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彩―隠し事 59

土曜日 ドラッグストア     

ドラッグストアの入り口で立ち止まった彩が振り返ると、
「だ、い、じょう、ぶ」
声を発せず口の動きを一文字ごとに区切って伝えてくれる健志に励まされて店内に入る。

彩の隠し事の一つがアナルオナニー好き。
夫の浮気を直接のきっかけとして肌を合わせることが無くなり、成熟した女性が当然感じる身体の疼きをオナニーで満足させるようになった。
男性の多くは視覚で昂奮するためエロ動画を好むと言われているが女性にもオカズにする人は少なくないらしい。
彩もオナネタとして動画を見ないわけではないが、女性の多くがそうであるように妄想することが多い。妄想を膨らませるネタとして官能小説が欠かせない。
直接的な動画もいいが、小説の描写から景色や登場人物の気持ちの変化や息遣いまで感じとるのを彩は好む。
その日の気分によって、単独あるいは複数の男性に無理やり犯されて被虐心を満足させることもあれば、オフィスなど禁断の場所でのセックスを想像して道徳により抑圧された気持ちを発散することもある。
もちろん好意を持つ男性とのセックスを妄想するのが好きだし、片思いというのは都合がいい。
気持ちも身体もフィットして将来になんの憂いも感じなかった夫の生活が破綻しかかっている今、密かに思いを寄せる男性との妄想は何の制約も受けずにデートもセックスも思いのままにすることが出来て壊れそうになる気持ちを自ら励ますことが出来る。

オッパイやクリトリス、膣への刺激だけでは物足りなく思い、いつの頃からかアナルオナニーも好むようになった。
ネット通販で買ったアナルグッズのうち特に気に入っているのが、大振りな金属製のアナルプラグで、それを挿入するときアナルを押し広げる苦しさがやがて快感に変化し、金属の持つ重量感と肌への質感がズンズン、ドキドキと身体を苛めてやがて頭の天辺まで突き抜けるような悦びに変化する。

浣腸器は医薬品として分類されているので店頭では対面販売になる事を知っている。
普段の彩なら抵抗なく薬剤師に浣腸器を下さいと言えてもアソコにリモコンバイブを挿入されて上下とも下着を着けず、スカートの裾がほんの少し乱れるだけで太腿はおろか無毛の股間まで見えてしまうかと不安に思う今は羞恥心が勝り、そんな言葉を口にする余裕がない。
何よりも健志が買ってきなさいと言う商品は彩のアナルを可愛がる準備をするものだと分かっているだけに羞恥が先に立つ。

携帯用ビデがどこにあるかは想像がつくものの、近付くのが躊躇われて目的もなく店内の彼方此方を見て歩く。
商品名やパッケージデザイン、ポップ広告もぼやけて見える。
意味もなく目的もなく、ただただ歩き回る。
フロントボタンスカートのボタンの半分以上を外されているので歩幅を広げたり、不穏当な態度を取ったりすると裾が乱れて見せたくないものを見られそうで怖くもあり、見られるかもしれないという不安が得も言われぬ快感を呼ぶ。
学生時代から仲の好い栞に連れられて性的好奇心をくすぐられる経験を何度かし、そんな経験の途中で出会った健志と他言を憚るような付き合いをしている。
そんな彩が今は妄想に憑りつかれて店内を彷徨っている。
浣腸を施されたアナルを健志に可愛がってもらうことを想像して股間を濡らす。
羞恥心や不安、期待や性的好奇心が彩を支配して妄想はとめどなく沸き上がる。

浣腸されて汚れのなくなったアナルを四つん這いの格好で健志に突き出し、悪戯されるのをじっと待つ。
健志の視線は彩が密かに自慢に思っているムッチリとした太腿の裏側を舐めるように見つめ、窄まりは恥ずかしさと与えられる刺激を期待してヒクヒクと息をする。
ピシッ……ヒッ……ピシッ……うっ、痛いっ、もっと、何もかも忘れるほど打って……ピシッ……彩はオレのモノだ。オレ以外の男に気を許すんじゃない。
嬉しい、健志の記憶を心にも身体にも刻み付けて欲しい。
健志の視線が密かに自慢に思っている白くてムッチリした身体を犯して十本の指の腹と爪先が背中と脇腹を這い、唇が彩の性感帯を探り当てて息を吹きかけて眠っている性的興奮を呼び起こす。
乾いた舌先が寝ている産毛を一本一本逆立て、和毛さえもが性感帯と化す彩は唾液で滑りを帯びた舌がベロリと肌を這うと、ハァ~ン、クゥッ~と堪えきれない喘ぎ声を漏らしてしまう。
四つん這いの身体を支える手の指を固く握りしめて、唇を噛んだり歯を食いしばったり、眉間の皺を深くしたりと健志の見えない処で与えられる刺激に必死に抗う。
気持ちが抗えば抗うほど、与えられる快感は身体の芯に向かい、性感が切なくなるほどに責め続ける。

遠い昔から優子の心の奥深くに巣くっていた恥ずかしい姿を見られたいという思いが彩になって顕在化し、リモコンバイブを装着された股間とオッパイを隠す下着も着けずに浣腸用の道具を買いなさいと命じられてドラッグストアの店内を歩き回る。
浣腸器を下さいと告げることは出来ず、買おうと思っている携帯用ビデの売り場は生理用品と同じ場所にあるはずだし売り場も分かったけど近付くことが出来ない。
歩き回るうちに店の外で待つ健志の事が気になり始め、それだけではなく卑猥な妄想が脳裏を駆け巡り、大振りなリモコンバイブが振動せずとも膣壁を擦り股間は蜜を滴らせる。
ハァハァッ、たまんない。携帯用ビデを買って早く帰りたい。
足を踏み出す度にバイブが膣壁を擦りクリトリスをくすぐる。振動による刺激を与えられなくても言葉に出来ないほどの快感が、涸れることのない泉の様にコンコンと湧き出て彩の身体に堪えがたい悦びを与えてくれる。
アンッ、ウッ、ウッ、クゥッ~……ついには立っていることさえが辛くなり、しゃがみ込んでしまう。

「お客様、大丈夫ですか??奥でお休みになりますか??」
「いえ、大丈夫です。申し訳ございませんが携帯用ビデを買いたいのですが、お願いできますか??」
「承知しました。おいくつ用意すればよろしいですか??……三つですね……田中さん、私はここでお客様についていますから、お客様がおっしゃった商品を三つご用意してください」
「すみません、ご迷惑をおかけしますが、お願いいたします。商品代金はこれでお願いいたします……ついでに、外で私の連れが待っているはずなので、彩が呼んでいると伝えていただけますか??」

「彩、どうした??」
「生理が、いつもより重くて辛くなっちゃったの??店員さんを心配させて、ご迷惑をおかけしました」
「それは申し訳ない事をいたしました。妻がお世話になり、ありがとうございました」
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ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

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