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彩―隠し事 65

土曜日 露出-1    

「健志でしょう??……違うの??……ごめんなさい、これ、これは違うんです」
目の前にいるはずの男は彩の問いかけに応えることもなく、手を伸ばして肌に触れることもない。
健志なら股間に埋めたリモコンバイブのスイッチを入れるだろうと思うと、目の前にいるはずの男が誰なのかと恐怖で足がすくむ。
微風は頬をくすぐり、下腿を撫でるだけで心地良く感じる事もあったが、突風がフロントボタンの一番上を留めただけのデニムスカートを捲って股間を丸見えにして、デニムジャケットも風のせいで裏返ったまま、元に戻る事はなく乳房は曝け出しているはずだ。
真っ赤なショーツで目を覆われてハンカチで固定されていては確認することも出来ないが、しどけない姿を晒していることが秘めた快感を刺激する悦びと不安や恐怖の間をシーソーのように行ったり来たりする。
風が吹いて乳房をくすぐられると先端が固くしこり、剥き出しの下半身を風がなぞると恥丘や大陰唇の辺りが引きつるような感じになり意識が子宮に集中していく。

健志はどこにいるのだろうと思うものの、通りすがりかもしれない男の視線が舐めるように見つめているのを感じ、下着姿で縛られた姿を晒したSMショークラブでの身体の芯が熱くなるような得も言われぬ快感が蘇る。
「ハァハァッ、誰だか分からない人に見られるなんて……昂奮するけど恥ずかしい……私には大切な人がいるから触らないで下さい。見られるだけなら我慢します」
彩の言葉を分かったとでも言うように、わざとらしく衣擦れの音と足音を立てて近付いてくる。
「お願い、なにか、何でもいいから言って、声を聞かせて……怖いの」
哀願にも似た声も無視して無言を貫く男への恐怖で、健志の戻ってきたよの声を聞けない事を疑問に思う余裕もなくす。
「ふぅ~、きれいだ。あんたのような好い女をこんな風に素っ裸同然で道路に置きっぱなし、帰った後は好き放題に抱くんだろうな……羨ましいよ」
マスクでもしているのだろう不自然に押し殺した囁き声が彩を追い詰め、とどめを刺すように近付いた謎の男は手を伸ばして頬を擦り、髪を撫でる。

「えっ??……ウフフッ、やっぱり……健志だ、間違いない。声を変えても、頬や髪を撫でる手の平の感触や動きは変わらない……怖かったんだから、キスして、安心させて欲しいの」
髪を擦っていた手をハンカチの結び目に伸ばすと、
「もう少し、このままで……ねっ、漏らしちゃいそうなほど昂奮しちゃった。彩はやっぱりエッチで奔放な女」
「オレの知らない、昼間の彩がどれほど清楚で上品な女性なのか益々興味をそそられる」

左手で髪を撫でて首に添え、顔を近付けて鳥が餌をついばむように唇を離したりくっ付けたりを繰り返して徐々に濃密なキスになり、唇の内と外を交互に舌先が這い回り甘噛みする。
両手を遣えない彩は変幻自在に動く健志に翻弄されるばかりで、されるがまま快感を受け入れてフグフグッと喘ぎ声を漏らし、縛られた両手の自由を取り戻そうと身体を捻る。
「可愛いよ、彩。可哀そうな彩、両手が自由にならないんだね……オレじゃなく、通りがかりの人に悪戯されるかもしれないと思ったとき昂奮した??」
「正直に言うと、少し。ほんの少し、一瞬だけど夜の誰もいない場所で悪戯されたら、どんなになっちゃうんだろうって思っちゃった……怒んないで、こんな恰好で置いていった健志が悪いんだよ」
「許さないよ、オレ以外の男に悪戯されて身悶える彩を見たくないよ……ごめんなさいと言うまで両手を自由にしないし剥き出しの肌も立ち止まる人がいれば見せちゃうよ」
「絶対に謝らない。こんな恰好で縛りつけた健志が悪いんだもん。彩は悪くない、彩がエッチだって事を知っていたでしょう??」

どれほど彩がエッチなのか確かめようと言った、その時、ジョギングする小気味いい足音が近付いてくる。
ジャケットとスカートをはだけたままにして小柄な彩を抱きしめた健志は頬を寄せて、
「彩、動かないで。スケベなカップルがホテルにも行かないで、こんな所でイチャイチャしてって思われた方が好いだろう??それともオッパイやパイパンマンコを見てもらいたいか??」
「いや、見られたくない。健志だけでいいの、彩は健志のお嫁さんでしょう??」
「そうだよ。夜の彩、エッチな気分になった時の彩はオレのお嫁さんだよ。オレだけのモノだよ」
ブチュブチュッ、ヌチャヌチャ。小柄な彩を抱きしめてランナーから彩のしどけない姿を隠して濃厚なキスをする。

大きくなる足音に彩の心臓は早鐘を打ち、気持ち悪くなるほどの昂奮をする。
足音が停まり、立ち止まって二人を見ているように感じた、その時、キスをする健志が振り返り、
「ごめんなさい。あなたが走る邪魔をする積りはないんだけど、ついムラムラしちゃって」
「いいえ、私の方こそ,ごめんなさい。気にしないで続けてください、失礼します」
足音を響かせて女性が去っていく。
「ねぇ、いなくなったの??誰もいないよね??」
「あぁ、いないよ。びっくりした様子もなく走り去ったよ。ハダカンボに近い彩の姿を見せてあげたら、びっくりしただろうけどね」
「ハァハァッ……よかった、足音が聞こえた時はびっくりしてどうしていいか分からずパニックになりそうだったよ」

健志の唇が再び彩に重ねられ、乳房をヤワヤワと揉み、アァッ~、たまんないと身悶えると手は下腹部へ這い下りて恥丘を擦り、挿入されたままのバイブをクイクイッ押し込んで内腿を撫でる。
「見られたいんだろう彩は、恥ずかしい姿を見られるかもしれないと思うと昂奮するんだろう??グチャグチャ、ベトベトに蜜が流れ出てるよ」
「そんな事を言わないで……健志といる時の彩は昼間の清純な女じゃないの、セックスに飢えたケダモノなの。そんな彩が好きなんでしょう??」
「あぁ、そうだよ。オレのお嫁さんの彩は男も女も誰でもが抱きたいと思うほどエッチでスケベな女だよ」
「そうなの、彩はスケベでエッチ。セックスに貪欲なの健志から離れなくなるほど可愛がって欲しいの……」
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ちっち

Author:ちっち
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さむいのも嫌
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