おとぎ話
後悔
「久しぶりだね・・・」
「ごめんなさい、急に連絡して・・・元気だった??」
「見ての通り元気だよ。待たせちゃったかな??」
「あなたと過ごした時間、待つのは慣れていたから平気」
「そうだね、あの頃のオレは若すぎた。自分のことを考えるのに精一杯だった」
「ごめんなさい、そんな事を言うために連絡したんじゃなかったのに」
「しょうがない、君は愚痴も言わずにオレの前から消えたんだから」
「あの頃の愚痴を言うためじゃないの・・・」
「ジントニックを下さい。これはスプモーニ??」
「私にお代わりを下さい。あなたと初めてのデートで飲んだカクテル」
「そうだったね、淡いピンクが似合っているよ。今は幸せだろうね??」
「それなりにね・・・」
「そう、それは良かった」
「あなたは??」
「ウッ、うん。幸せだよ」
「ウフフッ、変わってないのね」
「なにが??」
「あなたの癖よ」
「癖??何のこと??」
「あの頃、言わなかったけど・・・フフフッ」
「気持ち悪いな、何だよ??」
「あなたは嘘をつく時、ウッ・・・一瞬の間があるの」
「そうか、何でもお見通しだったんだ」
「あなたの事は分かった積りだったけど自分の事は分かってなかった」
「少し酔っちゃったみたい・・・外を歩きたい」
「雨が降りそうだったよ」
「いいの、雨に濡れても。失敗した想い出は流しちゃいたい」
「チェックして下さい」
「あなたは付き合ってる人がいるの??」
「今は居ないよ・・・」
「そうなんだ、今は居ないんだ・・・」
「君の記憶が頭から離れなくてね、フフフッ、後悔先に立たずってヤツだよ・・・川沿いの夜景ってきれいだね。宝石箱を開けたようにキラキラして」
「そうね、川に揺れる宝石たちもきれい・・・」
「君も相変わらずきれいだよ」
「あの頃はそんな優しい言葉を掛けて貰えなかった」
「あぁ、若かったとしか言いようがない、悪かったよ」
「ううぅん。私もあなたの望むような女になれなかった」
「オレには余裕がなかったからね。君を思いやることが出来なかった」
「今の私なら理解できるんだけど・・・」
「いや、それはオレも同じ。今のオレなら・・・」
「今のオレなら何・・・その先を聞かせて欲しい」
「その先は・・・止めとくよ」
「誰もいない夜の街をこうして2人で歩いたことを覚えてる??」
「あぁ、覚えてるよ。初めて2人で歩いた日は・・・途中で雨が降り始めて、オレのコートを二人で頭から被って地下鉄の駅まで走った」
「そう、そうだった。あの日が一番楽しかったかも分かんない」
「ヒドイ男だね、オレは・・・初めてのデートの日が一番楽しかったなんて、好きだった女に言わせるのは」
「うん、私は寂しさを我慢できなかったんだよね・・・」
「アッ、雨だ。今日はコートを着てないから上着で我慢してくれる??」
「うん・・・できる事なら・・・」
「なに??駅まで走るよ」
「あの日と同じように・・・して欲しい。覚えているなら・・・ダメ??」
「・・・・・」
「私のことをきれいって言ったのはウソなの??一瞬の間はなかったよ」
「わかった・・・一日たりと君のことを忘れた日はなかった」
「私も・・・電話1本かけるのに今日ほど躊躇した事はなかったけど、あなたのことが好き。今でも大好きなの」
「レモンのような味がするキスだね」
「エッ??まさか、初恋の味なんて言わないよね」
「スプモーニはグレープフルーツジュースが入っているからね」
「ウフフッ、確かに・・・取り返せるかな、時間を」
「あぁ。オレはさっきも言ったけど君のことを忘れたことはなかった」
「私もあなたのことを忘れたことはなかった」
「じゃぁ、大丈夫だ。離れていた時間はお互いを思いやる時間だったんだよ。オレには反省する時間がたっぷりあった」
「うん、今度はあなたの望む女になれると思う」
「いや、今度はそんな事を望まない。同じ過ちで君を二度と失うようなことをしたくない」
「嬉しい、ありがとう・・・離れていた時間は愛を熟成する時間だったのかな??」
「きっと、そうだよ」
「思い切って連絡してよかった・・・抱いて。ホウセンカの種が弾けるように私がどこかに行かないように抱きしめて」
「あなたは今、幸せ???」
「今、この一瞬は今までの人生で一番幸せな時間だよ」
「ウフフッ、ありがとう。あなたの家へ行ってもいい??」
「一緒に住んで時間を取り戻そう。部屋はそのままにしてあるよ」
「ほんとに??私の記憶があなたの部屋に刻まれたままなんだ・・・もう1度キスして」
<<< おしまい >>>
「久しぶりだね・・・」
「ごめんなさい、急に連絡して・・・元気だった??」
「見ての通り元気だよ。待たせちゃったかな??」
「あなたと過ごした時間、待つのは慣れていたから平気」
「そうだね、あの頃のオレは若すぎた。自分のことを考えるのに精一杯だった」
「ごめんなさい、そんな事を言うために連絡したんじゃなかったのに」
「しょうがない、君は愚痴も言わずにオレの前から消えたんだから」
「あの頃の愚痴を言うためじゃないの・・・」
「ジントニックを下さい。これはスプモーニ??」
「私にお代わりを下さい。あなたと初めてのデートで飲んだカクテル」
「そうだったね、淡いピンクが似合っているよ。今は幸せだろうね??」
「それなりにね・・・」
「そう、それは良かった」
「あなたは??」
「ウッ、うん。幸せだよ」
「ウフフッ、変わってないのね」
「なにが??」
「あなたの癖よ」
「癖??何のこと??」
「あの頃、言わなかったけど・・・フフフッ」
「気持ち悪いな、何だよ??」
「あなたは嘘をつく時、ウッ・・・一瞬の間があるの」
「そうか、何でもお見通しだったんだ」
「あなたの事は分かった積りだったけど自分の事は分かってなかった」
「少し酔っちゃったみたい・・・外を歩きたい」
「雨が降りそうだったよ」
「いいの、雨に濡れても。失敗した想い出は流しちゃいたい」
「チェックして下さい」
「あなたは付き合ってる人がいるの??」
「今は居ないよ・・・」
「そうなんだ、今は居ないんだ・・・」
「君の記憶が頭から離れなくてね、フフフッ、後悔先に立たずってヤツだよ・・・川沿いの夜景ってきれいだね。宝石箱を開けたようにキラキラして」
「そうね、川に揺れる宝石たちもきれい・・・」
「君も相変わらずきれいだよ」
「あの頃はそんな優しい言葉を掛けて貰えなかった」
「あぁ、若かったとしか言いようがない、悪かったよ」
「ううぅん。私もあなたの望むような女になれなかった」
「オレには余裕がなかったからね。君を思いやることが出来なかった」
「今の私なら理解できるんだけど・・・」
「いや、それはオレも同じ。今のオレなら・・・」
「今のオレなら何・・・その先を聞かせて欲しい」
「その先は・・・止めとくよ」
「誰もいない夜の街をこうして2人で歩いたことを覚えてる??」
「あぁ、覚えてるよ。初めて2人で歩いた日は・・・途中で雨が降り始めて、オレのコートを二人で頭から被って地下鉄の駅まで走った」
「そう、そうだった。あの日が一番楽しかったかも分かんない」
「ヒドイ男だね、オレは・・・初めてのデートの日が一番楽しかったなんて、好きだった女に言わせるのは」
「うん、私は寂しさを我慢できなかったんだよね・・・」
「アッ、雨だ。今日はコートを着てないから上着で我慢してくれる??」
「うん・・・できる事なら・・・」
「なに??駅まで走るよ」
「あの日と同じように・・・して欲しい。覚えているなら・・・ダメ??」
「・・・・・」
「私のことをきれいって言ったのはウソなの??一瞬の間はなかったよ」
「わかった・・・一日たりと君のことを忘れた日はなかった」
「私も・・・電話1本かけるのに今日ほど躊躇した事はなかったけど、あなたのことが好き。今でも大好きなの」
「レモンのような味がするキスだね」
「エッ??まさか、初恋の味なんて言わないよね」
「スプモーニはグレープフルーツジュースが入っているからね」
「ウフフッ、確かに・・・取り返せるかな、時間を」
「あぁ。オレはさっきも言ったけど君のことを忘れたことはなかった」
「私もあなたのことを忘れたことはなかった」
「じゃぁ、大丈夫だ。離れていた時間はお互いを思いやる時間だったんだよ。オレには反省する時間がたっぷりあった」
「うん、今度はあなたの望む女になれると思う」
「いや、今度はそんな事を望まない。同じ過ちで君を二度と失うようなことをしたくない」
「嬉しい、ありがとう・・・離れていた時間は愛を熟成する時間だったのかな??」
「きっと、そうだよ」
「思い切って連絡してよかった・・・抱いて。ホウセンカの種が弾けるように私がどこかに行かないように抱きしめて」
「あなたは今、幸せ???」
「今、この一瞬は今までの人生で一番幸せな時間だよ」
「ウフフッ、ありがとう。あなたの家へ行ってもいい??」
「一緒に住んで時間を取り戻そう。部屋はそのままにしてあるよ」
「ほんとに??私の記憶があなたの部屋に刻まれたままなんだ・・・もう1度キスして」
<<< おしまい >>>