2ntブログ

気が強い女 2

二人きりになった部屋を見回した女の声が上擦る。
「私に惚れたって言いたいでしょう??この部屋を見て確信した……前を通り、たまに食事をするホテルにこんな部屋があったんだ。」
床から天井までの窓は、カーテンを開け放ったままベッドに横たわると足元にこの街の夜の景色が絵画か写真のように広がるはずだし、バスルームとトイレは独立し透明な壁で仕切られたシャワーブースも十分な広さがある。

「気に入ってくれたようだからホッとしたよ。怒って帰るって言われたらどうしようと思っていた」
「部屋の予約時にシャンパンとダックワーズも頼むなんて悪い男。何人の女が毒牙にかかったの??」
「小心者を揶揄わないでくれよ。目の前の好い女をハダカンボにする方法を考えているんだから……下着だけ剥ぎ取ってぶち込むのもいいかなぁ」
「いぃよ、夜遅く帰る私が女に飢えた男に襲われる。そんな妄想でセルフプレジャーに耽ったこともある。私って変な女??」
「変じゃない。何をしても、何を言っても魅力が損なわれることがない。そうだ、後ろ姿さえもゾクゾクするほどそそられる女と付き合う男が羨ましい、今の男は捨ててオレの女になれって襲っちゃおうかな??」
「残念なことに私を惚れさせるほどの男は周囲にいないの。あなたが立候補してくれる??」
「立候補なんかしないよ」
「気が強い女は嫌いなんだ。ガッカリだな……シャンパンを開けて。酔っちゃいたい」
「そうじゃない。開栓はオレの言うことを聞いてからだよ。付き合っている男がいないならなおさらだ。オレの女になるって言えばシャンパンで乾杯だ」
「無理やり犯されてあなたの女にされちゃうの??本気で抗う私を気持ち善くさせればあなたの女になってあげる」
「本気で抗う女をものにするには…クククッ、股間が痛いくらい昂奮しているよ」
耳元で囁いた男は女を背後から抱きしめる。
「いやっ……痛いことはしないでね」
男の腕の中の女は本気で抗うという言葉を忘れたかのように甘い声を漏らし、気の強さの欠片も見せずに男の胸に背中を預けて全身の緊張を解く。

背後から抱きしめるとマリンノートの香りが微かに漂い、凛として爽やかな中性的なイメージがよく似合う。
髪に顔を埋めて息を吸い、右手を胸の膨らみに添えると、アンッと艶めかしい声と共に崩れ落ちそうになる女の身体を支え、
「間違えていたらゴメン。ジバンシィのウルトラマリンがあなたのイメージによく似合っている」
「イヤな男……中性的というか男性的なイメージが好きなんだけど褒められると戸惑っちゃう……イヤァ~ン、そんなことをされると……」

両手で抱きかかえて首筋に息を吹きかけると全身の力が抜けて足が震え、立っているのも辛そうになり背後の男に寄りかかる。
「可愛いなぁ……脱いじゃおうか、ハダカンボのあなたを見たい」
「そんなことを言われても答えられない。思うようにしてもいいよ。今日は可愛い女になりたい……」
「嫌なことは嫌って言うんだよ。分かったね」
言葉を発することなくコクンと頷くと、男の手は迷うことなくシャツのボタンを外して両肩を滑らせるように脱がせ、パンツも下ろして下着姿にする。
「イヤッ、恥ずかしい……」
左手はブラジャー越しに胸の膨らみを覆い、開いた右手を股間に押し付けて秘所を守ろうとする。
そんな女の様子に口元を緩めた男は首筋に息を吹きかけ、女が首をすくめて、ウッと艶めかしい吐息を漏らすと首から耳の裏側に向かって舌を這わせて耳朶を甘噛みする。
「イヤンッ、オッパイやアソコを弄るのかと思ったら首や耳を刺激する……余裕綽々で私のことを揶揄っているでしょう??」
「そんな風に思っているなら、それは買い被り過ぎだよ。あなたの嫌がることを避けて、気持ち善くなってもらおうと精一杯頑張っているんだから」
「ハァハァッ、本当なの??……私の気持を無視して、あなたの思うようにこの身体で遊んでもいいよ」
「いいの??それで、あなたも気持ち善くなってくれるんだろうね」

自然な動きで女の手を退けた男の指はショーツの縁をなぞり、可愛いよと耳元で囁きながら息を吹きかける。
「アウッ、イヤァ~ン、気持ち好い。あなたの声と息が耳から入って脳を愛撫する。身体だけじゃないの、気持ちも蕩けちゃう。ウッ、クゥッ~、たまんない」
男の指がショーツ越しに割れ目の中心を撫で下りる。
「濡れているよ…気が強い好い女だけど、感度もいいんだね。可愛いよ」
「女が歓喜の涙を流すかどうかは男次第。あなたは言葉にしないけど私に惚れているはず……信じている。でも、汗を流してからにして、おねがい」
「シュワシュワは後のお楽しみに取っといて買い物に行こうか??」
男は車にあった下着などの着替えを持ってきたが勤め帰りの女にそんな用意があるわけもなく、泊りに必要なモノを買いに行こうと提案する。

「あなたが選んでくれる??」
「おう、オレの趣味で白い肌を飾ってあげるよと言いたいけど、下着売り場は遠慮しとくよ」
「あなたの選んだランジェリーを付けたいのになぁ……クククッ、イヤらしい。目がエロイよ。エッチなことを想像したでしょう……早く……はやく言っちゃいなよ。私に惚れているって…ねぇ、惚れているでしょう??」
「行くよ、帰ってきたら一緒に汗を流して、その後はこの肌を隅々まで舐めてしゃぶって、凸と凹を合体させる」
「クククッ、まだ、惚れたって言わないの??素直じゃないなぁ……でも、あなたに犯されるのが楽しみ…行こうよ、早く」

買ったばかりのトートバッグに下着やデニムパンツ、ケーブルニットセーターなどを入れ、早く帰りたいという気持ちを隠そうともせずに二人はホテルに向かう。

バスタブに湯を張る準備をした男は鼻歌交じりで衣服をハンガーに掛ける女を見つめる。
「言ったでしょう、私は後ろにも目があるの。ねぇ、まだ言わないの??それとも私の片想いなの??」
男は言葉を発することなく左手で女を抱き寄せて唇を合わせ、右手で腰から脇腹を擦り胸の膨らみに手を伸ばすと女の舌が這い出て宙で舞い踊り、絡み合う二人の舌と唇は出入りを繰り返して互いの想いを確認する。
「ハァハァッ、正直じゃない男は好きじゃ……アンッ、いやっ……ダメッ」
男は女の言葉を封じるために再び唇を合わせて衣服を脱がせ、下着に指を掛けると、ダメッと呟いて男の胸に顔を埋め、抗うことを放棄する。
素早く素っ裸になった男が再び女の下着に手を伸ばすと抵抗するどころか脱がされることに協力し、ハダカンボにされると上目遣いに見つめて顔を上気させる。

素っ裸の女を抱っこしたままバスタブに浸かった男伸ばした両足を跨ぐ格好の女が問いかける。
「ねぇ、ショップ店員さんに目隠しに使えるような布がないかって聞いたでしょう??本当はどう使う積りなの??」
「ベッドで可愛い子に使うに決まっているだろう……今更だけど名前を教えてくれる??」
「クククッ、本当に今更だよ。聞かれないし名乗るタイミングを失っちゃったし……エロイ男に教えてあげる。芹華、春の七草の芹に華やかと書くの、あなたは??」
「オレは健介……こんな格好だけど、私と付き合ってもらえませんか??自転車を探している芹華さんに一目惚れしました」
「やっと、惚れていると言ってくれた。返事は、あとでね。散々待たされたんだから、直ぐに応えてあげない」

芹華は言葉にしないものの、愛を確かめ合った二人は穏やかな気持ちで汗を流し互いの肌をまさぐり、唇を合わせてバスルームに入った時と同じように裸の芹華を抱っこしてベッドに向かう
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード