると聞いたことがある」
「マゾヒズムって支配されることを快感に思うことが全てじゃない。中にはそんな人もいるだろうけど、サディズムのSはサービスのSって言うでしょう、加虐趣味の人もいるけど、SMって両方が満足しなきゃプレイとして成立しない……結果、Sの立場に立つ人はMの様子を見ながら満足しているかどうか確かめながらプレイすることになる。それがサービスのSって呼ばれる所以だろうね。そしてMは我がままとも言われる。縄を好む人、人目にさらされるような羞恥プレイを好む人、マゾヒズムの欲求は十人十色、Sはそれを見分けながら責めなきゃね」
「彩、憶えているでしょう??美樹さんは愛する夫の前で何本もの他人棒で犯されて燃え上がる人なの、すごかったでしょう。吐き出した男汁を子宮に浴びせられても拭うことも許されず次のチンポを突き入れられる。彩、見るだけでも昂奮したんじゃない??」
「彩には何人もの人に犯されたいって欲望はないけど、自分の性欲を曝け出すって羨ましいと思う。好い人だと思われたいのが理由じゃないけど、普段は自分を曝け出すのが苦手」
「……時には自分でもびっくりするほど思い切ったことをする。そうでしょう、彩。それでいいのよ、気持ちと身体のバランスを取るようにしないと壊れちゃう。こんなに色っぽい身体をシャツの下に隠しているんだもん、時には気持ちも身体も解放してあげないと欲求が内に向いて爆発しちゃうよ」
カヲルの手が彩の髪を撫で、頬を擦って耳を弄る。
耳から首を撫で下りて脇腹を擦り、顔を近付けて首筋に息を吹きかける。
フゥッ~……「アンッ、いやっ……だめっ、悪戯しないって言ったのに」
「ごめんね、彩オネエサンが可愛いんだもん」
シャツ越しに脇腹を撫で続けるカヲルの手が腰を撫で、尻を掴んで耳元で彩が可愛いと囁き耳朶を甘噛みする。
「クゥッ~、イヤンッ、だめっ。カヲルは嘘吐きなんだもん……何もしないって言ったのにバスルームでお尻を弄られたり……ハァハァッ、顔にオシッコをかけられたりした。そして今は……カヲルは嫌い……」
「……そうか、そうだよね。ゴメンね、もう止める」
「えっ、そんな。カヲルは嘘吐きだけど嫌いじゃない。彩のことを嫌いにならないで……少しだけなら続けてもいいよ」
「タケにだけ彩の恥ずかしい姿を見せてあげようか、本当の彩を見てもらいたいでしょう??」
コクンと頷いた彩を胸に抱きかかえたカヲルは健志に、いいでしょうと言葉にせずに口を動かす。
気まずいと言うよりも話をどう切り出していいものか思案する三人の口火を切ってカヲルが口を開く。
「このサングリアは美味しい。昔のことだけどタケは学生時代、酒屋でアルバイトをしたらしいの、それでカクテルにも興味を持ち続けている様よ、彩は知っていた??」
無言の彩が否定の意味で首を振ると喜ぶわけでもなく言葉を続ける。
「昨晩、彩が遊びに来たマンションは私のモノなの。そしてSMショークラブの共同経営者でもある……タケは関係ないよ、お客様の一人。私とは特殊な関係ではあったけど、彩のせいで関係は風前の灯火。私はタケが好き……あっ、誤解しないで、性的な関係がなくなっても友人としてって意味だからね」
彩を見て邪気のない笑顔を作り、もちろん、彩のことも好きだよと言う。
質問したげな態度をとりつつ口を開かずサングリアを飲む彩の様子を見た健志が話の口火を切る。
「性的な事にこだわらないけどカヲルから見て彩はどう映る??」
「そうね、バスルームで彩に言ったことと被るけど縄が似合う人。私は女性を縛ることを仕事にしているようなものだけど縄が似合う人っている。彩の肌って全体に柔らかみがあるから縄を受け入れる。硬い肌ってイメージ的に縄を弾こうとするけど、しっとりと滑らかな肌は縄を受け入れてすんなり馴染む。彩ってなめらかで艶やかな肌をしている」
「そうなんだ……表情や普段の様子から意志が強くて信念を曲げないって感じるけど、そこはどう??」
「性的な意味では何も問題はない。SM嗜好についてだけど、支配、被支配って単純化するのは間違いだと思うの。例えば好きな異性に好かれようとして一歩引いて卑屈って程じゃないけど気に入られようとすることってあるでしょう??多少媚びるようなことがあっても支配されたいとかMとかって言わないでしょう」
「そりゃ、そうだ、それをマゾって呼ぶと、たいていの鳥類のオスはマゾってことになる。鳥のオスはメスの気を惹こうとして綺麗に着飾り、ある種では子育て用の立派な家を用意してアピ-ルすると聞いたことがある」
「マゾヒズムって支配されることを快感に思うことが全てじゃない。中にはそんな人もいるだろうけど、サディズムのSはサービスのSって言うでしょう、加虐趣味の人もいるけど、SMって両方が満足しなきゃプレイとして成立しない……結果、Sの立場に立つ人はMの様子を見ながら満足しているかどうか確かめながらプレイすることになる。それがサービスのSって呼ばれる所以だろうね。そしてMは我がままとも言われる。縄を好む人、人目にさらされるような羞恥プレイを好む人、マゾヒズムの欲求は十人十色、Sはそれを見分けながら責めなきゃね」
「彩、憶えているでしょう??美樹さんは愛する夫の前で何本もの他人棒で犯されて燃え上がる人なの、すごかったでしょう。吐き出した男汁を子宮に浴びせられても拭うことも許されず次のチンポを突き入れられる。彩、見るだけでも昂奮したんじゃない??」
「彩には何人もの人に犯されたいって欲望はないけど、自分の性欲を曝け出すって羨ましいと思う。好い人だと思われたいのが理由じゃないけど、普段は自分を曝け出すのが苦手」
「……時には自分でもびっくりするほど思い切ったことをする。そうでしょう、彩。それでいいのよ、気持ちと身体のバランスを取るようにしないと壊れちゃう。こんなに色っぽい身体をシャツの下に隠しているんだもん、時には気持ちも身体も解放してあげないと欲求が内に向いて爆発しちゃうよ」
カヲルの手が彩の髪を撫で、頬を擦って耳を弄る。
耳から首を撫で下りて脇腹を擦り、顔を近付けて首筋に息を吹きかける。
フゥッ~……「アンッ、いやっ……だめっ、悪戯しないって言ったのに」
「ごめんね、彩オネエサンが可愛いんだもん」
シャツ越しに脇腹を撫で続けるカヲルの手が腰を撫で、尻を掴んで耳元で彩が可愛いと囁き耳朶を甘噛みする。
「クゥッ~、イヤンッ、だめっ。カヲルは嘘吐きなんだもん……何もしないって言ったのにバスルームでお尻を弄られたり……ハァハァッ、顔にオシッコをかけられたりした。そして今は……カヲルは嫌い……」
「……そうか、そうだよね。ゴメンね、もう止める」
「えっ、そんな。カヲルは嘘吐きだけど嫌いじゃない。彩のことを嫌いにならないで……少しだけなら続けてもいいよ」
「タケにだけ彩の恥ずかしい姿を見せてあげようか、本当の彩を見てもらいたいでしょう??」
コクンと頷いた彩を胸に抱きかかえたカヲルは健志に、いいでしょうと言葉にせずに口を動かす。